【医療監修】変形性膝関節症の注射が効かない本当の理由― ヒアルロン酸・ブロック注射で膝痛が戻る構造的メカニズム ―

目次

はじめに

こんにちは。足指研究家の湯浅慶朗です。

変形性膝関節症でお悩みの方から、非常に多く聞くのが次の言葉です。

「注射を打つと一時的には楽になるんですが、結局また痛みが戻るんです」

実はこの現象は、

治療が失敗しているわけでも、体質の問題でもありません。

この理由を理解するためには、

まず

「膝の痛みがなぜ起きているのか」

という前提を整理する必要があります。

この全体像については、

下記の記事で詳しく解説しています。

▶︎【医療監修】変形性膝関節症はなぜ治らないのか?

― 注射・リハビリ・手術まで試しても戻る人に共通する構造 ―

注射が「効いたように感じる」理由

ヒアルロン酸注射や神経ブロック注射を否定するつもりはありません。

実際、

  • 炎症反応が一時的に落ち着く
  • 痛みの信号が弱まる
  • 動かしやすくなる

といった変化が起こることはあります。

そのため、

  • 歩きやすくなった
  • 痛みを忘れられた
  • 日常生活が楽になった

と感じる方が多いのです。

しかし問題は、

その効果が続かないことです。

なぜ注射は「根本解決」にならないのか

変形性膝関節症で起きている問題は、

膝関節の炎症“だけ”では説明しきれないケースが多くあります。

多くのケースで見られるのは、

  • 膝への荷重が常に偏っている
  • 歩行のたびに同じ方向へねじれが入る
  • 膝が「歪んだ使われ方」をしている

という状態です。

これは、

膝の構造や力学が崩れたまま使われ続けている

ということを意味します。

この構造的な問題については、

下記の記事で詳しく解説しています。

【医療監修】変形性膝関節症とO脚・X脚の本当の関係 ― 膝が壊れる人と壊れない人を分ける「アライメント」の正体 ―

ヒアルロン酸注射の限界

ヒアルロン酸注射は、

  • 関節内の潤滑を補う
  • 摩擦を減らす

という役割を持ちます。

しかし、ここに大きな落とし穴があります。

関節の動き方そのものが歪んだままだと、
潤滑を足しても、また同じ場所が擦れ続ける

という点です。

その結果、

  • 注射の効果が短くなる
  • 注射の間隔が詰まる
  • 何年も打ち続ける

という状態に陥ります。

これは「薬が弱い」のではなく、

原因が膝の中にないためです。

神経ブロック注射が抱える問題点

神経ブロック注射は、

痛みの信号を一時的に遮断します。

しかしここで注意が必要です。

痛みが消えている間も、
膝にかかる力の方向は変わっていません。

その結果、

  • 無意識に使いすぎる
  • かえって負担が増える
  • 注射が切れた瞬間に強く痛む

というケースも少なくありません。

「痛みが消えた=治った」と錯覚しやすい点が、

ブロック注射の最大のリスクです。

なぜ膝だけ治療しても戻るのか

ここで重要なのが、

膝は“結果”として痛んでいる部位である

という視点です。

実際には、

  • 足指がうまく接地していない
  • 足部が不安定なまま体重を受けている
  • 下腿骨が毎歩ごとにねじれている

こうした力が積み重なり、

最終的に膝関節に集中します。

この構造については、

下記の記事で詳しく解説しています。


▶︎【医療監修】足部アライメントが膝を壊す本当の理由― 踵骨・扁平足・回外足から読み解く変形性膝関節症の構造

注射を繰り返している人ほど見直すべき視点

注射を何度も繰り返している場合、

  • 痛みを抑える治療は受けている
  • しかし「なぜそこに負担が集まるか」を見ていない

という状態になりがちです。

膝に負担を集めている要因のひとつが、

足指の機能不全です。

この点については、

下記の記事で個別に解説しています。

【医療監修】足指の変形が膝の痛みを生む本当の理由 ― 浮き指・屈み指・小指変形から読み解く変形性膝関節症の構造 ―

注射は「きっかけ」であって「答え」ではない

注射は、

  • 強い炎症がある時
  • 日常生活が困難な時

には助けになる場合があります。

しかし、

注射だけで終わらせてしまうと、
