着圧ソックスを履いているのに、
夕方になるとやはり足がむくむ。
脱いだ瞬間は少し楽でも、翌日には元に戻る。
こうした経験をしている人は、決して少なくありません。
その背景には、「圧迫すれば流れる」という考え方だけでは説明できない問題があります。
着圧ソックスは「流れを助ける道具」
着圧ソックスは、下肢に段階的な圧をかけることで、
- 体液の滞留を抑える
- 一時的に下肢を楽に感じさせる
といった目的で使われます。
つまり、着圧ソックスは
循環を補助する外的なサポートであり、
循環そのものを生み出す装置ではありません。
本来、血液や体液はどうやって戻るのか
下肢の血液や体液は、
- 心臓の拍動
- 重力
- 筋肉の収縮
これらが組み合わさって循環しています。
特に重要なのが、
歩行中に働く筋肉のポンプ作用です。
- 足指で地面を捉える
- 足首が動く
- ふくらはぎが収縮する
この一連の動きがあって初めて、
下肢から心臓方向へ体液が押し戻されます。
着圧ソックスが効きにくい人に多い特徴
着圧ソックスの効果を感じにくい人には、
次のような共通点が見られることがあります。
- 足指が地面に接地していない
- 歩行時の蹴り出しが弱い
- 足首の可動域が小さい
この状態では、
内側から流れを生み出す力が不足しています。
そのため、外から圧をかけても、
流れが「作られないまま」、一時的に押されているだけ
という状況になりやすいのです。
圧迫が強すぎる場合に起こりやすいこと
着圧が強いほど効果が高い、
と考えられがちですが、必ずしもそうではありません。
過度な圧迫は、
- 足指や足首の動きを制限する
- 足裏の感覚入力を弱める
可能性があります。
その結果、
- 歩行中の筋活動が減る
- 本来のポンプ作用がさらに弱まる
という、本末転倒な状態になることもあります。
「履いている安心感」に頼りすぎないこと
着圧ソックスを履くことで、
- むくみが悪化しにくい
- 一時的に楽に感じる
というメリットは確かにあります。
しかしそれは、
- 足が正しく動いている
- 循環が生み出されている
ことの代わりにはなりません。
慢性的な足のむくみには、
単なる血流不足とは異なる構造があります。
まとめ|圧迫より先に見るべきもの
着圧ソックスを履いてもむくみやすい人では、
- 足指が使えているか
- 歩行で足首が動いているか
- ふくらはぎが収縮しているか
といった 足の機能面 に目を向ける必要があります。
むくみ対策は、
「圧をかけるかどうか」ではなく、
足そのものが、循環を生み出せる状態かどうか
という視点から考えることが重要です。
足指の研究から生まれた「環境づくり」という視点
足指研究所では、20年以上の臨床経験と、東京大学・石井直方名誉教授と実施した観察研究を通して、
「足指が使いやすい環境が整うと、姿勢・重心の安定性に関わる“変化傾向”が見られることがある」
という視点を大切にしています。
足指は本来、「広がる・伸びる・接地する」という生理的な動きを持ちますが、
靴・靴下・床の滑りやすさなどによって、その働きが阻害されることがあります。
私たちは、
「どうすれば日常で足指が動きやすい環境を作れるか」
という点を中心に開発と研究を続けています。
【研究データ|足指・姿勢・筋活動の観察記録】

2020〜2022年、東京大学・石井直方名誉教授の指導下で実施。
延べ96名を対象に、以下の構造的特徴の推移を多角的に観察しました。
- 足指の動き・配置
- アーチ構造
- 姿勢指標
- 体幹支持筋・口腔周囲筋・下肢筋の活動傾向
“足指が使いやすい環境づくり”を行った際、
足指・姿勢・呼吸に関連する筋活動などに構造的な変化傾向が見られました。
【足指が使いやすい体へ|4つのアプローチ】
日常で“足指が働きやすい環境”をつくるための基本ポイントです。
1. ひろのば体操(足指をゆるやかに伸ばす)
2. 靴の見直し(足指が押しつぶされない設計)
3. 小股歩き(足指が自然に使いやすい歩き方)
4. 室内環境の調整(滑りやすい床・スリッパを避ける)
【YOSHIRO SOCKS|構造とものづくり】

——足指が使いやすい“環境づくり”をめざした生活用品
足指の働きを妨げる「環境」そのものに着目し、
奈良の専門工場とともに、糸・密度・摩擦・張力などを精密に検証してきました。
● 構造のポイント

姿勢の安定性に配慮した
摩擦構造

自然な足指の開きを支える
立体フォルム

重心バランスを考慮した
密度・張力設計
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“広げる・伸ばす”動きを引き出す
テンション配置
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開帳・扁平傾向に配慮した
縦横方向テンション

母趾〜小趾が整列しやすい
張力バランス
※ いずれも医療的効果を示すものではなく、あくまで「足指が働きやすい状態をサポートする生活用品としての構造」の説明です。
● 製造のポイント

日本製
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高密度
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極薄
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高耐久

高グリップ
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吸湿・速乾
- 日本製:専門工場が ±1mm 単位でテンション管理
- 高密度:700nmクラスの極細繊維
- 極薄:約2mmの軽さと安定性
- 高耐久:生活用品としての強度
- 扇形フォルム:足指が自然に広がりやすい形状

