ひろのば体操とは?|Hand-Standing理論から生まれた足指再教育メソッド

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ひろのば体操とは?

こんにちは。足指研究家の湯浅慶朗です。

ひろのば体操とは、私が2008年に足病医学とバイオメカニクスの視点から考案した、足指を「広げて、伸ばす」ための再教育メソッドです。

多くの方は「足指は動いている」と思っています。しかし臨床現場で10万人以上の足を見てきて感じるのは、実際には“使われていない足指”が非常に多いという事実です。

靴の構造、靴下の素材、床環境、歩き方。

こうした日常環境の積み重ねによって、足指は本来の動きを忘れていきます。

ひろのば体操は、筋力トレーニングでも、矯正器具でもありません。

足指に備わっている感覚・可動・連動性を、やさしい刺激で呼び戻すことを目的としています。

なぜ「足指」なのか?

人の身体は、二足で立ち、歩く構造をしています。

その土台にあるのが「足指」です。

足指は、地面の情報を最初に受け取り、

その情報を足・膝・骨盤・背骨・頭部へと伝える役割を担っています。

私はこれを Hand-Standing理論 と呼んでいます。

手で逆立ちをすると、指先が使えなければ身体は安定しません。

それと同じように、立位姿勢や歩行においても、足指が使われなければ全身は安定しにくくなります

ひろのば体操は、この理論に基づき、

  • 足指の感覚入力
  • 関節の可動方向
  • 筋と腱の滑走

を、本来の設計に近づけるための入り口として位置づけています。

ひろのば体操の特徴

ひろのば体操には、次のような特徴があります。

  • 強い力を使わない
  • 反動をつけない
  • 痛みを我慢しない
  • 毎日少しずつ行える

これは「効かせる体操」ではなく、

足指が“思い出す”ための体操だからです。

ひろのば体操の基本的な考え方

ひろのば体操で最も大切なのは、

「どこまで動かすか」ではなく「どう動かすか」です。

無理に引っ張ったり、強く反らせたりする必要はありません。

足指が動きやすい方向へ、そっと誘導するだけで十分です。

ひろのば体操のやり方(基本)

STEP1 いす、または床の上に座り、片方の足を太ももの上に乗せる

・膝をなるべく倒す
・足首が上に反らないようにする
・ももの上にきちんと足の乗せる

・足の甲はしっかり反らせましょう
・足首が少し太ももから出るようにします

STEP2-1 足指の間に、手の指を入れる

・手指の根元に1本ずつ足指の先端を入れる
・足指の根元にすきまができるようにします

・手の根元に足指の先端だけが乗る感じです
・手の根元にぴったりと足指先を密着させる

STEP2-2 足指の間に、手の指を入れすぎないように

 OK

・足指が手の指から出ないくらいが理想です

 NG

・足指の根元まで手指を入れてしまうとうまく曲げられなくなります

STEP3 足指を入れた手を優しく握る

 OK

・足指の付け根より少し上に手がくるよう、優しく握る
・手の親指で足の親指を軽く押さえる

 NG

・手の指を足の付け根いっぱいまでさし込んでいると反らせにくい

STEP4-1 足指を甲のほうへ反らす

・優しく、ゆっくりと反らせる
・手の根元で足指先を押すようなイメージで
・足指の関節が90度になると理想的
(かたい場合には無理をしない)
・反らせたら5秒以上キープ
(かたい場合には30秒キープする)

STEP4-2 足指を足裏のほうに反らす

・やさしく、ゆっくりと
・甲を伸ばすイメージで反らせていく
・手のひら全体で足裏を軽く押す
・反らせたら5秒以上キープ
(かたい場合には30秒キープ)

STEP5 STEP4を繰り返す

STEP4を繰り返し行ったら、逆の足も同じように反らせる。両足で最低5分ほどできればOK。かたい場合には片足10分ほど行うと効果的です。

自分で行うことが難しい場合には、誰かにやってもらいましょう。

ひろのば体操 実践動画

[YouTube — ひろのば体操 実演動画]  

※ 動き/手のかかり/タイミングの確認に便利です。  

   文字だけではわかりにくい体感や姿勢の取り方を  

   動画で確認しながら進めてください。  

動画で確認:応用編(人にやってもらう場合)

[YouTube動画: ひろのば体操 応用編]  

こちらの動画では、  

「自分でやるのが難しい」「手の届きづらい」方向けに、  

足指を優しく整える補助ストレッチの方法を解説しています。  

ご家族やパートナーに協力してもらう際の参考にしてください。

足指の使われ方を確認する簡単なセルフチェック

以下は、足指がどの程度使われているかを体感するための、
簡単なセルフチェック方法の一例です。

これは医療的な評価や効果測定を目的としたものではなく、
ご自身の身体の使い方を確認するための参考として行ってください。

  1. まずは、靴下を脱いで、まっすぐ立ってみましょう。
  2. 誰かに軽く腕を押してもらいます。バランスを崩しやすくないですか?
  3. 次に「ひろのば体操」を行い、もう一度同じように押してもらってください。
  4. ほとんどの方が、「踏ん張りが効く」「揺れにくい」と実感します。

