【医療監修】顎関節症と肩こり・首こりがセットで起きる理由|“首の問題”に見えて足元が関係することも

目次

はじめに

こんにちは。足指研究家の湯浅慶朗です。

顎関節症の相談を受けていると、かなりの確率でこう言われます。

「顎もつらいけど、肩こりと首こりが限界です…」

そして多くの人が、こう考えます。

「肩こりがあるから顎がつらいのかな?」

「首が固いせいで顎がズレてるのかな?」

もちろんそれも一部は当たっています。

でも僕が臨床で何度も見てきたのは、肩や首が悪いというより、

肩と首が“頑張らされている構造”が残っている

ケースです。

つまり、

肩こりや首こりは「原因」ではなく、結果として起きている

ことがある。

そしてその結果が続くと、顎もセットで巻き込まれていきます。

この記事では、

  • なぜ顎関節症と肩こり・首こりがセットで起きるのか
  • なぜマッサージや整体だけだと戻りやすいのか
  • なぜ“首の問題”に見えて足元が関係することがあるのか

この流れを、できるだけわかりやすく整理します。

顎関節症を「顎だけの問題」として見たくない人は、こちらのピラー記事も先に読むと理解が早いです。

▶︎【医療監修】顎関節症の本当の原因は“顎”じゃない|足指→重心→姿勢→顎の連鎖

顎関節症と肩こり・首こりが“同時に出る人”が多い理由

まず大前提として、顎関節症の人は「顎だけ」がつらいわけではありません。

・首がこる

・肩が張る

・背中が硬い

・頭痛も出る

・息が浅い

・寝ても疲れが抜けない

こういうセット症状が出ている人が多いです。

これは偶然ではなく、体の仕組みとしてつながっています。

顎は「噛む関節」ですが、

同時に“頭の位置”とセットで働く関節

でもあります。

頭が前に落ちるほど、顎の位置はズレやすい。

顎の位置がズレるほど、首と肩は緊張しやすい。

この連鎖が、顎関節症と肩こり・首こりがセットで起きる理由のひとつです。

首と肩がこると、顎は“噛みしめで固定”しやすくなる

顎関節症が長引く人ほど、共通して起きていることがあります。

それは、

顎が「動く関節」ではなく「固定の道具」として使われている

状態です。

本来、顎は

開く

閉じる

噛む

話す

という動作のために働きます。

でも体が不安定になると、人間は無意識にどこかで固定して安定させようとします。

その固定が、顎の噛みしめとして出ることがある。

つまり、

首と肩が緊張している

頭が安定しない

顎で踏ん張って固定する

顎の関節や筋肉に負担が集まる

こういう順番です。

だから顎関節症の人ほど、

「気づいたら歯が当たっている」

「集中すると噛んでいる」

「寝ている間も噛んでいると言われる」

こういう状態が混ざりやすいです。

噛みしめが止まらない人は、こちらの記事もつながります。

▶︎【医療監修】顎関節症の噛みしめ癖が治らない理由|顎で踏ん張る人ほど“足元が崩れている”

肩こり・首こりは「姿勢の崩れ」のサインとして出ていることがある

肩こりや首こりは、筋肉の問題に見えます。

でも僕は、肩こりや首こりを見たときにまずこう考えます。

「この人の体は、どこでバランスを取れていないんだろう?」

なぜなら肩や首は、体の中でも“代償”が出やすい場所だからです。

代償というのは、本来そこが頑張る場所ではないのに、代わりに頑張らされている状態です。

たとえば、

背中が丸い

頭が前に出る

首の筋肉が引っ張られる

肩が上がる

肩こり・首こりが固定される

この流れはよくあります。

そしてこの状態が続くと、顎も巻き込まれます。

なぜなら顎は、

頭が前に出るほど位置がズレやすくなる

からです。

“首の問題”に見えて、実は足元から始まっていることがある

ここが足指研究所として一番伝えたい話です。

顎関節症と肩こり・首こりがセットで起きる人は、首を揉むだけでは戻りやすいことがあります。

その理由は単純で、

首は結果だからです。


首こり・肩こりが「原因」ではなく“結果として起きている”流れを、足指と姿勢の視点でさらに深掘りしたい方は、こちらの記事がつながります。

▶︎【医療監修】マッサージしても続く肩こり・首こり──足指と姿勢の視点から読み解く


首の前突や肩の緊張は、

「上が崩れたから起きている」

だけではなく、

「下が崩れたから上が頑張っている」

というパターンもあります。

足元が不安定だと、体は安定しません。

体が安定しないと、首と肩が緊張します。

首と肩が緊張すると、顎が固定に使われやすくなります。

つまり、

足元が崩れる

重心がズレる

体が安定しない

首と肩が緊張する

顎が固定に使われる

顎関節症が長引く

こういう連鎖が起きる可能性があるということです。

この図は、顎関節症の人に多い“体の連鎖”です。

「顎と足なんて関係ないやろ…」

そう思うのが普通です。

でも顎関節症が戻りやすい人ほど、顎以外の条件が残っています。

足元の崩れがある人に多い“体の特徴”

足元が影響している人は、だいたい体に共通点があります。

・立つと片足に体重が寄る

・写真を撮ると肩の高さが違う

・靴の減り方が左右で違う

・靴の外側だけ減る(または内側だけ)

