肩こり・首こりは足指の変形が原因!|自分で治す治療法・セルフケア・予防法

足指ドクターによる解説

YOSHIRO YUASA
湯浅慶朗

足指博士、足指研究所所長、日本足趾筋機能療法学会理事長、ハルメク靴開発者。元医療法人社団一般病院理事・副院長・診療部長。専門は運動生理学と解剖学。足と靴の専門家でもあり、姿勢咬合治療の第一人者でもある。様々な整形疾患の方(7万人以上)を足指治療だけで治してきた実績を持つ。

目次

はじめに

肩こりや首こりに悩んでいる人は、まずは姿勢チェック!なぜ姿勢なのか?肩こりや首こりは肩に原因がないので、体を温めたり、呼吸法や適度な運動、肩甲骨はがしなどをやっても「その場しのぎ」でしかありません。そして正しい姿勢を作るために頭・首・あご・胸などを意識しても、無意識の時には元の姿勢になっているため、ほとんど効果なし。全身の筋トレもキレイな姿勢をキープすることはできないので、肩こりや首こりの悩みを解消できた人は少ないのではないでしょうか?

つらい肩こりや首こりを根本的に解消する方法として、「足ゆび」を見直してみましょう。足指変形は、カラダの重心をずらしてしまい、カラダのゆがみを作ります。ゆがんだカラダは肩甲骨周囲の筋肉と筋膜(皮膚、筋肉、臓器、血管、骨など覆っている組織)を緊張させます。そのため、肩甲骨を動かしたり、マッサージでほぐしても、一時的に症状を緩和することはできますが、根本的な解消にはつながらないのです。

概要

人間は二足歩行をするために、姿勢が悪くなると首や腰に負担がかかりやすい体になります。ゆがんだ姿勢のままでは首から肩にかけての筋肉が悪い姿勢のままバランスを保つために緊張し、血行が悪くなって、重く感じるのが肩こりや首こりです。

肩こりや首こりを引き起こす主な要因としては、足指変形・足指機能不全、間違った靴選び、間違った靴の履き方、靴下の種類と素材などが挙げられます。それらの要因がお互いに関連し合いながら、筋肉疲労と血行不良を引き起こし、肩がこるようになるのです。

症状

首すじ、首のつけ根から、肩または背中にかけて、張っている感じや痛みなどが出ます。頭痛・めまい・吐き気・集中力低下・目の疲れ・倦怠感・肩や腕、指先にまで痛みやしびれが出てくることがあります。肩こりや首こりが進むと、肩甲骨から背中にかけても、一枚の鉄板を貼っているような硬さを感じるようになります。

原因・発症のメカニズム

発生要因

90%以上の方は不良姿勢による肩周囲の筋肉の問題です。不良姿勢による肩こりや首こり以外にも原因はありますが、24年間10万人以上の患者様をみてきて、以下のような原因の方は片手で数える程度でしたので、ほとんどの方は気にする必要はありません。病院に行くと、レントゲンやMRIを撮影し、何かしらの画像上の異常に基づいて病名がつけられるので、オススメしません。検査で現れた異常が必ずしも、痛みの根本原因ではないことを知っておく必要があります。

筋肉以外の原因

1.変形性関節症
軟骨は、関節で結合する骨の端を覆う滑らかでクッション性のある組織です。健康な軟骨は関節のスムーズな動きを助けます。時間が経つと、軟骨が摩耗したり、怪我や事故によって損傷したりして、変形性関節症の発症につながり、肩の痛みになる可能性があります。

2.肩関節包の炎症
肩の滑膜が炎症を起こすことがあります。これは「滑膜炎」と呼ばれます。滑膜炎は、関節リウマチなどの結果として発生する場合もあれば、怪我の結果として発生する場合もあり、原因が不明である場合もあります。五十肩(「癒着性関節包炎」)は、肩関節の関節包が肥厚し、炎症を起こして硬くなることで起こる症状です。また、関節を潤滑する滑液が少なくなる可能性もあります。その結果、肩が動かしにくくなってしまいます。

