【医療監修】認知症と姿勢は関係ある?猫背・歩き方・足指から考える脳機能低下の新しい視点

目次

はじめに|認知機能の低下は「脳」だけの問題ではありません

こんにちは、足指研究家の湯浅慶朗です。

「認知症は年齢のせいだから仕方ない」

そう考えられることが多い一方で、近年の研究では姿勢・歩行・血流・呼吸といった身体的要因が、認知機能と関連する可能性が指摘されています。

特に注目されているのが、

猫背やストレートネックといった姿勢の乱れが、脳への血流や酸素供給に影響する可能性です。

本記事では、

認知症と姿勢の関係を「足指→姿勢→首→脳」という構造から整理し、

日常生活で見直せるポイントを専門的かつ分かりやすく解説します。

認知機能と「脳血流」の深い関係

脳は、体重の約2%ほどの重さしかありませんが、

全身の酸素消費量の約20%を必要とする非常にエネルギー消費の大きい臓器です。

そのため、

  • 血流量の低下
  • 酸素供給の不足

が起こると、神経細胞の働きに負荷がかかりやすくなります。

核医学検査(SPECT)では、認知機能の低下が指摘されるケースで、

特定部位の血流低下や全体的な脳活動の低下が観察されることがあります。

ここで重要なのは、

「なぜ血流が低下するのか」という視点です。

猫背・前かがみ姿勢が注目される理由

2022年に発表された研究では、

脊柱の前傾が大きい人ほど、認知機能低下と関連する指標が高い傾向

が示されました。

いわゆる「猫背姿勢」は、単なる見た目の問題ではなく、

  • 首・背骨の配列
  • 呼吸の浅さ
  • 血流効率

といった点に影響を与える可能性があります。

ストレートネックと脳血流の構造的関係

頸椎は「脳への通路」

首の骨(頸椎)は7つの椎骨で構成され、

本来は緩やかな前弯(ロルドーシス)を描いて頭を支えています。

このカーブが失われた状態が、いわゆるストレートネックです。

椎骨動脈への影響

頸椎の横を通る椎骨動脈は、

脳幹・小脳・後頭葉へ血液を送る重要な血管です。

2019年に発表された研究では、

頸椎前弯を失った人では、椎骨動脈の血流量や血流速度が低下する傾向

が確認されています。

つまり、

姿勢の乱れ → 頸椎配列の変化 → 脳血流効率の低下

という構造が成り立つ可能性があります。

前方頭位姿勢と脳への負荷

頭が身体より前に突き出た姿勢(前方頭位姿勢)では、

  • 首・肩の筋肉が常に緊張
  • 神経や血管への物理的ストレス
  • 自律神経への影響

が生じやすくなります。

脳機能を調べた研究では、

前方頭位姿勢の人において、安静時脳活動のパターンが変化する傾向

も報告されています。

これは、脳が常に軽度のストレス状態に置かれている可能性を示唆します。

姿勢の乱れは「呼吸」にも影響する

猫背やストレートネックでは、

  • 横隔膜の動きが制限される
  • 呼吸が浅くなる
  • 酸素摂取効率が下がる
  • 空気の通り道が狭くなる

といった変化が起こりやすくなります。

脳は酸素に非常に敏感な臓器です。

慢性的な低酸素状態は、神経細胞の働きに負荷をかける可能性があります。

口呼吸という「見落とされがちな要因」

姿勢の乱れによって呼吸が浅くなるだけでなく、

呼吸の「様式」そのものが変化する可能性も指摘されています。

口を開けたまま呼吸する「口呼吸」は、

単なる癖ではなく、身体構造や健康状態と関連する可能性があることが、

複数の研究で報告されています。

口呼吸の影響についてまとめたレビュー論文

Mouth breathing – adverse effects on facial growth, health, academics and behaviour」では、

口呼吸が上気道の形態、顔面構造、睡眠の質、集中力や行動特性などに

影響を及ぼす可能性が示唆されています。

姿勢が崩れ、頭部が前方へ移動すると、

下顎の位置や舌の位置が変化しやすくなり、

鼻呼吸から口呼吸へ移行しやすくなることが知られています。

呼吸効率の低下や慢性的な低酸素状態は、

脳にとって望ましい環境とは言えません。

こうした要因が重なることで、

脳の働きに負荷がかかる可能性も考えられます。

このように、

姿勢の乱れ → 呼吸様式の変化 → 脳環境への影響

という経路も、

認知機能を考えるうえで見逃せない視点の一つです。

姿勢の崩れはどこから始まるのか?

