足指ドクターによる解説

YOSHIRO YUASA
湯浅慶朗
理学療法士(Physiotherapist)、足指博士、足指研究所所長、日本足趾筋機能療法学会理事長、ひろのば体操・YOSHIRO SOCKS・ハルメク靴開発者。元医療法人社団一般病院理事・副院長・診療部長。専門は運動生理学と解剖学。足と靴の専門家でもあり、姿勢咬合治療の第一人者でもある。様々な整形疾患の方(10万人以上)を足指治療だけで治してきた実績を持つ。東京大学 石井直方 名誉教授の弟子でもある。
- ひろのば体操:無料で“今日からできる”足指リハビリ
- YOSHIRO SOCKS:履くだけで足指変形を矯正しやすくなる。体操と併用で効果倍増
- 専門的メカニズム:足指変形/ウインドラス機構/前脛骨筋・後脛骨筋・長母趾屈筋に注目!
この記事で分かること
- 扁平足の本当の原因=足指の変形・機能不全と全身への影響
- 1分セルフチェックで隠れ扁平足と足指変形を判定
- 今日からの3ステップ:ひろのば体操/室内履き・滑り対策/靴下・靴の選び方
- 詳細メカニズム(専門解説):筋群・腱・ウインドラス機構と扁平足
- 症状別の治療・医療受診の目安、予後とリスク
- YOSHIRO SOCKSの臨床データと購入前の選び方
扁平足とは?


扁平足(へんぺいそく/フラットフット)とは、足の内側縦アーチが低下、または消失した状態のこと。立位で土踏まずが地面にベタッとついており、アーチが潰れているのが特徴です。
乳幼児はほぼ全員が扁平足で生まれますが、6歳前後までに自然にアーチが形成されるのが一般的。しかし現代では、大人になってもアーチが発達せず、慢性的な扁平足が残るケースが増えています。
扁平足は単なる「足裏の形」ではなく、姿勢・重心・歩き方・疲れやすさ・転倒リスクにも直結します。そのため早期の予防やセルフケアが非常に重要です。
1分セルフチェック|あなたの足、実は「隠れ扁平足」?
1. 濡れ足跡テスト

濡らした足で紙の上に立ち、土踏まず部分の跡がべったり残っていれば扁平足の可能性。
2. つま先立ちテスト

- つま先立ちでアーチが現れる → 柔軟性扁平足
- アーチが現れない → 硬直性扁平足の可能性
3. 足指の変形チェック

足の親指が外側(小指側)に向かって曲がる状態を指します。

足の小指が内側(親指側)に向かって曲がる状態のことを指します。

指が下向きに曲がりっぱなしで伸ばすことができない状態のことを指します。

親指が他の指の爪と比べて上方向に曲がって浮いてしまう状態を指します。

小指が地面から浮いてしまう状態を指します。そのほかの指にも見られることがあります。

指の爪が横を向いている状態のことを指します。特に小指や薬指に多く見られます。
4. 足指の機能チェック



- 足指で「グー・チョキ・パー」ができるか
1つ以上当てはまるなら、“足指の機能不全”が原因の「隠れ扁平足」が疑われます。
扁平足のタイプと症状
◾️柔軟性扁平足
- 非荷重ではアーチがあるが、立つと消える
- 成長とともに改善することも
◾️硬直性扁平足
- 常にアーチがない
- 骨・靭帯の異常、先天性変形など
◾️成人後天性扁平足
- 後脛骨筋腱の炎症・断裂などで発症
- 片側に起こりやすく、徐々に進行
◾️主な症状
- 長時間歩行で土踏まずや踵が痛む
- 足首の内側に張りや熱感
- バランスが悪くなる、転びやすい
- 足の疲労感、歩き方の変化
今日からできる5ステップ改善法
扁平足は“遺伝”や“加齢”のせいではなく、多くの場合は「足指の変形」や「使い方のクセ」から生じます。だからこそ、正しい方法で生活を見直すだけで、大人になってからでも改善が可能です。
以下の5ステップは、今日から実践でき、しかも医学的な裏付けがある“根本改善”のアプローチです。
STEP1:ひろのば体操:足指の機能を取り戻すストレッチ
「ひろのば体操」は、足指を“広げて伸ばす”専門的なバイオメカニクス・ストレッチです。
足指が変形していたり、機能していないと、足底筋群が使えずアーチが崩れてしまいます。まずは足指の柔軟性と可動性を取り戻すことが第一歩です。
- 1日5〜10分、片足ずつ実施
- 指を根元まで差し込まず、優しく反らすのがコツ
- 痛みが出るほど無理に伸ばさないこと
STEP2:室内履きと滑り対策:足指変形の環境要因を断つ

スリッパや草履など「滑りやすい履き物」は、歩行中に足がズレないよう無意識に指を屈ませてしまい、外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指の原因になります。