多くの方が、この時点で

「足裏で踏ん張りやすい」

「身体が揺れにくい」

といった感覚の違いを感じます。

この感覚の変化は、

足指・足裏の感覚に意識が向きやすくなった、

ひとつのきっかけとして捉えることができます。

行う頻度について

ひろのば体操は、短時間でも構いません。

大切なのは「継続できること」です。

  • 起床後
  • 入浴後
  • 就寝前

生活の中に無理なく組み込んでください。

よくある注意点

  • 痛みを我慢して行わない
  • 強く引っ張らない
  • 呼吸を止めない
  • 早く結果を求めない

足指は、長年の生活環境の影響を受けています。

急がず、丁寧に向き合うことが何より大切です。

研究・臨床について

ひろのば体操は、これまでに医療機関や教育現場、大学との共同研究の中で検討されてきました。

詳細な数値データや臨床結果については、別ページでまとめています。

※ 本ページでは、ひろのば体操を安全かつ正確に始めていただくための基本的な考え方と実践方法に焦点を当てています。

メディアで紹介された「ひろのば体操」

ひろのば体操は、医療・教育・研究現場での取り組みだけでなく、
一般向けの健康情報番組でも紹介されてきました。

NHKの番組では、足指の使い方と姿勢・バランスとの関係について、
実験や専門家のコメントを交えながら取り上げられています。

これらは特定の効果や結果を示すものではなく、
足指の役割や身体構造を理解するための参考事例として紹介されたものです。

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サキどりPart.1
サキどりPart.2
ガッテン
美と若さの新常識

足指や姿勢の状態に関する記録例

ここでは、日常生活の中でセルフケアを継続された方について、足指や姿勢の状態を記録した一例をご紹介します。

これらは、医療的な効果や症状の改善を示すものではなく、生活習慣の中での足指の状態を個別に記録した参考例です。同様の結果が得られることを示すものではなく、状態や経過には個人差があります。

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外反母趾の状態の記録(例1)
外反母趾の状態の記録(例2)
外反母趾の状態の記録(例3)
外反母趾の状態の記録(例4)
外反母趾の状態の記録(例5)
外反母趾の状態の記録(例6)
外反母趾の状態の記録(例7)
外反母趾の状態の記録(例8)
外反母趾の状態の記録(例9)
外反母趾の状態の記録(例10)
外反母趾の状態の記録(例11)
外反母趾の状態の記録(例12)
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内反小趾の状態の記録(例1)
内反小趾の状態の記録(例2)
内反小趾の状態の記録(例3)
内反小趾の状態の記録(例4)
内反小趾の状態の記録(例5)
内反小趾の状態の記録(例6)
内反小趾の状態の記録(例7)
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寝指の状態の記録(例1)
寝指の状態の記録(例2)
寝指の状態の記録(例3)
寝指の状態の記録(例4)
寝指の状態の記録(例5)
寝指の状態の記録(例6)
寝指の状態の記録(例7)
寝指の状態の記録(例8)
寝指の状態の記録(例9)
寝指の状態の記録(例10)
寝指の状態の記録(例11)
寝指の状態の記録(例12)
寝指の状態の記録(例13)
寝指の状態の記録(例14)
寝指の状態の記録(例15)
寝指の状態の記録(例16)
寝指の状態の記録(例17)
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屈み指の状態の記録(例1)
屈み指の状態の記録(例2)
屈み指の状態の記録(例3)
屈み指の状態の記録(例4)
屈み指の状態の記録(例5)
屈み指の状態の記録(例6)
屈み指の状態の記録(例7)
屈み指の状態の記録(例8)
屈み指の状態の記録(例9)
屈み指の状態の記録(例10)
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浮き指の状態の記録(例1)
浮き指の状態の記録(例2)
浮き指の状態の記録(例3)
浮き指の状態の記録(例4)
浮き指の状態の記録(例5)
浮き指の状態の記録(例6)
浮き指の状態の記録(例7)
浮き指の状態の記録(例8)
浮き指の状態の記録(例9)
浮き指の状態の記録(例10)
浮き指の状態の記録(例11)
浮き指の状態の記録(例12)
浮き指の状態の記録(例13)
浮き指の状態の記録(例14)
浮き指の状態の記録(例15)
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姿勢の状態の記録(例1)
姿勢の状態の記録(例2)
姿勢の状態の記録(例3)
姿勢の状態の記録(例4)
姿勢の状態の記録(例5)
姿勢の状態の記録(例6)
姿勢の状態の記録(例7)
姿勢の状態の記録(例8)
姿勢の状態の記録(例9)
姿勢の状態の記録(例10)
姿勢の状態の記録(例11)
姿勢の状態の記録(例12)

(※変化には個人差があり、使用後の変化を保証するものではありません)

歩行の状態を記録した映像(参考例)

以下は、日常生活の中でひろのば体操を継続された方について、
歩行の様子を記録した映像の一例です。

これは医療的な効果や症状の改善を示すものではなく、
生活習慣の中での身体の使い方の変化を個別に記録した参考映像です。
同様の変化がすべての方に起こることを示すものではありません。

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(※変化には個人差があり、使用後の変化を保証するものではありません)

ひろのば体操が生まれた背景|なぜ「足指」だったのか

ひろのば体操は、偶然や思いつきから生まれた体操ではありません。

私自身が臨床現場で多くの患者さんと向き合うなかで、
「なぜ、どれだけ治療しても姿勢や痛みが戻るのか」
という疑問を持ち続けたことが、すべての始まりでした。

その原点については、以下の動画で詳しくお話ししています。

ひろのば体操考案のきっかけ

最後に

私はこれまで、

「どこが痛いか」よりも

「なぜその場所に負担が集まったのか」

を見続けてきました。

ひろのば体操は、身体を“治す”ものではありません。

身体が本来持っている感覚と動きを、思い出すきっかけです。

まずは、足指に意識を向けてみてください。

そこから、身体全体の見え方が変わってくるはずです。

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