外反母趾の治し方|原因・症状・セルフチェック・最新治療法を紹介!

諦めないでください。外反母趾は自宅で自分で治せます。のべ6万人以上の足指を診てきた足指研究の第一人者である湯浅慶朗が、痛みの改善率80%以上を誇る方法を公開します。

外反母趾の角度を元に戻していくためにはそれなりの努力が必要です。しかし努力さえ怠らなければ下の写真の方々のように、足指がまっすぐになる可能性もあるのです。外反母趾の痛みや変形が治った方は私をはじめ、数え切れないほどたくさんいらっしゃいます。

外反母趾用の靴は必要はありません。外反母趾用の中敷も必要ありません。テーピングも必要ありません。手術も必要ありません。はっきり言いますが、そんなものは一切役に立ちません。必要なのは、外反母趾に対する正しい知識と技術だけです。

巷で言われている外反母趾の原因や対処法とは全く異なります。西洋医学の世界では外反母趾が治った症例はありません。手術による外反母趾の角度改善です。しかし手術をしても多くの場合1年以内に再発をします。無駄です。

私は19年間、結果の出るリハビリだけを追い求めて研究を続けてきました。まだ諦めるには早いと思います。希望と勇気を持ってこれから述べることを毎日一生懸命やってみてください。きっとカラダは応えてくれるはずです。

目次

外反母趾が治った方の症例

パンプスを履き続けても、外反母趾の痛みが消えた!

外反母趾を治したら、趣味だったゴルフがもう一度できるように!

歩くこともままならない足腰の痛みが解消! 外反母趾やO脚も改善!

歩くこともままならない足腰の痛みが解消! 外反母趾やO脚も改善!

ひろのば体操を実践!私は外反母趾の変形が治り、夫は足が疲れにくくなった

外反母趾を治したら、いつのまにか階段を軽快に降りていた

外反母趾の痛みに対する矯正靴下の科学的効果

外反母趾の痛みに対する理学療法による効果

外反母趾変形に対する矯正靴下の科学的効果

1. 足指への変化

YOSHIRO SOCKSは、足の筋力低下で起こる親指や小指の変形を、効率よく足裏の筋肉を使える状態にすることで予防していきます。日本人の9割が浮き指。足指でしっかりと地面をつかむことができる構造なので、無意識にふんばる力をアップさせ、同時に重心を中心に近づけていきます。

外反母趾角

開始時の外反母趾角は19.1°
8週間後の外反母趾角は12.3°

8週間目の平均値は、開始時と比べて、外反母趾角が6.8°改善。外反母趾角改善の作用が確認されました。

※3 開始前と8週間目の平均値の差
※グラフは臨床試験における平均値の推移
※結果には個人差があり、100%の結果を保証するものではありません。

外反母趾とは

外反母趾(hallux valgus)は、親指の付け根が外側に曲がってねじれを伴う有痛性の疾患です。外反母趾がある方は、外反母趾の角度が20°以上になり、痛みを訴えることで診断されることが多いです。

外反母趾は足部の疾患のうち最も発生頻度が高く、早いと3歳児から発症します。外反母趾の歴史はまだ浅く、足や靴の先進国であるヨーロッパで治療が始まったのは18世紀後半から。治療方法はたくさんありますが、手術だけでも100を超えています。

日本ではハイヒールが流行し始めた1965年ごろから女性のあいだで問題となりましたが、現在では女性だけでなく若い男性にもふえてきています。近年では、性別、体質、遺伝の問題だけではなく、生活習慣にも問題があると指摘され、外反母趾の正確な病態把握と理学療法評価が重要となっています。

外反母趾の痛みの原因

骨ではなく筋肉の問題

親指の付け根の痛みは、ほとんどの場合は靴紐がゆるいことによる「靴の中での足の滑り」が原因です。

靴の中で足指が滑ると「浮き指」や「かがみ指」という足指の変形が起こります。また「グー・チョキ・パー」といった足指の機能が低下し、靴の中で足をまっすぐに固定できなくなるのです。

そうなると靴の中で前滑りや横ぶれが起こるのですが、それを抑えるための機能がなくなるため親指の付け根部分が擦れて赤くなり、筋肉の炎症が起こるのです。

親指の痛みがある方はそこで幅が広い靴を買い直そうと考えるのですが、実はそれが逆効果だったりします。少し前までは痛みがなかったのですから、その靴が悪いわけではありません。まずは今履いている靴を工夫し、足指の機能や変形を改善させることが最優先なのです。