- 室内では極力スリッパをやめ、滑らない床マットや5本指ソックスを活用
- 足元の冷え対策にはレッグウォーマーを併用
- スリッパ代わりの“滑らない室内用シューズ”も有効
STEP3:YOSHIRO SOCKSの活用:滑らず適圧で足指を矯正
足指が機能するには「滑らず、適圧で、正しい方向に開かせる環境」が必要です。
YOSHIRO SOCKSは、医療現場で得られたデータをもとに開発された高機能5本指ソックスで、履くだけで足指が自然と開き、矯正効果が期待できます。
- 高摩擦・適圧設計のYOSHIRO SOCKSで、地面を掴む感覚を回復
- 靴は前滑りしないものを選び、紐の締め方も重要
STEP4:小股歩きの実践:スロートレーニング的に足底筋を刺激
「大股で勢いよく歩く」よりも、「小股でゆっくり・丁寧に歩く」方が、足指〜足底筋〜アーチ筋群の筋収縮を最大限に引き出せます。
- 小さな歩幅で、地面を“押すように”歩く
- かかとからつま先へのローリングを意識
- 足指で地面を“掴む”感覚を取り戻すことが目的
これは筋力トレーニングでいう「スロトレ」の一種であり、低負荷でも筋活動量が高まりやすい歩き方です。外出時だけでなく、家の中でも意識すると◎。
スロトレとは、筋肉の緊張を維持したまま、ごくゆっくりとした動作で筋力トレーニングを行う方法で、スロートレーニングの略称です(石井直方名誉教授が開発)。比較的軽い負荷でも、筋肉に常に力を込めて動作することで重い負荷をかけた場合と同等の効果が得られ、筋力や筋肥大が期待できます。
STEP5|正しい靴選び:アーチを潰さないフィット感が重要
どれだけ足指を矯正しても、靴が前滑りしていたら台無しです。
扁平足改善のためには、“フィット感・前滑り防止・アーチの保持”が正しい靴選びの3大条件。

✔ 正しい靴の選び方
- 甲でしっかりホールドできる構造
- つま先に指が動ける空間がある(足指が開けるか)
- 前滑りしない構造(インソールも含めて)
- 踵がカチッと固定できるヒールカップ
✔ 試着時のチェックポイント
- 靴紐は「足首→足先」方向にしっかり締める
- 5本指ソックスを履いても窮屈でないか
- 踵の浮き・中足部のズレがないか
これら5ステップを習慣化することで、“足指の変形” → “筋肉の機能回復” → “アーチの再構築”という流れが自然に生まれます。

外反母趾・内反小趾・扁平足・浮き指……あらゆるトラブルの根本にアプローチできる、シンプルかつ医学的な改善法です。
専門メカニズム解説|なぜ足指が扁平足を引き起こす?
1. 足底筋・腱の働きとアーチ支持


これらの筋肉は「足指の曲げ伸ばし」動作と連動して収縮と弛緩を繰り返すことで、土踏まずを動的に保ちます。

筋収縮の種類別による筋力増強運動
●求心性収縮
筋の長さが短くなりながら筋収縮する運動
(例:肘を伸ばした状態からダンベルを持ち上げる時の上腕二頭筋の運動)
●遠心性収縮
筋の長さが伸張しながら筋収縮する運動
(例:肘を曲げた状態からダンベルを下ろすときの上腕二頭筋の運動)
筋肉は負荷をかけながら関節の曲げ伸ばしを行うことで増強していきます。「小股でゆっくり歩きましょう」というのはスロートレーニングの応用で、低強度の負荷でも筋力増強効果は高いとされています。大股歩きとは違い、負荷量が少ないため関節にかかる負担は小さく、整形外科的な障害のリスクが少ないのも利点です。
足指の曲げ伸ばしを繰り返すような単独の動作は、歩くときに地面を蹴って足指で踏み返しを行うときに行われます。この3つの筋肉は、歩行時の足首の曲げ伸ばしも同時に行うので常に鍛えられているということなのです。

2. 親指の変形や機能不全による扁平足

扁平足のもう一つの原因が、足指の変形(外反母趾・親指の浮き指)もしくは親指の機能不全です。親指は足にかかった体重が内側に倒れないようにするためのストッパーなので、親指が使えなくなると、足が内側に倒れて下腿骨(ひざ下の骨)が内側に弯曲すること(わんきょく)します。
そうすると、足は安静時(立ったり歩いたりしていないとき)には正常なアーチを持っていますが、体重を支えながら地面に接触するとアーチは消えてしまいます。これが「隠れ扁平足」です。
3. ウインドラス機構の破綻

