【医療監修】歩くと足指が痛い…その原因は「浮き指・屈み指」かも?自宅でできる根本ケアと最新予防法

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歩くと足指が痛い——その“違和感”、放置していませんか?

こんにちは。足指研究家の湯浅慶朗です。

もしあなたが「歩くたびに足指がチクッと痛む」「靴を履くと小指が当たってつらい」「親指の付け根に違和感がある」…そんな症状を感じているとしたら、それは単なる疲労ではなく、足指の変形や筋バランスの崩れによるものかもしれません。

私自身、20年以上にわたって「足指」と「姿勢」の関係を研究し、外反母趾・浮き指・屈み指・寝指などの変形と、痛み・美容・健康への影響を臨床データで解明してきました。

この記事では、歩行時の足指の痛みの原因・しくみ・対処法について、一般の方にもわかりやすく丁寧に解説していきます。

歩くと足指が痛む…原因は本当に「加齢」や「靴のせい」?

多くの人は、足指の痛みを以下のように捉えていることが多いです。

  • 「ヒールのせいで足が痛い」
  • 「歳をとったからしょうがない」
  • 「オーバーワークだから仕方がない」
  • 「外反母趾だから仕方ない」

確かに、靴や加齢がきっかけになることもあります。しかし、臨床現場で10万人以上の足を診てきた私から見て、もっと根本的な原因は別にあることがあります。それは、

「足指が変形し、正しく使えていない」ことによる荷重バランスの崩れ

です。

つまり、足指そのものの「構造」と「使い方」が悪くなり、それが歩行時の痛みに直結しているのです。

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足の“形(ハード)”が問題と思いがちですが、本当に重要なのは“使い方(ソフト)”。そこが狂うと、どんな靴でも痛くなるんです。

見逃されやすい5つの足指変形——あなたはいくつ当てはまる?

1. 外反母趾(がいはんぼし)

  • 外反母趾は親指が小指側に曲がり、中足骨が開いてくる変形
  • 痛みだけでなく、親指が地面を蹴れないことで姿勢も崩れます
  • 女性に多く、遺伝やヒールの影響とされがちですが、実際には歩き方・足指の筋力低下が一因となり得ます

2. 内反小趾(ないはんしょうし)

  • 内反小指は小指が内側に巻き込むように変形する状態
  • 幅広の靴や、合わない靴下での滑りが一因
  • 小指の接地が不安定になり、痛みやタコができやすくなります

3. 浮き指(うきゆび)

  • 浮き指は足指が地面につかず、浮いた状態になる
  • 歩行時に「指で蹴る」動作ができず、足裏の前方部に強い負担が集中
  • 膝痛腰痛顔のたるみ猫背にもつながることが研究で分かっています

4. 屈み指(かがみゆび)

  • 屈み指は指の関節が曲がり、爪先が床に当たらない状態
  • 靴の中で滑る・屈筋群の過緊張・滑走不全によって筋肉が短縮し固定化
  • 神経が圧迫され「歩くたびにチクッと痛む」原因に

5. 寝指(ねゆび)

  • 寝指は小指の爪が真上でなく“横”を向いてしまう状態
  • 小趾外転筋の弱化と、内反小趾の影響
  • 無症状なことが多いですが、外側重心・回外歩行となり、外反母趾や痛みの進行を助長します
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一見ふつうに見える足でも、指の角度や爪の向きで“隠れ変形”は簡単に見抜けます。問題は、気づかれていないことなんです。

「歩くだけで痛む」本当のメカニズムとは?

足指にかかる“異常な圧”が神経を刺激している

歩行時、私たちは1歩ごとに足指へ体重の約1.2〜1.5倍の力をかけています。ところが、浮き指や屈み指があると、接地面積が小さくなるため、特定の部位に圧力が集中してしまいます。

それが結果的に神経や皮膚・軟部組織を刺激し、炎症・圧迫・慢性の痛みを生み出すのです。

2015年に『靴の医学』誌に発表された論文では、足のサイズに合った靴と正しい履き方、特に靴紐の締め方が靴内での「前滑り」を防ぐうえで重要であると述べられています。前滑りが起きると、足指がつま先にぶつかりやすくなり、足趾への圧迫・傷害・変形のリスクが高まる可能性があると指摘されています。

Japan Society of Shoe Medicine. (2015). Journal of Shoe Medicine (Vol. 29)

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実は“靴の中で足が滑る”——たったそれだけで、足指には想像以上の圧がかかって、痛み始めるんです。

