子どもの運動能力は、裸足で育つか靴を履いて育つかによって影響を受ける

足指ドクターによる解説

YOSHIRO YUASA
湯浅慶朗

足指博士、足指研究所所長、日本足趾筋機能療法学会理事長、YOSHIRO SOCKS・ハルメク靴開発者。元医療法人社団一般病院理事・副院長・診療部長。MRC認定歯科医院の顧問の経歴もあり。専門は運動生理学と解剖学。足と靴の専門家でもあり、姿勢咬合治療の第一人者でもある。様々な整形疾患の方(7万人以上)を足指治療だけで治してきた実績を持つ。東京大学石井直方名誉教授の弟子でもある。

目次

はじめに

この研究の目的は、裸足または靴を履いて育つことが小児期および青年期の運動能力の発達にどのように影響を与えるかを評価することにありました。このテーマは、私が長年研究している「足指の重要性」とも深く関係しており、裸足習慣が足指や足全体の機能にどのような影響を与えるかを考える上で重要な示唆を与えるものです。以下、私の視点を交えてこの研究の内容を再構築してみます。

背景

運動能力の発達は、小児期および青年期の成長過程で非常に重要な要素です。足は全身の土台として重要な役割を果たし、特に足指の変形足指の機能は、バランスやジャンプ力、走行能力といった運動技能に大きく影響を与えます。裸足で育つことは、足指が本来の自然な動きを保ち、筋力や感覚を発達させるチャンスを増やす一方で、靴を履いて育つ環境では足指の動きが制限される可能性があります。この研究では、南アフリカとドイツという異なる文化と環境の中で育った子どもたちを対象に、履物の習慣と運動能力の関係を調べました。

方法

南アフリカ(裸足習慣)とドイツ(靴習慣)で、6歳から18歳までの子どもたちを対象に研究を実施しました。参加者には、以下の3つの運動テストを行ってもらいました。

1. バランステスト: 足指の安定性や動的姿勢制御を評価。

バランステストの方法

6歳から18歳の子どもたちの動的な姿勢制御を評価するために、「後方バランス課題」を使用しました。このテストでは、幅が6cm、4.5cm、3cmの3本の平均台を用意し、参加者には自分のペースで後ろ向きに歩いてもらいます。歩数のカウントは、最初の一歩を除き、バランスを崩して片足が地面につくか、最大8歩に達するまで行いました。バランスを取る際、子どもたちには目の高さにある固定された点を見つめるよう指示し、もう片方の足を真後ろに置く慎重な歩行が求められました。スコアは、各平均台での2回の試行結果を合計して算出し、条件ごとの合計スコアは最大48点となります。

2. 立ち幅跳びテスト: 足指を含む足全体の推進力と筋力を測定。

ジャンプテストの方法

ジャンプ力を測るために「立ち幅跳びテスト」を実施しました。参加者には、踏み切りラインの後ろに立ち、できる限り遠くまでジャンプしてもらいます。ジャンプの距離は、スタート地点から着地地点(最も近いかかとの後ろ)までを手動で測定しました。テストは裸足と靴を履いた状態でそれぞれ3回ずつ行い、最も良い記録を分析に使用しました。このテストは、足の筋力や推進力を評価するために非常に有効な手法です。

3. 20メートル短距離走テスト: 足裏の接地感覚や足指の機能が影響する瞬発力を測定。

スプリントテストの方法

瞬発力を測定するために「フライング20メートルスプリントテスト」を行いました。タイム計測には、ドイツでは磁気センサーシステム(SmarTracks Diagnostics)、南アフリカではスピードゲート(Brower Timing Systems)を使用しました。これにより、テストの精度を高めるとともに、異なる地域でのデータの統一性を確保しました。

各テストは裸足および靴を履いた状態で行われ、年齢を3つの段階(6~10歳、11~14歳、15~18歳)に分けて分析しました。性別、民族、BMI、身体活動レベル(PAQスコア)などの交絡因子を調整し、履物の影響を正確に評価しました。

