足指ドクターによる解説

YOSHIRO YUASA
湯浅慶朗
足指博士、足指研究所所長、日本足趾筋機能療法学会理事長、YOSHIRO SOCKS・ハルメク靴開発者。元医療法人社団一般病院理事・副院長・診療部長。MRC認定歯科医院の顧問の経歴もあり。専門は運動生理学と解剖学。足と靴の専門家でもあり、姿勢咬合治療の第一人者でもある。様々な整形疾患の方(7万人以上)を足指治療だけで治してきた実績を持つ。東京大学石井直方名誉教授の弟子でもある。
はじめに
皆さん、毎日の生活の中でご自身の姿勢について意識したことはありますか?現代社会では、靴や靴下を履く文化になっただけではなく、デスクワークやスマートフォンの使用が増え、多くの人が無意識に不自然な姿勢をとり続けています。その結果、肩こりや腰痛、膝の痛みといったさまざまな身体の不調が生じています。
私は、理学療法士として多くの方々の健康をサポートする中で、「ニュートラルポジション」の重要性に気づきました。これは、身体が最も自然で負担の少ない姿勢を保つための基本的な考え方です。本記事では、このニュートラルポジションの概念やその実践方法について詳しく解説していきます。
日々の姿勢を改善し、健康的な身体を手に入れるための第一歩として、ぜひ最後までお読みください。
ニュートラルポジションとは?

私が提唱するニュートラルポジションは、身体が最も自然で負担の少ない姿勢を指します。この状態では、筋肉や関節に過剰な負担がかからず、効率的な動作が可能です。ニュートラルポジションを保つことで、姿勢の改善や運動パフォーマンスの向上、さらには怪我の予防が期待できます。
多くの人が日常生活の中で無意識に不自然な姿勢をとっています。それが原因で、肩こりや腰痛、膝の痛みなど、さまざまな問題が引き起こされるのです。このニュートラルポジションという概念を理解し、実践することは、身体の健康を保つための第一歩だと考えています。
ニュートラルポジションの基本要素
ニュートラルポジションを構成する主な要素は以下の通りです。
1. 頭、肩、骨盤、手、膝、足首の位置
真正面から見て、頭・肩・骨盤・手・膝・足首の高さが左右対称に並ぶ位置が理想です。
2. 背骨の自然なカーブ
真横から見て、耳・肩・股関節・膝の中心・外くるぶしが一直線上に並ぶ位置が理想です。
3. 足のポジション
足指が均等に地面に接地し、足裏の圧力が適切に分散されている状態が理想です。
ニュートラルポジションを保つメリット
- 姿勢の改善 ニュートラルポジションを意識することで、猫背や反り腰などの姿勢の問題が解消され、美しい姿勢を維持することができます。これにより、第一印象も良くなり、自信を持った行動が取れるようになります。
- 痛みの軽減 腰痛や肩こり、膝の痛みなど、多くの人が悩む問題の多くは、姿勢の悪さから生じています。ニュートラルポジションを習慣化することで、これらの痛みを予防し、軽減することが可能です。
- 運動効率の向上 正しい姿勢を保つことで、無駄なエネルギー消費が抑えられ、効率的な動きが可能になります。これにより、スポーツや日常生活の動作がスムーズになり、疲れにくくなります。
- 精神的安定 姿勢が正しいと呼吸が深くなり、血液の循環も良くなります。この結果、ストレスが軽減され、リラックスした状態を保つことができるのです。
ニュートラルポジションを確認する方法
1. 鏡を使ったチェック(前額面)

全身が映る鏡の前で次のポイントを確認します。




- 手、肩、耳、目が左右で同じ高さに並んでいるか。
鏡の前で立った際、体が傾いていたり、左右非対称になっている場合は、ニュートラルポジションが崩れている可能性があります。特に、目・耳・肩の高さの違いには注意が必要です。
①脚の長さの左右差があれば、短い方の脚に骨盤が倒れます。
②骨盤が倒れると、背骨がS字に曲がりながらバランスをとります。
③背骨がS字に曲がると肩の高さに左右差ができます。
④肩の高さが違うと、頭を傾けることでバランスを取ろうとします。
⑤頭が傾くと、下顎を左右にずらすことでバランスを取ろうとします。
2. 写真を使ったチェック(矢状面)

まず、自分の真横からのスマホなどで姿勢の写真を撮影してみましょう。スマホの中心点がカラダの中心にくるように撮影します。水平器の位置がおへその位置にくるようにすると良いでしょう。



耳、肩、腰、膝、足首が一直線に並んでいるか。
耳垂(耳たぶ)と足の外果(外くるぶし)を線で結びます。その直線の中に、①膝の中心、②大転子(股関節)、③肩峰(肩の中心)が通っていれば理想姿勢です。線を引くのが面倒であれば、定規などを耳たぶと外くるぶしの位置に合わせます。
②の大転子が線よりも後ろにあれば、猫背(骨盤後傾)です。
②の大転子が線よりも前にあれば、反り腰(骨盤前傾)です。
3. 足の状態


