屈み指(かがみゆび:ハンマートゥ)とは?
屈み指(かがみゆび)は別名ハンマートゥとも言います。足指が真っ直ぐではなく、下向きに曲がったままの状態をいいます。 足の指も第1関節と第2関節がありますが、屈み指(かがみゆび:ハンマートゥ)は第2関節が曲がったままとなります。爪の向きを見ると非常にわかりやすいですが、真上からの観察すると親指とは爪の向きが違うことがわかると思います。 手の指と同様、足の指も床に対して平行になっていることが正常です。
YOSHIRO STUDIOで行う屈み指(ハンマートゥ)の治療は、痛みを伴うこともなく、日常生活の制限などもございません。通常の靴を履きながらセルフケアで改善して行くようにアドバイスを行なっていきます。痛みを伴う場合には、AKA療法を併用しながら早期に痛みが取れるように治療を行なっていきます。
屈み指が治った!改善例の紹介
屈み指(ハンマートゥ)のセルフチェック
屈み指(かがみゆび:ハンマートゥ)の場合、足指先がタコのように硬くなっていたり、第2関節の上の部分にタコやマメができています。第2関節の上の部分が黒ずんでいる方も同様です。普段は真っ直ぐでも「隠れかがみ指」という方が多いのですが、これは足に体重をかけてみると分かりやすいです。例えば立った状態で少し体を前かがみにします。もしくは誰かと一緒に行います。体をまっすぐにさせて踵を浮かせないようにし、そのまま体重を前方に移動させてみましょう。その時に足指がギュッと曲がると隠れかがみ指と言います。
屈み指のセルフチェック
通常の屈み指であれば、立った状態、もしくは座った状態で、ご自身で足を確認すると判別ができます。スマホなどで足の正面から写真を撮影してもらうことでより明確に判別することができます。
指が下向きの屈み指
足指の根っこから曲がっている
爪だけが下向きの屈み指
足指の先端だけが曲がっている
かくれ屈み指のセルフチェック
向かい合わせで体をまっすぐにします
普通に立っているときに足指は真っ直ぐだと思います
踵を浮かせないように体重を前方へ移動させます
体重がかかるとギュッと曲げてしまう。これが「隠れかがみ指」と言います。
屈み指の割合
これまで1万人以上の患者様を見てきて約80%以上の方に屈み指があり、隠れ屈み指はそれをはるかに上回ります。歩くとき片足に体重がかかった時だけ足指を曲げる隠れ屈み指は、普段立っているときは真っ直ぐに伸びているので気がつかない方が多いです。保育園調査でも86〜100%の子供に屈み指が確認されたことを考えると、大人の場合にはかなり多いことが推測されるのではないでしょうか。
屈み指になるとどうなる?
初期症状
初期の段階では、つま先があがりにくくなるため、つまづきやすくなったり、転びやすくなることなどが挙げられます。最近では高齢者が転倒して大腿骨を骨折するだけでなく、転倒して前歯を折ってしまう子供が増えていることが社会問題となっています。
ご自身で実験をするとわかりやすいと思います。まずは立った状態で、足指をまっすぐに伸ばすつもりで、踵をつけた状態でつま先だけを上にあげてみてください。通常であれば20度程度上がります。
今度は「屈み指」の状態を作ってみましょう。足指先を曲げて、先ほどと同じようにつま先をあげてみましょう。すると、先ほどのようにつま先が上がりにくくなることが分かるかと思います。これが転倒につながる原因になります。
足指を曲げた状態で、ジャンプ・走る・歩くなども行ってみてください。普通には飛べなかったり、走れないことが分かると思います。ちょっとした変化が実は運動能力の低下を引き起こす原因にもなるのです。
重篤な症状
屈み指が進行すると、立った時に「踵重心」になります。そうなると踵だけでバランスをとるような形になるので、上体を反らせたり(反り腰)曲げたりして(猫背)バランスを取ろうとします。姿勢反射とか立ち直り反応と呼ばれる体に備わった機能の一つです。その状態が慢性的に続くと背中や腰の筋肉が過緊張を起こしたままとなるので、腰痛や首こり、肩こりを起こすようになります。ストレートネックと呼ばれるものもこれが原因です。
