外反母趾とは?セルフチェック方法を詳しく紹介!

足指ドクターによる解説

YOSHIRO YUASA
湯浅慶朗

理学療法士(Physiotherapist)、足指博士、足指研究所所長、日本足趾筋機能療法学会理事長、ひろのば体操・YOSHIRO SOCKS・ハルメク靴開発者。元医療法人社団一般病院理事・副院長・診療部長。専門は運動生理学と解剖学。足と靴の専門家でもあり、姿勢咬合治療の第一人者でもある。様々な整形疾患の方(10万人以上)を足指治療だけで治してきた実績を持つ。東京大学 石井直方 名誉教授の弟子でもある。

目次

外反母趾の診断

外反母趾のセルフチェックの方法①

用意するもの:ボールペンや定規などまっすぐしたもの

定規(じょうぎ)を使ったセルフチェック法

両足を広げて立ちましょう。

外反母趾を見るときは、足の内側のところに定規を当てます。その当てた定規のラインが本来の親指のラインです。

ボールペンと親指の爪の部分のところのすき間ができていれば親指の変形があります。そのすき間に自分の人差し指を入れてみましょう。

①一本分離れているようであれば「外反母趾予備軍」です。

②二本分離れているようであれば「軽度の外反母趾」です。

③三本分離れているようであれば「重度の外反母趾」で、一般的には手術が必要と言われます。

ボールペンを使ったセルフチェック法

ボールペンを使ったやり方も同じです。まずは足の内側にボールペンを当てましょう。

この時、注意して欲しいのは、ボールペンが床につかないように足に当てることです。床にボールペンを置いて足に当ててしまうと、ボールペンが足の中に入ってしまって、正確な角度を計ることができなくなります。

ボールペンを少し浮かせて床につかないようにして、足の内側に当てるようにします。

当てたボールペンのラインが本来の親指のラインです。ボールペンと親指の爪の部分のすきま(白丸の部分)に人差し指を入れていきますが、外反母趾レベルは先ほどと同じです。

①指一本分:外反母趾予備軍
②指二本分:軽度外反母趾
③指三本分:重度外反母趾(手術レベル)

骨格を見ながら外反母趾をチェックする

実際に足の骨格を見てみると、どうなっているのでしょうか。

計測をする場所(定規やボールペンを当てているところ)は、舟状骨(しゅうじょうこつ)・内側楔状骨(ないそくけいじょうこつ)・中足骨(ちゅうそくこつ)・基節骨(きせつこつ)という骨です。

3つの骨(舟状骨・内側楔状骨・中足骨)に対して、基節骨(親指のつけ根の骨)が内側に傾くほど「外反母趾」とよぼれるようになります。

外反母趾セルフチェックシートを使おう

A4サイズの用紙に印刷して足を乗せてみましょう。軽度の外反母趾は小学生から多くなりますので、早めに対処することが大切です。

外反母趾になると何が良くないの?

外反母趾になると親指のつけ根の部分が痛くなる、ということは誰にでも想像ができるかと思います。それ以外に何が良くないのか。親指は、足が内側に傾くことを抑える「ストッパー」のような役割があります

 

そのため、間違った靴選びすべりやすい素材の靴下などにより外反母趾がひどくなると、足が内側に傾きやすくなります。足が内側に傾くと、回内足(かいないそく)→X脚→脚長差→骨盤のゆがみ→背骨のゆがみ→肩の高さの左右差→首の骨のゆがみ→頭の傾き→顔の筋肉のゆがみ噛み合わせ・歯並びが悪くなるにつながり、その過程でさまざまな不調が出るようになるのです(詳しくは症状別の記事で)。

予備知識

・回内足→足首の痛み
・X脚→変形性膝関節症・膝の痛み・股関節の痛み
・骨盤のゆがみ→むくみ・冷え・生理不順・不妊・坐骨神経痛
・背骨のゆがみ→ヘルニア・狭窄症・側湾症・腰痛・背中の痛み
・肩の高さの左右差→肩こり・五十肩・腱板断裂
・首の骨のゆがみ→頚椎ヘルニア・首こり
・頭の傾き→斜頚・平衡感覚の乱れ・斜視
・顔の筋肉のゆがみ→顎関節症・噛み合わせや歯並びが悪くなる

きちんと親指の形を元に戻すということは、足だけでなくカラダ全体をまっすぐに保つために必要なことなのです。

動画で外反母趾の正しい見方をチェック!

