【医療監修】椎間板ヘルニアは腰だけの問題じゃない?― 痛む場所と「壊れていく構造」が一致しない本当の理由

はじめに
こんにちは。足指研究家の湯浅慶朗です。
椎間板ヘルニアと診断されると、
多くの人がこう考えます。
- 腰が悪い
- 腰を治さないといけない
- 腰に原因がある
そのため、
- 腰のリハビリ
- 腰のストレッチ
- 腰の電気治療
を中心に進めるケースがほとんどです。
しかし実際には、
腰だけを治療しても改善しない
一度良くなっても再発を繰り返す
という人が少なくありません。
この記事では、
その理由を
「痛む場所」と「負担が生まれる構造のズレ」
という視点から整理します。
痛みがある場所=原因とは限らない
まず押さえておきたいのは、
痛みが出ている場所と、原因となる構造は一致しないことが多い
という点です。
椎間板ヘルニアは、
- 神経が刺激される
- 圧迫を受ける
ことで痛みやしびれが出ます。
しかし、
なぜその場所で神経が刺激される状態になったのか
までは、
腰だけを見ても分かりません。
画像上の異常と症状は一致しないこともあります。
この点については、画像診断に潜む落とし穴として、
別の記事で詳しく整理しています。
▶︎ 【医療監修】椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症で神経が圧迫されても「痛みは出ない?」 画像診断に潜む落とし穴
.043-scaled.jpeg)
椎間板は「壊れた」のではなく「耐え続けた」
椎間板は、
- 日常動作
- 姿勢保持
- 地面からの衝撃
を毎日受け止めています。
多くの場合、
- 一瞬で壊れた
- ある日突然発症した
ように感じますが、
実際には
長期間、偏った負担に耐え続けた結果
として症状が表に出るケースがほとんどです。
腰に負担が集中する構造とは
腰に負担が集中するのは、
- 腰が弱いから
- 年齢のせい
ではありません。
多くの場合、
本来ほかの場所で分散されるはずの力が、腰に集まってしまう構造
が背景にあります。
姿勢の崩れは「腰から始まらない」
姿勢が崩れている人に、
「腰を伸ばしてください」
「背筋を伸ばしてください」
と言っても、
長く保てないことがほとんどです。
これは、
姿勢が
腰の問題ではなく、支えの問題
だからです。
姿勢と椎間板ヘルニアの関係については、
全体像を整理した記事があります。
▶︎ 【医療監修】椎間板ヘルニアはなぜ姿勢が悪いと起こるのか?― 背骨ではなく「足元」から考える本当の原因

特に見落とされやすい「足元の崩れ」
腰だけを見ていると、
最も見落とされやすいのが 足元 です。
人の身体は、
- 地面からの反力
- 重心の揺れ
を 足元で処理 しています。
この足元が不安定になると、
- 腰
- 背中
- 首
が代わりに支え続けることになります。
足指が使えないと、腰が働かされる
足指には、
- 地面を捉える
- 重心を制御する
- 姿勢反射を起こす
という役割があります。
しかし、
- 浮き指
- 屈み指
があると、
- 足で支えられない
- バランスを腰で取る
という代償が起こります。
足指と椎間板ヘルニアの構造的関係については、
力の流れを中心に整理した記事があります。
▶︎ 【医療監修】足指の変形が椎間板ヘルニアにつながる仕組み― 腰ではなく「立ち方」が負担を決めていた

腰を治療しても再発する人の共通点
腰の治療を受けて、
- 一時的に楽になる
- 痛みが軽減する
ことはあります。
しかし、
- 数ヶ月後に再発
- 別の部位が痛くなる
人も少なくありません。
これは、
腰の状態は変わっても、腰に負担をかけ続ける構造が変わっていない
ためです。
平背(フラットバック)が関与するケース
足元の不安定さが続くと、
背骨の自然なカーブが失われやすくなります。
特に多いのが、
平背(フラットバック) です。
平背では、
- 衝撃を吸収できない
- クッション性が低下
- 椎間板に圧が集中
しやすくなります。
平背と椎間板ヘルニアの関係については、
姿勢タイプ別に整理した記事があります。
▶︎ 【医療監修】椎間板ヘルニアと平背(フラットバック)の関係

なぜリハビリや電気治療が効きにくいのか
腰だけを対象にした
- 電気治療
- マッサージ
- 一般的なリハビリ
で変化が乏しいケースがあります。
それは、
負担の入口が腰ではない
可能性があるためです。
この視点については、
治療が効きにくい理由として
別の記事で整理しています。
▶︎ 【医療監修】リハビリや電気治療で治らない理由

腰は「被害者」になることがある
ここまでを整理すると、
- 腰は常に悪者ではない
- 代わりに支え続けてきただけ
というケースが見えてきます。
足元や姿勢で処理できなかった負担を、
腰が引き受け続けた結果、
症状として表面化する。
それが、
椎間板ヘルニアの一側面です。
まとめ
- 椎間板ヘルニアは腰だけの問題とは限らない
- 痛む場所と原因構造は一致しないことが多い
- 負担は足元から連鎖して集まる
- 腰は代償として働かされている場合がある
- 構造を見直さないと再発しやすい
腰を見ることは大切です。
しかし同時に、
「なぜ腰がそこまで頑張らなければならなかったのか」
という視点を持つことで、
見える景色は大きく変わります。