結果

810名の子どもたちが参加し、裸足の習慣がある子どもは385名、靴を履く習慣がある子どもは425名でした。結果として、以下のような興味深い傾向が見られました。

スクロールできます
テスト条件バランス立ち幅跳び(cmスプリントタイム(秒)
裸足裸足裸足
裸足習慣のあるグループ
6~10歳30.0 (±9.4)31.8 (±10.4)128.9 (±20.7)128.6 (±20.8)4.43 (±0.51)4.58 (±0.53)
11~14歳32.5 (±8.8)35.5 (±8.5)152.8 (±25.1)152.6 (±25.1)3.94 (±0.36)3.61 (±0.38)
15~18歳37.7 (±8.3)38.1 (±8.2)184.8 (±31.4)183.0 (±35.2)3.61 (±0.38)3.66 (±0.43)
全体33.5 (±9.3)35.1 (±9.3)154.2 (±33.3)155.2 (±34.7)4.01 (±0.53)4.07 (±0.57)
靴を履く習慣のあるグループ
6~10歳26.8 (±8.7)30.5 (±9.2)126.0 (±18.9)124.7 (±17.2)4.10 (±0.74)4.16 (±0.62)
11~14歳30.5 (±9.6)34.4 (±9.3)151.6 (±25.2)150.3 (±24.8)3.80 (±0.41)3.78 (±0.48)
15~18歳34.7 (±8.4)38.5 (±8.6)169.0 (±29.5)171.9 (±30.2)3.62 (±0.36)3.59 (±0.32)
全体31.29 (±8.8)35.13 (±9.5)152.9 (±31.5)152.5 (±31.6)3.79 (±0.63)3.79 (±0.51)

6~10歳

• 裸足の子どもたちは、バランステスト(p=0.015)と立ち幅跳びテスト(p=0.005)で高いスコアを示しました。これは、裸足でいることで足指が自由に動き、接地感覚が発達することが影響していると考えられます。

• 一方、靴を履いて育った子どもたちは短距離走テストで優れた成績を収めました(p<0.001)。これは、靴によるサポートが瞬発力を助けた可能性があります。

11~14歳

• 靴を履く習慣のある子どもたちが短距離走で優位性を示しました(p<0.001)。この年齢層では、裸足によるメリットが徐々に薄れる一方で、靴の機能が特定の運動技能をサポートすることが増えてきます。

15~18歳

• 裸足の習慣を持つ青年は立ち幅跳びテストでより長い距離を記録しました(p<0.001)。これは、足指を含む足全体の筋力や推進力が高まっているためと考えられます。

• ただし、短距離走では靴を履く青年の方が速いタイムを示しました(p=0.014)。

 

YOSHIRO

足指の自由さと接地感覚が、運動能力の土台を築く鍵であることが、この結果から明確に示されています。

議論

今回の研究で明らかになったのは、裸足で過ごす子どもたちと靴を履く習慣のある子どもたちでは、運動能力に違いがあるということです。私自身も長年、足指の重要性や裸足の活動が身体に与える影響について研究してきましたが、今回の結果はその仮説を裏付けるものでした。

幼少期に定期的に裸足で活動することは、バランス感覚やジャンプ力の発達に非常に有益であると感じます。一方で、短距離走のような瞬発力を要する運動では、靴を履くことがパフォーマンスを向上させるのに効果的であることが分かりました。裸足の子どもたちはジャンプ距離が長いという特徴がありましたが、短距離走ではタイムが遅い傾向が見られました。ただし、思春期に入るとこれらの差は徐々に小さくなり、運動能力の発達における履物の影響は限定的になるようです。

特に興味深いのは、裸足で行ったテスト条件では裸足の習慣がある子どもたちが優れたパフォーマンスを示す一方で、靴を履いた状態のテスト条件では履物の習慣がほとんど影響しなかった点です。このような結果は、履物の習慣が運動能力に及ぼす長期的な影響を考えるうえで非常に重要だと感じています。

