【医療監修】坐骨神経痛の本当の原因は“神経の圧迫”だけ?足指と骨盤のズレから読み解く新しい視点

目次

はじめに|坐骨神経痛が「治らない人」に共通する“見落とし”があります

こんにちは。足指研究家の湯浅慶朗です。

坐骨神経痛の相談を受けていると、

多くの方が口をそろえて、こう言います。

「ヘルニアと言われました」

「狭窄症だと思います」

「神経が圧迫されているから仕方ないですよね」

もちろん、画像で原因がはっきりしているケースもあります。

ただ、私が理学療法士として10万人以上の足と姿勢を見てきた中で、どうしても無視できない現実があります。

それは、

神経が強く圧迫されていないのに、坐骨神経痛のような痛みが続く人が非常に多い

ということです。

そして、その多くに共通しているのが、

足指が使えていない

重心が偏っている

骨盤がズレている

仙腸関節の動きが左右で違う

という“構造の崩れ”です。

私は坐骨神経痛を、

神経の問題というより、身体の支え方の破綻として起きる「放散痛(関連痛)」のケースがある

と捉えています。

この記事では、坐骨神経痛を「腰だけ」で考えるのではなく、足元から骨盤までを一つの連鎖として整理しながら、なぜ症状が長引くのかを解説します。

坐骨神経痛を、構造全体で整理した百科事典記事はこちらです。

▶︎【医療監修】坐骨神経痛は本当に“神経の圧迫”だけ?足指と姿勢から読み解く新しい視点

坐骨神経痛とは|痛い場所は「神経の通り道」でも、原因は別の場所にあることがあります

坐骨神経痛は、腰からお尻、太もも、ふくらはぎ、足先にかけて痛みやしびれが出る状態の総称です。

痛みのラインが坐骨神経の走行に似ているため、

「神経が悪い」

「神経が潰れている」

と理解されやすいのですが、ここが落とし穴です。

坐骨神経痛のような症状は、

神経が“原因”で起きているケース

神経が“結果”として巻き込まれているケース

この2つが混ざっていることがあります。

特に、画像検査で「原因がはっきりしない」人ほど、後者の可能性を丁寧に見直す価値があります。

坐骨神経痛の原因としてよく言われるもの(でも、それだけでは説明できない)

医療機関で坐骨神経痛と言われた場合、よく挙げられる原因は次の通りです。

椎間板ヘルニア

脊柱管狭窄症

梨状筋症候群

外傷(転倒・事故など)

これらはすべて、神経の近くで何かが起きている前提の説明です。

ただ現実には、

MRIで異常なしと言われたのに痛い

圧迫があるのに痛くない人もいる

左右の画像は同じなのに片側だけ痛い

こうした矛盾が頻繁に起こります。

この時点で、原因を「神経の圧迫」だけに固定してしまうと、必要な視点が抜け落ちます。

「ヘルニアなのか、それとも違うのか」が不安な方は、まずここで整理しておくと判断がラクになります。

▶︎【医療監修】坐骨神経痛と椎間板ヘルニアの違い|症状の出方で分かる判断軸

「狭窄症と言われたけど、歩ける日と歩けない日がある」という人も多いです。そういう方は、この視点が役に立つかもしれません。

▶︎【医療監修】坐骨神経痛と脊柱管狭窄症の違い|歩ける距離・姿勢で分かる見分け方

坐骨神経痛が長引く人の多くは「仙腸関節」が乱れています

私が坐骨神経痛の相談で最も重視しているのは、仙腸関節(せんちょうかんせつ)です。

仙腸関節は、骨盤の中央にあり、数ミリ単位で動く小さな関節です。

この関節の動きが左右でズレると、

お尻の奥

太ももの裏

ふくらはぎ

足の外側

などに、坐骨神経痛のような痛みが飛ぶことがあります。

仙腸関節のズレによる痛みの部位パターン

ここで重要なのは、

痛い場所=原因とは限らない

ということです。

実際、「お尻が痛い」と言う人でも、梨状筋だけをほぐして変化を感じないケースは少なくありません。

そういう方は、先に仙腸関節側の乱れを疑ったほうが話が早いことがあります。

▶︎【医療監修】坐骨神経痛でお尻が痛い人へ|梨状筋より先に疑うべき“仙腸関節”