3.滑液包の炎症
滑液包の炎症に伴う痛みも肩によく見られます。滑液包は、骨、筋肉、腱などの摩擦を軽減する、液体で満たされた小さな袋です。肩では、腱板腱と肩峰(肩峰)の間にある滑液包が動作の繰り返しによって炎症が起こることがあります。

4.怪我
靱帯は骨と骨を接続する軟組織です。骨を本来あるべき位置に保つことで肩に安定性をもたらします。靭帯が損傷したりすると、短期間の痛みが生じることがあります。これは、上腕骨が関節窩から部分的に外れていること(亜脱臼)、または上腕骨が完全に外れていること(脱臼)の結果である可能性があります。肩関節を所定の位置に保つ柔軟な組織(関節唇)が断裂することがあります。これを「唇裂傷」といいます。これは、怪我(伸ばした腕の上に落ちるなど)や反復動作(クリケットなどの投げるスポーツをすることなど)の結果として発生することがあります。肩への直接的な打撃により、肩鎖関節 (「AC 関節」) がずれる可能性があります。このタイプの傷害は、サッカーなどの接触スポーツに参加している人が肩を強打した場合によく発生します。転倒によって起こることもあります。肩を安定させ、肩と腕を動かすために正しい位置に保つ腱と筋肉は、回旋腱板と呼ばれます。腱板腱の断裂は、怪我(転倒や鎖骨骨折など)の結果として発生する場合もあれば、加齢に伴って発生する場合もあります。

メカニズム

シンプルに説明すると、①靴の種類・履き方→②足指変形→③踵重心→④猫背→⑤ストレートネック(頭が前に出る)→⑥肩周囲の筋肉疲労・血流障害→⑦肩こり・首こりというメカニズムです。

靴の種類や履き方などによって、靴の中で足がすべると、かがみ指や浮き指になります。かがみ指の場合には、歩くときに常にブレーキがかかっている状態になるので、無意識に膝が曲がってしまいます。また、かがみ指や浮き指になると「かかと重心」になるので、後ろに倒れそうな姿勢を膝を曲げてバランスを取ろうとします。

豆知識

足指がしっかりと広がって伸びていれば、前方に50%・後方に50%の体重がかかる理想的なバランスになります。しかし浮き指やかがみ指になると、地面に接地する面積が少なくなり、かかとに体重が移動します。

これが猫背のはじまりです。猫背になると、頭も前に出してカラダのバランスを取ろうとします。これが頚椎前弯(けいついぜんわん)とかストレートネックと呼ばれるものです。頭が前に出た状態が続くと、頭を支えている筋肉が過剰に緊張して肩こりや首こりが発生します。

頭を支えている筋肉

①僧帽筋(そうぼうきん)
②頭半棘筋(とうはんきょくきん)
③頭・頚板状筋(とう・けいばんじょうきん)
④肩甲挙筋(けんこうきょきん)
⑤棘上筋(きょくじょうきん)
⑥小菱形筋(しょうりょうけいきん)
⑦大菱形筋(だいりょうけいきん)

通常、理想姿勢で立っている時は、頭を支える筋肉はほとんど使いません。成人の頭の重さは約 4~6kg あり、首や肩、背中の筋肉がこの重さを支えています。首が前に傾く(頚椎前弯やストレートネック)ほど頚椎にかかる負荷は増え、 頭の重さの数倍の負荷が首にかかります。 もっとも姿勢が悪いと27kg になります。

頭の重さ

頭の重さは、成人であれば体重の10%くらいです。体重が50kgであれば約5kg、60kgであれば約6kgということになります。そして、首の角度が15度傾くと負荷は約2倍、30度傾くと負荷は約3倍くらいになります。その重さを筋肉が支えているので、肩こりや首こりが起こるのは当然ですね。