・歩くときに足が外側に流れやすい

・ふくらはぎが張りやすい

こういう人は、首と肩だけを狙っても戻りやすい傾向があります。

なぜなら、体のバランスを取るための“土台”が揺れているからです。

足指の変形としては、

外反母趾

内反小趾

浮き指

屈み指

寝指

こうしたものが重なっている人も少なくありません。

それぞれの関係は、こちらの記事で分けて整理しています。

▶︎【医療監修】顎関節症と外反母趾の関係|内側重心が“顎の位置”に影響する可能性

▶︎【医療監修】顎関節症と寝指・内反小趾の関係|外側重心が“顎の左右差”を作る流れ

▶︎【医療監修】顎関節症と浮き指・屈み指の関係|足指が使えない足が“顎の不安定”を作る理由

肩こり・首こりが強い人ほど「顎の逃げ場」がなくなる

肩こり・首こりが強い人は、背中も硬くなっていることが多いです。

背中が硬いと、胸がつぶれます。

胸がつぶれると、呼吸が浅くなります。

呼吸が浅くなると、首と肩がさらに緊張します。

そして首と肩が緊張したままだと、顎は逃げ場を失います。

顎は「噛む場所」なのに、体を固定する場所として働いてしまう。

だから顎が疲れる。

だから顎が痛くなる。

だから音が鳴る。

だから口が開きにくくなる。

こういう人は、顎だけのケアではなく、全体の条件を整理するほうが早いです。

まず何から整えるべきか?順番を間違えないでください

顎関節症と肩こり・首こりがセットでつらい人ほど、順番が大事です。

いきなり顎を動かす。

いきなり顎をマッサージする。

いきなり噛み合わせを変える。

これが悪いわけではありません。

でも

「戻る条件」が残ったままだと、また顎に負担が集まります。

僕が優先してほしいのはこの順番です。

まず、首が前に出ていないか。

次に、肩が上がって固まっていないか。

そして、立ったとき重心が偏っていないか。

顎関節症は「顎の病気」ではなく、顎に負担が集まる体の使い方が残っている状態のことがある。

この視点を持てるだけで、迷いが減ります。

まとめ|肩こり・首こりがある顎関節症は“顎だけ”見ても戻りやすい

顎関節症と肩こり・首こりがセットで起きるのは珍しくありません。

首と肩が緊張すると、顎が固定に使われやすくなります。

そしてその緊張は、顎だけの問題ではなく、

頭の位置

姿勢の崩れ

重心のズレ

足元の不安定

こうした条件が重なって起きていることがあります。

だからこそ、顎だけを狙うと戻りやすい。

顎関節症を長引かせないためには、顎に負担が集まる条件を全体で整理することが大切です。

次に読むなら、顎関節症の中でも「噛みしめが止まらないタイプ」は戻りやすいので、ここを先に整理すると全体像がつながります。

▶︎【医療監修】顎関節症の噛みしめ癖が治らない理由|顎で踏ん張る人ほど“足元が崩れている”

足指への3つのアプローチ

— ただし、順番があります

私は2006年以降、病院における臨床の場で、体操・靴下・歩き方・靴の指導を中心に、足指の変形や機能不全、そしてそれに関連する整形外科的な不調に対する対応を行ってきました。

外反母趾、内反小趾、かがみ指、浮き指、寝指、足趾機能不全に加え、膝・腰・股関節・姿勢といった問題についても、足指からの介入を軸に経過を観察してきた臨床の積み重ねがあります。

これは理論だけの話ではありません。長年にわたる臨床数と経過、データの蓄積の中で、「動かす・保つ・使い続ける」という視点が共通して重要であることが整理されてきました。

その結果として、ここで紹介しているひろのば体操・YOSHIRO SOCKS・YOSHIRO WALKという3つのアプローチに集約されています。

1. ひろのば体操

足指を「動かして」広げて伸ばす

ひろのば体操は、足趾機能不全によって低下しやすい足指の可動性や感覚入力を取り戻し、足指が本来の動きを発揮しやすい状態をつくることを目的に考案された体操です。

外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指など、足指がうまく使われにくくなっている状態に対して、日常で取り入れやすいアプローチの一つです。

2. YOSHIRO SOCKS

広がって伸びた足指を「保ち続ける条件」をつくる

YOSHIRO SOCKSは、足の中で起こりやすい「滑り」「指の押し込み」「アーチの崩れ」といった足元環境のストレスに着目し、

  • 足指が広がりやすい
  • 足指が伸びやすい
  • 足裏のアーチが保たれやすい

足元環境を整えることを目的に設計された靴下です。外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指・足趾機能不全など、足指の使われ方が関与するケースで検討される選択肢の一つです。

3. 小股歩き

日常動作の中で、足指が“使われ続ける”状態をつくる

小股歩きは、歩幅を抑えることで足指を感じながら地面を捉えやすくする歩き方です。

体操や足元環境の見直しと組み合わせることで、足指に関わる筋活動が起こりやすい条件をつくる考え方として紹介しています。

無理なく続けられる形を選んでください

・体操から始める人

・足元環境から見直す人

・両方を組み合わせる人

どれか一つに決める必要はありません。足指の問題は、方法よりも「続けられる条件」が大切です。


まず迷っている方へ

— どれから始めるか迷ったら、ここを基準にしてください —

  • 体操が続かなかった人
  • 歩き方を意識する余裕がない人
  • 靴をすぐに変えられない人

この場合は、

② YOSHIRO SOCKS(足元環境を整える) から始めるのが現実的です。

足指は「動かす前に、使われる環境」が整わないと戻りやすいため、

まずは日常の中で 足指が使われにくい状態を減らす ことが優先されます。


すでに体操ができている方へ

① ひろのば体操 + ② YOSHIRO SOCKS

動かした足指を、そのまま保てる条件が重なることで、

足指が使われやすい状態が続きやすくなります。


余裕が出てきた方へ

③ 小股歩き を組み合わせることで、 日常動作の中でも足指が“使われ続ける”条件が整っていきます。

※どれか一つを「完璧にやる」必要はありません。

足指の問題で大切なのは、無理なく続けられる順番を選ぶことです。

次に知りたいことを選んでください

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