3つのアーチが正常であれば問題ない

では一体何が原因で親指の骨が曲がってしまうのか。ヒトの足には片足で合計で28個の骨から構成されています。これらの骨が強靭な靭帯や筋肉により連結され、体重をかけても形が崩れないようにできています。

健康なヒトの足は、これらの骨がアーチ状に積み重なって、立ったときに土踏まずの部分が地面から浮いた状態となっています。足のアーチは3つあり、どんな場所でもバランスよく立つためのカメラの3脚のような役割があります。

これは主に中足骨という骨をまっすぐの状態で保つために背側骨間筋の筋力が保持されていてはじめて骨同士に張力が働いて正しいアーチが形成されます。

ところが足指の筋群が機能不全により背側骨間筋の筋力が低下すると、中足骨同士を引っ張り合っている筋肉の張力が低下し、体重の重さで横に広がってしまい、横アーチが崩れて開帳足となります。

外反母趾の原因は筋力低下

健康なヒトの足は、これらの骨がアーチ状に積み重なって、立ったときに土踏まずの部分が地面から浮いた状態となっています。足のアーチは3つあり、どんな場所でもバランスよく立つためのカメラの3脚のような役割があります。

これは主に中足骨という骨をまっすぐの状態で保つために背側骨間筋の筋力が保持されていてはじめて骨同士に張力が働いて正しいアーチが形成されます。

筋力低下は足指変形が原因

ところが足指の筋群が機能不全(グー・チョキ・パーができない)や足指の変形(浮き指・かがみ指)により背側骨間筋の筋力が低下すると、中足骨同士を引っ張り合っている筋肉の張力が低下し、体重の重さで横に広がってしまい、横アーチが崩れて開帳足(かいちょうそく)となります。

母指外転筋(ぼしがいてんきん)という親指を外側に開くための筋力が強ければ親指の付け根の骨をまっすぐに保持できるので外反母趾にはなりにくいですが、ほとんどの場合は足指機能不全や足指変形によって筋力は低下している場合が多いです。

開帳足によって足の幅が横に広がると、小指の根元から親指の付け根に伸びている母指内転筋(ぼしないてんきん)という筋肉が伸ばされてしまい、伸ばされた筋肉は元に戻ろうとする力が働くので、親指を小指のほうへ曲げようとしてしまうのです。これが外反母趾の本当の原因なのです。

このメカニズムは2014年2月に理学療法ジャーナルに私の執筆した「外反母趾の機能解剖学的病態把握と理学療法」という特集記事が掲載されて以来、靴医学会や足の外科学会でも大きな反響を呼び、今ではこのメカニズムが医学の中では新たな原因として全国に広がっています

外反母趾を進行させる足指の機能不全

パー

足の指と指の間に、手の人差し指が入るくらいひらいていれば合格です。真横に一直線に並び、その状態を30秒以上キープできれば問題はありません。

グー

手の指のようにコブシができるくらいグーができますか?第3関節からしっかりと曲げることができれば合格です。

チョキ

足の指と指の間に、手の人差し指が入るくらいひらいていれば合格です。真横に一直線に並び、その状態を30秒以上キープできれば問題はありません。

外反母趾を悪化させる、その他の足指変形

親指の浮き指

真正面からスマホで足の写真を撮影してみましょう。親指の爪が見えにくくなっている場合は「浮き指」です。

その他の浮き指

スマホで横から足の写真を撮影してみましょう。足指が地面から離れている場合は「浮き指」です。

かがみ指

真正面から足を見て、爪の向きが下向きであれば「かがみ指」です。

外反母趾を治すストレッチ法、ひろのば体操をやってみよう!

ひろのば体操ってどんな体操?