日常的にこのような首が傾いた姿勢をとっていると、その負担は想像以上です。猫背の姿勢がいかに体に負担をかけているか、わかりましたか?足指がしっかり開いて伸びている状態だと、人は真っ直ぐに立つことができます。そのため、頭を支えるための筋肉をそれほど必要としないのです。ところが、ほとんどの人は間違った靴の選び方や履き方、靴下の種類や素材などによって足指が変形し、土台が崩れています。

それでも首や肩に無理な力を入れながら上体のバランスを取って、立つことができます。しかし無理な力がかかりすぎるので、その負担が膝周囲の筋肉にかかって炎症(=コリや痛み)を起こすのです。そう考え得ると、ただすべきは肩がこる部位よりも、支える土台の方だと思いませんか?

また、猫背にはどのように靴を履いているかが大きく影響することがあります。特に以下のような靴を履いている方は要注意です。

変形性膝関節症の要因となるもの

・室内でスリッパ・サンダル・草履などを履いている
・紐を緩めにして靴を履いている
・靴底や踵の支え(ヒールカウンター)が柔らかい靴
・クッション性がありすぎる靴
・幅が広い靴
・凹凸(おうとつ)のある中敷(インソール)の靴
・滑りやすい素材(綿やシルク)の靴下を履く

かかとがない靴やかかとが脱げやすい靴などは、靴の中で足が滑り、靴が脱げないように無意識に足指に力を入れます。この状態が長期間・長時間続くと足指が変形していきます。

足指が変形する原因は?

ほとんどの現代人は、間違った靴の選び方、履き方などによって足指が変形し、土台が崩れています。靴の中で足が前後に滑ると、足指が滑りを止めようとして、かがみ指(ハンマートゥ)や浮き指になるのです。また、靴下やスリッパによっても、足指が曲がることがあります。

また、足の骨はたくさんの筋肉で支えられてまっすぐな形をしていますが、ほとんどの筋肉が足指に付着しています。そのため、足指を機能的に使わず歩くと、足の筋力が落ちて外反母趾や内反小趾の変形を引き起こします。アーチが崩れることで踵重心となり、さらに猫背などの不良姿勢が助長されてしまうことも医学的にはあまり知られていません。

靴下の盲点

世界中のほとんどの人が履いている通常の筒型の靴下(チューブソックス)では、足指に4g~9gf/㎠の力がかかり、足指を圧迫していきます。また多くの綿やシルクの靴下にはシルケット加工が施されているので、靴や靴下の中で足が滑りやすくなります。滑りやすく、足指に圧力のかかる靴下は、足指機能不全を引き起こし、かがみ指や浮き指になりやすくなります。逆にブカブカのチューブソックスでは、靴下の中で足がズルズルと滑るので、かがみ指や浮き指になってしまいます。

飲み薬や湿布などの貼り薬、塗り薬など、肩こりや首こりのつらさを緩和するためのさまざまな薬が市販されていますが、肩こりや首こりをよくするには、「足指」にアプローチして姿勢を正していくことが重要です。病院で行うリハビリ・マッサージ・筋膜リリースなどは一時的に痛みが和らぐこともありますが、姿勢や脚の形を作っている「足指」を治療しない限りは、何の意味も持たないことがわかるでしょう。

検査(セルフチェック)

問診や神経学的診察、特に触診で僧帽筋の圧痛と筋緊張、肩関節可動域や頚椎疾患のチェックなどで診断します。X線(レントゲン)撮影のほか、必要によりMRI、筋電図、血圧測定などの検査も行います。

頚椎疾患、頭蓋内疾患、高血圧症、眼疾患、耳鼻咽喉疾患、肩関節疾患の随伴症状としての「肩こりや首こり」も少なくありませんが、ほとんどの場合、肩周囲の筋肉の炎症と考えて良いと思います。病院を受診して診断名がついた場合でも、まずはご自身の姿勢を治すことをやってみて下さい。頚椎疾患もほとんどの場合が、姿勢が要因となって起こります。