屈筋が短縮→神経が引っ張られるような痛みとして感じられることがあ

立ったままでもスッと履ける靴・すべりやすい素材の靴下・靴ひもを結ばずに靴などを履いていると、足が靴や靴下の内部で前後に動きます。

そのたびに屈筋群が過緊張し、筋滑走が破綻。神経に沿って滑るはずの筋がねじれてしまい、結果的に神経を引っ張ってしまう——これが「刺すような痛み」の一因となり得ます。

2019年に発表された論文では、靴のベルト(甲の部分)をしっかり留めることで、足が靴の中で動かなくなり、身体のグラつきが減って安定しやすくなることがわかっています。足が靴の中でズレると、筋肉や神経に余計な力がかかりやすくなりますが、しっかり固定することで、それを防ぐ効果があるのです。

Numata A, Kurogo H. Effect of Shoe Instep Fixation on the Community-dwelling Elderly’s Balance Ability. Rigakuryoho Kagaku. 2019;34(4):399–403.

2023年に日本人間工学学会で発表された研究では、若い男女に「しっかり靴ひもを締めた場合」と「ゆるく締めた場合」で歩き方がどう変わるかを調べています。結果、靴ひもをゆるく締めたときは、歩くときに身体がグラグラ揺れやすくなり、歩くスピードも遅くなる傾向が見られました。特に体の中心である骨盤や背中が不安定になることがわかり、「靴ひもをしっかり締めることが、正しく安定して歩くためにとても大切だ」と結論づけています。

Murano R.Effects of Shoelace Tightness on Gait in Young Adults.Japanese Journal of Ergonomics. 2023; 59(3): 103–112.

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足が靴の中で1〜2mmわずかに滑るだけで、筋肉の軌道がねじれ、神経が“引きちぎられる”ような痛みに変わるんです。見落とされがちですが、“滑り”こそが最大の敵なんです。

まとめ|「歩くと足指が痛い」本当の原因は“構造”だった

歩くと足指が痛む理由は、必ずしも加齢や疲労だけではありません。

・靴や靴下のすべり
・足指の変形や使い方のクセ
・足元の安定性が失われた環境

こうした“構造的な要因”が関わることがあります。

足指は、姿勢・歩行・バランスにも影響する繊細な部位。だからこそ、まずは足元を観察し、生活習慣や環境を整えることが大切です。

もし同じ悩みを抱えている方がいれば、「足指という視点がある」という事実を、ぜひ知っておいてください。知っていただけたら嬉しいです。

足指の使い方が姿勢や全身バランスにどう影響するのかについては、Hand-Standing理論で詳しく解説しています。

足指への3つのアプローチ

外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指・足趾機能不全。これらの足指の問題は、原因がはっきりしています。

それは

「動かせていない」
「使えていない」
「使い続けられない」

この3つが同時に起きていることです。

逆に言えば、足指の問題に向き合う方法も、この3つ以外にありません。

・足指を動かす
・広がって伸びた足指を保つ
・足指を使い続ける

ここでは、外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指・足趾機能不全に対して、この3つを満たすために整理したアプローチを紹介します。

1. ひろのば体操

足指を「動かして」広げて伸ばす

ひろのば体操は、足趾機能不全によって低下しやすい足指の可動性や感覚入力を取り戻し、足指が本来の動きを発揮しやすい状態をつくることを目的に考案された体操です。

外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指など、足指がうまく使われにくくなっている状態に対して、日常で取り入れやすいアプローチの一つです。

2. YOSHIRO SOCKS

広がって伸びた足指を「保ち続ける条件」をつくる

YOSHIRO SOCKSは、足の中で起こりやすい「滑り」「指の押し込み」「アーチの崩れ」といった足元環境のストレスに着目し、

  • 足指が広がりやすい
  • 足指が伸びやすい
  • 足裏のアーチが保たれやすい

足元環境を整えることを目的に設計された靴下です。外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指・足趾機能不全など、足指の使われ方が関与するケースで検討される選択肢の一つです。

3. 小股歩き

日常動作の中で、足指が“使われ続ける”状態をつくる

小股歩きは、歩幅を抑えることで足指を感じながら地面を捉えやすくする歩き方です。

体操や足元環境の見直しと組み合わせることで、足指に関わる筋活動が起こりやすい条件をつくる考え方として紹介しています。

無理なく続けられる形を選んでください

・体操から始める人

・足元環境から見直す人

・両方を組み合わせる人

どれか一つに決める必要はありません。足指の問題は、方法よりも「続けられる条件」が大切です。

次に知りたいことを選んでください

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