「ひろのば体操」とは、足病医学に基づいて2008年に湯浅慶朗が考案・開発した、足指を広げて(=ひろ)伸ばす(=のば)、足指のバイオメカニクス・ストレッチのこと。足指を伸ばすことによって足部や体のバランスがよくなり、悪い症状が消えていきます。健康維持や病気予防が目的なら、左右の足を合わせて1日1回、5分もやれば効果があります(病気や症状の改善が目的の場合は、回数を増やすほど効果があらわれやすくなります)。驚くほどかんたんにできるので、まずは映像を見ながら実践してみましょう!やり方さえおぼえてしまえば、寝る前でも、お風呂の中でも、テレビを見ながらでも、いつでも、気軽にできる体操です。まずは、2週間を目標に続けてみてください。

STEP1 いす、または床の上に座り、片方の足を太ももの上に乗せる

・膝をなるべく倒す
・足首が上に反らないようにする
・ももの上にきちんと足の乗せる

・足の甲はしっかり反らせましょう
・足首が少し太ももから出るようにします

STEP2-1 足指の間に、手の指を入れる

・手指の根元に1本ずつ足指の先端を入れる
・足指の根元にすきまができるようにします

・手の根元に足指の先端だけが乗る感じです
・手の根元にぴったりと足指先を密着させる

STEP2-2 足指の間に、手の指を入れすぎないように

 OK

・足指が手の指から出ないくらいが理想です

 NG

・足指の根元まで手指を入れてしまうとうまく曲げられなくなります

STEP3 足指を入れた手を優しく握る

 OK

・足指の付け根より少し上に手がくるよう、優しく握る
・手の親指で足の親指を軽く押さえる

 NG

・手の指を足の付け根いっぱいまでさし込んでいると反らせにくい

STEP4 足指を甲のほうへ反らす

・優しく、ゆっくりと反らせる
・手の根元で足指先を押すようなイメージで
・足指の関節が90度になると理想的
(かたい場合には無理をしない)
・反らせたら5秒以上キープ
(かたい場合には30秒キープする)

・やさしく、ゆっくりと
・甲を伸ばすイメージで反らせていく
・手のひら全体で足裏を軽く押す
・反らせたら5秒以上キープ
(かたい場合には30秒キープ)

STEP5 STEP4を繰り返す

STEP4を繰り返し行ったら、逆の足も同じように反らせる。両足で最低5分ほどできればOK。かたい場合には片足10分ほど行うと効果的です。

自分で行うことが難しい場合には、誰かにやってもらいましょう。

ひろのば体操応用編

ひろのば体操のやり方冊子

矯正用5本指靴下 YOSHIRO SOCKS

ひろのば体操の効果を最大限に発揮するために足病医学に基づいて開発した、矯正用の5本指靴下「YOSHIRO SOCKS」を紹介します。

YOSHIRO SOCKSとの併用で足指がさらに広がりやすくなります

YOSHIRO SOCKSは理想の足形を常に再現する形状記憶構造をしています。YOSHIRO SOCKSを履く事で、ひろのば体操と同様の効果が常に得られます。足指の変形がひどい方や早く効果を得たい方には、ひろのば体操とYOSHIRO SOCKS の併用をおすすめします。

足指変形を改善する、矯正サポートソックス

最先端の繊維。最先端の構造。

足指専門の理学療法士として積み上げてきた足育に関する19年間の知識や経験を、この5本指靴下に凝縮しました。靴下を履くだけで足指を広げて伸ばし、人間本来の姿勢や運動能力に戻す。これだけを考えて、YOSHIRO SOCKS を開発しました。

靴下を履くだけで自然に足指が広がり
理想の足形に近づく形状記憶構造

足指変形の最大の原因である滑りを
極限まで軽減する特殊繊維採用

足指専門で実績のある理学療法士
湯浅慶朗が開発した画期的足育の5本指靴下

糸の生産から縫製・検品まで
こだわりの純日本製

目指したのは、
人間本来のまっすぐな足指

浮いた足指「浮き指」がしっかり接地する形状記憶構造

親指の変形(外反母趾)角度
素足
19.1 °
YOSHIRO SOCKS
12.3°
小指の変形(内反小趾)角度
素足
25.1 °
YOSHIRO SOCKS
5.3°
足指接着本数(浮き指の評価)
素足
5.6本
YOSHIRO SOCKS
8.1本

このように、YOSHIRO SOCKS は履くだけで、閉じた足指が自然と広がり、かがんだ足指「かがみ指」や浮いた足指「浮き指」がまっすぐになる特殊製法(特許申請中)で作られています。

