足がむくんでいるのに、同時に冷たい。
触るとひんやりしているのに、張って重だるい。
この 「むくみ+冷え」 の組み合わせに悩む人は非常に多く、
多くの場合「血行が悪いから」と一言で片付けられます。
しかし実際には、それだけでは説明しきれない 構造的な問題 が隠れています。
むくみと冷えが同時に起きるのはなぜか
本来、血液は
- 酸素や栄養を運ぶ
- 体温を末端まで届ける
という役割を担っています。
一方で、むくみは
- 血液や体液が末端に滞る
- 回収がうまくいかない
状態で起こります。
この2つが同時に起きるということは、
「血液が流れていない」のではなく、「滞ったまま循環できていない」
という状態が考えられます。
末端で起きている「滞り」の正体
下肢では常に、
- 重力によって体液が下に集まる
- 心臓からの距離が遠い
という条件があります。
そのため、本来は
- 歩行
- 足首の動き
- ふくらはぎの収縮
によって、
体液を押し上げ、回収する必要があります。
しかしこの仕組みがうまく働かないと、
- 血液は末端に滞る
- 新しい温かい血液が届かない
- 体液は下に溜まり続ける
という状態になります。
これが、
冷えているのに、むくんでいる
という一見矛盾した症状を生み出します。
足指と歩行が循環に与える影響
循環を生み出す上で重要なのは、
単なる血管の太さや心臓の力だけではありません。
- 足指が地面を捉えているか
- 歩行で足首が動いているか
- ふくらはぎが収縮しているか
といった 足の使われ方 が大きく関与します。
足指が使われず、
- 足首の可動域が小さい
- 歩行時の蹴り出しが弱い
状態では、
血液を送り出す力も、回収する力も低下します。
冷え対策だけでは改善しにくい理由
冷えに対しては、
- 温める
- 厚手の靴下を履く
といった対策が取られることが多くあります。
これらは一時的に快適さをもたらしますが、
流れそのものを生み出すわけではありません。
流れが生まれない状態では、
- 温めても冷える
- むくみは解消しにくい
という状況が繰り返されます。
むくみと冷えが同時にある人に多い傾向
このタイプの不調がある人では、
- 浮き指
- 足指の不接地
- 歩行時の足首の動きの少なさ
が見られることがあります。
これらはすべて、
下肢の循環を生み出す力を弱める要因 です。
まとめ|むくみと冷えは「同じ原因」から起きている
足のむくみと冷えが同時にある場合、
- 血管の問題
- 体質の問題
だけでなく、
足が循環を生み出せる状態かどうか
という視点が欠かせません。
- 足指が地面に触れているか
- 歩行で足首が自然に動いているか
こうした足の使われ方を見直すことが、
むくみと冷えを同時に理解するための重要な手がかりになります。
足指の研究から生まれた「環境づくり」という視点
足指研究所では、20年以上の臨床経験と、東京大学・石井直方名誉教授と実施した観察研究を通して、
「足指が使いやすい環境が整うと、姿勢・重心の安定性に関わる“変化傾向”が見られることがある」
という視点を大切にしています。
足指は本来、「広がる・伸びる・接地する」という生理的な動きを持ちますが、
靴・靴下・床の滑りやすさなどによって、その働きが阻害されることがあります。
私たちは、
「どうすれば日常で足指が動きやすい環境を作れるか」
という点を中心に開発と研究を続けています。
【研究データ|足指・姿勢・筋活動の観察記録】

2020〜2022年、東京大学・石井直方名誉教授の指導下で実施。
延べ96名を対象に、以下の構造的特徴の推移を多角的に観察しました。
- 足指の動き・配置
- アーチ構造
- 姿勢指標
- 体幹支持筋・口腔周囲筋・下肢筋の活動傾向
“足指が使いやすい環境づくり”を行った際、
足指・姿勢・呼吸に関連する筋活動などに構造的な変化傾向が見られました。
【足指が使いやすい体へ|4つのアプローチ】
日常で“足指が働きやすい環境”をつくるための基本ポイントです。
1. ひろのば体操(足指をゆるやかに伸ばす)
2. 靴の見直し(足指が押しつぶされない設計)
3. 小股歩き(足指が自然に使いやすい歩き方)
4. 室内環境の調整(滑りやすい床・スリッパを避ける)
【YOSHIRO SOCKS|構造とものづくり】

——足指が使いやすい“環境づくり”をめざした生活用品
足指の働きを妨げる「環境」そのものに着目し、
奈良の専門工場とともに、糸・密度・摩擦・張力などを精密に検証してきました。
● 構造のポイント

姿勢の安定性に配慮した
摩擦構造

自然な足指の開きを支える
立体フォルム

重心バランスを考慮した
密度・張力設計
.072-scaled.jpeg)
“広げる・伸ばす”動きを引き出す
テンション配置
.063-scaled.jpeg)
開帳・扁平傾向に配慮した
縦横方向テンション

母趾〜小趾が整列しやすい
張力バランス
※ いずれも医療的効果を示すものではなく、あくまで「足指が働きやすい状態をサポートする生活用品としての構造」の説明です。
● 製造のポイント

日本製
.067-scaled.jpeg)
高密度
.068-scaled.jpeg)
極薄
.065-scaled.jpeg)
高耐久

高グリップ
.064-scaled.jpeg)
吸湿・速乾
- 日本製:専門工場が ±1mm 単位でテンション管理
- 高密度:700nmクラスの極細繊維
- 極薄:約2mmの軽さと安定性
- 高耐久:生活用品としての強度
- 扇形フォルム:足指が自然に広がりやすい形状

