【医療監修】顎関節症が治らない理由|マウスピース・整体・ストレッチで戻る人の共通点

目次

はじめに

こんにちは。足指研究家の湯浅慶朗です。

顎関節症で悩んでいる人が、最後にたどり着く言葉はだいたい同じです。

「マウスピース作ったのに治らないです」

「整体で整えたのに戻ります」

「ストレッチしてもまた痛いです」

「結局、何が正解なんですか?」

僕はこれまで、歯科医院の顧問として現場にも入り、歯科医師向けのセミナーも行ってきました。

その上で、理学療法士として10万人以上の足を見続けてきた中で、ある確信にたどり着きました。

顎関節症が治らない人には、共通して「戻る条件」がある。

そしてその戻る条件は、顎の中ではなく、顎の外側にあることが多い。

この記事では、

  • なぜマウスピースでも戻るのか
  • なぜ整体でも戻るのか
  • なぜストレッチでも戻るのか
  • そして、戻る人に共通する“構造”とは何か

これを、できるだけ分かりやすく整理します。

顎関節症を「顎だけの問題」として終わらせたくない人にとって、ここはかなり核心になるはずです。

結論|顎関節症が治らないのは「顎が悪いから」ではなく“戻る条件”が残っているから

最初に結論を言います。

顎関節症が治らない人の多くは、顎の治療が間違っているわけではありません。

マウスピースも整体もストレッチも、意味がないわけではない。

ただし問題はここです。

その場で整っても、戻る条件が残っていると再発する。

つまり、

顎を整える

姿勢が戻る

顎がまた固定に使われる

また症状が出る

このループに入っている人が多いんです。

顎関節症は「顎の故障」ではなく、

体が崩れた結果として顎に負担が集まっているケース

があります。

だから顎だけを触っても、原因側が残っていれば戻ります。

顎関節症は“顎の病気”というより「顎が頑張らされている状態」

顎関節症という言葉を聞くと、多くの人がこう思います。

  • 顎の関節が壊れている
  • 顎の軟骨がすり減っている
  • 顎がズレている
  • 顎が歪んでいる

もちろん、関節の中で起きている変化もあります。

でも臨床で一番多いのは、もっと現実的な形です。

顎が休めない

顎が固定に使われている

顎が緊張で逃げ場を失っている

この状態が長く続いて、痛みやクリック音や開口障害が出ているケースが多いです。

つまり顎関節症は、

顎が悪いから起きる

ではなく

顎が頑張らないといけない体になっている

こう考えたほうが、現実に合うことが多いです。

まず整理|顎関節症が「戻る人」と「戻らない人」の違い

顎関節症は不思議なもので、

放置してても落ち着く人

治療しても戻る人

この2タイプがいます。

この違いを分けるのが、顎の状態よりも「戻る条件」です。

戻る人は、だいたい次のどれかが残っています。

  • 首が前に出ている
  • 肩が上がっている
  • 体がねじれている(左右差)
  • 重心が偏っている
  • 足元が崩れている
  • 呼吸が浅い・口呼吸が強い
  • 寝ている間に噛みしめる

