【医療監修】電気治療で変形性膝関節症が変わらない理由― 痛みが一時的に軽くなっても「構造」が変わらない本当の原因

目次

はじめに

こんにちは。足指研究家の湯浅慶朗です。

変形性膝関節症(膝OA)の方の多くが、

一度は経験している治療があります。

それが 電気治療(低周波・干渉波・EMSなど) です。

・当てている間は少し楽

・終わった直後は軽い

・でも数時間〜翌日には戻る

この繰り返しに、疑問を感じたことはないでしょうか。

この「その場では楽なのに戻る」という現象は、

電気治療に限らず、注射・リハビリでも同じ構造で起こります。

全体像(なぜ戻るのか/なぜ治療が効きにくいのか)は、

まずこちらの記事で整理しています。

▶︎【医療監修】変形性膝関節症はなぜ治らないのか?

― 注射・リハビリ・手術まで試しても戻る人に共通する構造 ―

この記事では、

  • なぜ電気治療で膝OAが変わらないのか
  • なぜ「効いた感じ」が出てしまうのか
  • なぜ構造は何も変わっていないのか

を、力学と構造の視点から整理します。

電気治療が作用しているのは「痛み」だけ

まず前提として整理しておきたいのは、

電気治療は

痛みの感じ方に作用する治療

であって、

膝の構造を変える治療ではない

という点です。

低周波や干渉波は、

感覚神経の興奮を一時的に抑える

筋肉の緊張を一時的にゆるめる

といった作用を持ちます。

つまり、

「痛みの信号」を弱めているだけ

なのです。

「効いた気がする」の正体

電気治療後に楽になる理由は、主に3つあります。

  1. 痛覚の一時的な抑制
  2. 筋緊張の一過性の低下
  3. リラックスによる主観的変化

これらはすべて、

時間とともに元に戻る性質

を持っています。

膝OAで問題になっている、

骨の配列

荷重ライン

関節内圧の偏り

には、電気刺激は一切介入できません。

なぜ膝OAでは「戻る」のか

膝OAがある方は、

立位

歩行

階段

といった日常動作のたびに、

同じ場所に

同じ方向の負荷

をかけ続けています。

つまり、

電気治療で一時的に楽になっても

立った瞬間から

同じ構造負荷が再開する

という状態です。

これは、

「治療が効かなかった」のではなく、

構造が一切変わっていない

というだけの話です。

電気治療が変えられない「膝OAの本体」

膝OAの本体は、

軟骨そのもの

筋肉の硬さ

ではありません。

本質は、

どこで体重を受けているか

どの角度で膝が荷重されているか

どこに圧が集中しているか

という アライメントと荷重の問題 です。

この「荷重と配列の問題(アライメント)」については、

次の記事で全体を整理しています。

▶︎【医療監修】変形性膝関節症とO脚・X脚の本当の関係

― 膝が壊れる人と壊れない人を分ける「アライメント」の正体 ―

電気治療が「悪い」のではない

誤解しないでいただきたいのは、

電気治療そのものが
悪い治療だと言っているわけではない

という点です。

・強い痛みがある時期

・動くのがつらい時

・一時的な緩和が必要な場面

では、電気治療が役立つこともあります。

問題なのは、

それで膝OAが変わると思ってしまうこと

です。

電気治療で変わらない人に共通する構造

臨床で見てきた限り、

電気治療を続けても変わらない人には、

共通した特徴があります。

・O脚やX脚がある

・下腿骨の傾きが強い

・足部が不安定

・足指が使えていない

この状態では、

膝が「支え役」をやめられません。

足元の問題については、以下の記事で整理しています。

▶︎【医療監修】足部アライメントが膝を壊す本当の理由 ― 踵骨・扁平足・回外足から読み解く変形性膝関節症の構造 ―

▶︎【医療監修】足指の変形が膝の痛みを生む本当の理由 ― 浮き指・屈み指・小指変形から読み解く変形性膝関節症の構造 ―

なぜ病院では電気治療が続くのか

電気治療が広く使われている理由は、単純です。

・安全

・短時間

・誰でも提供できる

・保険診療として回しやすい

一方で、

膝OAの構造

アライメント

足部からの連鎖

まで評価・介入できる体制は、

ほとんど整っていません。

結果として、

「とりあえず電気」

が続く構造が出来上がっています。

本当に変えるべきは「電気」ではない

膝OAで本当に見直すべきなのは、

・どこで立っているか

・どこで体重を受けているか

・どこが逃げ場を失っているか

です。

この視点がない限り、

電気治療

マッサージ

ストレッチ

は、

すべて 同じ結果 になります。

まとめ|電気治療は「対処」であって「解決」ではない

  • 電気治療は痛みの感じ方に作用する
  • 構造やアライメントは変えられない
  • 楽になっても日常動作で元に戻る
  • 膝OAの本体は荷重と配列の問題
  • 足元とアライメントの再構築が不可欠