姿勢のセルフチェック

まず、自分の真横からの姿勢をスマホなどで撮影してみましょう。スマホの中心点がカラダの中心にくるように撮影します。水平器の位置がおへその位置にくるようにすると良いでしょう。

その次に、耳垂(耳たぶ)と足の外果(外くるぶし)を線で結びます。その直線の中に、①膝の中心、②大転子(股関節)、③肩峰(肩の中心)が通っていれば理想姿勢です。線をひきのが面倒であれば、定規などを耳たぶと外くるぶしの位置に合わせます。

 

①・②・③のいずれかが直線からズレている場合は、猫背か反り腰の状態で、首を前に出して立っている状態だと思います(反り腰の一部の方を除く)。どうでしたか?これまでの臨床現場では、理想姿勢だった人は5%未満でしたので、ほとんどの方が猫背だったのではないでしょうか?

ストレートネックの進行度

次に真横から「顔〜肩」が入るように撮影してみましょう。顔は真正面を向いて自然体で立っておきます。もしくは先ほど撮影した姿勢の写真を拡大しても良いですね。

耳たぶと肩の中心を線で結んでみましょう。垂直線に対してどれくらい傾いているかを測ります。頚椎角が0°であれば正常、15°以上で肩こりや首こりが起こりやすくなります。正確に頚椎角を知りたいという方は、全身写真から割り出していきますが、これは姿勢分析の記事で紹介していきたいと思います。

治療

病院での治療は、主に「生活指導」を基本として、「食事療法」「運動療法」「物理療法」「薬物療法」を組み合わせて行います。

いずれも第一の目的は根治ではなく、痛みを緩和する事なので、疼痛緩和には一時的な効果はあるものの再発を繰り返します。肩こりや首こりを根本的に解決し、再発をしないようにするためにはセルフケアによる足ゆびストレッチがお勧めです。それに合わせて正しい靴の選び方、靴の中で足が滑らないようにするための正しい靴下選びも大切です。

セルフケア

筋肉疲労や血行不良による肩こりや首こりを解消するには、足元を正し、人間本来の正しい姿勢を取り戻すことが有効です。特に、肩甲骨の動きが悪い人は肩こりや首こりが悪化しがち。1日1回は足指のストレッチをするようにしましょう。

肩こりの症状を改善するためには、足まわりの筋肉をほぐすことが大切です。肩こりや首こり解消におすすめのストレッチが「ひろのば体操」です。足指の体操ですが、実際には姿勢が良くなり、肩甲骨まわりの筋肉をほぐさなくても、自然と筋肉が柔らかくなっていきます。

肩こりや首こりを改善する足指ストレッチ「ひろのば体操」

1日1回5分を目安にやってみましょう。2〜3日やってみて症状に変化が見られないときは、1日2〜3回に回数を増やしてみることをお勧めします。目標は足指のパーが30秒間できるようになることです。

小指と薬指の間に自分の手の指がスッポリと入るくらいひらくことが理想

 

姿勢を最適にサポートする矯正5本指靴下

これまで綿やシルクで機能性5本指靴下を製作し、臨床現場で多くの患者様に試してきましたが、靴や靴下の中で足が滑るという問題を解決することができませんでした。そこで、繊維会社と2年の歳月をかけて理想的な繊維を完成させ、矯正5本指靴下「YOSHIRO SOCKS」が誕生しました。猫背で肩こりや首こりに悩んでいる方は、試してみてください。

より効果的にするために

足指ストレッチや矯正5本指靴下(YOSHIRO SOCKS)を履きながら、日常生活を少し変えることで、姿勢を正しい状態で保持し、肩周囲の筋肉の炎症を改善させることができます。

日常生活で気をつけること

・小股で歩くようにする
・坂道や階段を上るなど足指先を使う活動を行う
・室内で履き物を履かないようにする
・1日6,000歩以上歩くように心がける
・靴紐をしっかり絞めるようにする
・オーダーの枕やマットを使わないようにする
・正しい靴選びを心がける
・靴べらを使って靴を履くようにする


