口角を上げる表情筋トレーニングは無駄だった!?最新医学で解明した効果的な体操と改善グッズを紹介

足指ドクターによる解説

YOSHIRO YUASA
湯浅慶朗

足指博士、足指研究所所長、日本足趾筋機能療法学会理事長、ハルメク靴開発者。元医療法人社団一般病院理事・副院長・診療部長。MRC認定歯科医院の顧問の経歴もあり。専門は運動生理学と解剖学。足と靴の専門家でもあり、姿勢咬合治療の第一人者でもある。様々な整形疾患の方(7万人以上)を足指治療だけで治してきた実績を持つ。

目次

はじめに

口角を上げることは、多くの人が健康的で若々しい印象を保つために意識していることです。しかし、従来の表情筋トレーニングが本当に効果的かどうかは議論の余地があります。最新の医学研究により、実際には他の方法がより効果的であることが示されています。本記事では、口角を上げるための従来の表情筋トレーニングの限界と、最新の研究で明らかにされた効果的な体操および改善グッズについて詳しく紹介します。

概要

口角を上げる従来の表情筋トレーニングの限界

従来の表情筋トレーニングは、顔の特定の筋肉を意識的に動かすことで、口角を上げることを目的としています。しかし、この方法にはいくつかの限界があります。

1.持続的な効果が乏しい:
短期間で結果が見られないことが多く、長期間続けるモチベーションが維持しにくい。

2.筋肉の過度な緊張:
過度に特定の筋肉を動かすことにより、逆に顔全体のバランスが崩れ、自然な表情が失われる可能性がある。

3.誤った方法による逆効果:
正しい方法で行わないと、シワやたるみが増えるリスクがある。

また、口角が下がる原因が「表情筋の衰え」「食べ物を噛む回数が少ない」「歯並びや口呼吸」としているものを多く見かけます。表情筋は確かに加齢により衰えていきますが、筋肉を鍛えても口角が上がらないという人も少なくありません。また、食べ物を噛む回数は無関係で、筋力があるから口角が上がることとは比例はしないのです。歯並びや口呼吸は間接的には関係あるものの、そもそも口呼吸や歯並びの悪さは「姿勢」に依存します。そのため、姿勢が悪ければ口角が下がり、口呼吸になって、歯並びが悪くなると考えたほうが良いと思います。これについてはまた別の記事で紹介したいと思います。

    足指の変形と姿勢の悪化がもたらす影響

    最新の研究では、顔の表情筋の動きが足指や姿勢の状態と密接に関係していることが明らかになっています1)2)。特に、足指の変形が姿勢の悪化を引き起こし、それがさらに口角の下がる原因となるメカニズムについて詳しく説明します。

    1. 足指の変形と重心の位置

    足指が変形すると、重心の位置がかかと寄りになり、さらに以下のような影響を及ぼします。

    親指の変形(外反母趾など):
    親指は足が内側に倒れないようにする役割があります。そのため、親指が変形したり、親指の機能不全が起こると、内側重心になりやすく、骨盤が前傾しやすくなります。

    小指の変形(内反小趾など):
    小指は足が外側に倒れないようにする役割があります。そのため、小指が変形したり、小指の機能不全が起こると、外側重心になりやすく、骨盤が後傾しやすくなります。

    人が立つ時の状態を、逆立ちに置き換えると分かりやすいです。逆立ちするとき、手の形はどうしますか?手の指を大きく広げ、まっすぐ伸ばしているはずです。手の指が閉じていたり、曲がっていたら、腕に力が入らなかったり、バランスが悪くなって逆立ちはできなくなります。

    手を「足」に置き換えると、手首は足首、ひじは膝、肩は股関節に当たります。足指がしっかり広がって伸びている状態であれば、最も無理のない体勢で、まっすぐにバランスよく立つことができるのです。  

    足元のバランスが悪くても、体は何とかバランスをとりながら立とうとします。しかし無理にバランスをとることで骨がゆがみ、それが結果として猫背や反り腰につながるのです。詳しくは以下の記事を参考にしてください。

    2. 骨盤の傾きと姿勢の悪化

    足指が変形すると、骨盤が前傾したり後傾したりして、以下のような姿勢の問題が生じます。

    猫背:
    骨盤の後傾により、背中が丸くなる猫背の姿勢が引き起こされます。

    反り腰:
    骨盤の前傾により、腰が反り返る反り腰の姿勢が引き起こされます。

    これらの姿勢の悪化は、最終的にストレートネック変形を引き起こします。

    ストレートネックとは?