詳しくは下記のページを参照してください。
屈み指の危険因子
スリッパ・サンダル・ぞうり・下駄・長靴・クロックスを日常的に履いている人は「屈み指」になる確率が非常に高くなります。紐靴を履いていても、靴ひもを緩めにして履いていたり、大股で歩いたり、ストッキングや滑りやすい素材の靴下を履く人も、屈み指になりやすいので要注意です。
屈み指(ハンマートゥ)の原因
ハンマートゥとクロートゥには複数の原因があります。ハンマートゥは、ハイヒールや足に対して短すぎる、または幅が狭すぎる靴など、足の指が曲がった状態になる可能性がある、フィット感の悪い靴を履くことによって頻繁に発生します。足の指を曲げた状態を長時間続けると、足の指の筋肉が短縮し、ハンマートゥ変形を引き起こす可能性があります。これは、外反母趾やその他の足の問題と関連して見られることがよくあります(たとえば、外反母趾により親指が内側に曲がり、他の足の指が押されるなど)。
足の指の筋肉はペアで働きます。一方向に引っ張る筋肉が他の方向に引っ張る筋肉よりもはるかに弱い場合、アンバランスによりつま先が曲がる可能性があります。曲がりが持続する場合、腱や靱帯が緊張するため(伸ばさなければ)、半永久的に足指が曲がったままになる可能性があります。足に合わない靴は特につま先のバランスを崩しやすくなります。
ほとんどの場合、サイズが大きすぎる靴(スニーカーやパンプス)や紐が緩いな ど履物の中での「滑り」が原因です。また、スリッパ、つっかけ、長靴、下駄、草履、サンダルなど、足と履物を固定するものがないものを履き続けることでも起こります。 足が靴の中で滑ってしまうと、しっかりと地面を踏みしめるために不必要に足指を屈めてしまうことにあります。なるべく家の中ではスリッパを脱いで、靴下も履かないようにしましょう。
しっかり締めていないマジックテープでは、足と靴が固定されないため、歩くたびに靴の中で足が滑り、かがみ指を誘発します。靴紐やマジックテープがついている場合には、しっかりと締めるように心がけましょう。
屈み指による重篤な症状と改善例
屈み指による「パーキンソン症候群+変形性腰椎症」
屈み指による「椎間板ヘルニア」
椎間板ヘルニアの人は「屈み指」が多い
ひろのば体操とYOSHIRO SOCKSで「かがみ指」が改善
かがみ指が改善すると姿勢が良くなる
屈み指による「変形性腰椎症+変形性膝関節症」
ひろのば体操とYOSHIRO SOCKSで足指変形が改善
足指変形が改善すると姿勢が良くなる
屈み指による「猫背」
屈み指による「猫背+ひざ痛」
屈み指による「猫背+ひざ痛」
屈み指による「原因不明の足の痛み」
屈み指による「猫背+椎間板ヘルニア」
治療法
一般的な病院での治療法
ハンマートゥの症状の一部を軽減するために、おおよそ次のことを提案されます。
- つま先から少なくとも 0.5cmゆとりのある、ゆったりとした靴を履く
→+1.0cmでないと解決しません。 - 痛みを軽減するためにつま先の位置を変える靴内のインソールまたはパッド
→インソールやパッドでは解決しません - 足の指を伸ばして強化する特別なエクササイズ
→タオルギャザリングが主ですが、逆効果になります。 - つま先をテーピングまたは副木で固定して真っ直ぐにする
→効果は低く、見た目の問題があります。 - 痛みや腫れを軽減するためにつま先にアイスパックを貼る
→一時的な痛みや腫れの軽減には効果があります。 - 痛みや腫れを抑えるイブプロフェンやナプロキセンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)
→一時的な炎症を抑えるのには効果があります。 - 重度の腫れまたは痛みを伴う足指関節へのステロイド注射
→根本的な改善策ではないので、繰り返しの治療になります。
ハンマートゥが重度の場合は、矯正するために手術を受けることがあります。痛みが悪化している場合、つま先が非常に硬い場合、手術になる可能性があります。 手術にはいくつかの選択肢があります。