電気治療で変わらないのは、

あなたの膝が悪いからではありません。

変えていない場所が、別にあるだけ

なのです。

次の記事では、

「その場では楽になるのに、日常生活で戻る」代表例として、

リハビリの落とし穴を構造から整理します。

▶︎【医療監修】変形性膝関節症のリハビリで膝痛が戻る本当の理由

― 筋トレ・ストレッチを続けても安定しない構造的原因 ―

足指への3つのアプローチ

— ただし、順番があります

私は2006年以降、病院における臨床の場で、体操・靴下・歩き方・靴の指導を中心に、足指の変形や機能不全、そしてそれに関連する整形外科的な不調に対する対応を行ってきました。

外反母趾、内反小趾、かがみ指、浮き指、寝指、足趾機能不全に加え、膝・腰・股関節・姿勢といった問題についても、足指からの介入を軸に経過を観察してきた臨床の積み重ねがあります。

これは理論だけの話ではありません。長年にわたる臨床数と経過、データの蓄積の中で、「動かす・保つ・使い続ける」という視点が共通して重要であることが整理されてきました。

その結果として、ここで紹介しているひろのば体操・YOSHIRO SOCKS・YOSHIRO WALKという3つのアプローチに集約されています。

1. ひろのば体操

足指を「動かして」広げて伸ばす

ひろのば体操は、足趾機能不全によって低下しやすい足指の可動性や感覚入力を取り戻し、足指が本来の動きを発揮しやすい状態をつくることを目的に考案された体操です。

外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指など、足指がうまく使われにくくなっている状態に対して、日常で取り入れやすいアプローチの一つです。

2. YOSHIRO SOCKS

広がって伸びた足指を「保ち続ける条件」をつくる

YOSHIRO SOCKSは、足の中で起こりやすい「滑り」「指の押し込み」「アーチの崩れ」といった足元環境のストレスに着目し、

  • 足指が広がりやすい
  • 足指が伸びやすい
  • 足裏のアーチが保たれやすい

足元環境を整えることを目的に設計された靴下です。外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指・足趾機能不全など、足指の使われ方が関与するケースで検討される選択肢の一つです。

3. 小股歩き

日常動作の中で、足指が“使われ続ける”状態をつくる

小股歩きは、歩幅を抑えることで足指を感じながら地面を捉えやすくする歩き方です。

体操や足元環境の見直しと組み合わせることで、足指に関わる筋活動が起こりやすい条件をつくる考え方として紹介しています。

無理なく続けられる形を選んでください

・体操から始める人

・足元環境から見直す人

・両方を組み合わせる人

どれか一つに決める必要はありません。足指の問題は、方法よりも「続けられる条件」が大切です。


まず迷っている方へ

— どれから始めるか迷ったら、ここを基準にしてください —

  • 体操が続かなかった人
  • 歩き方を意識する余裕がない人
  • 靴をすぐに変えられない人

この場合は、

② YOSHIRO SOCKS(足元環境を整える) から始めるのが現実的です。

足指は「動かす前に、使われる環境」が整わないと戻りやすいため、

まずは日常の中で 足指が使われにくい状態を減らす ことが優先されます。


すでに体操ができている方へ

① ひろのば体操 + ② YOSHIRO SOCKS

動かした足指を、そのまま保てる条件が重なることで、

足指が使われやすい状態が続きやすくなります。


余裕が出てきた方へ

③ 小股歩き を組み合わせることで、 日常動作の中でも足指が“使われ続ける”条件が整っていきます。

※どれか一つを「完璧にやる」必要はありません。

足指の問題で大切なのは、無理なく続けられる順番を選ぶことです。

次に知りたいことを選んでください

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