【医療監修】顎関節症はどこが痛い?|顎・こめかみ・耳の前の痛みでわかる“原因の分かれ道”

はじめに
こんにちは。足指研究家の湯浅慶朗です。
顎関節症の相談で多いのが、こういう質問です。
「顎が痛いんですけど、これって顎関節症ですか?」
「こめかみがズキズキするんですけど、顎が原因ですか?」
「耳の前が痛くて、耳鼻科は異常なしでした…」
顎関節症は、“顎の関節”だけが痛む病気と思われがちです。
でも実際には、痛む場所が人によって全然違います。
顎が痛い人もいれば、こめかみが痛い人もいる。
耳の前が痛い人もいれば、首や肩のほうが先に限界が来る人もいる。
だからこそ大事なのは、いきなり治し方を探すことではなく、
「どこが痛いか」から原因を分けて整理することです。
この記事では、顎関節症で多い痛みの場所を3つに分けて、
- 顎が痛いタイプ
- こめかみが痛いタイプ
- 耳の前が痛いタイプ
それぞれで、何が起きている可能性が高いのかを分かりやすく整理します。
顎関節症を“顎だけの問題”として見ずに、姿勢や足元まで含めて全体像で整理したい方は、こちらの記事も参考になります。
▶︎【医療監修】顎関節症の本当の原因は“顎”じゃない|足指→重心→姿勢→顎の連鎖

先に結論|痛い場所が違うと「頑張っている場所」も違う
顎関節症は、原因がひとつではありません。
そして痛みが出る場所も、ひとつではありません。
ここで一番大事なのは、
痛い場所=原因の場所とは限らない
ということです。
顎が痛いから顎が悪い、とは限らない。
こめかみが痛いから頭が悪い、とは限らない。
耳の前が痛いから耳が悪い、とは限らない。
多くの場合は、
体が崩れる
↓
顎が頑張る
↓
頑張りすぎた場所に痛みが出る
この順番です。
だから痛い場所を整理すると、
「今、どこが頑張りすぎているか」
が見えてきます。
顎関節症の痛みは大きく3タイプに分かれる
顎関節症の痛みは、ざっくり言うとこの3つに分かれます。
① 顎が痛い(噛むと痛い・開けると痛い)
- 口を開けると顎が痛い
- 噛むと痛い
- 片側だけ痛い
- 口を開ける途中で引っかかる感じがある
このタイプは、
顎の関節や噛む筋肉に負担が集中している
可能性があります。
② こめかみが痛い(頭痛が主役)
- こめかみがズキズキする
- 目の奥が疲れる
- 夕方に痛くなる
- 肩こり・首こりもセット
このタイプは、
噛む筋肉の中でも「側頭筋」が過緊張している
可能性があります。
③ 耳の前が痛い(耳の近くがつらい)
- 耳の前が押すと痛い
- 耳が詰まる感じがある
- 耳鳴りが気になる
- 耳鼻科で異常なしと言われた
このタイプは、顎関節が耳のすぐ近くにあるため、
顎の負担が耳の違和感として感じられている
可能性があります。
ここからは、それぞれをもう少し深掘りします。
①「顎が痛い」タイプ|関節か筋肉かで分かれ道がある
顎が痛いとき、原因は大きく2つに分かれます。
顎の関節に負担が集中しているケース
- 口を開けると耳の前がズキッとする
- 開けたときに引っかかる
- 顎がロックされそうになる
- 口が開きにくい
このタイプは、
顎関節の中で動きがスムーズにいっていない
可能性があります。
顎関節症は、関節の中にある“クッション”の役割をする組織がズレたり、関節の動きが乱れたりすることで、痛みや引っかかり感が出ることがあります。
噛む筋肉が疲れすぎているケース
- 口を開けるより噛むと痛い
- 顎がだるい
- 顎が重い
- 夕方に疲れてくる
このタイプは、
噛む筋肉が休めていない
可能性があります。
噛む筋肉が休めない原因は、ストレスだけではありません。
体が不安定な人ほど、無意識に噛みしめやすい。
僕は臨床でこの傾向を何度も見てきました。
顎が痛い人は「開口制限」とセットの人も多いので、口が開きにくい人はこちらもつながります。
▶︎【医療監修】顎関節症で口が開かない理由|指2本しか入らない“開口制限”の正体