①関節形成術:曲がった足の指の下にある関節の半分を取り出し、平らになるようにします。
②関節固定術:曲がった足の指の下の関節全体を取り出し、ワイヤーを挿入して治癒するにつれてまっすぐにする。
③腱の転移:つま先の下の腱をつま先の上部に取り付けて、つま先をまっすぐにします。
④基節骨切除術:ハンマートゥの下の骨の根元を切除します。
どれも痛々しい方法で、手術をすると元に戻せないことや、見た目はまっすぐでも足指の機能を取り戻したことにはならないので、姿勢に問題や膝腰の問題を解決できるわけではありません。そのため、手術をする前に簡単なエクササイズを行ったり、矯正ソックスを使用することで改善させる方が体にとっての負担は少なくて済みます。
最もカンタンな屈み指の治療方法
私が推奨しているのは、後ほど詳しく説明しますが、「ひろのば体操」です。1日1回5分間行うだけでも改善していきます。上記のような手術やステロイド注射などは必要なく、インソールやテーピングも必要としません。屈み指が改善すると転びにくくなる以外にも、姿勢が良くなり腰痛やひざ痛が改善していきます。それでも変化に乏しい場合には、筋肉だけでなく、関節自体が硬くなっている可能性が高いので、足指を矯正するため靴下(YOSHIRO SOCKS)を併用すると効果的です。
特に脳卒中やパーキンソン病などの中枢神経疾患の方の場合には、かがみ指が進行して関節の拘縮を起こすと改善に数年の時間を要する場合があるので、早めの対処が必要です。
ひろのば体操とは?
「ひろのば体操」とは、足指を広げて(=ひろ)伸ばす(=のば)、足指と足のストレッチのこと。左右の足を合わせて1日1回、5分もやれば、屈み指に効果があります。驚くほどかんたんにできるので、まずは映像を見ながら実践してみましょう!やり方さえおぼえてしまえば、寝る前でも、お風呂の中でも、テレビを見ながらでも、いつでも、気軽にできる体操です。まずは、3ヶ月を目標に続けてみてください。
ひろのば体操をやってみよう!
足指がひらかない人は長めに
足指のパーができない、足指の変形がひどい場合には1日30分を目安に頑張ってみましょう。ひろのば体操の直後が足の筋肉が柔らかいので「パー」の練習をすると効果的です。まずは30秒間の「パー」が綺麗にできることを目標にやってみてください。
STEP1 いす、または床の上に座り、片方の足を太ももの上に乗せる
・膝をなるべく倒す
・足首が上に反らないようにする
・ももの上にきちんと足の乗せる
・足の甲はしっかり反らせましょう
・足首が少し太ももから出るようにします
STEP2-1 足指の間に、手の指を入れる
・手指の根元に、1本ずつ足指の先端を入れていきます
・足指の根元にすきまができるようにします
・手の根元に足指の先端だけが乗るような感じです
・手の根元にぴったりと足指先を密着させましょう
STEP2-2 足指の間に、手の指を入れすぎないように
OK
・足指が手の指から出ないくらいが理想です
NG
・足指の根元まで手指を入れてしまうとうまく曲げられなくなります
STEP3 足指を入れた手を優しく握る
OK
・足指の付け根より少し上に手がくるよう、優しく握る
・手の親指で足の親指を軽く押さえる
NG
・手の指を足の付け根いっぱいまでさし込んでいると反らせにくい
STEP4 足指を甲のほうへ反らす
・優しく、ゆっくりと反らせる
・手の根元で足指先を押すようなイメージで
・足指の関節が90度になると理想的
(かたい場合には無理をしない)
・反らせたら5秒以上キープ
(かたい場合には30秒キープする)
・やさしく、ゆっくりと
・甲を伸ばすイメージで反らせていく
・手のひら全体で足裏を軽く押す
・反らせたら5秒以上キープ
(かたい場合には30秒キープ)
STEP5 STEP4を繰り返す
STEP4を繰り返し行ったら、逆の足も同じように反らせる。両足で最低5分ほどできればOK。かたい場合には片足10分ほど行うと効果的です。
自分で行うことが難しい場合には、誰かにやってもらいましょう。
ひろのば体操の応用編
ひろのば体操の効果を確認するには?
