【医療監修】坐骨神経痛と脊柱管狭窄症の違い|歩ける距離・姿勢で分かる見分け方

目次

はじめに|「坐骨神経痛=狭窄症」と決めつけていませんか?

こんにちは。足指研究家の湯浅慶朗です。

坐骨神経痛のような痛みやしびれが続くと、多くの方が一度はこう考えます。

「脊柱管狭窄症かもしれない」

「歩くと痛いし、年齢的にも狭窄症では?」

「病院で“狭い”と言われた」

たしかに、脊柱管狭窄症は下肢の痛み・しびれ・歩行障害に関わることがあり、坐骨神経痛の原因として説明される代表格のひとつです。

ただ、ここで大事なのは、

坐骨神経痛は“症状の呼び名”であって、原因名ではない

という点です。

そして現場では、

狭窄症と言われたけれど症状の出方が合っていない

画像では狭窄があるのに、痛みの主因は別にありそう

腰よりも骨盤・足元の崩れが強い

こういうケースも少なくありません。

この記事では、坐骨神経痛と脊柱管狭窄症の違いを、特に

・歩ける距離
・姿勢での変化
・症状の出方

から整理していきます。

まず整理|脊柱管狭窄症とは何か?

脊柱管狭窄症は「神経の通り道」が狭くなる状態

脊柱管狭窄症は、背骨の中を通る神経の通り道(脊柱管)が狭くなり、神経が刺激されやすくなることで、痛みやしびれが出ることがある状態です。

原因としては、

加齢に伴う椎間板の変性

靭帯の肥厚

骨の変形

姿勢や負荷の偏り

など、複数の要因が関わると考えられています。

ここで大事なのは、脊柱管狭窄症は「画像で狭い」と言われても、

症状の強さと一致しないことがある

という点です。

坐骨神経痛の“ややこしさ”はここです

画像で狭窄があっても、痛みの原因とは限らない

脊柱管狭窄症は、MRIで「狭いですね」と言われやすい疾患です。

でも、

狭窄があっても症状がない人

狭窄が軽度でも症状が強い人

もいます。

つまり、

画像だけで決めつけるとズレることがある

ということです。

だから僕は、坐骨神経痛の整理で一番大事なのは、

「画像」より先に「症状の出方」を見ること

だと思っています。

坐骨神経痛と脊柱管狭窄症の違い|症状の出方で分かる8つの判断軸

ここからが本題です。

「どっちが正しい」ではなく、

あなたの症状が“どちらに近いか”という視点で読んでください。

① 一番大事|歩ける距離が決まっているか?

脊柱管狭窄症でよく知られる特徴に、

一定距離を歩くとつらくなる

というものがあります。

いわゆる「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」と呼ばれる状態です。

脊柱管狭窄症に近いパターン

  • だいたい○分、○m歩くとしびれてくる
  • 立ち止まると少し落ち着く
  • また歩くと同じ距離でつらくなる

坐骨神経痛(骨盤・足元タイプ)に多いパターン

  • 日によって歩ける距離が違う
  • 最初の数歩がつらい
  • 歩いているうちに変化する(楽になる/悪化する)

「歩ける距離が毎回ほぼ同じ」なら、狭窄症の特徴として意識しておく価値があります。

② 姿勢で変わるか|前かがみで楽になる?

脊柱管狭窄症は、

前かがみになると楽になる

と言われることがあります。

脊柱管狭窄症に近いパターン

  • 前かがみになると楽
  • カートを押す姿勢だと歩きやすい
  • 腰を反らすとつらい

これは「脊柱管のスペースが姿勢で変化する」ことと関連して説明されます。

一方で、坐骨神経痛でも前かがみが楽な人はいます。

なので、これ単体で決めつけず、他の判断軸とセットで見てください。

③ 立っているだけで悪化するか?