ここで多くの方が見落としがちなのが、

姿勢の起点は「足部」、特に足指であるという点です。

足指が姿勢と脳につながる理由

足指は、

  • 重心のコントロール
  • 床反力の受け渡し
  • 立位・歩行時の安定

を担う重要な器官です。

足指が十分に機能しないと、

足指

重心位置のズレ

骨盤の傾き

背骨の配列変化

頸椎の乱れ

という連鎖的な姿勢崩れが起こりやすくなります。

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足指機能不全とは何か

足指機能不全とは、

足指が「曲げる・広げる・支える」という基本動作を十分に行えない状態を指します。

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全ての指を曲げることができるか
全ての指をひらくことができるか
意識的に親指だけを上げることができるか

次の動きができるか確認してみてください。

  • すべての指を曲げられる
  • すべての指を広げられる
  • 親指だけを意識的に持ち上げられる

一部の指が動かしにくい場合、

足指機能に偏りが生じている可能性があります。

足指の変形と全身への影響

外反母趾内反小趾浮き指屈み指寝指といった変形は、

足部アーチの安定性を低下させます。

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かがみ指
外反母趾
内反小趾
親指の浮き指
小指の浮き指
寝指

足部の不安定性は、

  • 歩行の不安定
  • 転倒リスクの増加
  • 活動量の低下

につながりやすく、

結果として認知機能に影響する生活環境を生み出す可能性があります。

体験談

※以下は一個人の体験であり、すべての方に同様の変化が生じるわけではありません。

私がひざ痛に悩まされるようになったのは、3年前に転倒してからです。右のひざ関節を痛め、医師からは人工関節を入れる手術を勧められました。しかし、心臓が悪かったため手術は断念せざるを得ませんでした。

そこで、3週間に1回、ひざの動きをよくし、痛みをおさえるヒアルロン酸注射を打つようになりました。ただし、注射は一時しのぎにしかなりませんでした。3週間たつころには効果が薄れて、再びひざがズキズキと痛み出すのです。

家の中では手すりや壁伝いに歩き、外出するときは杖が頼りでした。思うように歩けないため、好きな外出も、しだいに少なくなっていきました。

私は73歳まで仕事を続け、退職後は妻と海外旅行を楽しみ、いろいろな国へ出かけたものです。地域の「歩こう会」の世話役もしていて、まさか自分が歩けなくなるなんて思ってもみませんでした。

ですから、1日じゅう家の中でじっとしている生活はとてもつらかったものです。

また、転倒した原因がふらつきだったため、脳の検査も受けました。その結果、私は認知機能がやや低下していたようです。確かに、今記憶をたどってみても、そのころのことはよく思い出せません。病院では記憶力や判断力の減退を遅らせる薬を処方され、それを飲むようになりました。

娘の勧めで、湯浅慶朗先生を訪れたのは、昨年の10月です。

湯浅先生からは、足指つかみを勧められました。私の足指はとてもかたくて、最初は、指と指の間をなかなか広げることができませんでした。ですから、足指の間に手の指を入れるのもひと苦労でした。

それでも、毎日、朝食後と夕食前に5分ずつやるようにしたら、徐々に足指が開くようになってきました。そして、1ヵ月後にはひざの痛みが軽くなり、立つ力がついてきたのです。

年末には姿勢もよくなりました。以前は肩が丸まって頭が下がり、柱に後頭部をつけることができませんでした。それが、頭を上げて柱にピタリとつけられるようになったのです。

初めて湯浅先生の元を訪れたときは、正座をしようとしてもお尻が10㎝ぐらい浮いていたのが、ちゃんとつくようにもなりました。

足指つかみを始めて4ヵ月たつ今は、家の中では手すりや壁を頼らなくても歩けます。外出時は不安なので杖を持参しますが、歩幅が広くなり、歩く速度も速くなりました。距離も2kmぐらいは平気で歩けるようになりました。

