変形性膝関節症は靴が原因だった!

足指ドクターによる解説

YOSHIRO YUASA
湯浅慶朗

理学療法士、足指博士、足指研究所所長、日本足趾筋機能療法学会理事長、ハルメク靴開発者。元医療法人社団一般病院理事・副院長・診療部長。専門は運動生理学と解剖学。足と靴の専門家でもあり、姿勢咬合治療の第一人者でもある。様々な整形疾患の方(7万人以上)を足指治療だけで治してきた実績を持つ。

変形性膝関節症、または変形性関節症は、米国では特に高齢者に多い健康問題です。米国整形外科学会によると、この健康問題は高齢者の障害の主要な原因のひとつです。同学会によると、変形性膝関節症に関連する障害のリスクは、心血管疾患による障害に匹敵します。この病気は、足指の変形によって膝が外側に倒れ、膝関節内の関節軟骨の損失によって、大腿骨と脛骨の間のクッション性が低下します。

目次

要因

従来の医学的知識によれば、体重、遺伝、性別、年齢、過去の膝の外傷、ストレス、接触スポーツ、特定の健康状態、栄養不足、身体の衰弱などが変形性膝関節症の原因であるとされています。しかし過去数年間で、従来の履物がこの健康問題の発生に及ぼす影響についての議論が増えています。従来の履物(足指の部分が細い靴トゥスプリングのある靴、 かかとの高い靴、 硬すぎる靴底の靴 )の長期使用と変形性膝関節症の発症または悪化との関連を示す説得力のある議論が発表されてい ます。

ラッシュ医科大学の研究

2006年にラッシュ医科大学(ナジア・シャクールとジョエル・A・ブロックが実施)で行われた研究(Arthritis and Rheumatism 誌に掲載)では、様々な種類の靴を履いた被験者と靴を履いていない被験者の膝にかかるストレス負荷が調査されました。研究者らは次のように説明しています。

膝内側の変形性関節症(OA)を持つ患者は、裸足で歩くと通常の靴を履いて歩く場合に比べて、膝と股関節の関節にかかる負荷が軽減されることがあります。膝OAは異常な負荷によって一部引き起こされるため、過剰な負荷が痛みや病気の進行と関連していると考えられています。そのため、これらのデータは、現代の靴が下肢OAの生体力学を悪化させる可能性があることを示唆しています。

シャクールとブロックは次のように結論付けています。

靴は下肢の関節にかかる負荷を有害な形で増加させる可能性があります。靴を履いて歩く場合と裸足で歩く場合の負荷の違いの原因となる要因がより明確になれば、現代の靴と歩行習慣が私たちの社会における OA の蔓延と進行に与える影響について再評価する必要があるかもしれません。

結論

靴は、膝やその他の下肢の変形性関節症を引き起こす主な要因です。しかし、足の自然な形状を尊重した靴下足の健康をサポートする靴がすでに存在しています。足指が広く、足指が自然な動きをすることができる靴、ブーツ、その他の履物は、関節の異常な動きや変形を防ぐために適しています。靴は、足の自然な構造を妨げず、保護と装飾のために使用されるべきだと、足の健康の専門家である湯浅慶朗も指摘しています。靴は、健康を維持し、足を守るために必要なものであると言えます。

湯浅慶朗
足指博士(理学療法士)
足指研究の第一人者。理学療法士。足指研究所所長。日本足趾筋機能療法学会理事長。ひろのば体操、YOSHIRO SOCKS、YOSHIRO INSOLE、ハルメク靴の開発者。東京大学や国際医療福祉大学で研究を行う。元医療法人社団一般病院理事・副院長・診療部長・通所リハビリテーションセンター長。著書多数。テレビ出演は『ガイアの夜明け』『NHKガッテン』『NHK BS 美と若さの新常識』『NHK サキどり』ほか多数出演、著書は『たった5分の「足指つかみ」で腰も背中も一生まがらない!』(PHP出版)など多数。

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