【医療監修】寝指の人が“やっていい運動・やらない運動”一覧──小指を戻そうとする前に知っておきたい判断基準

目次

はじめに|運動の「良し悪し」は、足の状態で変わります

こんにちは。足指研究家の湯浅慶朗です。

寝指について調べている方の多くが、

・何か運動をした方がいいのでは

・体操を続ければ戻るのでは

・やらないと悪化するのでは

そう考えて、いろいろな運動を試しています。

ですが臨床では、

  • 一生懸命やっているのに戻る
  • むしろ小指が横を向いてきた
  • 外側に体重が乗りやすくなった

という相談も少なくありません。

寝指において大切なのは、

「何をやるか」よりも

「どんな足の状態で、それをやっているか」です。

この記事では、

  • 寝指の人がやっていい運動
  • 避けた方がいい運動
  • その判断基準

を、足の構造と使われ方の視点から整理します。

結論|寝指の人は「鍛える前に、使われ方を整える」

最初に結論をお伝えします。

寝指がある足では、

・筋トレ的な運動

・回数を重ねる体操

・小指をどうにかする運動

よりも先に、

・足がどう使われているか

・どこに体重が乗っているか

を整える必要があります。

その前提がないまま行う運動は、

効果が出ないだけでなく、

寝指を固定化させてしまうケースがあります。

寝指の人が「やっていい運動」

共通するポイントは3つです。

  • 指を無理に曲げない
  • 小指を引っ張らない
  • 外側荷重を強めない

① 足指を「広げる・ほどく」感覚づくり

やっていいのは、

・指と指の間に空間を感じる

・力を入れず、自然に開く

といった感覚づくりです。

目的は筋力アップではなく、

指が丸まったまま固まっている状態を

一度リセットすること。

強く引っ張る必要はありません。

② 足裏全体で「均等に立つ」練習

寝指の方は、

・外側に体重が逃げやすい

・小指側で踏ん張っている

という立ち癖があることが多いです。

そのため、

・足裏全体で静かに立つ

・母趾側と小趾側の両方を感じる

といった立位の再学習は有効です。

これは運動というより「使い方の練習」です。

③ 前足部を「押し付けない」足指の動かし方

指を丸めて床をつかむのではなく、

・指を伸ばしたまま

・床に触れている感覚を保つ

このような動きは、

屈筋を強めすぎず、

寝指が進みにくい条件を作ります。

寝指の人が「避けたい運動」

次に、注意が必要な運動です。

① タオルギャザー・指を丸める運動

寝指や屈み指がある足では、

・すでに指を曲げる力が優位

・丸める癖が定着している

ことが多く見られます。

この状態で、

・タオルギャザー

・足指で物をつかむ運動

を行うと、

曲げる力だけがさらに強まり

小指のねじれが残りやすくなります

② 小指を外に引っ張る体操

一時的に形は変わっても、

・歩行や立位で

・外側荷重が残っていれば

小指は元の向きに戻ります。

特に、

  • 毎日強く引っ張る
  • 固定時間が長い

といった方法は、

寝指を安定させてしまうケースがあります。

③ ボール踏み・強い足裏刺激

ボール踏みは、

・足裏に強い刺激を入れる

・無意識に指を丸めやすい

という特徴があります。

外側荷重がある足では、

  • 小指側に力が集中し
  • ねじれが助長される

ことがあるため注意が必要です。

④ 「効いている感」を求める運動

・疲れる

・痛気持ちいい

・筋肉を使った感じがある

これらは一見良さそうに感じますが、

寝指では

「効いた感=正しい」

とは限りません。

むしろ、

  • 効いている感を求めるほど
  • 外側で踏ん張る癖が強まる

ケースも多く見られます。

判断の基準は「運動後の変化」

寝指の人が運動を選ぶ際、

ひとつの目安があります。

運動後に、

・立ったとき外側に乗りやすくなる

・歩くと小指側が疲れる

・爪の向きが気になる

こうした変化が出る場合、

その運動は合っていません

逆に、

・立ったとき足裏が均等に感じる

・小指に力が入りすぎない

・歩行が軽く感じる

このような変化が出る運動は、

続ける価値があります

まとめ|寝指の運動は「足を戻す」のではなく「条件を変える」

寝指の人にとって大切なのは、