見た目として「屈み指」が改善し、足指がまっすぐになってくると分かりやすいですね。見た目が変わる前の変化として、とても重要なのが「足指の機能」です。屈み指になると、足指の機能不全が起こります。グー・チョキ・パーができないことを機能不全といいます。自分の足が機能不全になっていないかを確認し、ひろのば体操を継続することで機能を取り戻せるようになったかを定期的に確認しましょう。
パー
足の指と指の間に、手の人差し指が入るくらいひらいていれば合格です。真横に一直線に並び、その状態を30秒以上キープできれば問題はありません。
グー
手の指のようにコブシができるくらいグーができますか?第3関節からしっかりと曲げることができれば合格です。
チョキ
足の指と指の間に、手の人差し指が入るくらいひらいていれば合格です。真横に一直線に並び、その状態を30秒以上キープできれば問題はありません。
屈み指を矯正する「YOSHIRO SOCKS」とは?
足指専門の理学療法士として積み上げてきた足育に関する19年間の知識や経験を、この5本指靴下に凝縮しています。靴下を履くだけで足指を広げて伸ばし、人間本来の姿勢や運動能力に戻す。屈み指などの足指の変形を矯正するのに最適なソックスです。インソールや靴では2次元的にしか矯正できませんが、ソックスは足全体を覆いながら3次元的に矯正することができます。
最先端の繊維。最先端の構造。
臨床データ(科学的根拠/エビデンス)
1. 足指への変化
「YOSHIRO SOCKS」や「ひろのば体操」で足指を広げることは、足の筋力低下で起こる親指や小指の変形を、効率よく足裏の筋肉を使える状態にし予防していきます。日本人の9割が浮き指。足指でしっかりと地面をつかむことができる構造なので、無意識にふんばる力をアップさせ、同時に重心を中心に近づけていきます。
屈み指
開始時の屈み指率は81%
8週間後の屈み指率は51%
8週間目の平均値は、開始時と比べて、かがみ指率が30%改善。かがみ指の改善の作用が確認されました。
※開始前と8週間目の平均値の差
※グラフは臨床試験における平均値の推移
※結果には個人差があり、100%の結果を保証するものではありません。
屈み指がまっすぐになる形状記憶構造
このように、YOSHIRO SOCKS は履くだけで、閉じた足指が自然と広がり、屈み指がまっすぐになる特殊製法(特許申請中)で作られています。
YOSHIRO SOCKSの形状
YOSHIRO SOCKS は特殊製法(特許申請中)により、自然と足指が理想の形に広がり、その状態をキープする形状記憶構造になっています。
一般的な5本指靴下の形状
従来の5本指靴下は、土踏まずから足指の先までが直線的に編まれているので、矯正力はなく理想的な足に近づけることができません。
滑りにくい特殊繊維で、足指の変形を予防します。
屈み指(かがみゆび)の最大の原因、それは足の滑り。足が靴の中で滑ると、足指がブレーキをかけようとして屈んでいきます。足指が屈むと姿勢が悪くなっていき、体に負担がかかります。YOSHIRO SOCKSは耐滑性の高い繊維を編み込むことで、屈み指(かがみゆび)を予防します。
最大1.6倍の耐滑性能
YOSHIRO SOCKS
価格:3,850円(税込)
カラー:ホワイト・グレーの2色
サイズ:S・M・Lの3サイズ
靴下の履き方動画
靴の選び方
基本的には靴を履かなければ足指が変形することがありません。裸足は正しい歩き方が無意識でできるため屈み指の改善は早いのですが、現代社会では靴を履く文化なので、ここでは屈み指の改善のための紐靴の選び方を紹介します。
足指が靴の中で機能的に動くか