脊柱管狭窄症に近いパターン

  • 立っているだけで脚がしびれてくる
  • 台所仕事やレジ待ちがつらい
  • 少し座ると落ち着く

坐骨神経痛(骨盤タイプ)に多いパターン

  • 立ち続けるより、動き始めがつらい
  • 片脚に乗ると悪化する
  • 立ち方で左右差が出る

④ 痛みの場所|ふくらはぎが主役か、お尻が主役か?

脊柱管狭窄症に近いパターン

  • ふくらはぎがだるい
  • 足が重くて前に出ない
  • 両脚に出ることもある

坐骨神経痛(骨盤タイプ)に多いパターン

  • お尻がズーンと痛い
  • 片側が強い
  • 鼠径部や股関節まわりが怪しい

もちろん例外はありますが、体感としてはこの傾向が多いです。

⑤ しびれの範囲|「決まったルート」か「広がる感じ」か?

脊柱管狭窄症に近いパターン

  • すね〜足先まで広がる
  • 両脚に出ることがある
  • 感覚が鈍い感じが続く

坐骨神経痛(骨盤タイプ)に多いパターン

  • 日によって場所が変わる
  • お尻の日もあれば、ふくらはぎの日もある
  • 左右が入れ替わることもある

⑥ 休むと回復するか|「止まれば戻る」は狭窄症の特徴

脊柱管狭窄症では、

歩いて悪化 → 休むと回復 → また歩くと悪化

という波が出ることがあります。

これが強い人ほど、歩行距離が短くなりやすいです。

⑦ 腰より「脚」がつらいか?

脊柱管狭窄症に近いパターン

  • 腰より脚の症状が主役
  • 足がしびれて歩けない
  • 体幹より下が問題に感じる

坐骨神経痛(骨盤タイプ)に多いパターン

  • 腰〜骨盤の引っかかり感が強い
  • 立ち上がりでズキッと出る
  • 片側のズレ感が強い

⑧ 足元の崩れが強いか(足指研究所が一番重視する視点)

ここが、僕が一番大事にしている判断軸です。

坐骨神経痛が長引く人ほど、

腰だけじゃなく

足元の崩れが残っている

ことが本当に多いです。

  • 足指が浮いている
  • 踏ん張れない
  • 靴の中で足がズレる
  • 片方の靴底だけ減る
  • 立つと左右どちらかに寄る

こういう人は、

骨盤がズレる条件をずっと持っている

可能性があります。

もしあなたが

「歩ける距離が日によって違う」

「片側だけ強い」

「靴の減り方が左右で違う」

などがあるなら、腰より先に“足元の崩れ”が関係している可能性があります。

足指タイプ別に原因を整理した記事はこちらです。

▶︎【医療監修】坐骨神経痛の原因は外反母趾?内側重心が骨盤を崩す仕組み

▶︎【医療監修】坐骨神経痛の原因は寝指・内反小趾?外側重心が仙腸関節を壊す流れ

▶︎【医療監修】坐骨神経痛の原因は浮き指・屈み指?踏ん張れない足が“脚長差”を作る理由

まとめ|「歩ける距離」と「姿勢の変化」が見分けの中心になる

脊柱管狭窄症と坐骨神経痛の違いは、画像よりもまず

歩ける距離が一定か

前かがみで楽になるか

立ちっぱなしで悪化するか

休むと戻るか

このあたりにヒントがあることが多いです。

ただし、実際の痛みやしびれは多因子的で、

狭窄があっても、それだけが原因とは限らない
坐骨神経痛でも、腰だけが原因とは限らない

というのが現実です。

だからこそ、

症状の出方

姿勢での変化

歩ける距離

足元の崩れ

この4つをセットで整理していくことが、遠回りに見えて一番ブレない判断軸になります。

症状別の入口|あなたの「今のつらさ」に近いものから読んでください

坐骨神経痛は、同じように見えても

痛みが出るタイミングによって、崩れている構造が違うことがあります。

「今のあなたの症状」に近いものから読んでみてください。

座ると痛い人はこちら

▶︎【医療監修】坐骨神経痛で座ると痛いのはなぜ?座位で悪化する人の骨盤パターン

歩くと痛い人はこちら

▶︎【医療監修】坐骨神経痛で歩くと痛い人へ|歩行で負担が増える“足元の崩れ”