AKAが「その場では楽」でも戻りやすい理由

仙腸関節の機能障害に対して、AKA(関節運動学的アプローチ)が用いられることがあります。

私自身も臨床で長く取り入れてきましたし、その場で軽さを感じる方もいます。

ただ一方で、

数日〜数週間で戻ってしまう

繰り返し通っているのに根本が変わらない

という相談も多いです。

この理由はシンプルで、

仙腸関節がズレた原因が残っていると、また同じ方向にズレる

からです。

つまり、仙腸関節を整えても、

その上に乗っている“骨盤のズレ”が戻れば、仙腸関節も戻る

ということです。

仙腸関節のズレは「骨盤のズレ」が原因で、骨盤のズレは「足指」から始まります

ここからが、足指研究所らしい話になります。

仙腸関節が乱れている人の多くは、骨盤がズレています。

そして骨盤のズレは、突然起きません。

日常の立ち方と歩き方の積み重ねで、少しずつ固定されていきます。

その“はじまり”に多いのが、足指の変形と機能低下です。

私は坐骨神経痛の構造を、こう整理しています。

足指変形

重心偏位

回内足または回外足

O脚またはX脚

脚長差

骨盤の偏位

仙腸関節の機能障害

坐骨神経痛様症状(放散痛)

この流れがあると、神経が圧迫されていなくても痛みが出ます。

そしてここが一番のポイントですが、

坐骨神経痛の“根っこ”は、腰ではなく足元にあることがある

ということです。

足指のタイプで「骨盤のズレ方」が変わります

足指の変形は、見た目の問題ではありません。

体重の乗り方=重心のクセを作ります。

そしてその重心のクセが、骨盤のズレ方を決めます。

ここを押さえると、坐骨神経痛の理解が一気に進みます。

外反母趾・親指の浮き指は「内側重心」になりやすい

外反母趾や親指の浮き指がある人は、足の内側へ体重が寄りやすくなります。

この内側重心は、

回内足

膝が内に入る

X脚傾向

骨盤のねじれ

につながりやすいパターンがあります。

「なぜ坐骨神経痛なのに、親指の問題が関係するのか?」を詳しく知りたい方はこちらで整理しています。

▶︎【医療監修】坐骨神経痛の原因は外反母趾?内側重心が骨盤を崩す仕組み

内反小趾・寝指・小指の浮き指は「外側重心」になりやすい

内反小趾や寝指、小指の浮き指がある人は、足の外側へ体重が逃げやすくなります。

この外側重心は、

回外足

O脚傾向

外側荷重の固定

骨盤の左右差

につながりやすいパターンがあります。

「片側だけ坐骨神経痛が続く」タイプは、この外側固定が強いことが多いです。

▶︎【医療監修】坐骨神経痛の原因は寝指・内反小趾?外側重心が仙腸関節を壊す流れ

浮き指・屈み指は「踏ん張れない足」になりやすい

浮き指や屈み指がある人は、地面を押す力が弱くなりやすいです。

その結果、

歩行が不安定になる

片足支持が崩れる

脚長差が生まれやすい

骨盤が傾く

という連鎖が起こりやすくなります。

坐骨神経痛が「歩くと悪化する」人ほど、このタイプが多い印象があります。

▶︎【医療監修】坐骨神経痛の原因は浮き指・屈み指?踏ん張れない足が“脚長差”を作る理由

症状別に見ると「崩れている場所」が見えやすくなります

坐骨神経痛のつらさは、人によって出方が違います。

そして症状の出方が違うということは、

負担が集中している場所が違う可能性がある

ということです。

ここからは、あなたの症状に近いものから読んでみてください。

座ると痛い人は「骨盤が逃げられない」タイプかもしれません

座っていると悪化する人は、

仙腸関節のズレが座位で固定される

骨盤が後ろに倒れて逃げ場がなくなる

などのパターンが見られます。

▶︎【医療監修】坐骨神経痛で座ると痛いのはなぜ?座位で悪化する人の骨盤パターン

歩くと痛い人は「足元の崩れ」が増幅しているかもしれません

歩くと痛い人は、神経が悪いというより、

歩くたびに骨盤がズレる条件が残っている

ケースがあります。

▶︎【医療監修】坐骨神経痛で歩くと痛い人へ|歩行で負担が増える“足元の崩れ”