足指の変形に大きく関わっているのが靴です。靴選びの基準は「足指が靴の中で機能的に動かせるか」です。きゅっと締め付けて足指が動かせない状態が続けば、屈み指の原因になり、さまざまな全身の症状を引き起こします。
靴の中で素足の状態をつくれるのが理想的です。ただ、ぶかぶかでは靴の中で滑る足を踏ん張ろうとして足指が曲がります。足を地面からしっかり保護しつつ、指の機能を妨げない靴選びのポイントを紹介します。
ハトメは五つ以上
靴ひもには靴と足を一体化させるテーピングの役割があります。ハトメ(ひもを通す穴)が多いほど足が靴の中で滑りにくくなり、指を曲げない環境を作れます。点で支える丸ひもより、面で支える平ひもで固定した方が足が安定します。
かかとが固い
靴のかかと(ヒールカウンター)には椅子の背もたれと同じ役割があります。背もたれのない車で運転したら体はすぐに疲れます。同様に、ヒールカウンターで手で押してもつぶれないくらいの固さがあれば、足のかかとの骨を靴の中で支えられるため、靴の中で足が安定します。横ぶれも少なくなり、指が曲がりにくくなります。
ねじれない
歩くときは、体重の2〜3倍の負荷が靴にかかります。柔らかい靴は、こんにゃくの上に足を乗せるようなもの。底に靴のねじれを防ぐ「シャンク」と呼ばれる強い芯があるものがオススメです。
中敷から足指がはみ出していない
中敷を取り出し、足の乗せてみます。指がはみ出していたら靴の中で窮屈になっているので、ハイヒールを履いているのと同じ状態で、屈み指を誘発します。
靴のサイズは足長+1cmが基本です
靴の中で足指が自由に動くためには、指先の余り(捨て寸)が1センチ以上は必要です。立った状態で左右の足の長さを測り、長い方の足に合わせて靴を選んでいきます。指先と中敷の先端までに人差し指の横幅くらいの余りがあれば大丈夫です。なお、足指のケアを行うと足長が伸びたり縮んだりしていきますので、半年おきに再計測を行うことをお勧めします。
定期的な靴の買い替えを
靴は基本的にかかとが命ですから、どんなに良い靴でもかかとを踏んでしまったり靴底がすり減ってしまったら寿命です。靴の状態が体の状態を表現していますから、劣化しすぎると体にも大きな負担をかけてしまいます。かかとの補修ができない靴の場合は、半年〜1年に一度の買い替えをお勧めします。ただ、正しい靴を選んでも履き方が悪いと期待した効果は得られません。
オススメの靴
ウォーキングシューズ
足・姿勢・呼吸の矯正を目的としてNB1400を超える靴を追い求めて、湯浅慶朗とハルメクが共同開発したオリジナルシューズ。女性用のシューズではこれがNo.1です。YOSHIRO SOCKSとひろのば体操を併用することで、最も早く屈み指を改善させていきます。
靴紐の通し方
靴ひもには、大きく分けて丸ひもと平ひもがあります。丸ひもは点、平ひもは面で甲を押さえるため、締めると平ひもの方が安定します。材質には化学繊維と純綿があります。化繊は伸縮性がある反面、固定する力は弱くなります。伸びにくい純綿は固定する力が持続し、耐久性が増します。というわけで、私が使うのは特製の純綿です。
靴ひもは、骨と骨をつなぐ靭帯のようなもの。靴ひもが伸びると、靴の中で足をしっかりと固定できずに足が滑り、指の変形を招きます。なので、外反母趾の人は、靴ひもが伸びる前(1〜3ヶ月おき)の交換をお勧めしています。
ひもは立った状態でしめる
結び方はいろいろありますが、今回はウォーキングのための「オーバーラップ法」を紹介します。ハト目(靴の紐穴)の表面から裏面に通すやり方です。最後の足首に近いハト目は、裏面から表面に通します。できるだけ左右均等になるように注意しながら結びます。結ぶ際は、立った状態(体重をかけた状態であれば座っていても大丈夫)で誰かに締めてもらうのが理想ですが、一人だったら最後のハト目だけでもしっかりと締めてください。
