YOSHIRO SOCKSはなぜ生まれた?理学療法士が靴下を作った理由

外反母趾や浮き指、足指がうまく動かず歩くと痛い人へ。理学療法士の湯浅は、足指が広がらず地面につかないことが多いと気づき、ひろのば体操と並行して靴下を研究しました。体操は数分でも靴下は一日中なので、5本指や表面の滑り止めだけでなく、足の中で滑らず指が広がる薄く柔らかい素材と作り方が必要と判明。試作と臨床試験を繰り返し、靴下は靴や歩き方と合わせて見直す一要素だと考えています。また5本指でも指と指の間の生地だけでは広がらず、足裏の滑り止めだけだと足の中で前にずれて指で踏ん張りやすく、厚手は地面の感覚を伝えにくいと気づきました。
はじめに|靴下を売りたくて、作ったわけではありません
こんにちは。
足指研究家の湯浅慶朗です。
私は最初から、
靴下を作ろう
と思っていたわけではありません。
理学療法士として、
痛みや姿勢、歩き方に悩む方を見ていました。

その中で、
あることに気づきました。
足指が、うまく使えていない人がとても多い。
外反母趾。
内反小趾。
浮き指。
屈み指。
寝指。

形は違っても、
足指が広がらない。
伸びない。
地面につかない。
うまく動かない。
そんな足を何度も見てきました。
では、
なぜ足指は使えなくなるのか。
ここから、
私の足指研究が始まりました。
足指を広げてみたら、身体の使い方が変わった
足指研究の大きなきっかけになったのは、
妻の足でした。
小指がうまく使えていないことに気づき、
足指を広げたり、
伸ばしたり、
いろいろな方法を試しました。
すると、
立ち方や身体の使い方に変化が見られました。

そこで、
「足指をもっと詳しく調べてみよう」
と思うようになりました。
どこを広げるのか。
どの方向へ伸ばすのか。
どれくらいの時間行うのか。
手をどう使うのか。
何度も試しました。
その中から生まれたのが、
ひろのば体操です。
ただし、
ひろのば体操が完成して、
そのあとに靴下を考えたわけではありません。
体操と靴下の研究は、ほぼ同時進行でした。
その理由があります。
体操は数分。でも、靴下は一日中。
ひろのば体操で、

足指を広げる。
伸ばす。
動かす。
でも、
体操をするのは一日のうち数分です。
終われば、
靴下を履きます。
靴を履きます。
仕事をします。
買い物に行きます。
歩きます。
つまり、
足指は、その後の何時間もの方が長い。
ここで疑問が出てきました。
せっかく体操をしても、
そのあと履く靴下の中で、
足指が動きにくくなっていたら?
靴下の中で、
足が滑っていたら?
歩くたびに、
足指で踏ん張っていたら?
これでは、
体操の時間だけを考えても足りない。
そう考えるようになりました。
足指を動かす時間だけではなく、
履いている時間も考えないといけない。
これが、
私が靴下を研究し始めた理由です。
最初は「5本指靴下ならいい」と思っていました
足指のことを考えるなら、
5本指靴下。

最初は、
私もそう思いました。
親指から小指まで、
一本ずつ分かれています。
だから、
足指も自由に動くだろう。
ところが、
実際にいろいろな5本指靴下を履いてみると、
そうではありませんでした。
そこで分かったことがあります。
5本指に分かれていることと、
足指が使いやすいことは別。
だったのです。
5本指でも、足指は広がらない
5本指靴下を履けば、
指は一本ずつ分かれます。
でも、
分かれることと、広がることは違います。
指と指の間に生地が入っているだけで、
足指そのものが外へ広がるとは限りません。
見た目は5本指。
でも、
足指はほとんど同じ位置のまま。
これでは、
私が求めているものとは違いました。
私が欲しかったのは、
単に
「5本に分ける靴下」
ではありません。
足指が広がりやすい靴下
でした。
足裏に滑り止めがあっても、靴下の中で足は滑る
次に気づいたのが、
滑りです。
「滑らない靴下」と聞くと、
足裏にゴムの滑り止めが付いた靴下を想像すると思います。

でも、
ここには大きな違いがあります。
足裏の滑り止めは、
靴下の下側
についています。
つまり、
床や靴に対して、
靴下そのものが滑りにくくなるものです。
でも、
その内側(中)ではどうでしょう。
足と靴下の間は別です。
靴下そのものが止まっていても、
その中で足が前へ滑ることがあります。