履物が運動能力に与える影響のメカニズム

履物の習慣が運動能力に影響を与える理由について、私自身が考えるいくつかのメカニズムを挙げます。

1. 足の筋骨格構造への影響

裸足で過ごすことで足指や足底の筋肉が自然な形で発達するのに対し、靴を履いて過ごす場合、足の動きが制限され、異なる発達を促される可能性があります。例えば、足指が自由に動ける環境ではバランスやジャンプ力が高まりやすくなりますが、靴のサポートがあることで瞬発力が発揮されやすい場面もあります。

2. 身体活動に対する筋力の適応

裸足での活動は足底筋や足指屈筋を強化することが分かっています。特に、幼少期の足指の筋力発達は、ジャンプ力や足の安定性に直接影響します。この点については私自身の臨床経験とも一致しており、足指の強さが全身の動きに大きく影響を与えることを日々実感しています。

3. バイオメカニクスの違い

裸足で走る場合と靴を履いて走る場合では、着地時の衝撃の吸収や足首の動きに大きな違いがあります。裸足の状態では足裏の感覚が鋭敏になり、バランス能力やジャンプの推進力に有利に働く一方で、靴を履くことで短距離走での瞬発力が補助されると考えています。

テスト条件の有効性と制約

今回使用したテストは、バランス、ジャンプ、スプリントという基本的な運動能力を測定するもので、小児期から青年期における体力や運動発達を評価するための信頼性の高い方法です。結果として、6歳から18歳の間に全ての運動能力が向上することが確認されましたが、履物習慣がその発達に与える影響は年齢によって異なることがわかりました。

6~10歳の裸足の子どもたちは、特にバランス能力で優れた結果を示しました。この時期はバランス感覚が急速に発達する重要な期間であり、裸足での活動がその発達を促進していると考えられます。一方、15~18歳になるとジャンプ能力における裸足のメリットが再び現れる一方で、バランス能力への影響はほとんど見られませんでした。

短距離走に関しては、裸足の子どもたちが全ての年齢層でタイムが遅い結果となりました。これは、靴によるクッション性やサポートが短距離走のパフォーマンスに寄与しているためと考えています。

環境の影響と研究の制約

今回の研究には、環境の違いが影響を与えた可能性があります。裸足の子どもたちは主に南アフリカで募集され、靴を履く子どもたちは主にドイツで募集されたため、気候や文化、テストを行う施設の違いが結果に影響を及ぼしたかもしれません。この点については、今後の研究で統一した条件下での調査が必要だと感じています。

結論

今回の研究は、幼少期および青年期における裸足活動の重要性を明確に示しました。特に6~10歳の年齢層では、裸足で過ごすことで足指やアーチがしっかりと発達し、ジャンプ力やバランス感覚が向上します。一方で、短距離走のような運動では靴のサポートが有効である場合もあります。

足指の重要性を考えると、靴を選ぶ際には足指が自由に動くデザインのものを選ぶことが望ましいでしょう。また、可能であれば裸足で過ごす時間を増やし、足の自然な機能を取り戻す努力をすることが、子どもたちの健康な成長を支える鍵になると私は考えています。

この研究が、裸足活動と足指の機能の重要性についての理解を深める一助となれば幸いです。そして今後も、足指が持つ可能性をさらに掘り下げ、子どもたちの健やかな発育に貢献していきたいと思っています。

補足データ

図1交絡因子を調整した後、3つの年齢グループ(左)と設定(裸足テストと靴を履いたテスト、右)における習慣的な履物の使用がバランス能力に及ぼす推定限界効果(95%CI)

補足

図1の説明にある「交絡因子を調整した後、3つの年齢グループ(左)と設定(裸足テストと靴を履いたテスト、右)における習慣的な履物の使用がバランス能力に及ぼす推定限界効果(95%CI)」とは、以下の内容を指します。

1. 交絡因子の調整

交絡因子とは、研究結果に影響を与える可能性のある変数のことで、ここでは性別、民族、BMI(体格指数)、身体活動レベル(PAQスコア)などが含まれます。これらを統計的に調整することで、履物の使用習慣がバランス能力に及ぼす純粋な影響を分析しています。