寝ると痛い・夜中に目が覚める人はこちら

▶︎【医療監修】坐骨神経痛で寝ると痛い・夜中に目が覚める理由|寝返りと骨盤の関係

お尻が痛い人はこちら

▶︎【医療監修】坐骨神経痛でお尻が痛い人へ|梨状筋より先に疑うべき“仙腸関節”

ふくらはぎが痛い・しびれる人はこちら

▶︎【医療監修】坐骨神経痛でふくらはぎが痛い・しびれる理由|神経より先に起きている負担の連鎖

足指への3つのアプローチ

— ただし、順番があります

私は2006年以降、病院における臨床の場で、体操・靴下・歩き方・靴の指導を中心に、足指の変形や機能不全、そしてそれに関連する整形外科的な不調に対する対応を行ってきました。

外反母趾、内反小趾、かがみ指、浮き指、寝指、足趾機能不全に加え、膝・腰・股関節・姿勢といった問題についても、足指からの介入を軸に経過を観察してきた臨床の積み重ねがあります。

これは理論だけの話ではありません。長年にわたる臨床数と経過、データの蓄積の中で、「動かす・保つ・使い続ける」という視点が共通して重要であることが整理されてきました。

その結果として、ここで紹介しているひろのば体操・YOSHIRO SOCKS・YOSHIRO WALKという3つのアプローチに集約されています。

1. ひろのば体操

足指を「動かして」広げて伸ばす

ひろのば体操は、足趾機能不全によって低下しやすい足指の可動性や感覚入力を取り戻し、足指が本来の動きを発揮しやすい状態をつくることを目的に考案された体操です。

外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指など、足指がうまく使われにくくなっている状態に対して、日常で取り入れやすいアプローチの一つです。

2. YOSHIRO SOCKS

広がって伸びた足指を「保ち続ける条件」をつくる

YOSHIRO SOCKSは、足の中で起こりやすい「滑り」「指の押し込み」「アーチの崩れ」といった足元環境のストレスに着目し、

  • 足指が広がりやすい
  • 足指が伸びやすい
  • 足裏のアーチが保たれやすい

足元環境を整えることを目的に設計された靴下です。外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指・足趾機能不全など、足指の使われ方が関与するケースで検討される選択肢の一つです。

3. 小股歩き

日常動作の中で、足指が“使われ続ける”状態をつくる

小股歩きは、歩幅を抑えることで足指を感じながら地面を捉えやすくする歩き方です。

体操や足元環境の見直しと組み合わせることで、足指に関わる筋活動が起こりやすい条件をつくる考え方として紹介しています。

無理なく続けられる形を選んでください

・体操から始める人

・足元環境から見直す人

・両方を組み合わせる人

どれか一つに決める必要はありません。足指の問題は、方法よりも「続けられる条件」が大切です。


まず迷っている方へ

— どれから始めるか迷ったら、ここを基準にしてください —

  • 体操が続かなかった人
  • 歩き方を意識する余裕がない人
  • 靴をすぐに変えられない人

この場合は、

② YOSHIRO SOCKS(足元環境を整える) から始めるのが現実的です。

足指は「動かす前に、使われる環境」が整わないと戻りやすいため、

まずは日常の中で 足指が使われにくい状態を減らす ことが優先されます。


すでに体操ができている方へ

① ひろのば体操 + ② YOSHIRO SOCKS

動かした足指を、そのまま保てる条件が重なることで、

足指が使われやすい状態が続きやすくなります。


余裕が出てきた方へ

③ 小股歩き を組み合わせることで、 日常動作の中でも足指が“使われ続ける”条件が整っていきます。

※どれか一つを「完璧にやる」必要はありません。

足指の問題で大切なのは、無理なく続けられる順番を選ぶことです。

次に知りたいことを選んでください

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