【医療監修】インソールでモートン病が長引く人の共通点― 支えるほど弱る構造

はじめに
こんにちは。足指研究家の湯浅慶朗です。
モートン病(モートン神経腫)で悩む方が、次に頼りたくなるもの。
それが インソール(中敷き) です。
病院でも勧められることがありますし、ネットでも
「インソールで楽になった」
「アーチを支えればいい」
という情報はたくさん出ています。
ただ、私は臨床で10万人以上の足を見てきて、こう感じる場面が何度もありました。
インソールで楽になる人もいる。
でも、インソールで“長引く人”も確実にいる。
この記事では、その違いを
足指
前足部
重心
筋肉の緊張
という「構造」で整理します。
▶︎【医療監修】モートン病の本当の原因と全体像― 足指・前足部・血流・骨盤までを「構造」で整理する

▶︎【医療監修】モートン病を悪化させる靴の特徴― つま先・幅・硬さで前足部は壊れる

結論|インソールは「正しく使えば助けになる」が、構造が崩れたままだと長引きやすい
最初に結論です。
インソールは、足の負担を一時的に減らす“補助輪”として役立つことがあります。
ただし問題はここです。
インソールで支えているのに、足指が使えないままだと、前足部の負担集中が残る。
モートン病は、痛みが前足部に出る症状です。
だからこそ「前足部に負担が集まる構造」が残っていると、戻りやすい傾向があります。
▶︎【医療監修】モートン病はなぜ“前足部に負担が集中”するのか― 重心のズレで起きる構造

インソールで長引く人に共通する「3つの落とし穴」
ここからが本題です。
インソールで長引く人には、共通パターンがあります。
それは「支えること」が、逆に
足の仕事を奪ってしまう
方向に働いているケースです。
1)支えられているのに、足指がさらに使えなくなる
インソールは、アーチを支える目的で作られているものが多いです。
ただ、支えが強すぎると
足裏が“乗るだけ”になる
足指が地面を押す仕事を失う
結果として前足部が踏ん張り続ける
という逆転が起きることがあります。
つまり、
支えているつもりが、足指をサボらせてしまう
この状態です。
足指が使えないままだと、歩行の最後で
蹴れない
押せない
止めるしかない
になりやすい。
このとき前足部は、痛みの原因になりやすい 「踏ん張りポイント」 になってしまいます。
このタイプは、足指の機能低下(浮き指・屈み指)を同時に持っていることが多いです。
▶︎【医療監修】浮き指がモートン病を招く理由― “指で支えられない足”の末路

▶︎【医療監修】屈み指があるとモートン病になりやすい理由―足指の付け根に負担が集中する構造

2)インソールが「前足部を逃げられない環境」にしている
モートン病で問題になりやすいのは
前足部が潰れる
中足骨の間に負担が集中する
逃げ場がなくなる
という環境です。
ところがインソールによっては
前足部が沈み込めない
足裏が硬くなる
前足部の柔らかさが消える
こういう状態を作ってしまうことがあります。
その結果、
前足部に負担が集中する
痛みが残る
さらに支えたくなる
というループに入ります。
この「前足部が硬くなる」タイプは、筋肉の緊張ともセットで起きやすいです。
▶︎【医療監修】モートン病は“筋肉の過緊張”で悪化する― 前足部が固くなる人の共通点

3)インソールで「重心のズレ」が固定される
これはかなり多いです。
モートン病の痛みが片側だけに出る人は
外側重心
内側重心
踵重心
など、重心の癖が強いことがあります。
その状態でインソールを入れると、
ズレた重心のまま“支えが強化される”
ことがあります。
すると
痛いところは守れる
でも構造は変わらない
結果として戻る
という形になりやすいです。
特に「踵重心」は、前足部の負担集中を作りやすいので要注意です。
▶︎【医療監修】踵重心がモートン病を悪化させる― 骨盤前傾・後傾と前足部の連鎖

「支えるほど弱る」とはどういうことか?
この「支えるほど弱る」という現象は、
モートン病に限らず、インソール全般で繰り返し見られます。
なぜインソールが
・助けになる人
・逆に長引く人
を分けてしまうのか。
その仕組みを、足指・筋肉・再教育の視点から
理論的に整理した記事があります。
▶︎【医療監修】インソールは本当に意味がある?──長期使用で悪化する人が絶えない“本当の理由”と改善方法

ここは誤解されやすいので、丁寧に言います。
インソール自体が悪いわけではありません。
ただし、支えが長期化すると
足裏が本来やるべき微調整が減る
足指が働かなくなる
前足部の負担集中が残る
ということが起きる場合があります。
私はこれを臨床で
「支えるほど、支えられない足になっていく」
と感じる場面がありました。
特にモートン病は、前足部の問題として出ているので、
足指が働かないまま支え続ける
という方向は、長引くリスクになり得ます。
インソールが向いている人・向いていない人(構造で判断)
向いている可能性がある人
痛みが強く、まず負担を減らしたい
まず歩ける状態を作る必要がある人です。
靴の中で安定性が低い
靴が合っていないことで崩れている場合は、一時的に助けになることがあります。
▶︎【医療監修】モートン病を悪化させる靴の特徴― つま先・幅・硬さで前足部は壊れる

長引きやすい可能性がある人
足指が使えない(浮き指・屈み指)
押せない足は、前足部に負担が残りやすいです。
前足部が硬い・熱い・張る
インソールでさらに逃げ場がなくなるケースがあります。
片側だけ痛い(左右差が強い)
重心のズレが固定されている可能性があります。
▶︎【医療監修】モートン病はなぜ“前足部に負担が集中”するのか― 重心のズレで起きる構造

▶︎【医療監修】踵重心がモートン病を悪化させる― 骨盤前傾・後傾と前足部の連鎖

自分でできるチェック|インソールで悪化しているサイン
インソールを入れていて、次がある人は要注意です。
インソールを入れると「指が使いにくい」
指が浮く
踏ん張る
付け根が痛い
前足部の圧迫感が増える
小石が挟まる感じが強くなる
ジンジンが増える
夕方に悪化する
インソールを外すと少し楽
こうした反応がある場合、支え方が合っていない可能性があります。
この状態で
「もっと硬いインソール」
「もっと支えるインソール」
に進むと、さらに長引く人がいます。
その前に、まず構造を見直してください。
▶︎【医療監修】モートン病の本当の原因と全体像― 足指・前足部・血流・骨盤までを「構造」で整理する

まとめ|インソールは“補助輪”だが、足指が使えないままだと長引きやすい
モートン病に対してインソールは、助けになることもあります。
ただし臨床では、
支えるほど足指が働かなくなる
前足部が逃げられない
重心のズレが固定される
この3つが重なると、長引くケースがあると感じています。
だから私は、インソールを検討するときほど
「足指が使えているか」
「前足部が柔らかいか」
「重心が偏っていないか」
この視点を外さないようにしています。
次は、インソールよりもさらに影響が大きい 歩き方(重心移動) を整理します。
▶︎【医療監修】モートン病は歩き方で決まる― 小股歩きと重心移動の再教育