YOSHIRO SOCKSの形状

YOSHIRO SOCKS は特殊製法(特許申請中)により、自然と足指が理想の形に広がり、その状態をキープする形状記憶構造になっています。

一般的な5本指靴下の形状

従来の5本指靴下は、土踏まずから足指の先までが直線的に編まれているので、矯正力はなく理想的な足に近づけることができません。

滑りにくい特殊繊維で、足指の変形を予防します。

屈み指(かがみゆび)の最大の原因、それは足の滑り。足が靴の中で滑ると、足指がブレーキをかけようとして屈んでいきます。足指が屈むと姿勢が悪くなっていき、体に負担がかかります。YOSHIRO SOCKSは耐滑性の高い繊維を編み込むことで、屈み指(かがみゆび)を予防します。

こだわりの、Made in Japan。時間はかかるけど、一足ずつ丁寧に。

日本の工場でホールガーメント®機(島精機)という無縫製機で生産しています。1足あたりの縫製時間はなんと20分(一般的な靴下編み機の約5倍)。仕上げから梱包、検品、発送まで、徹底して日本製にこだわっています。

yoshiro socks

YOSHIRO SOCKS

価格:3,850円(税込)

カラー:ホワイト・グレーの2色

サイズ:S・M・Lの3サイズ

靴下の履き方動画

靴の選び方

基本的には靴を履かなければ歩き方が悪くなることがありません。裸足は正しい歩き方が無意識でできるため外反母趾の改善は早いのですが、現代社会では靴を履く文化なので、ここでは外反母趾の改善のための紐靴の選び方を紹介します。

足指が靴の中で機能的に動くか

足指の変形に大きく関わっているのが靴です。YOSHIRO STUDIOの場合、靴選びの基準は「足指が靴の中で機能的に動かせるか」です。きゅっと締め付けて足指が動かせない状態が続けば、足全体の筋力が低下。開帳足や外反母趾、扁平足の原因になり、さまざまな全身の症状を引き起こします。

靴の中で素足の状態をつくれるのが理想的です。ただ、ぶかぶかでは靴の中で滑る足を踏ん張ろうとして足指が曲がります。足を地面からしっかり保護しつつ、指の機能を妨げない靴選びのポイントを紹介します。

ハトメは五つ以上

靴ひもには靴と足を一体化させるテーピングの役割があります。ハトメ(ひもを通す穴)が多いほど足が靴の中で滑りにくくなり、指を曲げない環境を作れます。点で支える丸ひもより、面で支える平ひもで固定した方が足が安定します。

かかとが固い

靴のかかと(ヒールカウンター)には椅子の背もたれと同じ役割があります。背もたれのない車で運転したら体はすぐに疲れます。同様に、ヒールカウンターで手で押してもつぶれないくらいの固さがあれば、足のかかとの骨を靴の中で支えられるため、靴の中で足が安定します。横ぶれも少なくなり、指が曲がりにくくなります。

ねじれない

歩くときは、体重の2〜3倍の負荷が靴にかかります。柔らかい靴は、こんにゃくの上に足を乗せるようなもの。底に靴のねじれを防ぐ「シャンク」と呼ばれる強い芯があるものがオススメです。

中敷から足指がはみ出していない

中敷を取り出し、足の乗せてみます。指がはみ出していたら靴の中で窮屈になっているので、ハイヒールを履いているのと同じ状態です。

靴のサイズは足長+1cmが基本です

靴の中で足指が自由に動くためには、指先の余り(捨て寸)が1センチ以上は必要です。立った状態で左右の足の長さを測り、長い方の足に合わせて靴を選んでいきます。指先と中敷の先端までに人差し指の横幅くらいの余りがあれば大丈夫です。なお、足指のケアを行うと足長が伸びたり縮んだりしていきますので、半年おきに再計測を行うことをお勧めします。

定期的な靴の買い替えを

靴は基本的にかかとが命ですから、どんなに良い靴でもかかとを踏んでしまったり靴底がすり減ってしまったら寿命です。靴の状態が体の状態を表現していますから、劣化しすぎると体にも大きな負担をかけてしまいます。かかとの補修ができない靴の場合は、半年〜1年に一度の買い替えをお勧めします。ただ、正しい靴を選んでも履き方が悪いと期待した効果は得られません。