これが残っている限り、顎はまた固定に使われます。

だから治療しても戻る。

これが、顎関節症の一番しんどい現実です。

マウスピースで治らない理由|“噛みしめの原因”が消えていない

マウスピース(スプリント)は、顎関節症の治療でよく使われます。

目的は主にこの3つです。

  • 歯へのダメージを減らす
  • 顎関節への負担を減らす
  • 噛みしめの強さを弱める

これはこれで正しい。

ただし、ここに落とし穴があります。

マウスピースは「噛みしめを止める道具」ではなく、

噛みしめの被害を減らす道具です。

噛みしめの原因が残っている限り、人はまた噛みます。

つまり、

マウスピースで守っても

噛みしめる必要がある体のままなら

顎は休めない

これが、マウスピースで戻る人の正体です。

整体で治らない理由|“整った姿勢”が日常で維持できない

整体で一時的に楽になる人は多いです。

顎も軽くなる。

首も回る。

肩も落ちる。

でも数日後に戻る。

この理由はシンプルです。

整体で整った姿勢を、日常の重心と歩き方が戻してしまう。

つまり、

整った

でも普段の姿勢が同じ

同じように崩れる

顎もまた頑張る

このループです。

整体が悪いんじゃない。

戻す条件が強すぎるんです。

ストレッチで治らない理由|“固さ”より先に「支え方」が崩れている

顎関節症の人は、首や肩がガチガチの人が多いです。

だからストレッチをします。

それ自体は悪くない。

でもストレッチで戻る人は、ほぼ共通しています。

支え方が崩れている。

支え方が崩れていると、体は不安定になります。

不安定になると、無意識にどこかで固定します。

その固定が、顎に出る。

つまり、

体が不安定

顎で固定する

顎が緊張する

首肩も緊張する

こういう順番です。

この状態でストレッチだけしても、支え方が変わらないので戻ります。

ここが本題|顎関節症が治らない人ほど「顎の外側」が崩れている

顎関節症が長引く人の共通点。

それは、顎の外側が崩れていることです。

首が前に出る(ストレートネック気味)

首が前に出ると、頭の位置が前にズレます。

頭が前にズレると、体はバランスを取るために「顎を固めやすく」なります。

顎がズレるというより、顎が固定に使われる状態です。

肩が上がる(常に力が抜けない)

肩が上がる人は、胸が潰れます。

胸が潰れると呼吸が浅くなります。

呼吸が浅いと体は緊張します。

体が緊張すると、顎も緊張します。

この連鎖は、顎関節症の人に本当に多いです。

体の左右差がある(片側だけ痛い・片側だけ鳴る)

顎関節症の人は、左右差が強い人が多いです。

  • 右だけ痛い
  • 左だけ鳴る
  • 片側だけ噛みやすい

こういう人は、顎だけの左右差ではなく、

体の左右差が先にあることが多いです。

骨盤の向き、肩の高さ、重心の寄り方。

こういう全身の左右差が顎に反映されます。

顎が固定に使われる(噛みしめ)