  • 小指を鍛えること
  • たくさん運動すること

ではありません。

  • 足がどこで支えられているか
  • 日常でどんな使われ方をしているか

この条件を変えることが先です。

運動はあくまで補助であり、

使われ方が変わらなければ

寝指は安定しません。

全体の考え方と判断基準は、

こちらの記事で整理しています。

【医療監修】寝指はどうすればいい?小指が横向きになる原因と“やっていいケア・避けたい対処”

また、寝指に進みやすい前段階については、

次の記事も参考になります。

【医療監修】屈み指(ハンマートゥ)を放置すると寝指に進みやすい理由──小指が横を向く前に起きている“足の使われ方”の変化

足指への3つのアプローチ

— ただし、順番があります

私は2006年以降、病院における臨床の場で、体操・靴下・歩き方・靴の指導を中心に、足指の変形や機能不全、そしてそれに関連する整形外科的な不調に対する対応を行ってきました。

外反母趾、内反小趾、かがみ指、浮き指、寝指、足趾機能不全に加え、膝・腰・股関節・姿勢といった問題についても、足指からの介入を軸に経過を観察してきた臨床の積み重ねがあります。

これは理論だけの話ではありません。長年にわたる臨床数と経過、データの蓄積の中で、「動かす・保つ・使い続ける」という視点が共通して重要であることが整理されてきました。

その結果として、ここで紹介しているひろのば体操・YOSHIRO SOCKS・YOSHIRO WALKという3つのアプローチに集約されています。

1. ひろのば体操

足指を「動かして」広げて伸ばす

ひろのば体操は、足趾機能不全によって低下しやすい足指の可動性や感覚入力を取り戻し、足指が本来の動きを発揮しやすい状態をつくることを目的に考案された体操です。

外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指など、足指がうまく使われにくくなっている状態に対して、日常で取り入れやすいアプローチの一つです。

2. YOSHIRO SOCKS

広がって伸びた足指を「保ち続ける条件」をつくる

YOSHIRO SOCKSは、足の中で起こりやすい「滑り」「指の押し込み」「アーチの崩れ」といった足元環境のストレスに着目し、

  • 足指が広がりやすい
  • 足指が伸びやすい
  • 足裏のアーチが保たれやすい

足元環境を整えることを目的に設計された靴下です。外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指・足趾機能不全など、足指の使われ方が関与するケースで検討される選択肢の一つです。

3. 小股歩き

日常動作の中で、足指が“使われ続ける”状態をつくる

小股歩きは、歩幅を抑えることで足指を感じながら地面を捉えやすくする歩き方です。

体操や足元環境の見直しと組み合わせることで、足指に関わる筋活動が起こりやすい条件をつくる考え方として紹介しています。

無理なく続けられる形を選んでください

・体操から始める人

・足元環境から見直す人

・両方を組み合わせる人

どれか一つに決める必要はありません。足指の問題は、方法よりも「続けられる条件」が大切です。


まず迷っている方へ

— どれから始めるか迷ったら、ここを基準にしてください —

  • 体操が続かなかった人
  • 歩き方を意識する余裕がない人
  • 靴をすぐに変えられない人

この場合は、

② YOSHIRO SOCKS(足元環境を整える) から始めるのが現実的です。

足指は「動かす前に、使われる環境」が整わないと戻りやすいため、

まずは日常の中で 足指が使われにくい状態を減らす ことが優先されます。


すでに体操ができている方へ

① ひろのば体操 + ② YOSHIRO SOCKS

動かした足指を、そのまま保てる条件が重なることで、

足指が使われやすい状態が続きやすくなります。


余裕が出てきた方へ

③ 小股歩き を組み合わせることで、 日常動作の中でも足指が“使われ続ける”条件が整っていきます。

※どれか一つを「完璧にやる」必要はありません。

足指の問題で大切なのは、無理なく続けられる順番を選ぶことです。

次に知りたいことを選んでください

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