すると、
足だけが前へズレます。
そして、
脱げないように、
無意識に足指で踏ん張ります。
足が滑る
↓
足指を曲げる・反らせる
↓
また滑る
↓
また踏ん張る
これを、
歩くたびに繰り返します。
私が問題だと感じたのは、
ここでした。
だから、
単に足裏へ滑り止めを付ければいい、
とは考えませんでした。
必要だったのは、
靴下の中で、足そのものが滑りにくいこと。
でした。
▶︎滑り止め靴下について詳しく見る

綿やシルクは気持ちいい。でも、滑る。
靴下を調べていくと、
素材も気になり始めました。
代表的なのが、
綿やシルクです。
どちらも、
靴下ではよく使われる素材です。
肌触りもいい。
天然素材なので、
好んで選ぶ方も多いと思います。
でも、
足指の使われ方という視点で見ると、
別の問題がありました。
滑りやすい。
| 素材 | 摩擦に関する測定値 |
|---|---|
| 綿 | 0.8N |
| シルク | 0.6–0.8N |
| 市販スポーツソックス | 0.7–0.9N |
| YOSHIRO SOCKSの繊維 | 2.3N |
靴下の中で足が滑れば、
足指は踏ん張ります。
だから私は、
「天然素材だからいい」
「肌触りがいいからいい」
だけでは、
靴下を選べなくなりました。
大切なのは、
履いたとき、足がどう動くのか。
そこを見る必要があると考えました。
締め付けなくても、硬すぎると足指は動かない
もう一つ、
大きな問題がありました。
生地の硬さです。
これは、
締め付けとは少し違います。
サイズが小さいわけではない。
足をギュッと締め付けているわけでもない。
それでも、
生地そのものが硬すぎると、
足指が動きにくい。
足指は、
歩いている間、
ずっと同じ形ではありません。
広がる。
曲がる。
伸びる。
地面に触れる。
離れる。
細かく動き続けています。
ところが、
生地が硬すぎると、
その動きについてきません。
つまり、
締め付けていなくても、
足指の動きを邪魔することはある。
ということです。
私が求めたのは、
足指を固定する靴下ではありませんでした。
足指の動きについてくる靴下。
それが必要でした。
厚い靴下も違いました
靴下には、
厚手のものもたくさんあります。
クッション性があって、
柔らかい。
履いた瞬間は、
気持ちよく感じるかもしれません。
でも、
私はここにも疑問を持ちました。
足と地面の間に、
厚い生地が入ります。
すると、
地面の感覚が分かりにくくなります。

さらに、
靴の中で場所を取るため、
足指が動ける空間も小さくなります。
だから、
厚ければいいわけでもありません。
私が欲しかったのは、
できるだけ薄い。
でも、必要な機能は残す。
そんな靴下でした。
「5本指+滑り止め」でも足りなかった
ここまで調べて、
ようやく分かってきました。
・5本指だからいい。
・滑り止めが付いているからいい。
・綿だからいい。
・シルクだからいい。
・厚くて丈夫だからいい。
そういう単純な話ではありません。
私が必要だと考えたのは、
大きく4つでした。
足指が広がりやすい。
靴下の中で足が滑りにくい。
足指が動きやすい。
生地が薄い。
これを、
全部一緒に満たしたい。
でも、
探しても、
自分が欲しい靴下は見つかりませんでした。
ないなら、自分で作るしかない
ここで初めて、
自分で靴下を作ろう
となりました。
最初から商品を作りたかったわけではありません。
むしろ、
売っているものの中に欲しいものがあれば、
それを使えばよかった。
でも、
ありませんでした。
だから、
作るしかありませんでした。
靴と靴下を、一から勉強しました
私は理学療法士です。
靴職人でも、
靴下職人でもありません。
だから、
一から勉強しました。
靴を学びました。
靴下を学びました。
実際に履きました。
分解して見ました。
素材を調べました。
工場にも通いました。
試作品を作って、
履いて、
また直す。
その繰り返しです。
見るところも、
どんどん細かくなりました。
糸。
編み方。
厚さ。
硬さ。
伸び方。
滑り。
足指部分の形。
洗ったあとの変化。
足指がどう動くか。
そこを基準に、
何度も作り直しました。
でも、「自分が良いと思う」だけでは商品にしたくなかった
ここは、
YOSHIRO SOCKSを作るうえで、
とても大切にしたところです。