    ストレートネックとは、通常は前方に自然なカーブを描くべき頸椎(首の骨)が真っ直ぐになってしまう状態を指します。このカーブ(頸椎の前弯)は、頭の重さを分散し、首や肩の筋肉にかかる負担を軽減する役割を果たしています。しかし、ストレートネックになると、このカーブが失われ、様々な問題が生じます。

    3. ストレートネックになると口角が下がるメカニズム

    ストレートネックは、頸椎(首の骨)の自然な前弯(カーブ)が失われ、首が真っ直ぐになってしまう状態を指します。この状態になると、首や肩の筋肉に過度な負担がかかり、様々な影響が生じます。特に、顔の表情筋に影響を与え、口角が下がる原因となります。下の写真を比較してみましょう。

    理想姿勢の時のあごの位置
    良い姿勢では筋肉はゆるい状態
    ストレートネック時のあごの位置
    ストレートネックになると筋肉は伸ばされる

    ストレートネックになると胸骨と下顎骨の距離が伸びます。距離がのびれば、胸骨〜下顎骨に付着している筋肉には「張力=引っ張る力」が働くようになります。本来であれば「ゆるい」状態の筋肉が、ストレートネックにより筋肉が引き伸ばされて、引き伸ばされた筋肉が「元の長さ」に戻ろうとする力が働くということです。

    姿勢自体が変わらないので、元に戻ろうとする力は表情筋を下方に引っ張り続け、結果として口角を下げてしまうことにつながるのです。ストレートネックになると、以下のようなメカニズムで口角が下がります。

    1.広頚筋の伸長:
    ストレートネックにより、首の前面に位置する広頚筋が過度に伸びます。広頚筋は下顎骨から胸骨にかけて伸びており、ストレートネックの状態ではこの筋肉が引っ張られます。

    2.口角下制筋・口唇下制筋への影響:
    広頚筋が過度に伸長されると、筋肉が正常な筋肉の長さに戻ろうとして、広頚筋に付着している口角下制筋および口唇下制筋も下方に引っ張られます。

    3.口輪筋・笑筋の影響:
    口角下制筋と口唇下制筋が下方に引っ張られることで、これらの筋肉に付着している口輪筋や笑筋も同様に下方に引っ張られます。口輪筋は口の周りを囲む筋肉で、笑筋は口角を引き上げる役割を持ちますが、下方に伸ばされることで口角を上げる力が弱まります。

      このようにして、ストレートネックは首の筋肉を通じて顔の表情筋に影響を与え、口角が自然と下がる状態を引き起こします。したがって、口角を上げるためには、ストレートネックを改善し、首や肩の筋肉のバランスを整えることが重要です。最終的に足指にたどり着くということです。

      あなたの足指はまっすぐですか?

      足指が曲がっていない人はほとんどいません。それは靴下や靴を履く文化になったことが大きな要因です。口角が下がっている人は、表情筋のトレーニングをする前に、自分の足指をチェックしてみてください。代表的な足指の変形には、次のようなものがあります。

      • 外反母趾(がいはんぼし)
      • 内反小指(ないはんしょうし)
      • 浮き指(うきゆび)
      • かがみ指(別名:ハンマートゥ)
      • 寝指(ねゆび)
      スクロールできます
      外反母趾
      内反小趾
      屈み指
      浮き指
      親指の浮き指
      寝指

      外反母趾は知っていても、「内反小指」や「浮き指」、「かがみ指」、「寝指」は聞いたことがない人が多いかもしれません。これらの足指の変形によって体のバランスを崩しています。足指をしっかりケアして、下がった口角を改善させていきましょう。足指の変形について詳しくは以下の記事を参考にしてください。

      姿勢改善のためのアプローチ

      姿勢を改善させるには体幹を鍛えるのではなく、足指を正しい形にすることが大切です。

      1.ひろのば体操

      ひろのば体操は、足指の変形を改善し、全身の姿勢を整えることを目的とした体操です。この体操は、特に足指の柔軟性を高め、正しい重心を取り戻すための動きを含んでいます。足指の健康を改善することで、全身のバランスが整い、姿勢の改善が期待できます。

