はじめに
このページは、
特定の治療法・運動法・製品を推奨するものではありません。
日常生活における
「足元の環境が満たしているべき最低条件」
を整理した、前提条件のまとめです。
診断名・年齢・職種・専門分野に関わらず、
**誰にとっても共通する“環境側の条件”**として記載しています。
本仕様の位置づけ
本仕様は、
- 治療指針
- 運動処方
- トレーニング方法
- 製品評価
を目的としたものではありません。
それらの手法が機能する 「前段階の環境条件」
を明確にすることを目的としています。
Kernel の考え方について
日常動作における姿勢制御は、
意識的な操作よりも 無意識下の感覚入力 に大きく依存しています。
その中でも足部は、
- 常に身体を支持し
- 常に接地情報を受け取り
- 常に無意識で使用される
という特徴を持つため、
環境条件の影響を受けやすい部位でもあります。
本仕様では、
この足部環境に関する最小単位の条件を
「Kernel(核)」として整理しています。
Kernel 条件①
滑走制御に関する前提
足部は、
靴・靴下・床などの環境内において
過度に滑走しない状態が保たれていることが望まれます。
ここでいう滑走とは、
- 荷重時に足底が前後・左右に移動する状態
- 足指が環境内で身体を止める役割を担う必要が生じる状態
を指します。
滑走が生じると、
足指は本来の支持機能とは異なる使われ方をしやすくなります。
Kernel 条件②
足指の使用に関する前提
足指は、
身体を 支える支持点の一部 として使用されることが想定されます。
日常動作において、
- 足指を意識的に掴む
- 強く把持する
- 動作中に操作する
といった使用を前提としない状態が、
環境としては安定しやすいと考えられます。
Kernel 条件③
感覚入力に関する前提
足底・足指からの感覚入力は、
- 無意識で
- 継続的に
- 特別な操作を必要とせず
行われることが望まれます。
使用者の努力・理解・訓練に依存する状態は、
日常環境としては再現性が低くなりやすいため、
本仕様では前提条件から除外しています。
Kernel の成立条件
以下の3条件が同時に満たされる場合、
足指OS Kernel が成立している状態と整理します。
- 足部が環境内で過度に滑走しない
- 足指が支持点として自然に使用される
- 感覚入力が無意識下で継続する
いずれか一つのみではなく、
同時成立が前提となります。
本仕様について
本仕様は、
- 正しさを主張するものではありません
- 他の方法を否定するものではありません
- 結果を保証するものでもありません
あくまで
日常環境を整理するための一つの視点として
記載されています。
更新について
本仕様は v0.1 です。
今後、観察や検討の積み重ねにより、
表現や構成が調整される可能性があります。
ただし、
環境条件を前提として整理する
という立場自体は変わりません。
おわりに
足部に関する議論は、
- 方法論
- 技術論
- 専門分野
に分かれやすい傾向があります。
本仕様は、
それらの議論の前段階として
「環境がどうであるか」
を一度立ち止まって考えるためのものです。
静かに、必要な方の目に留まれば幸いです。