足指のストレッチや矯正5本指靴下(YOSHIRO SOCKS)を履いて歩くことで、足指を機能的に使うことができます。①足指変形が改善→②正しい重心位置→③姿勢が改善→④ストレートネックが改善→⑤肩こりや首こりが解消という流れです。肩こりや首こりを気にすることがなくなり、アクティブに活動できるようになります。

予防

同じ姿勢を長く続けない

デスクワークなどで作業に集中していると、頭を前に出して肩周囲の筋肉に負担をかけた姿勢のまま長時間過ごしてしまいがちに。長時間同じ姿勢でいると、血行が悪くなることで疲労物質が蓄積されて肩こりや首こりを招いてしまいます。30分に1回程度は、体を動かすように意識してみましょう。人間工学に基づいた椅子に変えたり、モニターの位置を気をつけることでも、肩こりや首こりは随分と軽減されていきます。

目を休ませる

長時間の読書・パソコン・スマホの使用などは、肩こりや首こりだけでなく頭痛や倦怠感など、さまざまな不調を招く要因になります。目の負担がかかる作業をするときには、適度に目を休ませるようにしましょう。目の疲れを感じたら、遠くを見たり、目のストレッチを取り入れると良いです。また部屋の明るさや、読書・パソコン・スマホの姿勢にも気をつけてみてください。

適度な運動や体操をする

正しい姿勢は、正しい筋肉によって作られていきます。正しい筋肉は「足指を広げて伸ばした状態」で歩くことでしか作ることができません。そして1日6,000歩以上が望ましく、それ以下であると思うように筋肉がつきません。1日10,000歩を目指してウォーキングを頑張ってみましょう。全身の血行も良くなり、歩いている時に肩こりや首こりが徐々になくなっていくことに気がつくと思います。

ストレスをためない

1番難しい問題がストレスですね。ストレスや緊張が続くと、自律神経のバランスが乱れて肩こりや首こりを引き起こすこともあります。リラックスと言っても潜在意識ではリラックスできていないので、すぐに実践できるストレス解消法として、「部屋の片付け」がオススメです。斎藤一人さんの本を読むのも良いかもしれません。ぜひ試してみてください。

正しい靴の選び方

足指が変形するいちばんの原因は、靴の選び方と履き方にあります。肩こりや首こりなどのトラブルの多くは、足の指をちゃんと使っていないことが原因です。足と方は遠く離れた場所にあるので、ピンとくる人は少ないと思います。「風が吹けば桶屋が儲かる」ではないですが、足先から頭までカラダは全てつながっているので、肩こりや首こりで悩まれている方はこの機会に足元を見直してみてください。

正しい靴下の選び方

純綿やシルク素材のものは滑りやすい

シルケット加工(またはマーセライズ加工)というものがあります。シルケット加工とは、シルクの様な光沢を持たせる加工のことで、糸を苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)の液に浸し、手延べうどんのように糸を伸ばして糸の断面を整える加工のこと。主に綿やシルク繊維(コットン)に対して加工をすることが圧倒的に多いです。

綿の断面が整い発色性もよくなり、加工をすると毛羽も抑えられるため、見た目に高級感があります。なめらかですべるような履き心地なのですが、なめらか(滑らか)ですべる(滑る)というように読んで字が如く、靴の中や靴下の中で足が滑りやすくなります。つまりは足指の変形を起こしやすい素材ということなのです。

もちろんシルケット加工をしていない綿やシルク素材もありますので、そういった素材を選ぶこともひざ痛の予防には大切な要素です。

5本指靴下で足指の機能を発揮させる

一般的な靴下はチューブソックスとも呼ばれ、世界中の方のほとんどがこのタイプの靴下です。長年使われてきた形状なのですが、チューブタイプは足指をうまく使うことができなくなります。そのため5本に分かれた靴下が良いのですが、このタイプにも色々なものがあります。