②「こめかみが痛い」タイプ|側頭筋が頑張りすぎている
こめかみの痛みで多いのが、噛む筋肉のひとつである側頭筋の緊張です。
側頭筋は、こめかみ〜頭の横にある筋肉で、
噛む
食いしばる
集中する
ストレスがかかる
こういう時に働きます。
つまり、顎関節症の人でこめかみが痛い人は、
顎の問題というより「噛む筋肉がずっと働き続けている」
という状態になっていることが多いです。
こめかみが痛い人の特徴
- 仕事中に集中すると噛む
- パソコンやスマホを見ていると顎が固まる
- 夕方になると頭痛が出る
- 目の疲れが強い
- 首こり・肩こりもセット
このタイプは「顎の治療」だけではなく、
姿勢と首の前突が絡んでいる
ことが多いです。
首が前に出ると、頭が前に落ちます。
頭が前に落ちると、噛みしめで固定しやすくなります。
こめかみの痛みが強い人は、こちらの記事もつながります。
▶︎【医療監修】顎関節症と頭痛の関係|緊張型・目の疲れ・首の前突が重なるとつらくなる理由

③「耳の前が痛い」タイプ|顎関節は耳のすぐ近くにある
顎関節は、耳の穴のすぐ前にあります。
だから顎関節症では、
耳の前が痛い
耳が詰まる感じがする
耳鳴りがする
音がこもる
こういう症状が出ることがあります。
耳の病気と間違えやすいのも、顎関節症のややこしいところです。
耳の前が痛い人に多い特徴
- 顎を押すと痛い
- 口を開けると痛い
- クリック音がある
- 食事で疲れる
- 朝から顎が重い
このタイプは、
顎関節周辺の負担が大きくなっている
可能性があります。
耳鼻科で異常なしと言われた人は、こちらの記事も参考になります。
▶︎【医療監修】顎関節症で耳が詰まる・耳鳴りがする理由|耳鼻科で異常なしの人へ

痛みが複数ある人ほど「顎だけ」見ても迷いやすい
顎関節症の厄介なところは、痛みがひとつじゃない人が多いことです。
顎も痛い
こめかみも痛い
耳も違和感がある
首肩もつらい
こうなると、どこから手をつけていいか分からなくなります。
このタイプは、顎の中で問題が増えているというより、
顎に負担が集まる条件が複数重なっている
可能性が高いです。
つまり、
噛みしめ
首の前突
左右差
睡眠中の緊張
足元の偏り
こういう条件が重なって、顎が逃げ場を失っている状態です。
この「戻る条件」が残っている人は、こちらの記事が一番つながります。
▶︎【医療監修】顎関節症が治らない理由|マウスピース・整体・ストレッチで戻る人の共通点

痛みの場所別|あなたの“原因の分かれ道”まとめ
最後に、今日の内容を整理します。
顎が痛い人
- 関節に負担が集中している
- 噛む筋肉が疲れすぎている
- 開口制限が隠れていることもある
こめかみが痛い人
- 側頭筋が緊張している
- 首の前突・目の疲れ・噛みしめが絡みやすい
- 頭痛が主役になりやすい
耳の前が痛い人
- 顎関節が耳の近くにあるため耳症状が出ることがある
- 耳鼻科で異常なしでも顎が原因のことがある
- クリック音や開口制限とセットの人もいる
まとめ|痛い場所が違うと「原因の入口」も違う
顎関節症は、症状が人によって違いすぎます。
だからこそ、
どこが痛いのか
どこが一番つらいのか
ここから整理すると、迷いが減ります。
顎関節症は、顎だけを触っても答えが出ない
ことがあります。
顎が頑張らされている条件が残っていると、また戻るからです。
次に読むなら、「口が開かない」「指2本しか入らない」タイプは日常生活に支障が出やすいので、ここを先に整理すると一気に道が見えます。
▶︎【医療監修】顎関節症で口が開かない理由|指2本しか入らない“開口制限”の正体