噛みしめはストレスだけではありません。

体が不安定な人ほど噛みしめます。

これは、根性論じゃなく反射です。

顎で踏ん張っている状態です。

だから顎が休めない。

これが戻る最大の理由です。

さらに深い話|首の前突は「足元」から始まることがある

ここからが、足指研究所の芯です。

首が前に出ている人は、首だけの問題ではありません。

姿勢は、

足元

骨盤

背骨



この順番で積み上がります。

この図は、顎関節症の人に多い“体の連鎖”です。

つまり、

顎関節症が戻る人は、足元から崩れている

可能性がある。

足指が使えないと、重心がズレる

足指が使えない人は、支える面積が減ります。

支えられないと、重心が偏ります。


重心が偏ると、体が安定しません。

安定しないと、頭が揺れます。

頭が揺れると、顎が固定に使われます。

この流れが起きます。

足元の崩れは「首を前に出させる」

足元が不安定だと、人は倒れそうになります。

倒れそうになると、頭を前に出してバランスを取ります。

これが、ストレートネックっぽい姿勢を作る一因になります。

首が前に出る

顎が固定に使われる

噛みしめる

顎関節症が戻る

こういう流れです。

足指の変形がある人ほど“戻る力”が強い

外反母趾

内反小趾

浮き指

屈み指

寝指

こういう足指の変形があると、重心のズレが固定されます。

固定されると、姿勢も固定されます。

姿勢が固定されると、顎も固定されます。

だから治療しても戻る。

ここに気づけるかどうかが、顎関節症の分かれ道になります。

「治らない」を繰り返す人が、最初にやるべき順番

顎関節症は、原因が多因子です。

だからこそ大事なのは、原因探しではなく順番です。

① まず“症状”を整理する

痛み

開口障害

耳の違和感

頭痛

首肩こり

まず、どれが主役かを決める。

② 次に“戻る条件”を整理する

首が前に出る

肩が上がる

左右差

重心の偏り

足元の崩れ

睡眠中の噛みしめ

このどれが強いかを見抜く。

③ 最後に“顎の外側”から順に整える

顎だけを触らない。

顎が頑張らなくていい体に戻す。

この発想が、顎関節症を変えます。

まとめ|顎関節症が治らない人ほど「顎ではなく体が戻している」

マウスピースで戻る。

整体で戻る。

ストレッチで戻る。

この人たちは、努力が足りないわけじゃありません。

顎が弱いわけでもありません。

顎の外側にある“戻る条件”が残っているだけです。

そして、その戻る条件は

首・肩・姿勢・重心

さらに足元

ここに隠れていることがあります。

顎関節症を「顎の病気」として終わらせず、体の使い方を元に戻す。

そのために必要なのが、

足指→重心→姿勢→顎

この順番の理解です。

次に読むなら、顎関節症の症状がどの入口から始まっているかを整理すると、さらに全体像がつながります。

▶︎【医療監修】顎関節症はどこが痛い?|顎・こめかみ・耳の前の痛みでわかる“原因の分かれ道”

足指への3つのアプローチ

— ただし、順番があります

私は2006年以降、病院における臨床の場で、体操・靴下・歩き方・靴の指導を中心に、足指の変形や機能不全、そしてそれに関連する整形外科的な不調に対する対応を行ってきました。

外反母趾、内反小趾、かがみ指、浮き指、寝指、足趾機能不全に加え、膝・腰・股関節・姿勢といった問題についても、足指からの介入を軸に経過を観察してきた臨床の積み重ねがあります。

これは理論だけの話ではありません。長年にわたる臨床数と経過、データの蓄積の中で、「動かす・保つ・使い続ける」という視点が共通して重要であることが整理されてきました。

その結果として、ここで紹介しているひろのば体操・YOSHIRO SOCKS・YOSHIRO WALKという3つのアプローチに集約されています。

1. ひろのば体操

足指を「動かして」広げて伸ばす

ひろのば体操は、足趾機能不全によって低下しやすい足指の可動性や感覚入力を取り戻し、足指が本来の動きを発揮しやすい状態をつくることを目的に考案された体操です。

外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指など、足指がうまく使われにくくなっている状態に対して、日常で取り入れやすいアプローチの一つです。

2. YOSHIRO SOCKS

広がって伸びた足指を「保ち続ける条件」をつくる

YOSHIRO SOCKSは、足の中で起こりやすい「滑り」「指の押し込み」「アーチの崩れ」といった足元環境のストレスに着目し、

  • 足指が広がりやすい
  • 足指が伸びやすい
  • 足裏のアーチが保たれやすい

足元環境を整えることを目的に設計された靴下です。外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指・足趾機能不全など、足指の使われ方が関与するケースで検討される選択肢の一つです。

3. 小股歩き

日常動作の中で、足指が“使われ続ける”状態をつくる

小股歩きは、歩幅を抑えることで足指を感じながら地面を捉えやすくする歩き方です。

体操や足元環境の見直しと組み合わせることで、足指に関わる筋活動が起こりやすい条件をつくる考え方として紹介しています。

無理なく続けられる形を選んでください

・体操から始める人

・足元環境から見直す人

・両方を組み合わせる人

どれか一つに決める必要はありません。足指の問題は、方法よりも「続けられる条件」が大切です。


まず迷っている方へ

— どれから始めるか迷ったら、ここを基準にしてください —

  • 体操が続かなかった人
  • 歩き方を意識する余裕がない人
  • 靴をすぐに変えられない人

この場合は、

② YOSHIRO SOCKS(足元環境を整える) から始めるのが現実的です。

足指は「動かす前に、使われる環境」が整わないと戻りやすいため、

まずは日常の中で 足指が使われにくい状態を減らす ことが優先されます。


すでに体操ができている方へ

① ひろのば体操 + ② YOSHIRO SOCKS

動かした足指を、そのまま保てる条件が重なることで、

足指が使われやすい状態が続きやすくなります。


余裕が出てきた方へ

③ 小股歩き を組み合わせることで、 日常動作の中でも足指が“使われ続ける”条件が整っていきます。

※どれか一つを「完璧にやる」必要はありません。

足指の問題で大切なのは、無理なく続けられる順番を選ぶことです。

次に知りたいことを選んでください

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