      ひろのば体操のメカニズムと効果

      ひろのば体操が口角を上げるのに効果的である理由は、以下のメカニズムに基づいています。

      1.足指の変形改善:
      足指の変形(外反母趾や内反小趾など)は、重心の位置を不安定にし、骨盤の前傾や後傾を引き起こします。ひろのば体操により足指の柔軟性を高め、正常な位置に戻すことで、重心が正しい位置に保たれます。

      2.姿勢の改善:
      足指の変形が改善されると、骨盤の位置も安定します。これにより、骨盤の前傾や後傾が解消され、猫背や反り腰といった姿勢の問題が改善されます。姿勢が改善されると、ストレートネックも緩和され、首や肩の筋肉の緊張が減少します。

      3.筋張力のバランス:
      姿勢が改善されることで、広頚筋の過度な伸長が防がれます。広頚筋の張力が正常に戻ると、これに付着する口角下制筋や口唇下制筋の緊張も緩和されます。その結果、口角を下に引っ張る力が減少し、口角が自然と上がりやすくなります。

      ひろのば体操は、足指の変形を改善し、姿勢を整えることで、広頚筋や口角下制筋の緊張を緩和し、結果として口角を上げる効果があります。正しい姿勢と筋張力のバランスを保つことが、自然な笑顔を取り戻す鍵となるでしょう。

        ひろのば体操の正しいやり方

        2.YOSHIRO SOCKS

        足指の変形を改善し、正しい姿勢をサポートするための特殊な靴下です。足指が広がり、自然な歩行を促進します。YOSHIRO SOCKSを日常生活で履くことで、足指のストレッチ効果が得られ、体の重心が安定し、姿勢の改善が期待できます。

        YOSHIRO SOCKSが口角を上げるのに効果的である理由は、以下のメカニズムに基づいています。

        1.足指の変形予防:
        足指の変形(外反母趾や内反小趾など)は、重心の位置を不安定にし、骨盤の前傾や後傾を引き起こします。YOSHIRO SOCKSは、足指を正しい位置に保つことで、これらの変形を予防し、重心の位置を安定させます。

        2.正しい姿勢の維持:
        足指が正しい位置に保たれることで、重心のバランスが整い、骨盤の位置も安定します。これにより、骨盤の前傾や後傾が防がれ、猫背や反り腰といった姿勢の問題が改善されます。姿勢が改善されると、ストレートネックも緩和され、首や肩の筋肉の緊張が減少します。

        3.筋張力のバランス:
        姿勢が改善されることで、広頚筋の過度な伸長が防がれます。広頚筋の張力が正常に戻ると、これに付着する口角下制筋や口唇下制筋の緊張も緩和されます。その結果、口角を下に引っ張る力が減少し、口角が自然と上がりやすくなります。

        YOSHIRO SOCKSの効果(科学的根拠)

        1.足指の機能改善:

        外反母趾角

        開始時の外反母趾角は19.1°
        8週間後の外反母趾角は12.3°

        8週間目の平均値は、開始時と比べて、外反母趾角が6.8°改善。外反母趾角改善の作用が確認されました。

        ※開始前と8週間目の平均値の差
        ※グラフは臨床試験における平均値の推移
        ※結果には個人差があり、100%の結果を保証するものではありません。


        足指を広げることで、正しい足の使い方を促進し、体全体のバランスを改善します。これにより、姿勢が良くなり、ストレートネックが改善していきます。

        2.姿勢の改善:

        背筋力

        開始時の背筋力は71.6kg
        8週間後の背筋力は82.9kg

        8週間目の平均値は、開始時と比べて、背筋力が116%改善。姿勢の改善の作用が確認されました。

        ※40代女性の平均背筋力は80kg
        ※開始前と8週間目の平均値の差
        ※グラフは臨床試験における平均値の推移
        ※結果には個人差があり、100%の結果を保証するものではありません。


        足指の変形が改善されると、体の重心が正しく保たれ、猫背やストレートネックが改善します。姿勢が改善されることで、首やあごの位置が正しくなり、あご下の筋肉が本来の長さに戻ることで口角が上がります​。

        YOSHIRO SOCKSを使用することで、実際に多くの人が口角を上げることに成功しています。以下に、いくつかの具体例を紹介します。

        ケーススタディ:YOSHIRO SOCKSとひろのば体操で口角が上がった実例

        ケーススタディ1:Aさんの場合

        背景
        年齢・性別:30代女性
        職業:デスクワーク中心の会社員
        悩み:長時間のデスクワークにより、姿勢が悪化し、特に口角が下がりがちになっていました。これにより、顔全体が疲れて見え、表情が暗くなることが気になっていました。

