【医療監修】坐骨神経痛と椎間板ヘルニアの違い|症状の出方で分かる判断軸

はじめに|「坐骨神経痛=ヘルニア」と決めつけていませんか?
こんにちは。足指研究家の湯浅慶朗です。
坐骨神経痛の相談を受けていると、かなりの確率でこう言われます。
「ヘルニアだと思います」
「坐骨神経痛って、ヘルニアですよね?」
「MRIでヘルニアって言われました」
たしかに、椎間板ヘルニアは坐骨神経痛の代表的な原因のひとつです。
ただ、ここで大事なのは、
坐骨神経痛は“症状の呼び名”であって、原因名ではない
という点です。
そして実際の現場では、
ヘルニアと診断されたのに、症状の出方が合っていない
画像ではヘルニアがあるけど、痛みの主因は別にありそう
腰よりも骨盤・足元の崩れが強い
こういうケースが本当に多いです。
この記事では、
坐骨神経痛と椎間板ヘルニアの違いを
「症状の出方」から見分ける判断軸
として整理します。
まず整理|椎間板ヘルニアとは何か?
椎間板ヘルニアは「背骨のクッション」が飛び出す状態

背骨の骨(椎骨)の間には、
椎間板(クッションのような組織)
があります。
椎間板ヘルニアは、その椎間板が突出して、
神経の通り道に影響することで症状が出る
と説明されることが多いです。
つまりヘルニアは、
背骨由来のトラブルとして理解されやすい
という特徴があります。
坐骨神経痛の“本当の難しさ”はここです
画像でヘルニアがあっても、痛みの原因とは限らない
ここが一番ややこしいポイントです。
MRIでヘルニアが見つかった
=そのヘルニアが、今の痛みの原因
とは限りません。
なぜなら、
ヘルニアがあっても無症状の人もいる
逆にヘルニアが目立たなくても強い痛みが出る人もいる
からです。
だから僕は、坐骨神経痛の整理で一番大事なのは
「画像」より先に「症状の出方」を見ること
だと思っています。
坐骨神経痛とヘルニアの違い|症状の出方で分かる7つの判断軸
ここからが本題です。
「どっちが正しい」ではなく、
あなたの症状が“どちらに近いか”
という見方で読んでください。
① 痛みの始まり方|急に出たか、じわじわか
ヘルニアに多いパターン
ある日突然、強い痛みが出た
重い物を持った瞬間から一気に悪化
咳・くしゃみで響く
このように、
きっかけがはっきりしている
ケースが多いです。
ヘルニア以外に多いパターン
気づいたら痛くなっていた
良い日と悪い日を繰り返す
姿勢や動きで波がある
こういうタイプは、
骨盤や足元の崩れが積み重なっている可能性
があります。
② 痛みの“強さ”より「動きで変わるか」
ヘルニアに多いパターン
特定の動作で鋭く悪化しやすい
前かがみで強く出る
腰の角度で一気に変わる
ヘルニア以外に多いパターン
立ち上がりの一歩目がつらい
歩くうちに変化する
片脚荷重で変わる
こういうタイプは、
骨盤の噛み合わせや重心の偏り
を疑う価値があります。
③ しびれの範囲|“線”で出るか、“面”で出るか
ヘルニアに多いパターン
太もも〜すね〜足先まで
あるルートに沿って出る
しびれの範囲が比較的一貫している
いわゆる、
神経の通り道っぽい出方
をすることがあります。
ヘルニア以外に多いパターン
日によって場所が変わる
お尻の日もあれば、ふくらはぎの日もある
左右が入れ替わることもある
この場合は、
神経そのものより“負担の連鎖”で出ている
可能性があります。
④ 座ると悪化するか|座位の影響はかなり大きい
座って悪化する坐骨神経痛は、
ヘルニアでも起きますが
骨盤由来でも起きます。
違いは、
座った瞬間なのか
座り続けた後なのか
です。
ヘルニアに近いパターン
座った瞬間から鋭い
前かがみ姿勢で強く出る
骨盤に近いパターン
長く座った後の立ち上がりがつらい
座り方で波がある
左右どちらかに寄ると変化する
座って痛いタイプは、こちらで詳しく整理しています。
▶︎【医療監修】坐骨神経痛で座ると痛いのはなぜ?座位で悪化する人の骨盤パターン