外反母趾の専門的な評価・診断

外反母趾では、第一中足趾節関節で基節骨が中足骨に対して外反・回内して、第一中足骨頭が内側に突出し、その部の軟部組織の肥厚(バニオン)がみられることです。基節骨の外反角度が何度以上を外反母趾とするか、またその測定法は、医学の世界では一致した意見があるわけではありません。外反母趾のガイドラインでは外反母趾角(HV 角)20°以上を外反母趾とされています

外反母趾の診断

外反母趾の診断および重症度の評価は一般的にHV角で行われています。HV角(Hallux vaigus angle)のことをいいますが、X線で母趾基節骨骨軸と第1中足骨骨軸のなす角度で、母趾の外反変形の程度を評価する際に用いる角度です。正常値を9〜15°、軽度を15〜20°、中等度を20〜40°、重度は 40°以上としています。

外反母趾の診断および重症度分類は研究者によっても違います。臨床的にも境界領域の外反母趾が存在し、外反母趾変形がほとんどないに、外反母趾と同じようなバニオン(親指のつけ根)の痛みを訴える人も多く、外反母趾の診断に苦しむ整形外科医の人もいます。少なくともHV 角 20°以上は外反母趾としてよいと考え、外反母趾のガイドラインでは外反母趾の重症度分類を以上のように定めています。

足指への3つのアプローチ

— ただし、順番があります

私は2006年以降、病院における臨床の場で、体操・靴下・歩き方・靴の指導を中心に、足指の変形や機能不全、そしてそれに関連する整形外科的な不調に対する対応を行ってきました。

外反母趾、内反小趾、かがみ指、浮き指、寝指、足趾機能不全に加え、膝・腰・股関節・姿勢といった問題についても、足指からの介入を軸に経過を観察してきた臨床の積み重ねがあります。

これは理論だけの話ではありません。長年にわたる臨床数と経過、データの蓄積の中で、「動かす・保つ・使い続ける」という視点が共通して重要であることが整理されてきました。

その結果として、ここで紹介しているひろのば体操・YOSHIRO SOCKS・YOSHIRO WALKという3つのアプローチに集約されています。

1. ひろのば体操

足指を「動かして」広げて伸ばす

ひろのば体操は、足趾機能不全によって低下しやすい足指の可動性や感覚入力を取り戻し、足指が本来の動きを発揮しやすい状態をつくることを目的に考案された体操です。

外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指など、足指がうまく使われにくくなっている状態に対して、日常で取り入れやすいアプローチの一つです。

2. YOSHIRO SOCKS

広がって伸びた足指を「保ち続ける条件」をつくる

YOSHIRO SOCKSは、足の中で起こりやすい「滑り」「指の押し込み」「アーチの崩れ」といった足元環境のストレスに着目し、

  • 足指が広がりやすい
  • 足指が伸びやすい
  • 足裏のアーチが保たれやすい

足元環境を整えることを目的に設計された靴下です。外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指・足趾機能不全など、足指の使われ方が関与するケースで検討される選択肢の一つです。

3. 小股歩き

日常動作の中で、足指が“使われ続ける”状態をつくる

小股歩きは、歩幅を抑えることで足指を感じながら地面を捉えやすくする歩き方です。

体操や足元環境の見直しと組み合わせることで、足指に関わる筋活動が起こりやすい条件をつくる考え方として紹介しています。

無理なく続けられる形を選んでください

・体操から始める人

・足元環境から見直す人

・両方を組み合わせる人

どれか一つに決める必要はありません。足指の問題は、方法よりも「続けられる条件」が大切です。


まず迷っている方へ

— どれから始めるか迷ったら、ここを基準にしてください —

  • 体操が続かなかった人
  • 歩き方を意識する余裕がない人
  • 靴をすぐに変えられない人

この場合は、

② YOSHIRO SOCKS(足元環境を整える) から始めるのが現実的です。

足指は「動かす前に、使われる環境」が整わないと戻りやすいため、

まずは日常の中で 足指が使われにくい状態を減らす ことが優先されます。


すでに体操ができている方へ

① ひろのば体操 + ② YOSHIRO SOCKS

動かした足指を、そのまま保てる条件が重なることで、

足指が使われやすい状態が続きやすくなります。


余裕が出てきた方へ

③ 小股歩き を組み合わせることで、 日常動作の中でも足指が“使われ続ける”条件が整っていきます。

※どれか一つを「完璧にやる」必要はありません。

足指の問題で大切なのは、無理なく続けられる順番を選ぶことです。

次に知りたいことを選んでください

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