【西日本新聞掲載】足指コラム Vol.4 正しい靴の選び方|外反母趾・扁平足を防ぐ4つのポイント

足指ドクターによる解説

YOSHIRO YUASA
湯浅慶朗

理学療法士(Physiotherapist)、足指博士、足指研究所所長、日本足趾筋機能療法学会理事長、ひろのば体操・YOSHIRO SOCKS・ハルメク靴開発者。元医療法人社団一般病院理事・副院長・診療部長。専門は運動生理学と解剖学。足と靴の専門家でもあり、姿勢咬合治療の第一人者でもある。様々な整形疾患の方(10万人以上)を足指治療だけで治してきた実績を持つ。東京大学 石井直方 名誉教授の弟子でもある。

2013年6月26日に西日本新聞に掲載
目次

靴は「足指の健康を守る道具」

足の変形や痛みの大きな原因のひとつが 靴選びの間違い です。

「おしゃれだから」「サイズが合っていれば大丈夫」と思って選んでいませんか?

実は、靴の中で足指が動けない状態が続くと、

といった悪循環が始まります。

逆に、靴の中で足指を自然に動かせる環境を整えれば、足全体の機能が守られるのです。

正しい靴選びの4つのポイント

では、実際にどのような靴を選べば良いのでしょうか?

臨床経験と研究の両面から導いたチェックポイントをご紹介します。

1. 靴ひもの穴(ハトメ)は5つ以上

靴ひもは単なる飾りではなく、足と靴を一体化させるテーピングの役割を持っています。

穴が5つ以上ある靴は、ひもを結ぶことで足の前滑りを防ぎ、指が曲がるのを防止します。

丸ひもよりも、面で固定できる平ひもの方が安定感は高くなります。

2. かかと(ヒールカウンター)が固い

かかとは椅子の「背もたれ」と同じ役割。

柔らかい靴はかかとがぐらつき、足指で踏ん張らなければ歩けないため変形を助長します。

手で押してもつぶれない程度の固さがある靴を選ぶと、足全体が安定します。

3. 靴底がねじれない

歩行時には体重の2〜3倍の負荷がかかります。

靴底が柔らかすぎると、こんにゃくの上に立っているように不安定になります。

「シャンク」と呼ばれる強度の芯が入った靴なら、靴底のねじれを防ぎ、足指が自然に働く環境を保てます。

4. 中敷きから足指がはみ出していない

中敷きを取り出し、裸足で足を乗せてみてください。

足指が中敷きからはみ出していたら、その靴は窮屈で、ヒールを履いているのと同じ状態。

必ず指全体が収まる靴を選びましょう。

「正しい靴」+「正しい履き方」で効果倍増

いくら良い靴を選んでも、履き方が間違っていては意味がありません。

かかとをしっかり合わせ、靴ひもを上まで締めることで、初めて足と靴が一体化します。

ひろのば体操の正しいやり方

さらに「ひろのば体操」で足指の動きを取り戻し、「YOSHIRO SOCKS」で滑らない環境を整えることで、靴の効果は最大限に発揮されます。

YOSHIRO SOCKSによる足指の矯正

まとめ

足指の変形や痛みの多くは、日常的な靴選びから始まっています。

  • ハトメは5つ以上
  • かかとは固いもの
  • 靴底はねじれないもの
  • 中敷きから指がはみ出していないもの

この4つを基準に靴を選ぶだけで、外反母趾・扁平足・膝や腰の不調を防ぐ第一歩になります。

ぜひ一度、ご自分の靴をチェックしてみてください。

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