【医療監修】顎関節症の原因はストレスだけじゃない|噛みしめの正体は“姿勢の不安定”かも

目次

はじめに

こんにちは。足指研究家の湯浅慶朗です。

顎関節症の相談で多いのが、こういう質問です。

「ストレスが原因ですか?」

たしかに、ストレスが強い時期に噛みしめが増えたり、顎がつらくなったりする人はいます。

でも僕の臨床経験上、顎関節症はストレス“だけ”で説明できないケースが圧倒的に多いです。

たとえば、

マウスピースを作ったのに戻る

整体に通ってもまた痛くなる

ストレッチしてもスッキリしない

こういう人は、顎が弱いわけでも、意志が弱いわけでもありません。

顎の問題というより、顎に負担が集まり続ける「条件」が残っていることが多いんです。

顎関節症は、顎だけの病気ではありません。

「噛む筋肉の問題」でもありません。

もっと正確に言うなら、噛みしめで固定しないと体が安定しない状態が、背景に隠れていることがあります。

顎関節症を“顎だけの問題”として見ずに、姿勢や体の使い方まで含めて全体像で整理したい方は、こちらの記事も参考になります。

▶︎【医療監修】顎関節症の本当の原因は“顎”じゃない|足指→重心→姿勢→顎の連鎖

まず結論|顎関節症の原因は「ひとつ」ではありません

顎関節症は、原因がひとつに決まらないことが最大の特徴です。

だからこそネットで調べるほど、

「結局なにが原因なの?」

「私は何をすればいいの?」

と迷いやすくなります。

さらにややこしいのは、顎関節症が「原因がひとつではない」のではなく、原因がいくつも重なった結果として、顎に症状が出ているケースが多いことです。

つまり顎関節症は、

顎が悪い → 痛い

ではなく、

体が崩れる → 顎が頑張る → 痛い・鳴る・開かない

という順番で起きている可能性があります。

この記事では、顎関節症の原因を7つの方向に分けて整理します。

あなたが今どこに当てはまりそうか。

それが見えるだけで、やることが一気に絞れます。

顎関節症の原因を7つに整理します

① 噛みしめ・食いしばり(ストレスだけではない)

顎関節症で最も多い入口が、噛みしめです。

日中も、寝ている間も、無意識で起こります。

ここで重要なのは、噛みしめが

「ストレスがあるから起こる」

だけではないことです。

僕は顎関節症を見ていて、こう感じることが多いです。

体が不安定な人ほど、噛みしめが強い。

人間は、体が不安定だと無意識にどこかで固定しようとします。

その固定の手段として、顎が使われることがあるんです。

つまり噛みしめは「悪いクセ」ではなく、体を守るための反応として出ている可能性があります。

噛みしめが止まらない人は、こちらの記事で整理すると理解が早いです。

▶︎【医療監修】顎関節症の噛みしめ癖が治らない理由|顎で踏ん張る人ほど“足元が崩れている”

② 片噛み・左右差(顎のズレが固定される)

顎関節症の方は、左右差が目立つことがあります。

片側で噛むクセがある

左右どちらかだけ痛い

顎が片方にズレる

口を開けると曲がる

このタイプは、顎関節そのものよりも、体の左右差が原因側にあることが多いです。

顎は、左右差の影響をかなり受けます。

なぜなら顎は「骨」ではなく、左右の筋肉で吊られて動く関節だからです。

だからこそ、

顎だけを整えても、体の左右差が残っていると戻りやすい。

これは歯科だけでは見落とされやすいポイントでもあります。

③ 歯の接触癖(TCH)で顎が休めない

顎関節症の相談で、意外と見落とされているのがこれです。

上下の歯が、ずっと触れている。

食事以外でも触れている。

これが続くと、顎の筋肉が休めません。

「噛んでないのに疲れる」

「夕方になると顎が重い」

「顎がずっとこわばっている」

こういう人は、このタイプが混ざっていることがあります。

ただしここでも、僕はこう考えています。

歯を当ててしまうのは、本人の意志が弱いからではなく、

体が落ち着かないから、どこかを固定したくなるからです。

④ ストレートネック・首の前突(顎がズレやすくなる)

顎関節症の方にかなり多いのが、首の前突です。

いわゆるストレートネック(スマホ首)です。

首が前に出ると、

頭の位置がズレます。

頭の位置がズレると、

顎の位置もズレやすくなります。

この状態になると、

噛みしめが強くなる

顎の位置が安定しない

首・肩こりもセットでつらい

という流れが起きやすくなります。

ストレートネックとの関係は、こちらで整理しています。

▶︎【医療監修】顎関節症とストレートネック(スマホ首)の関係|首が前に出るほど顎がズレやすい理由

⑤ 猫背・肩甲骨の硬さ(顎が“逃げ場”を失う)