⑤ 咳・くしゃみで響くか(これは判断材料として強い)
咳やくしゃみで痛みが響く場合、
腹圧が上がることで腰に影響が出ている
可能性があり、
ヘルニア寄りの所見
として扱われることがあります。
もちろん例外もありますが、
「響くかどうか」は覚えておいてください。
⑥ 足元の崩れが強いか(足指研究所が一番重視する視点)
ここが、僕が一番大事にしている判断軸です。
坐骨神経痛が長引く人ほど、
腰だけじゃなく
足元の崩れが残っている
ことが本当に多いです。
足指が浮いている
踏ん張れない
靴の中で足がズレる
片方の靴底だけ減る
こういう人は、
骨盤がズレる条件をずっと持っている
可能性があります。
もし「腰を動かした瞬間に悪化する」というより、
立ち方・歩き方・靴の減り方に左右差があるなら、
原因は腰より先に“足元の支え方”にある可能性もあります。
足指タイプ別に原因を整理した記事はこちらです。
▶︎【医療監修】坐骨神経痛の原因は外反母趾?内側重心が骨盤を崩す仕組み

▶︎【医療監修】坐骨神経痛の原因は寝指・内反小趾?外側重心が仙腸関節を壊す流れ

▶︎【医療監修】坐骨神経痛の原因は浮き指・屈み指?踏ん張れない足が“脚長差”を作る理由

⑦ “良くなったと思ったら戻る”を繰り返すか
ヘルニア由来の症状は、
波はあっても
ある程度の回復の方向性が見えやすい
ことがあります。
一方で、骨盤由来の坐骨神経痛は、
整えても戻る
その場は楽でも数日で戻る
歩き方や座り方でぶり返す
という形で、
「構造が戻る」ことによって症状が戻る
ケースが目立ちます。
判定の目安|あなたはどっち寄り?
もちろん診断ではありませんが、
症状の出方だけで整理するなら
ヘルニア寄り:急性・鋭い・動作で強烈・咳くしゃみで響く
骨盤寄り:波がある・場所が変わる・立ち上がりや片脚荷重で変化
このような傾向があります。
坐骨神経痛は「症状別」に入口を作ると整理しやすい
坐骨神経痛は、
同じように見えても
痛みが出るタイミングによって、崩れている構造が違う
ことがあります。
「今のあなたの症状」に近いものから読んでみてください。
座ると痛い人はこちら
▶︎【医療監修】坐骨神経痛で座ると痛いのはなぜ?座位で悪化する人の骨盤パターン

歩くと痛い人はこちら
▶︎【医療監修】坐骨神経痛で歩くと痛い人へ|歩行で負担が増える“足元の崩れ”

寝ると痛い・夜中に目が覚める人はこちら
▶︎【医療監修】坐骨神経痛で寝ると痛い・夜中に目が覚める理由|寝返りと骨盤の関係

お尻が痛い人はこちら
▶︎【医療監修】坐骨神経痛でお尻が痛い人へ|梨状筋より先に疑うべき“仙腸関節”

ふくらはぎが痛い・しびれる人はこちら
▶︎【医療監修】坐骨神経痛でふくらはぎが痛い・しびれる理由|神経より先に起きている負担の連鎖

まとめ|「ヘルニアかも」で止まらず、症状の出方で整理する
坐骨神経痛は、
ヘルニアだけが原因とは限りません。
そして逆に、
ヘルニアがあっても
痛みの原因がそこだけとは限らない
というのが現実です。
だからこそ、
症状の出方
波の出方
足元の崩れ
骨盤のズレ
このあたりをセットで見ていくことが、
遠回りに見えて一番ブレない判断軸
になります。