一番大切にしたいのは、自分自身の足にジャストフィットするか。指先や甲まわりがゆるかったりすると、せっかくの5本指靴下でも「滑り」が発生してしまいます。逆にフィットしすぎて圧迫感を感じる5本指靴下も血行を妨げてしまうためオススメできません。自分が使ってみて「心地よい」と感じる5本指靴下を見つけることが大切です。

矯正力のある靴下も増えてきましたが、試してみると意外にも強力に圧迫するものが多いと思いました。特に土踏まずの部分。アーチをサポートすることは大切なのですが、アーチ構造というのは強く持ち上げすぎると機能を失ってしまう特性があるので、アーチ部分もあまり圧迫感がないものを選ぶようにしましょう。

脱いだ時に「は〜、スッキリした!」と感じたら圧迫が強いということになります。

体験談

下の写真を見てください。60代の女性の方ですが、足指の体操をする前は、自分自身で姿勢が良いと思っていたそうです。しかし姿勢をチェックすると反り腰で少し頭が前に出ていますね。長年、肩こりや首こりに悩まされていたそうです。

足指が地面についていないと、姿勢が悪くなり、ネコ背になったりすることをはじめて知ったそうです。姿勢をよくするには、まず足指をしっかり伸ばすことが大事とのこと。なかなか信用してもらえませんでしたが、患者さんが良くなっていく姿を目の当たりにして、自分もやってみよう!となったそうです。

靴の履き方も指導し、足をスポッと入れるだけの履き物はよくないことも教えました。そこで、仕事中はかかとのない靴を思い切って捨て、紐を結ぶスニーカーを履くようにしました。そして「ひろのば体操」と「YOSHIRO SOCKS」を開始。

もともと50肩で肩の手術をしていたそうです。リハビリを頑張って肩は上がるまでに回復したそうですが、肩こりや首こりは残ったままだったそうです。50肩の後遺症だろうと考えていたそうですが、今は、肩の痛みで夜に目が覚めることもなくなり、仕事中も肩こりや首こりがなくなり、湿布やマッサージなどをしなくなったそうです。

ぜひ今日から、足指を伸ばすことを始めてみてください。

参考文献

1. 外反母趾の機能解剖学的病態把握と理学療法.湯浅慶朗.理学療法 第31巻 第2号 2014.2 P159-165
2.『足指をそらすと健康になる』湯浅慶朗/著 PHP研究所 2014.6
3.『たった5分の「足指つかみ」で腰も背中も一生まがらない!』湯浅慶朗/著 PHP研究所 2021.6
4.Gill TJ. Shoulder diagnosis and decision-making. In: Miller MD, Thompson SR, eds. DeLee, Drez, & Miller’s Orthopaedic Sports Medicine: Principles and Practice. 5th ed. Philadelphia, PA: Elsevier; 2020:chap 37.
5.Martin SD, Thornhill TS. Shoulder pain. In: Firestein GS, Budd RC, Gabriel SE, Koretzky GA, McInnes IB, O’Dell JR, eds. Firestein & Kelley’s Textbook of Rheumatology. 11th ed. Philadelphia, PA: Elsevier; 2021:chap 49.

湯浅慶朗
足指博士(理学療法士)
足指研究の第一人者。理学療法士。足指研究所所長。日本足趾筋機能療法学会理事長。ひろのば体操、YOSHIRO SOCKS、YOSHIRO INSOLE、ハルメク靴の開発者。東京大学や国際医療福祉大学で研究を行う。元医療法人社団一般病院理事・副院長・診療部長・通所リハビリテーションセンター長。著書多数。テレビ出演は『ガイアの夜明け』『NHKガッテン』『NHK BS 美と若さの新常識』『NHK サキどり』ほか多数出演、著書は『たった5分の「足指つかみ」で腰も背中も一生まがらない!』(PHP出版)など多数。

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