2. 3つの年齢グループ

参加者を以下の年齢層に分け、それぞれのグループで履物習慣がバランス能力に与える影響を評価しています。

• 6~10歳
• 11~14歳
• 15~18歳

3. テスト条件(裸足 vs. 靴を履いた状態)

バランステストは、参加者が裸足の状態と靴を履いた状態の両方で実施されました。この結果を比較することで、履物の使用がバランス能力に与える影響をさらに詳細に分析しています。

4. 推定限界効果(95%CI)

推定限界効果とは、統計的分析から得られた平均的な効果の範囲(信頼区間:95%CI)を示します。この範囲は、得られた結果が信頼できるかどうかを示す指標であり、95%の確率でその範囲内に真の値が含まれていることを意味します。

この図が伝えること

図1では、以下の2つの軸で結果が示されています。

年齢層ごとのバランス能力への履物の影響(左側)
裸足と靴を履いたテスト条件の違い(右側)

この図からは、以下のような点が明らかになります。

裸足の習慣がある子どもは、特に6~10歳のグループでバランステストのスコアが高いこと。
靴を履いている習慣のある子どもは、テスト条件に関わらずバランス能力がやや安定していること。

これにより、裸足での活動が特に幼少期のバランス能力の発達に有益である可能性が示唆されています。

 

図2交絡因子を調整した後、3つの年齢グループ(左)と設定(裸足テストと靴を履いたテスト、右)における習慣的な履物の使用が立ち幅跳びのパフォーマンスに及ぼす推定限界効果(95%CI)

補足

図2の「交絡因子を調整した後、3つの年齢グループ(左)と設定(裸足テストと靴を履いたテスト、右)における習慣的な履物の使用が立ち幅跳びのパフォーマンスに及ぼす推定限界効果(95%CI)」 とは、以下の内容を指します。

1. 交絡因子を調整した分析

交絡因子(性別、民族、BMI、身体活動レベル(PAQスコア)、テスト順序など)を統計的に調整した後の分析結果です。この調整により、純粋に習慣的な履物の使用(裸足または靴)の影響が立ち幅跳びのパフォーマンスにどのように現れるかを評価しています。

2. 3つの年齢グループ

習慣的な履物の使用が立ち幅跳びの結果に与える影響を以下の3つの年齢グループに分けて分析しています:

6~10歳:幼少期、運動能力が発達する初期段階。
11~14歳:思春期の入り口、運動能力が急速に成長する段階。
15~18歳:青年期、筋力や運動能力が成熟に近づく段階。

各年齢グループで裸足や靴の使用がどのような違いをもたらすかを比較しています。

3. テスト条件(裸足 vs. 靴を履いた状態)

立ち幅跳びのテストは、参加者が裸足の状態と靴を履いた状態の両方で行われました。これにより、履物の違いが直接的にパフォーマンスにどう影響するかを検証しています。

4. 推定限界効果(95%CI)

推定限界効果とは、立ち幅跳びのパフォーマンスに対する履物習慣の影響の統計的推定値と、その95%信頼区間(Confidence Interval, CI)を指します。この信頼区間は、結果がどの程度信頼できるかを示すもので、95%の確率で真の値がこの範囲内に含まれることを意味します。

図2が示す内容

図2では、以下の観点で結果が提示されます。

1. 年齢層ごとの影響(左側)

6~10歳
裸足の子どもが靴を履いた子どもよりも立ち幅跳びの距離が長い傾向が見られる。
11~14歳
年齢が上がるにつれて、裸足のメリットが減少し、靴を履く習慣のある子どもとの違いが縮まる。
15~18歳
再び裸足の習慣が優位となり、裸足の青年が靴を履く青年よりも立ち幅跳びの距離が長い。

2. テスト条件(右側)

裸足でのテスト: 裸足習慣のある子どもが最も高いパフォーマンスを示し、特に裸足の状態での立ち幅跳びにおいて優位性が明らか。
靴を履いたテスト: 靴を履く習慣がある子どもは、靴を履いた状態で比較的安定したパフォーマンスを発揮。