湯浅慶朗のオススメの靴

ウォーキングシューズ

ハルメク
シンプルソフトスニーカー

足の矯正を目的としてNB1400・990シリーズを超える靴を追い求めて、湯浅慶朗とハルメクが共同開発したオリジナルシューズ。ただの履きやすい靴ではないところが、市販されている靴との違いです。特許取得したYOSHIRO INSOLEが標準で入っているのもコスパの良いところ。まるで雲の上を歩いているような感覚です。

2023年の9月には、湯浅慶朗が設計・素材を全て見直し、製造までを全てに携わったフラッグシップのYOSHIRO MODELが登場します。

仕事用パンプス

Fit Partner

BMZが走れるパンプスとしてキャビンアテンド向けに開発したフィットパートナーは、長時間の立ち仕事や長距離歩行でも疲れにくいのが特徴。

Fit Partnerのサイト

ビジネスシューズ

SPH4501WSR

月星が誇る日本最高峰のハンドメイドのビジネスシューズ。かかとの補修を繰り返していけば1足で10年愛用できるほどで、長時間歩行でも全く疲れません。

ムーンスターのサイト

湯浅慶朗の好きな靴

ウォーキングシューズ

New Balance 990

30万円のオーダーシューズでも敵わない履き心地は、NBのテクノロジーの歴史とコンセプトの集大成。M1400やM2040でもこの靴の醍醐味に勝ることはありません。男性用シューズとしては最高峰に位置します。

NB990のサイト

パンプス

LOUIS VUITTON

言わずと知れたLOUIS VUITTONですが、あまり知られていないのはアジア向けの木型でパンプスが作られていること。足指が強化されればこれほどまでに履きやすいヒールはない。

LOUIS VUITTONのサイト

ビジネスシューズ

TANINO CRISCI

知る人ぞ知る名門TANINO CRISCIはパンプスもブーツもフィット感がとても素晴らしかったです。残念ながら2011年に販売が終了し、今では手に入れることができなくなっています。

靴紐の通し方

靴ひもには、大きく分けて丸ひもと平ひもがあります。丸ひもは点、平ひもは面で甲を押さえるため、締めると平ひもの方が安定します。材質には化学繊維と純綿があります。化繊は伸縮性がある反面、固定する力は弱くなります。伸びにくい純綿は固定する力が持続し、耐久性が増します。というわけで、私が使うのは特製の純綿です。

靴ひもは、骨と骨をつなぐ靭帯のようなもの。靴ひもが伸びると、靴の中で足をしっかりと固定できずに足が滑り、指の変形を招きます。なので、外反母趾の人は、靴ひもが伸びる前(1〜3ヶ月おき)の交換をお勧めしています。

ひもは立った状態でしめる

結び方はいろいろありますが、今回はウォーキングのための「オーバーラップ法」を紹介します。ハト目(靴の紐穴)の表面から裏面に通すやり方です。最後の足首に近いハト目は、裏面から表面に通します。できるだけ左右均等になるように注意しながら結びます。結ぶ際は、立った状態(体重をかけた状態であれば座っていても大丈夫)で誰かに締めてもらうのが理想ですが、一人だったら最後のハト目だけでもしっかりと締めてください。

中敷の作り方

豚皮で靴の中での滑りを防ぐ

化繊や高級で見た目の良いツルツルした革は、インソールに不向きです。一度自分の靴の中に入っている中敷を取り出してみましょう。靴下を履いて中敷の上で足を滑らせてみてください。裸足で床を滑らせるくらいに滑りにくければ問題ありませんが、ほとんどの場合はスルスル滑るのがわかるかと思います。人の肌に最も近いとされる豚皮の表皮の場合、シボと呼ばれる肌目があり、ほどよい摩擦が生まれて特に滑りにくいのです。足の滑りは指の変形を招き、開帳足や外反母趾の原因になりますから、滑りを防ぐことは外反母趾の改善には大切です。もちろんインソールそのものの形状も足裏を支えるのに重要です。ただ、その表面素材にまで心を配るとより良いものになります。

豚皮インソールの作り方

こちらの動画では豚皮を使ったインソールのカスタマイズ方法について説明しています。ご参考になれば幸いです。

定期的な交換を

豚皮も使い続けると表面がツルツルして足が徐々に滑るようになります。できれば6ヶ月に1度は豚皮を張り替えるようにしてみてください。豚皮のおもて面とうら面がありますが、基本的にどちらを表面にしても構いません。スエード面は起毛しているので滑り止め効果は非常に高いのですが、靴を履くときに履きにくくなるため、靴の履き口が広ければスエード面を表面にすることをおススメします。