構造は何も変わらない

という事実を知っておく必要があります。

まとめ

  • 注射が効かないのは体質の問題ではない
  • 一時的に楽になるのは自然な反応
  • しかし原因が残れば必ず戻る
  • 膝だけを見る治療には限界がある

変形性膝関節症を理解するうえで大切なのは、

「どこが痛いか」ではなく

「なぜそこに力が集まるのか」

という視点です。

次の記事では、同じ構造的視点から解説しています。

【医療監修】変形性膝関節症のリハビリで膝痛が戻る本当の理由 ― 筋トレ・ストレッチを続けても安定しない構造的原因 ―

足指への3つのアプローチ

— ただし、順番があります

私は2006年以降、病院における臨床の場で、体操・靴下・歩き方・靴の指導を中心に、足指の変形や機能不全、そしてそれに関連する整形外科的な不調に対する対応を行ってきました。

外反母趾、内反小趾、かがみ指、浮き指、寝指、足趾機能不全に加え、膝・腰・股関節・姿勢といった問題についても、足指からの介入を軸に経過を観察してきた臨床の積み重ねがあります。

これは理論だけの話ではありません。長年にわたる臨床数と経過、データの蓄積の中で、「動かす・保つ・使い続ける」という視点が共通して重要であることが整理されてきました。

その結果として、ここで紹介しているひろのば体操・YOSHIRO SOCKS・YOSHIRO WALKという3つのアプローチに集約されています。

1. ひろのば体操

足指を「動かして」広げて伸ばす

ひろのば体操は、足趾機能不全によって低下しやすい足指の可動性や感覚入力を取り戻し、足指が本来の動きを発揮しやすい状態をつくることを目的に考案された体操です。

外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指など、足指がうまく使われにくくなっている状態に対して、日常で取り入れやすいアプローチの一つです。

2. YOSHIRO SOCKS

広がって伸びた足指を「保ち続ける条件」をつくる

YOSHIRO SOCKSは、足の中で起こりやすい「滑り」「指の押し込み」「アーチの崩れ」といった足元環境のストレスに着目し、

  • 足指が広がりやすい
  • 足指が伸びやすい
  • 足裏のアーチが保たれやすい

足元環境を整えることを目的に設計された靴下です。外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指・足趾機能不全など、足指の使われ方が関与するケースで検討される選択肢の一つです。

3. 小股歩き

日常動作の中で、足指が“使われ続ける”状態をつくる

小股歩きは、歩幅を抑えることで足指を感じながら地面を捉えやすくする歩き方です。

体操や足元環境の見直しと組み合わせることで、足指に関わる筋活動が起こりやすい条件をつくる考え方として紹介しています。

無理なく続けられる形を選んでください

・体操から始める人

・足元環境から見直す人

・両方を組み合わせる人

どれか一つに決める必要はありません。足指の問題は、方法よりも「続けられる条件」が大切です。


まず迷っている方へ

— どれから始めるか迷ったら、ここを基準にしてください —

  • 体操が続かなかった人
  • 歩き方を意識する余裕がない人
  • 靴をすぐに変えられない人

この場合は、

② YOSHIRO SOCKS(足元環境を整える) から始めるのが現実的です。

足指は「動かす前に、使われる環境」が整わないと戻りやすいため、

まずは日常の中で 足指が使われにくい状態を減らす ことが優先されます。


すでに体操ができている方へ

① ひろのば体操 + ② YOSHIRO SOCKS

動かした足指を、そのまま保てる条件が重なることで、

足指が使われやすい状態が続きやすくなります。


余裕が出てきた方へ

③ 小股歩き を組み合わせることで、 日常動作の中でも足指が“使われ続ける”条件が整っていきます。

※どれか一つを「完璧にやる」必要はありません。

足指の問題で大切なのは、無理なく続けられる順番を選ぶことです。

次に知りたいことを選んでください

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