図2の結論

この結果は以下のことを示唆しています。

• 幼少期から裸足で過ごすことは、立ち幅跳びのようなパフォーマンスに必要な足の推進力や筋力を強化する可能性が高い。

• 青年期になると裸足の習慣が再びメリットをもたらし、足指や足全体の筋肉を活かした運動が可能になる。

• 靴の使用は、特に裸足に慣れていない人にとっては安定性を提供するが、裸足習慣がある場合は必ずしも必要ではない場合がある。

このように、裸足での活動が特に足指や足のアーチ機能の発達に寄与している可能性が高いと考えられます。

 

図3交絡因子を調整した後、3つの年齢グループ(左)と設定(裸足テストと靴を履いたテスト、右)における習慣的な履物の使用が短距離走のパフォーマンスに及ぼす推定限界効果(95%CI)

補足

図3は、短距離走のパフォーマンス(スプリントタイム)に対する習慣的な履物の使用(裸足または靴)が及ぼす推定限界効果(95%CI)を示しています。交絡因子(性別、民族、BMI、身体活動レベルなど)を調整した上で、以下の2つの観点から結果を視覚化しています。

1. 交絡因子を調整した分析

交絡因子(性別、民族、BMI、身体活動レベル(PAQスコア)、テスト順序など)を統計的に調整した後の分析結果です。この調整により、純粋に習慣的な履物の使用(裸足または靴)の影響が短距離走のパフォーマンスにどのように現れるかを評価しています。

2. 3つの年齢グループ

習慣的な履物の使用が短距離走の結果に与える影響を以下の3つの年齢グループに分けて分析しています:

6~10歳: 幼少期、運動能力が発達する初期段階。
11~14歳: 思春期の入り口、運動能力が急速に成長する段階。
15~18歳: 青年期、筋力や運動能力が成熟に近づく段階。

各年齢グループで裸足や靴の使用がどのような違いをもたらすかを比較しています。

3. テスト条件(裸足 vs. 靴を履いた状態)

短距離走のテストは、参加者が裸足の状態と靴を履いた状態の両方で行われました。これにより、履物の違いが直接的にパフォーマンスにどう影響するかを検証しています。

4. 推定限界効果(95%CI)

推定限界効果とは、短距離走のパフォーマンスに対する履物習慣の影響の統計的推定値と、その95%信頼区間(Confidence Interval, CI)を指します。この信頼区間は、結果がどの程度信頼できるかを示すもので、95%の確率で真の値がこの範囲内に含まれることを意味します。

 

図3が示す内容

1. 年齢層ごとの影響(左側)

6~10歳
靴を履く習慣のある子どもが裸足の子どもよりも短いスプリントタイム(速いタイム)を示しています。特にこの年齢層での差が最も大きく、靴のサポートが短距離走のパフォーマンスに大きく寄与していると考えられます。
11~14歳
両グループともスプリントタイムが速くなる(短くなる)傾向がありますが、靴を履く習慣のあるグループが引き続き優位性を示しています。
15~18歳
両グループの差が最も小さくなりますが、靴を履く習慣のあるグループが依然として速いタイムを記録しています。

2. テスト条件(右側)

裸足でのテスト
靴を履く習慣のあるグループが、裸足の習慣があるグループよりも速いスプリントタイムを示しています。
靴を履いたテスト
靴を履く習慣のあるグループが最も速いスプリントタイムを記録しています。これは、靴のサポートが短距離走においてさらに有利に働くことを示唆しています。

図3の結論

この結果は以下のことを示唆しています。

6~10歳の幼少期では、靴を履く習慣が短距離走のような瞬発力を要する運動に対して大きなメリットをもたらします。

15~18歳の青年期になると、裸足の習慣と靴の習慣の差は小さくなりますが、靴のサポートが引き続きパフォーマンス向上に寄与しています。

• テスト条件にかかわらず、靴を履く習慣が短距離走のパフォーマンスに有利に働くことが明らかです。

このように、靴が短距離走での瞬発力や速度の向上に重要な役割を果たしている可能性が示されています。

目次