紐どめの使い方
紐どめを使った便利な靴ひもの着脱方法があります。これなら紐を結んだりほどいたり面倒なことをしなくても良いので、紐靴が好きになるかもしれませんね。YOSHIRO STUDIOでは、このような紐どめに交換することもできます。
中敷の作り方
豚皮で靴の中での滑りを防ぐ
化繊や高級で見た目の良いツルツルした革は、インソールに不向きです。一度自分の靴の中に入っている中敷を取り出してみましょう。靴下を履いて中敷の上で足を滑らせてみてください。裸足で床を滑らせるくらいに滑りにくければ問題ありませんが、ほとんどの場合はスルスル滑るのがわかるかと思います。人の肌に最も近いとされる豚皮の表皮の場合、シボと呼ばれる肌目があり、ほどよい摩擦が生まれて特に滑りにくいのです。足の滑りは指の変形を招き、開帳足や外反母趾の原因になりますから、滑りを防ぐことは外反母趾の改善には大切です。もちろんインソールそのものの形状も足裏を支えるのに重要です。ただ、その表面素材にまで心を配るとより良いものになります。
豚皮インソールの作り方
こちらの動画では豚皮を使ったインソールのカスタマイズ方法について説明しています。ご参考になれば幸いです。
定期的な交換を
豚皮も使い続けると表面がツルツルして足が徐々に滑るようになります。できれば6ヶ月に1度は豚皮を張り替えるようにしてみてください。豚皮のおもて面とうら面がありますが、基本的にどちらを表面にしても構いません。スエード面は起毛しているので滑り止め効果は非常に高いのですが、靴を履くときに履きにくくなるため、靴の履き口が広ければスエード面を表面にすることをおススメします。
歩き方
わらじでかかとを着けない歩き方は足指を使います。一方、大股のかかと着地は足指を使いません。そのため、脚のゆがみも大きくなりがちです。靴底の外側が減っていたら、その傾向があると思ってください。仕事上、そう言った歩き方をしないといけない場合、1日の最後に歯磨きの感覚で小股歩きをしてください。
小股歩きの癖をつけるには、まず後ろ向きに歩いてみること。自然と歩幅が小さくなり、足指を使って床を蹴って歩く感覚がつかめたら、そのままの歩幅と速さで前向きに歩きます。それが小股歩きを体に覚えさせる秘訣です。
着物を着て、膝下を使って歩くような感覚といえば分かるでしょうか。もしくは家の中でフローリングの音がしないように歩いてみてください。自然と小またで足裏全体を使った歩き方になるはずです。その歩き方を毎日5分続けると、自然と足裏の筋肉がつき、歩くバランスが改善。健康ですてきな歩き方になりますよ。
小股で足裏全体を使って
人の体は足指を使って歩くことで全身の正しい筋肉を使う(前後左右に均等に筋肉を使う)ことができますが、靴や靴下、歩き方などによってその機能が発揮できにくくなっています。これまで歩くことで膝・腰を悪くしてきた方もいらっしゃると思いますが、それは足指を曲げて歩いていたからです。足指を広げて歩けば歩くことで体のゆがみが良くなるということを、実感していただければと思います。
8000歩を目標に
のべ6万人の方を診てきましたが、外反母趾を治すための歩数は1日6000歩がボーダーラインです。8000歩であれば比較的速く改善していきます。外反母趾の原因は筋力の低下による開帳足なので、足の筋力をつけていかなければ改善することはありません。1日の生活の中でなるべく歩数を確保する工夫をしてみてください。室内での歩数は足指の使い方が違うため換算されないものと考えてください。