人間、何歳になっても回復するものなのですね。今の目標は、夏までに、杖を使わずに歩けるようになることです。

週3回デイケアに行ったり、妻と国内旅行に出かけたりと、日々をまた活動的に楽しんでいます。デイケアでは私がいちばん元気かもしれません。計算問題も素早くできるようになり、一時は認知症を心配していた娘やケアマネージャーも、私の回復ぶりを喜んでくれています。

まとめ|認知機能を守るために「足元」から見直す

認知症は単一の原因で起こるものではありません。

しかし、

足指 → 姿勢 → 頸椎配列 → 血流・呼吸 → 脳環境

という構造で考えると、

日常の姿勢や歩行環境を見直すことの意味が見えてきます。

年齢のせいと決めつける前に、

まずは足元から身体全体を見直す視点を持つことが、

将来の健康を考える一つのヒントになるかもしれません。

足指への3つのアプローチ

— ただし、順番があります

私は2006年以降、病院における臨床の場で、体操・靴下・歩き方・靴の指導を中心に、足指の変形や機能不全、そしてそれに関連する整形外科的な不調に対する対応を行ってきました。

外反母趾、内反小趾、かがみ指、浮き指、寝指、足趾機能不全に加え、膝・腰・股関節・姿勢といった問題についても、足指からの介入を軸に経過を観察してきた臨床の積み重ねがあります。

これは理論だけの話ではありません。長年にわたる臨床数と経過、データの蓄積の中で、「動かす・保つ・使い続ける」という視点が共通して重要であることが整理されてきました。

その結果として、ここで紹介しているひろのば体操・YOSHIRO SOCKS・YOSHIRO WALKという3つのアプローチに集約されています。

1. ひろのば体操

足指を「動かして」広げて伸ばす

ひろのば体操は、足趾機能不全によって低下しやすい足指の可動性や感覚入力を取り戻し、足指が本来の動きを発揮しやすい状態をつくることを目的に考案された体操です。

外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指など、足指がうまく使われにくくなっている状態に対して、日常で取り入れやすいアプローチの一つです。

2. YOSHIRO SOCKS

広がって伸びた足指を「保ち続ける条件」をつくる

YOSHIRO SOCKSは、足の中で起こりやすい「滑り」「指の押し込み」「アーチの崩れ」といった足元環境のストレスに着目し、

  • 足指が広がりやすい
  • 足指が伸びやすい
  • 足裏のアーチが保たれやすい

足元環境を整えることを目的に設計された靴下です。外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指・足趾機能不全など、足指の使われ方が関与するケースで検討される選択肢の一つです。

3. 小股歩き

日常動作の中で、足指が“使われ続ける”状態をつくる

小股歩きは、歩幅を抑えることで足指を感じながら地面を捉えやすくする歩き方です。

体操や足元環境の見直しと組み合わせることで、足指に関わる筋活動が起こりやすい条件をつくる考え方として紹介しています。

無理なく続けられる形を選んでください

・体操から始める人

・足元環境から見直す人

・両方を組み合わせる人

どれか一つに決める必要はありません。足指の問題は、方法よりも「続けられる条件」が大切です。


まず迷っている方へ

— どれから始めるか迷ったら、ここを基準にしてください —

  • 体操が続かなかった人
  • 歩き方を意識する余裕がない人
  • 靴をすぐに変えられない人

この場合は、

② YOSHIRO SOCKS(足元環境を整える) から始めるのが現実的です。

足指は「動かす前に、使われる環境」が整わないと戻りやすいため、

まずは日常の中で 足指が使われにくい状態を減らす ことが優先されます。


すでに体操ができている方へ

① ひろのば体操 + ② YOSHIRO SOCKS

動かした足指を、そのまま保てる条件が重なることで、

足指が使われやすい状態が続きやすくなります。


余裕が出てきた方へ

③ 小股歩き を組み合わせることで、 日常動作の中でも足指が“使われ続ける”条件が整っていきます。

※どれか一つを「完璧にやる」必要はありません。

足指の問題で大切なのは、無理なく続けられる順番を選ぶことです。

次に知りたいことを選んでください

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