【医療監修】変形性膝関節症はなぜ「年齢のせい」にされるのか― 本当は“老化”では説明できない進行メカニズム

目次

はじめに

こんにちは。足指研究家の湯浅慶朗です。

変形性膝関節症(膝OA)と診断されたとき、

多くの方がこう言われます。

「年齢だから仕方ないですね」

「長年使ってきた結果です」

しかし私は、臨床で数多くの膝OAを見てきて、

この説明にずっと違和感を持ってきました。

なぜなら、

同じ年齢でも
膝がほとんど痛まない人がいる

からです。

「年齢=原因」という説明が選ばれる理由

膝OAが年齢のせいにされやすいのには、

理由があります。

・画像上、加齢変化が見える

・高齢者に多い

・説明が簡単で納得されやすい

つまり、

分かりやすく、否定されにくい説明

として使われている側面が大きいのです。

しかし、

それは「原因を説明している」わけではありません。

年齢は「条件」であって「原因」ではない

年齢を重ねることで、

・回復力が落ちる

・組織の柔軟性が下がる

・適応に時間がかかる

といった変化は確かに起こります。

ただしこれは、

壊れる理由

ではなく

壊れやすくなる背景条件

です。

進行を決めているのは、

別の要素です。

同じ年齢でも差が出る最大の理由

膝OAの進行には、

明確な個人差があります。

その差を生むのが、

・立ち方

・歩き方

・荷重の偏り

・下肢アライメント

つまり、

日常で膝にかかり続ける力の質

です。

これらが揃わなければ、

年齢を重ねても膝は壊れにくいままです。

画像所見と痛みが一致しない現実

臨床では、

・レントゲンで変形が強いのに痛くない人

・軽度なのに強い痛みが出る人

が珍しくありません。

これは、

画像=結果

痛み=現在の負荷

という性質の違いによるものです。

この点については、

以下の記事で詳しく解説しています。

▶︎【医療監修】MRIに異常があっても膝が痛くない理由― 画像診断と「痛み」が一致しない本当の構造 ―

「年齢のせい」にすると何が起きるか

年齢のせいにされると、

・仕方ないと諦める

・構造を見直さなくなる

・対処が対症療法に偏る

という流れが起こります。

結果として、

注射

電気治療

一時的なケア

を繰り返しながら、

根本は変わらない状態が続きます。

本当の分かれ道は「アライメント」

膝OAの進行を分ける最大の要因は、

体重

年齢

ではなく、

アライメント(力の通り道)

です。

この点は、

以下の記事で詳しく整理しています。

▶︎【医療監修】変形性膝関節症で下腿骨はなぜ傾くのか?― O脚・X脚を作る“本当の構造的原因”とは ―

▶︎【医療監修】体重よりアライメントが重要な理由― 体重管理だけでは変形性膝関節症が止まらない構造的背景

足元を見ずに「老化」で片づけてしまう危険

膝OAの多くは、

足部アライメント

足指機能低下

重心制御の乱れ

を土台にして進行します。

これを見ずに、

「年齢だから」

で終わらせてしまうと、

本来見直せたはずの要素が放置

されます。

足元と膝の関係については、

以下の記事で全体像を整理しています。

▶︎【医療監修】足指の変形が膝の痛みを生む本当の理由― 浮き指・屈み指・内反小趾から読み解く変形性膝関節症の構造 ―

年齢を理由にしないという選択

年齢を重ねているからこそ、

無理な方法ではなく

構造を理解した見直し

が重要になります。

年齢は、

「もう遅い理由」

ではなく

やり方を間違えると通用しなくなる条件

と捉える方が、

現実的です。

まとめ|膝OAは「老化」では説明できない

  • 年齢は原因ではない
  • 同じ年齢でも進行差が大きい
  • 差を生むのは力のかかり方
  • アライメントが進行を決める
  • 足元を見ずに老化で片づけると対策を失う

膝OAを考えるとき、

「何歳だから」

ではなく

「どんな力が、どこに、どれだけかかり続けているか」

この視点を持つことで、

見える景色は大きく変わります。

変形性膝関節症を「膝だけの問題」として見ている限り、どうしても原因が見えにくくなります。

膝が壊れる前に起きている“足元からの連鎖”の全体像は、こちらの記事で整理しています。

▶︎【医療監修】変形性膝関節症はなぜ治らないのか?― 注射・リハビリ・手術まで試しても戻る人に共通する構造 ―

足指への3つのアプローチ

— ただし、順番があります

私は2006年以降、病院における臨床の場で、体操・靴下・歩き方・靴の指導を中心に、足指の変形や機能不全、そしてそれに関連する整形外科的な不調に対する対応を行ってきました。

外反母趾、内反小趾、かがみ指、浮き指、寝指、足趾機能不全に加え、膝・腰・股関節・姿勢といった問題についても、足指からの介入を軸に経過を観察してきた臨床の積み重ねがあります。

これは理論だけの話ではありません。長年にわたる臨床数と経過、データの蓄積の中で、「動かす・保つ・使い続ける」という視点が共通して重要であることが整理されてきました。

その結果として、ここで紹介しているひろのば体操・YOSHIRO SOCKS・YOSHIRO WALKという3つのアプローチに集約されています。

1. ひろのば体操

足指を「動かして」広げて伸ばす

ひろのば体操は、足趾機能不全によって低下しやすい足指の可動性や感覚入力を取り戻し、足指が本来の動きを発揮しやすい状態をつくることを目的に考案された体操です。

外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指など、足指がうまく使われにくくなっている状態に対して、日常で取り入れやすいアプローチの一つです。

2. YOSHIRO SOCKS

広がって伸びた足指を「保ち続ける条件」をつくる

YOSHIRO SOCKSは、足の中で起こりやすい「滑り」「指の押し込み」「アーチの崩れ」といった足元環境のストレスに着目し、

  • 足指が広がりやすい
  • 足指が伸びやすい
  • 足裏のアーチが保たれやすい

足元環境を整えることを目的に設計された靴下です。外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指・足趾機能不全など、足指の使われ方が関与するケースで検討される選択肢の一つです。

3. 小股歩き

日常動作の中で、足指が“使われ続ける”状態をつくる

小股歩きは、歩幅を抑えることで足指を感じながら地面を捉えやすくする歩き方です。

体操や足元環境の見直しと組み合わせることで、足指に関わる筋活動が起こりやすい条件をつくる考え方として紹介しています。

無理なく続けられる形を選んでください

・体操から始める人

・足元環境から見直す人

・両方を組み合わせる人

どれか一つに決める必要はありません。足指の問題は、方法よりも「続けられる条件」が大切です。


まず迷っている方へ

— どれから始めるか迷ったら、ここを基準にしてください —

  • 体操が続かなかった人
  • 歩き方を意識する余裕がない人
  • 靴をすぐに変えられない人

この場合は、

② YOSHIRO SOCKS(足元環境を整える) から始めるのが現実的です。

足指は「動かす前に、使われる環境」が整わないと戻りやすいため、

まずは日常の中で 足指が使われにくい状態を減らす ことが優先されます。


すでに体操ができている方へ

① ひろのば体操 + ② YOSHIRO SOCKS

動かした足指を、そのまま保てる条件が重なることで、

足指が使われやすい状態が続きやすくなります。


余裕が出てきた方へ

③ 小股歩き を組み合わせることで、 日常動作の中でも足指が“使われ続ける”条件が整っていきます。

※どれか一つを「完璧にやる」必要はありません。

足指の問題で大切なのは、無理なく続けられる順番を選ぶことです。

次に知りたいことを選んでください

目次