顎関節症は顎のトラブルに見えて、実は背中の硬さが関係しているケースがあります。

猫背になると、

胸がつぶれます。

頭が前に落ちます。

首が緊張します。

この状態は、顎にとってかなり不利です。

なぜなら

顎は「噛む場所」である前に、頭のバランスを支える位置

でもあるからです。

背中が固まって、首が前に落ちると、顎は逃げ場を失います。

結果として、

顎だけでバランスを取る

噛みしめで固定する

という方向に進みやすくなります。

肩こり・首こりが強い方は、こちらの記事もつながります。

▶︎【医療監修】顎関節症と肩こり・首こりがセットで起きる理由|“首の問題”に見えて足元が関係することも

⑥ 睡眠(寝返り・枕・口呼吸)が顎を固める

顎関節症がつらい方ほど、

朝が痛い

寝起きがだるい

寝てる間に噛んでる気がする

という訴えが多いです。

このタイプは、睡眠中に顎が緊張し続ける条件がある可能性があります。

枕の高さだけでなく、

寝返りができているか

呼吸が浅くなっていないか

口呼吸が強くないか

こういう視点が必要になります。

顎関節症は「寝ている間に悪化する」

ことがあるのが厄介です。

起きている時に頑張っても、睡眠で戻される人がいます。

⑦ 足元の不安定が、顎に負担を集めることがある

ここが、足指研究所として一番伝えたい結論です。

顎関節症は、顎だけの問題ではありません。

姿勢の問題でもあります。

そして姿勢は、足元の影響を強く受けます。

僕はそう考えています。

たとえば、

外反母趾

内反小趾

浮き指

屈み指

寝指

こうした足指の変形があると、

重心がズレます。

重心がズレると、

体が安定しません。

体が安定しないと、

人は無意識に固定しようとします。

その固定が、顎の噛みしめとして出ることがあります。

つまり、

足元が崩れる

体が安定しない

首が前に出る

噛みしめで固定する

顎がズレやすくなる

こういう流れが起きる可能性があるということです。

この図は、顎関節症の人に多い“体の連鎖”です。

「顎の問題なのに、なぜ足?」

そう感じるかもしれません。

でも実際、

顎関節症が戻りやすい人ほど、顎以外の条件が残っています。

だからこそ、顎だけを狙うと迷うんです。

「原因が分からない」ときは、まず順番を決めてください

顎関節症は、原因が複数重なっていることが普通です。

だから「これが原因です」と断定するのは難しい。

ここで大事なのは、原因探しをやめることではなく、順番を決めることです。

まずは、今いちばん困っている症状から整理する。

そこから、原因の方向を絞っていく。

この流れが一番ムダがありません。

症状の入口を整理したい方は、こちらの記事が先に役立ちます。

▶︎【医療監修】顎関節症の症状一覧|痛み・クリック音・開口障害…“あなたのタイプ”はどれ?

まとめ|顎関節症は「顎だけ」見ても答えが出ないことがある

顎関節症の原因は、ストレスだけではありません。

噛みしめ

片噛み

歯の接触癖

ストレートネック

猫背

睡眠

足元の不安定

こうした条件が重なって、顎に負担が集まっているケースがあります。

だからこそ、顎だけを狙うと戻りやすい。

原因を点ではなく、全体像で整理することが大切です。

次に読むなら、「危ないサイン」と「再発する条件」を整理できるこの記事が一番つながります。

▶︎【医療監修】顎関節症セルフチェック|危ないサインと“再発する条件”を見抜く12項目

足指への3つのアプローチ

— ただし、順番があります

私は2006年以降、病院における臨床の場で、体操・靴下・歩き方・靴の指導を中心に、足指の変形や機能不全、そしてそれに関連する整形外科的な不調に対する対応を行ってきました。

外反母趾、内反小趾、かがみ指、浮き指、寝指、足趾機能不全に加え、膝・腰・股関節・姿勢といった問題についても、足指からの介入を軸に経過を観察してきた臨床の積み重ねがあります。

これは理論だけの話ではありません。長年にわたる臨床数と経過、データの蓄積の中で、「動かす・保つ・使い続ける」という視点が共通して重要であることが整理されてきました。

その結果として、ここで紹介しているひろのば体操・YOSHIRO SOCKS・YOSHIRO WALKという3つのアプローチに集約されています。

1. ひろのば体操

足指を「動かして」広げて伸ばす

ひろのば体操は、足趾機能不全によって低下しやすい足指の可動性や感覚入力を取り戻し、足指が本来の動きを発揮しやすい状態をつくることを目的に考案された体操です。

外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指など、足指がうまく使われにくくなっている状態に対して、日常で取り入れやすいアプローチの一つです。

2. YOSHIRO SOCKS

広がって伸びた足指を「保ち続ける条件」をつくる

YOSHIRO SOCKSは、足の中で起こりやすい「滑り」「指の押し込み」「アーチの崩れ」といった足元環境のストレスに着目し、

  • 足指が広がりやすい
  • 足指が伸びやすい
  • 足裏のアーチが保たれやすい

足元環境を整えることを目的に設計された靴下です。外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指・足趾機能不全など、足指の使われ方が関与するケースで検討される選択肢の一つです。

3. 小股歩き

日常動作の中で、足指が“使われ続ける”状態をつくる

小股歩きは、歩幅を抑えることで足指を感じながら地面を捉えやすくする歩き方です。

体操や足元環境の見直しと組み合わせることで、足指に関わる筋活動が起こりやすい条件をつくる考え方として紹介しています。

無理なく続けられる形を選んでください

・体操から始める人

・足元環境から見直す人

・両方を組み合わせる人

どれか一つに決める必要はありません。足指の問題は、方法よりも「続けられる条件」が大切です。


まず迷っている方へ

— どれから始めるか迷ったら、ここを基準にしてください —

  • 体操が続かなかった人
  • 歩き方を意識する余裕がない人
  • 靴をすぐに変えられない人

この場合は、

② YOSHIRO SOCKS(足元環境を整える) から始めるのが現実的です。

足指は「動かす前に、使われる環境」が整わないと戻りやすいため、

まずは日常の中で 足指が使われにくい状態を減らす ことが優先されます。


すでに体操ができている方へ

① ひろのば体操 + ② YOSHIRO SOCKS

動かした足指を、そのまま保てる条件が重なることで、

足指が使われやすい状態が続きやすくなります。


余裕が出てきた方へ

③ 小股歩き を組み合わせることで、 日常動作の中でも足指が“使われ続ける”条件が整っていきます。

※どれか一つを「完璧にやる」必要はありません。

足指の問題で大切なのは、無理なく続けられる順番を選ぶことです。

次に知りたいことを選んでください

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