履いた感じがいい。
足指が広がって見える。
自分では良いと思う。
それだけでは、
商品にしたくありませんでした。
私が知りたかったのは、
実際に使い続けたら、どうなるのか。
です。
私は理学療法士です。
だから最後は、
結果で確かめたい。
そう考えました。
2019年から、石井直方先生と臨床試験を始めました
そこで2019年から、
東京大学名誉教授で運動生理学者の
石井直方先生と、
臨床試験を繰り返すようになりました。

一度だけ調べて終わり、
ではありません。
試作品を作る。
↓
実際に使ってもらう。
↓
足指や足の状態を見る。
↓
結果を確認する。
↓
また作り直す。
この繰り返しです。
作る。
試す。
見る。
直す。
YOSHIRO SOCKSは、
この方法で作ってきました。
見ていたのは「履き心地」だけではありません
評価したのは、
「気持ちいい」
「履きやすい」
という感想だけではありません。
実際の足を、
継続して見ました。
たとえば、
外反母趾。
内反小趾。
浮き指。
屈み指。
寝指。
開帳足。
扁平足。
こうした足や足指の状態を記録し、
時間とともに、
どう変わるのかを確認していきました。

もちろん、
ひろのば体操
靴
歩き方
生活環境
など、
複数のことを同時に見直しているため、
靴下だけの効果を示すものではありません。
それでも、
私にとって大切だったのは、
理屈では良さそう。
ではなく、
実際にどうだったのか。
を見ることでした。
結果を見て、また靴下を変える

YOSHIRO SOCKSは、
最初から今の形だったわけではありません。
結果を見る
↓
問題を探す
↓
素材を変える
↓
編み方を変える
↓
厚さを変える
↓
滑りにくさを見直す
↓
また試す
↓
また見る
そして、
また変える。
この繰り返しです。
私にとって、
研究と商品開発は別々ではありません。
研究して、
結果を見る。
その結果を、
次の靴下に戻す。
そして、
また試す。
結果がすべて。
そう考えて、
YOSHIRO SOCKSを作ってきました。
ひろのば体操とYOSHIRO SOCKSは、同じところから生まれた
ひろのば体操
YOSHIRO SOCKS
一見すると、
体操と靴下なので、
まったく違うものに見えます。
でも、
私の中では同じです。
考えていたことは、
ずっと一つでした。
どうすれば、足指が広がって、伸びて、使いやすくなるのか。
そのために、
自分で足指を動かす方法を考えた。
それが、
ひろのば体操。
そして、
体操をしていない時間のことを考えた。
それが、
YOSHIRO SOCKS。
だから、
どちらかが先というより、
同じ問題を、別の方法で考えていた
という方が正確です。
ひろのば体操と足指研究の詳しい歩みについては、こちらにまとめています。
▶︎ひろのば体操の歴史を見る

靴下だけで全部が決まるわけではありません
もちろん、
YOSHIRO SOCKSだけ履けばいい
という話でもありません。
靴が合っていなければ、
足は滑ります。
靴の履き方が悪ければ、
かかとは安定しません。
足指が固まっていれば、
まず動かすことも必要です。
だから私は、
足指を考えるとき、
一つだけを見るのではなく、
今の足指を知る
↓
足指を動かす
↓
靴下を見直す
↓
靴と履き方を見直す
↓
歩き方を見直す
という流れで考えています。
靴下は、
その一つです。
でも、
毎日、何時間も足に直接触れているもの。
だから、
私は靴下を無視できませんでした。
体操は数分。靴下は一日中。
最後に、
この言葉に戻ります。
体操は数分。
靴下は一日中。
だから私は、
体操をしている時間だけではなく、
履いている時間の足指まで考えています。
ひろのば体操と、
YOSHIRO SOCKS。
どちらも、
同じところから生まれました。
足指が、広がって、伸びて、動きやすいこと。
そのために、
何が必要なのか。
それを考え続けた結果、
靴下まで作ることになりました。
これが、
YOSHIRO SOCKSを開発した理由です。
もっと詳しく知りたい方へ
靴下が足指にどう関係するのか?
素材・滑り・厚さなどについて詳しく解説しています。
▶︎靴下が足指に与える影響を見る

滑り止めが付いていれば、それでいいのか?
靴下の外側と内側の「滑り」の違いについて解説しています。
▶︎滑り止め靴下について詳しく見る

ひろのば体操は、どうやって生まれたのか?
足指研究の始まりから詳しくまとめています。
▶︎ひろのば体操の歴史を見る































