【医療監修】腰椎すべり症は「加齢」だけが原因ではない―― 年齢よりも影響が大きい“姿勢と支え方”の正体

はじめに
こんにちは。足指研究家の湯浅慶朗です。
腰椎すべり症と診断されると、
多くの方がこう言われます。
- 「年齢的なものですね」
- 「加齢で骨が弱くなっていて」
- 「長年使ってきた結果です」
その結果、
- もう仕方がない
- これ以上良くならない
- 進行を止めるしかない
と考えてしまう人が少なくありません。
しかし臨床的には、
- 同じ年齢でも全く症状がない人
- 画像上ズレがあっても痛みが出ない人
- 若くても強いすべり症症状が出る人
が、はっきり存在します。
つまり、
腰椎すべり症は「年齢」だけでは説明できない
という事実があります。
この記事では、
- なぜ「加齢」が原因と言われやすいのか
- それだけでは説明できない理由
- 年齢以上に影響する構造的な条件
を整理します。
なお、腰椎すべり症の原因を「年齢」や「腰そのもの」だけでなく、
姿勢・骨盤・足元まで含めて全体像として整理した内容については、
以下のハブ記事で詳しくまとめています。
▶︎ 【医療監修】腰椎すべり症の本当の原因と全体像―― 痛みの場所ではなく「姿勢と支え方」から整理する

なぜ「加齢」が原因とされやすいのか
腰椎すべり症は、
- 中高年以降に多い
- 変性すべり症が多い
- 画像で変化が見えやすい
という特徴があります。
そのため、
- 年を取ったから
- 骨や椎間板が弱ったから
と説明されやすくなります。
確かに加齢に伴い、
- 椎間板の水分量が減る
- 靭帯の柔軟性が変わる
といった変化は起こります。
しかしこれは、
「条件が整いやすくなる」だけ
であって、
必ずすべり症になる理由ではありません。
同じ年齢でも差が出る理由
同年代でも、
- すべり症になる人
- ならない人
- ズレはあるが症状がない人
に分かれる理由は何でしょうか。
それは、
- 日常でどこに負担が集まっているか
- どこで体を支えているか
という 力のかかり方の違い です。
腰椎すべり症は、
突然ズレる病気ではなく、
ズレやすい力が長期間かかり続けた結果
として起こります。
年齢以上に影響する3つの要因
① 姿勢の固定化
年齢とともに、
- 座る時間が増える
- 動きが減る
- 同じ姿勢が長くなる
ことで、
- 骨盤後傾
- 平背(フラットバック)
- 局所的な反り腰
といった姿勢が固定されやすくなります。
姿勢と腰椎すべり症の関係については、
以下の記事で詳しく整理しています。
▶︎ 【医療監修】腰椎すべり症と平背(フラットバック)― 反っていないのに腰に負担が集中する理由

② 骨盤の安定性低下
加齢そのものよりも、
- 下半身を使わなくなる
- 股関節が硬くなる
- 足元で支えにくくなる
ことで、
骨盤が不安定になり、
腰椎に負担が集中しやすくなります。
骨盤と腰椎の関係については、
前の記事で詳しく解説しています。
▶︎ 【医療監修】腰椎すべり症と骨盤後傾の関係― 腰がズレる人ほど「骨盤の角度」を見落としている

③ 足元の支えの低下
見落とされやすいのが、
足元の変化 です。
年齢とともに、
- 足指が使われなくなる
- 感覚が鈍る
- クッションに頼る
ことで、
- 浮き指
- 屈み指
- 外側重心
が起こりやすくなります。
その結果、
足で支えられず、
腰で代償する構造が固定されます。
足指と腰椎すべり症の関係については、
こちらの記事で詳しく整理しています。
▶︎ 【医療監修】腰椎すべり症と浮き指の関係― 足元で支えられないと腰に何が起こるのか

「若くても起こる」理由も同じ
一方で、
- 若いのにすべり症がある
- スポーツ歴がある
- 仕事で立ちっぱなし
という人もいます。
これも、
- 腰を反らす動作が多い
- 足元が不安定
- 骨盤で支えられていない
といった 構造条件 がそろっている場合です。
年齢は関係なく、
同じ負担のかかり方をしていれば、同じ結果になる
ということです。
「加齢だから仕方ない」と言われたときの注意点
「年齢のせい」と言われると、
- 何をしても無駄
- 動かない方がいい
- 進行を受け入れるしかない
と考えてしまいがちです。
しかし実際には、
- 姿勢
- 支え方
- 日常動作
が変わらなければ、
どんな治療をしても
結果は安定しません。
この誤解については、
治療観点から別記事で整理しています。
▶︎ 【医療監修】腰椎すべり症はなぜリハビリや電気治療で安定しないのか―― 痛みが落ち着いても「ズレる構造」が残り続ける本当の理由

まとめ|年齢は「原因」ではなく「背景」
- 腰椎すべり症は加齢だけでは説明できない
- 年齢よりも姿勢と支え方の影響が大きい
- 骨盤・足元の不安定さが負担を集める
- 同じ構造なら若くても起こる
- 「仕方ない」で終わらせる必要はない
腰椎すべり症を考えるとき、
「何歳だから」ではなく、
どこで身体を支えているか
という視点を持つことが、
理解と次の一歩につながります。