歩き方

わらじでかかとを着けない歩き方は足指を使います。一方、大股のかかと着地は足指を使いません。そのため、脚のゆがみも大きくなりがちです。靴底の外側が減っていたら、その傾向があると思ってください。仕事上、そう言った歩き方をしないといけない場合、1日の最後に歯磨きの感覚で小股歩きをしてください。

小股歩きの癖をつけるには、まず後ろ向きに歩いてみること。自然と歩幅が小さくなり、足指を使って床を蹴って歩く感覚がつかめたら、そのままの歩幅と速さで前向きに歩きます。それが小股歩きを体に覚えさせる秘訣です。

着物を着て、膝下を使って歩くような感覚といえば分かるでしょうか。もしくは家の中でフローリングの音がしないように歩いてみてください。自然と小またで足裏全体を使った歩き方になるはずです。その歩き方を毎日5分続けると、自然と足裏の筋肉がつき、歩くバランスが改善。健康ですてきな歩き方になりますよ。

小股で足裏全体を使って

人の体は足指を使って歩くことで全身の正しい筋肉を使う(前後左右に均等に筋肉を使う)ことができますが、靴や靴下、歩き方などによってその機能が発揮できにくくなっています。これまで歩くことで膝・腰を悪くしてきた方もいらっしゃると思いますが、それは足指を曲げて歩いていたからです。足指を広げて歩けば歩くことで体のゆがみが良くなるということを、実感していただければと思います。

8000歩を目標に

のべ6万人の方を診てきましたが、外反母趾を治すための歩数は1日6000歩がボーダーラインです。8000歩であれば比較的速く改善していきます。外反母趾の原因は筋力の低下による開帳足なので、足の筋力をつけていかなければ改善することはありません。1日の生活の中でなるべく歩数を確保する工夫をしてみてください。室内での歩数は足指の使い方が違うため換算されないものと考えてください。