これには足底圧測定器が必要になります。足底圧とは、足裏が地面に接地した際の圧力の分布を指します。これは、足の機能や体全体のバランスを評価する重要な指標です。良い足底圧と悪い足底圧には明確な違いがあり、以下のように分類できます。
良い足底圧の特徴
1. 前後の荷重比
• 踵:前足部 = 50~60%:40~50%
2. 左右の荷重比
• 左右=50%:50%
3. 足指の接地
• 全ての足指が接地していること
4. アーチの形状が写っている
• 足底圧の測定結果で、内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチが適切に現れている。
5. 足全体が均等に写っている
• 足底全体がしっかり地面に接しており、圧力が特定の部位に偏らない。
6. 局所的に圧が集中していない
• 足裏の特定の箇所(踵、母趾球、小趾球など)に過剰な圧がかからず、均一な分布が見られる。
悪い足底圧の特徴
1. 前後の荷重比のアンバランス
• 踵に過剰な荷重(60%以上)がかかる場合:猫背や反り腰の傾向。
2. 左右の荷重比の偏り
• 左右どちらか一方に荷重が偏る(例:左右比が60%:40%など)。
3. 足指の不完全な接地
• 足指の一部(特に親指や小指)が浮いている場合、安定性が低下。
4. アーチの形状が不明瞭
• 偏平足:内側縦アーチがなく、足底全体がべったりと接地。
• ハイアーチ:足底の中央部(内側縦アーチ・外側縦アーチ)が浮いている。
5. 足全体が写っていない
• 特定の部分(踵や前足部)のみ圧が集中し、足裏全体が接地していない。
6. 局所的に圧が集中している
• 踵や母趾球、小趾球の一部に異常な圧力集中が見られる。
ニュートラルポジションを保つためのエクササイズ
1. ひろのば体操
私が推奨するひろのば体操は、足指をストレッチして足の機能を高める体操です。これにより、身体全体のバランスが改善されます。足の柔軟性が高まることで、姿勢も自然に整います。
2. YOSHIRO SOCKS
YOSHIRO SOCKSは、足指の独立性と自由な動きを促進し、足趾機能を改善する靴下です。足指が正しい位置に整うことで、足底圧が均等に分布し、姿勢がニュートラルポジションに近づきます。軽いアーチサポート効果があり、足裏全体を安定させ、日常生活や運動時の快適性を向上。特に足指の外反母趾・内反小趾・浮き指・屈み指を改善するのに役立ち、足元から全身のバランスを整えるサポートアイテムとして理想的です。
3. YOSHIRO SHOES

YOSHIRO SHOESは、足の解剖学に基づき設計された靴で、自然なアーチ形状を維持しながら足全体をサポートします。適切なクッション性とフィット感により、歩行時の衝撃を吸収し、足底圧を均等に分布させます。個々の足型にフィットしやすく、長時間の使用でも疲れにくいのが特徴。ニュートラルポジションを保ち、歩行や姿勢の安定性を向上させる理想的な選択肢です。
3. YOSHIRO INSOLE

YOSHIRO INSOLE(YOSHIRO SHOESに標準搭載)は、内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチを支えることで足底圧を最適化するカスタムインソールです。特定の部位への過剰な負担を軽減し、足裏全体でバランスの取れた接地を実現します。静止時だけでなく、歩行や運動時の動的なサポートも提供し、ニュートラルポジションを保つ基盤を強化。個々の足型や歩行特性に対応し、快適性と健康を促進します。
私の提唱するニュートラルポジション理論
私は、ニュートラルポジションの重要性を研究し、その理論を提唱しています。特に、足趾(そくし)の機能不全が姿勢や動作に与える影響について深く考察してきました。私の研究では、足の健康状態がニュートラルポジションに大きく関与していることが明らかになっています。















YOSHIRO SOCKSやひろのば体操を活用することで、足の機能を回復させ、多くの方が姿勢の改善を実感しています。また、ニュートラルポジションを保つことが、猫背や反り腰、脚長差といった問題の解消に役立つことを確認しました。
まとめ
ニュートラルポジションを意識することで、日常生活の質が向上し、健康的な体を維持することができます。正しい姿勢を習慣化するために、定期的なチェックとエクササイズを取り入れてみてください。
これからも私が提唱する理論や方法を通じて、多くの方々が健康で快適な生活を送れるようサポートしていきます。ぜひ、ニュートラルポジションの大切さを日々の生活の中で実感してください。そして、これを読んでくださった皆さんが、自分自身の身体と向き合うきっかけになれば嬉しいです。