寝ると痛い・夜中に目が覚める人は「寝返りができない姿勢固定」かもしれません

夜に悪化する人は、

寝返りの少なさ

骨盤がねじれたまま固定される

同じ場所に圧がかかり続ける

という条件が重なっていることがあります。

▶︎【医療監修】坐骨神経痛で寝ると痛い・夜中に目が覚める理由|寝返りと骨盤の関係

ふくらはぎが痛い・しびれる人は「神経より先に負担が溜まっている」ことがあります

ふくらはぎに出る症状は「神経っぽい」ので不安になりやすいです。

ただ実際には、

骨盤のズレ

股関節のねじれ

下腿の回旋

足部の接地不良

などが積み重なって出ているケースもあります。

▶︎【医療監修】坐骨神経痛でふくらはぎが痛い・しびれる理由|神経より先に起きている負担の連鎖

まず確認したいセルフチェック|あなたは「仙腸関節タイプ」かもしれません

坐骨神経痛が長引く人の中には、

神経の圧迫ではなく

仙腸関節の乱れが主な引き金になっている

タイプが存在します。

自分がどちらに近いのかを整理するだけでも、不安はかなり減ります。

▶︎【医療監修】坐骨神経痛セルフチェック|仙腸関節タイプかどうかを見分ける方法

まとめ|坐骨神経痛は「神経の圧迫」ではなく“支え方の崩れ”で起きていることがあります

坐骨神経痛は、神経の走行に沿って痛みが出るため、どうしても「神経が原因」と思われやすい症状です。

しかし実際には、

足指の変形

重心の偏り

回内足・回外足

O脚・X脚

脚長差

骨盤の偏位

仙腸関節の機能障害

こうした構造の連鎖の結果として、坐骨神経痛のような放散痛が起きているケースがあります。

もしあなたが、

薬やストレッチを続けても変化を感じにくい

画像では異常がないのに痛い

片側だけずっと残る

繰り返し再発する

こういう状態なら、一度「足元から骨盤までの支え方」を見直してみてください。

坐骨神経痛は、腰だけで完結する話ではありません。

あなたの身体は、足元から崩れている可能性があります。

足指への3つのアプローチ

— ただし、順番があります

私は2006年以降、病院における臨床の場で、体操・靴下・歩き方・靴の指導を中心に、足指の変形や機能不全、そしてそれに関連する整形外科的な不調に対する対応を行ってきました。

外反母趾、内反小趾、かがみ指、浮き指、寝指、足趾機能不全に加え、膝・腰・股関節・姿勢といった問題についても、足指からの介入を軸に経過を観察してきた臨床の積み重ねがあります。

これは理論だけの話ではありません。長年にわたる臨床数と経過、データの蓄積の中で、「動かす・保つ・使い続ける」という視点が共通して重要であることが整理されてきました。

その結果として、ここで紹介しているひろのば体操・YOSHIRO SOCKS・YOSHIRO WALKという3つのアプローチに集約されています。

1. ひろのば体操

足指を「動かして」広げて伸ばす

ひろのば体操は、足趾機能不全によって低下しやすい足指の可動性や感覚入力を取り戻し、足指が本来の動きを発揮しやすい状態をつくることを目的に考案された体操です。

外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指など、足指がうまく使われにくくなっている状態に対して、日常で取り入れやすいアプローチの一つです。

2. YOSHIRO SOCKS

広がって伸びた足指を「保ち続ける条件」をつくる

YOSHIRO SOCKSは、足の中で起こりやすい「滑り」「指の押し込み」「アーチの崩れ」といった足元環境のストレスに着目し、

  • 足指が広がりやすい
  • 足指が伸びやすい
  • 足裏のアーチが保たれやすい

足元環境を整えることを目的に設計された靴下です。外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指・足趾機能不全など、足指の使われ方が関与するケースで検討される選択肢の一つです。

3. 小股歩き

日常動作の中で、足指が“使われ続ける”状態をつくる

小股歩きは、歩幅を抑えることで足指を感じながら地面を捉えやすくする歩き方です。

体操や足元環境の見直しと組み合わせることで、足指に関わる筋活動が起こりやすい条件をつくる考え方として紹介しています。

無理なく続けられる形を選んでください

・体操から始める人

・足元環境から見直す人

・両方を組み合わせる人

どれか一つに決める必要はありません。足指の問題は、方法よりも「続けられる条件」が大切です。


まず迷っている方へ

— どれから始めるか迷ったら、ここを基準にしてください —

  • 体操が続かなかった人
  • 歩き方を意識する余裕がない人
  • 靴をすぐに変えられない人

この場合は、

② YOSHIRO SOCKS(足元環境を整える) から始めるのが現実的です。

足指は「動かす前に、使われる環境」が整わないと戻りやすいため、

まずは日常の中で 足指が使われにくい状態を減らす ことが優先されます。


すでに体操ができている方へ

① ひろのば体操 + ② YOSHIRO SOCKS

動かした足指を、そのまま保てる条件が重なることで、

足指が使われやすい状態が続きやすくなります。


余裕が出てきた方へ

③ 小股歩き を組み合わせることで、 日常動作の中でも足指が“使われ続ける”条件が整っていきます。

※どれか一つを「完璧にやる」必要はありません。

足指の問題で大切なのは、無理なく続けられる順番を選ぶことです。

次に知りたいことを選んでください

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