参考文献

1)Bunions. American Academy of Orthopaedic Surgeons. https://orthoinfo.aaos.org/en/diseases–conditions/bunions. Accessed Aug. 12, 2019.
2)Bunions. American Podiatric Medical Association. https://www.apma.org/bunions. Accessed Aug. 12, 2019.
3)Ferrari J. Hallux valgus deformity (bunion). https://www.uptodate.com/contents/search. Accessed Aug. 11, 2019.
4)Azar FM, et al. Disorders of the hallux: Hallux valgus (bunion). In: Campbell’s Operative Orthopaedics. 13th ed. Elsevier; 2017. https://www.clinicalkey.com. Accessed Aug. 30, 2019.
5)Ellman MG (expert opinion). Mayo Clinic. Sept. 27, 2019.
6)Bunion surgery. American Academy of Orthopaedic Surgeons. https://orthoinfo.aaos.org/en/treatment/bunion-surgery/.Accessed Aug. 12, 2019.
7)Chou, LB, ed. Hallux valgus. In: Orthopaedic Knowledge Update: Foot and Ankle 6. American Academy of Orthopaedic Surgeons; 2020.
8)Nix S, Smith M, Vicenzino B: Prevalence of hallux valgus in the general population: a systematic review and meta-analysis. J Foot Ankle Res. 3, 21, 2010.
9)Menz HB, Roddy E, Thomas E, Croft PR: Impact of hallux valgus severity on general and foot-specific health-related quality of life. Arthritis Care Res (Hoboken). 63(3), 396–404, 2011.
10)Nguyen US, Hillstrom HJ, Li W, Dufour AB, Kiel DP, Procter-Gray E, et al.: Factors associated with hallux valgus in a population-based study of older women and men: the MOBILIZE Boston Study. Osteoarthritis Cartilage. 18(1), 41–46, 2010.
11)King DM, Toolan BC: Associated deformities and hypermobility in hallux valgus: an investigation with weightbearing radiographs. Foot Ankle Int. 25(4), 251–255, 2004.
12)Roddy E, Zhang W, Doherty M: Prevalence and associations of hallux valgus in a primary care population. Arthritis Rheum. 59(6), 857–862, 2008.
13)Zeidan H, Ryo E, Suzuki Y, Iijima H, Kajiwara Y, Harada K, et al.: Detailed analysis of the transverse arch of hallux valgus feet with and without pain using weightbearing ultrasound imaging and precise force sensors. PLoS ONE. 15(1), e0226914, 2020.
14)Nishimura A, Fukuda A, Nakazora S, Uchida A, Sudo A, Kato K, et al.: Prevalence of hallux valgus and risk factors among Japanese community dwellers. J Orthop Sci. 19(2), 257–262, 2014.
15)Menz HB, Morris ME: Footwear characteristics and foot problems in older people. Gerontology. 51(5), 346–351, 2005.
16)Galica AM, Hagedorn TJ, Dufour AB, Riskowski JL, Hillstrom HJ, Casey VA, et al.: Hallux valgus and plantar pressure loading: the Framingham foot study. J Foot Ankle Res. 6(1), 42, 2013.
17)Miller JW: Distal first metatarsal displacement osteotomy. Its place in the schema of bunion surgery. J Bone Joint Surg Am. 56(5), 923–931, 1974.
18)Schneider W, Csepan R, Knahr K: Reproducibility of the radiographic metatarsophalangeal angle in hallux surgery. J Bone Joint Surg Am. 85(3), 494–499, 2003.
19)Saltzman CL, Brandser EA, Berbaum KS, DeGnore L, Holmes JR, Katcherian DA, et al.: Reliability of standard foot radiographic measurements. Foot Ankle Int. 15(12), 661–665, 1994.
20)Aster AS, Forster MC, Rajan RA, Patel KJ, Asirvatham R, Gillies C: Radiographic pre-operative assessment in hallux valgus: is it reliable? Foot. 14(3), 129–132, 2004.
21)Talbot KD, Saltzman CL: Assessing sesamoid subluxation: how good is the AP radiograph? Foot Ankle Int. 19(8), 547–554, 1998.
22)Kimura T, Kubota M, Taguchi T, Suzuki N, Hattori A, Marumo K: Evaluation of first-ray mobility in patients with hallux valgus using weight-bearing CT and a 3-D analysis system: A comparison with normal feet. J Bone Joint Surg Am. 99(3), 247–255, 2017.
23)Kido M, Ikoma K, Hara Y, Imai K, Maki M, Ikeda T, et al.: Effect of therapeutic insoles on the medial longitudinal arch in patients with flatfoot deformity: a three-dimensional loading computed tomography study. Clin Biomech (Bristol Avon). 29(10), 1095–1098, 2014.
24)Klein C, Groll-Knapp E, Kundi M, Kinz W: Increased hallux angle in children and its association with insufficient length of footwear: a community based cross-sectional study. BMC Musculoskelet Disord. 10, 159, 2009.
25)Okuda H, Juman S, Ueda A, Miki T, Shima M: Factors related to prevalence of hallux valgus in female university students: A cross-sectional study. J Epidemiol. 24(3), 200–208, 2014.
