【医療監修】変形性膝関節症はなぜ治らないのか?― 注射・リハビリ・手術まで試しても戻る人に共通する構造 ―

はじめに
こんにちは。足指研究家の湯浅慶朗です。
変形性膝関節症と診断された多くの方が、同じ経過をたどります。
- ヒアルロン酸注射を打った
- リハビリや筋トレを続けた
- 電気治療やストレッチも試した
- MRIで「軟骨がすり減っている」と言われた
- 年齢のせいだから仕方ないと説明された
それでも、
「最初は少し楽になったのに、結局また戻る」
「何をしても安定しない」
こう感じている方が非常に多いのが現実です。
この記事では、
どの治療が正しいか/間違っているか
ではなく、
なぜ“どれをやっても戻る構造”が生まれているのか
という視点から、変形性膝関節症を整理していきます。
変形性膝関節症を「膝そのものの問題」として見ていると、
どうしても説明できない矛盾が残ります。
注射やリハビリ、手術まで試しても、
なぜか痛みが戻ってしまう人がいるのはなぜなのか。
この章では、
変形性膝関節症が「治らない状態」として固定されてしまう構造
について整理していきます。
この視点を持たない限り、
次にどんな治療を選んでも、同じことを繰り返してしまいます。
変形性膝関節症は「治療法の問題」ではない
まず最初に、はっきりさせておきたいことがあります。
多くの場合、
- 注射が悪い
- リハビリが間違っている
- 医師や治療家の腕が悪い
わけではありません。
問題はもっと手前にあります。
それは、
どの治療も「同じ前提構造の上」で行われている
という点です。
この前提構造が変わらない限り、
治療は一時的に症状を和らげても、再び同じ力学に戻ってしまいます。
「効かなかった治療」には共通点がある
ここで、これまであなたが試してきた可能性のある治療を整理します。
注射が効かなかった理由
ヒアルロン酸注射やブロック注射は、
関節内の環境を一時的に整える目的で行われます。
しかし、
- 荷重のかかり方
- 歩行時の膝の使われ方
- アライメントの崩れ
が変わらないままでは、
同じ場所に、同じストレスが繰り返しかかります。
注射が「効いたのに戻る」構造については、こちらで詳しく整理しています。
▶︎【医療監修】変形性膝関節症の注射が効かない本当の理由

▶︎【医療監修】ヒアルロン酸注射が効かなくなる構造

リハビリを続けても戻る理由
筋トレやストレッチは、膝OA治療の定番です。
しかし臨床では、
- 真面目に続けている
- 筋力もついてきた
- 可動域も改善している
それでも 歩くと痛みが戻る というケースが後を絶ちません。
これは、
筋肉を鍛えても、荷重の通り道が変わっていない
ためです。
構造が変わらないまま筋力だけを足すと、
むしろ負担が増えることすらあります。
リハビリを続けても安定しない背景にある力学は、こちらで詳しく解説しています。
▶︎【医療監修】変形性膝関節症のリハビリで膝痛が戻る本当の理由

MRIと痛みが一致しない理由
MRIで「軟骨がすり減っている」と言われても、
- 痛みがほとんどない人
- 普通に歩ける人
は確実に存在します。
逆に、
- 画像上は軽度
- でも日常生活がつらい
という人もいます。
これは、
痛みの正体が“軟骨そのもの”ではない
ことを示しています。
画像と痛みが一致しない理由は、こちらの記事で整理しています。
▶︎【医療監修】MRIに異常があっても膝が痛くない理由

電気治療・物理療法が安定しない理由
電気治療や温熱療法で、
- その場では楽になる
- でも動くと戻る
という経験をした方は多いはずです。
これは、
痛みを感じている場所と、問題が生まれている場所が違う
ためです。
電気治療で「楽になるのに戻る」構造は、こちらで詳しく解説しています。
▶︎【医療監修】電気治療で変形性膝関節症が変わらない理由

再生医療・サプリに限界がある理由
PRPや幹細胞治療、
グルコサミンやコンドロイチンなどのサプリも同様です。
これらは、
「組織」には働きかけても、「力の流れ」までは変えられない
という限界があります。
再生医療やサプリが“力学構造”を変えにくい理由は、こちらで整理しています。
▶︎【医療監修】再生医療(PRP・幹細胞)の限界

▶︎【医療監修】サプリ・軟骨成分に期待できない理由

人工関節は本当に最終解決なのか?
人工関節手術は、
痛みを大きく改善する可能性のある選択肢です。
しかし、
- 反対側の膝が悪くなる
- 腰や股関節に問題が出る
- 歩き方が不安定になる
といったケースも少なくありません。
これも、
荷重構造そのものが変わっていない
ことが関係しています。
人工関節を選ぶ前に知っておきたい「その後の構造」は、こちらで解説しています。
▶︎【医療監修】人工関節は「最終解決」なのか?

なぜ膝OAは「年齢のせい」にされるのか
これらを総合すると、
一つの事実が浮かび上がります。
年齢は“きっかけ”にはなっても、原因ではない。
同じ年齢でも、
- 進行する人
- ほとんど進行しない人
がいる以上、
説明はそれだけでは不十分です。
「年齢のせい」で片付けられやすい背景は、こちらで詳しく整理しています。
▶︎【医療監修】変形性膝関節症はなぜ「年齢のせい」にされるのか

見落とされている共通点|膝は「結果」である
ここまで読んでいただいた方は、
すでに気づいているかもしれません。
これらすべてに共通するのは、
膝は常に「結果として負担を引き受けている場所」
だという点です。
では、その負担はどこから来ているのか。
答えは明確です。
足元とアライメントです。
変形性膝関節症を「力学構造」から捉える全体像については、こちらの記事で詳しくまとめています。
▶︎ 【医療監修】変形性膝関節症とO脚の本当の関係― 足指の変形から読み解く膝痛のメカニズムとセルフケアの考え方

次に見るべき視点|O脚・X脚・足部アライメント
変形性膝関節症を本当に理解するためには、
- O脚・X脚
- 下腿骨の傾き
- 足部の崩れ
- 足指の機能不全
を切り離して考えることはできません。
これらについては、
次の記事では、膝への負担が固定される「アライメントの崩れ」について整理していきます。
▶︎ 【医療監修】変形性膝関節症とO脚・X脚の本当の関係― 膝が壊れる人と壊れない人を分ける「アライメント」の正体 ―

まとめ|「治らない」のではなく「見ている階層が違う」
- 多くの治療が効かないのは、治療が間違っているからではない
- 膝だけを見ている限り、構造は変わらない
- 膝は常に“支えの結果”として負担を引き受けている
- 見直すべきは、荷重・アライメント・足元
変形性膝関節症は、
「諦めるしかない病気」ではありません。
ただし、
見るべき場所を間違えたままでは、何度でも戻ります。
次の記事では、
その“支えの構造”をさらに具体的に掘り下げていきます。