        実践した対策
        YOSHIRO SOCKSの使用:Aさんは、足指の健康を保つために毎日YOSHIRO SOCKSを着用しました。特に長時間座っている際や外出時には必ず履くようにしました。

        ひろのば体操:Aさんは毎晩寝る前にひろのば体操を行うことを習慣化しました。足指のストレッチ、タオルグリップエクササイズ、足裏マッサージを取り入れました。

        経過と結果
        1ヶ月目
        最初の1ヶ月は大きな変化は見られませんでしたが、足指の柔軟性が徐々に向上し、足裏の感覚が改善されました。

        3ヶ月目
        3ヶ月後、姿勢が安定し始め、特にデスクワーク中の猫背が改善されました。Aさん自身も首や肩のこりが軽減されたことを感じました。

        6ヶ月目
        6ヶ月後には、ストレートネックが緩和され、広頚筋の緊張が大幅に減少しました。これに伴い、口角下制筋や口唇下制筋の緊張も解消され、口角が自然と上がるようになりました。周囲からも「表情が明るくなった」との声が増え、自身の顔つきに自信を持てるようになりました。

        ケーススタディ2:Bさんの場合

        背景

        • 年齢・性別:40代男性
        • 職業:営業職
        • 悩み:営業活動での長時間の歩行と立ち仕事により、足の外反母趾が悪化し、姿勢のバランスが崩れていました。また、首の痛みと口角が下がることが問題となっていました。

        実践した対策

        • YOSHIRO SOCKSの使用:Bさんは、仕事中や自宅でのリラックスタイムにYOSHIRO SOCKSを着用しました。足指の分離とサポートにより、歩行時の足の負担を軽減しました。
        • ひろのば体操:Bさんは毎朝と夜にひろのば体操を行うことをルーチンにしました。特に、足指の関節を柔軟にするストレッチと、足裏全体をほぐすマッサージを重点的に行いました。

        経過と結果

        • 1ヶ月目:1ヶ月目には、足指の痛みが軽減され、足全体の疲労感が減少しました。これにより、営業活動中の歩行が楽になりました。
        • 3ヶ月目:3ヶ月後、姿勢のバランスが整い、外反母趾の症状が改善されました。Bさん自身も首や肩のこりが軽減され、姿勢が改善されたことを実感しました。
        • 6ヶ月目:6ヶ月後には、ストレートネックが改善され、広頚筋の過度な緊張が解消されました。これに伴い、口角下制筋や口唇下制筋の緊張も和らぎ、口角が自然と上がるようになりました。顧客や同僚から「最近、表情が明るくなったね」との声が増え、営業成績にも良い影響が出ました。

        結論

        YOSHIRO SOCKSとひろのば体操は、足指の健康を保ち、全身の姿勢を改善することで、ストレートネックや筋張力のアンバランスを解消し、結果として口角を上げる効果があります。AさんとBさんのケーススタディからも分かるように、これらの方法を実践することで、自然な笑顔を取り戻し、自信を持つことができるようになります。

        参考文献

        1)Springate SD. A re-investigation of the relationship between head posture and craniofacial growth. Eur J Orthod. 2012;34:397-409.

        2)Mohammad Salsali (2023) Association between physical activity and body posture: a systematic review and meta-analysis, BMC Public Health, 23 (1)

        3)外反母趾の機能解剖学的病態把握と理学療法.湯浅慶朗.理学療法 第31巻 第2号 2014.2 P159-165

        4)『足指をそらすと健康になる』湯浅慶朗/著 PHP研究所 2014.6

        5)『たった5分の「足指つかみ」で腰も背中も一生まがらない!』湯浅慶朗/著 PHP研究所 2021.6

        湯浅慶朗
        足指博士(理学療法士)
        足指研究の第一人者。理学療法士。足指研究所所長。日本足趾筋機能療法学会理事長。ひろのば体操、YOSHIRO SOCKS、YOSHIRO INSOLE、ハルメク靴の開発者。東京大学や国際医療福祉大学で研究を行う。元医療法人社団一般病院理事・副院長・診療部長・通所リハビリテーションセンター長。著書多数。テレビ出演は『ガイアの夜明け』『NHKガッテン』『NHK BS 美と若さの新常識』『NHK サキどり』ほか多数出演、著書は『たった5分の「足指つかみ」で腰も背中も一生まがらない!』(PHP出版)など多数。

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