26)Dayton P, Feilmeier M, Kauwe M, Hirschi J: Relationship of frontal plane rotation of first metatarsal to proximal articular set angle and hallux alignment in patients undergoing tarsometatarsal arthrodesis for hallux abducto valgus: a case series and critical review of the literature. J Foot Ankle Surg. 52(3), 348–354, 2013.
27)Van Boerum DH, Sangeorzan BJ: Biomechanics and pathophysiology of flat foot. Foot Ankle Clin. 8(3), 419–430, 2003.
28)Geng X, Wang C, Ma X, Wang X, Huang J, Zhang C, et al.: Mobility of the first metatarsal-cuneiform joint in patients with and without hallux valgus: in vivo three-dimensional analysis using computerized tomography scan. J Orthop Surg Res. 10, 140, 2015.
29)Telfer S, Woodburn J: The use of 3D surface scanning for the measurement and assessment of the human foot. J Foot Ankle Res. 3, 19, 2010.
30)Stanković K, Booth BG, Danckaers F, Burg F, Vermaelen P, Duerinck S, et al.: Three-dimensional quantitative analysis of healthy foot shape: a proof of concept study. J Foot Ankle Res. 11, 8, 2018.
31)Yamashita T, Yamashita K, Sato M, Kawasumi M, Ata S: Foot-surface-structure analysis using a smartphone-based 3D foot scanner. Med Eng Phys. 95, 90–96, 2021.
32)Yamashita K, Yamashita T, Sato M, Kawasumi M, Takase Y: Development of a quantitative measurement system for three-dimensional analysis of foot morphology using a smartphone. Annu Int Conf IEEE Eng Med Biol Soc. 2019, 3171–3174, 2019.
33)Pope M, Chinn L, Mullineaux D, McKeon PO, Drewes L, Hertel J: Spatial postural control alterations with chronic ankle instability. Gait Posture. 34(2), 154–158, 2011.
34)Cruz EP, Wagner FV, Henning C, Sanhudo JAV, Pagnussato F, Galia CR: Does hallux valgus exhibit a deformity inherent to the first metatarsal bone? J Foot Ankle Surg. 58(6), 1210–1214, 2019.
35)Randich JR, John KJ, Gomez K, Bush WJ: Frontal plane rotation of the first ray in hallux valgus using standing computerized tomography (CT). J Foot Ankle Surg. 60(3), 489–493, 2021.
36)Mortier JP, Bernard JL, Maestro M: Axial rotation of the first metatarsal head in a normal population and hallux valgus patients. Orthop Traumatol Surg Res. 98(6), 677–683, 2012.
37)Griffin NL, Miller C, Schmitt D, D’Août K: An investigation of the dynamic relationship between navicular drop and first metatarsophalangeal joint dorsal excursion. J Anat. 222(6), 598–607, 2013.
38)Bliss J, Albert S, Nithyananth M: Lisfranc fracture dislocation: a review. J Foot Ankle Surg (Asia Pacific). 10, 234–241, 2022.
39)Conti MS, Patel TJ, Zhu J, Elliott AJ, Conti SF, Ellis SJ: Association of first metatarsal pronation correction with patient-reported outcomes and recurrence rates in hallux valgus. Foot Ankle Int. 43(3), 309–320, 2022.
40)Siddiqui NA, Galizia MS, Almusa E, Omar IM: Evaluation of the tarsometatarsal joint using conventional radiography, CT, and MR imaging. Radiographics. 34(2), 514–531, 2014.
41)Myerson MS: Adult acquired flatfoot deformity: treatment of dysfunction of the posterior tibial tendon. Instr Course Lect. 46, 393–405, 1997.
42)Puszczałowska-Lizis E, Dąbrowiecki D, Jandziś S, Żak M: Foot deformities in women are associated with wearing high-heeled shoes. Med Sci Monit. 25, 7746–7754, 2019.
43)Koller U, Willegger M, Windhager R, Wanivenhaus A, Trnka HJ, Schuh R: Plantar pressure characteristics in hallux valgus feet. J Orthop Res. 32(12), 1688–1693, 2014.
44)Dayton P, Feilmeier M, Kauwe M, Holmes C, McArdle A, Coleman N: Observed changes in radiographic measurements of the first ray after frontal and transverse plane rotation of the hallux: does the hallux drive the metatarsal in a bunion deformity? J Foot Ankle Surg. 53(5), 584–587, 2014.
45)Coughlin MJ: Hallux valgus. Causes, evaluation, and treatment. Postgrad Med. 75(5), 174–178, 183, 186–187, 1984.
46)Kudou S, Hamajima K, Kaneiwa J, Hatanaka Y: Reliability of the transverse arch of the forefoot as an indicator of foot conditions. J Phys Ther Sci. 24(4), 335–337, 2012.

湯浅慶朗
足指博士(理学療法士)
足指研究の第一人者。足指研究所所長。日本足趾筋機能療法学会理事長。ひろのば体操、YOSHIRO SOCKS、YOSHIRO INSOLE、ハルメク靴の開発者。東京大学や国際医療福祉大学で研究を行う。元医療法人社団一般病院理事・副院長・診療部長・通所リハビリテーションセンター長。テレビ出演は『ガイアの夜明け』『NHKガッテン』『NHK BS 美と若さの新常識』『NHK サキどり』ほか多数出演、著書は『たった5分の「足指つかみ」で腰も背中も一生まがらない!』(PHP出版)など著書多数。ハルメクとオシャレな矯正靴を共同開発しています。
目次
error: Content is protected !!