- 親指が浮いている/踏み返しできない → アーチの巻き上げ機構が不活性に
- MLA(内側縦アーチ)が崩れて扁平足になる
データで見るYOSHIRO SOCKSの変化(8週間)
YOSHIRO SOCKSを8週間使用した臨床試験では、足指の変形が短期間で大幅に改善されることが確認されました。
【足指変形の改善】
項目 | 開始時 | 8週間後 | 改善量 |
---|---|---|---|
外反母趾角 | 19.1° | 12.3° | −6.8° |
内反小趾角 | 25.1° | 5.3° | −19.8° |
かがみ指率 | 81% | 51% | −30% |
浮き指率 | 92% | 9.6% | −82% |
寝指率 | 100% | 63% | −37% |
※ 石井直方名誉教授(東京大学)監修臨床試験
外反母趾角
開始時の外反母趾角は19.1°
8週間後の外反母趾角は12.3°
8週間目の平均値は、開始時と比べて、外反母趾角が6.8°改善。外反母趾角改善の作用が確認されました。
※開始前と8週間目の平均値の差
※グラフは臨床試験における平均値の推移
※結果には個人差があり、100%の結果を保証するものではありません。
※石井直方名誉教授(東京大学)監修

【足幅・足長の変化=構造改善】
項目 | 開始時 | 24ヶ月後 | 改善量 |
足幅 | 91.0mm | 86.1mm | −4.5mm |
足長 | 220.0mm | 215.0mm | −5.0mm |
アーチ構造の回復により、“実寸サイズが小さくなる”現象が生じています。
開帳足
開始時の足幅は平均91mm
24ヶ月後の足幅は平均86.1mm
24ヶ月目の平均値は、開始時と比べて、足幅が平均4.5mm改善。開帳足の改善の作用が確認されました。
※開始前と24ヶ月目の平均値の差
※グラフは臨床試験における平均値の推移
※結果には個人差があり、100%の結果を保証するものではありません。
※石井直方名誉教授(東京大学)監修

なぜ足指が整うと「足の長さ」が短くなるのか?
外反母趾・浮き指・寝指といった変形があると、荷重時にアーチが潰れ、足が平たく広がるため、実寸の足長・足幅が増えたように感じることがあります。
YOSHIRO SOCKSを用いた足指矯正により:
- 足指の機能が回復し、足底腱膜が張りを取り戻す
- アーチが“締まる”ことで、荷重時に足が潰れにくくなる
- 結果として、実際の足長・足幅が縮む
この「構造的な変化」は、インソールなどの外部装具では得られない、“足本来の機能”を取り戻すアプローチです。
医療機関に行くべきタイミング
次のような症状がある場合は、整形外科や足病専門医の診察を受けましょう。
- 激しい足裏や足首の痛み
- 明らかな変形や腫脹
- 歩行困難、バランス喪失
- 神経症状(しびれ、感覚低下など)
一方、「足裏の疲労感」「アーチが低い気がする」「足指の変形がある」程度であれば、自宅での対処・改善の余地は十分にあります。
結論|履くだけの“リハビリ”で、人生が変わる
YOSHIRO SOCKSは、医療機器の設計思想に基づき、足指の解剖学・運動生理学・バイオメカニクスの観点から開発された“履くリハビリ”です。
- 滑らない独自の高摩擦素材
- 適圧で指が自然に広がる設計
- デジタル制御編み(G13技術)による形状記憶構造
「足指で立つ」感覚を取り戻すことが、アーチ再建の第一歩。
足指が整えば、アーチが整う
アーチが整えば、姿勢と歩行が変わる
体が変われば、人生が変わる
そのすべてを裏付けるのが、このページで紹介した“データ”と“仕組み”です。
扁平足と足指変形の関係を示す研究一覧
扁平足と外反母趾・浮き指・ハンマートゥなどの足指変形は、単なる“見た目の問題”ではありません。
以下に、実際の研究データから導き出された関連性をご紹介します。
外反母趾に関する研究例とその関連性
論文/研究 | 関連内容・結論 | コメント/限界 |
---|---|---|
“Relationship Between Hallux Valgus and Pes Planus: Real or Fiction?” | 扁平足 (pes planus) と外反母趾 (hallux valgus, HV) に高い相関を認めたという結果。 | 相関を示すが、因果を明示するものではない。「さらなる大規模コホート研究が必要」と結んでいる。 |
“Pes Planus Deformity and Its Association With Hallux Valgus” | 扁平足 (pes planus) の重症度と外反母趾の再発率との関連を検討。扁平足の重症度が高いほど外反母趾の再発率が高い傾向を報告。 | 後ろ向きコホート研究 (Level III) なので、因果関係を断定するには限界がある。 |
“The association between pes planus foot type and the prevalence of hallux valgus” | フラミンガム・コホート研究を使って、扁平足と外反母趾/外反母趾硬化 (hallux rigidus) の有病率を比較。扁平足の人は外反母趾を持つオッズが1.6倍(95% CI 1.4–1.8)という結果。 | 年齢・性別・BMIを調整後も有意な関連。だが横断的デザインであるため前後関係は見えない。 |
“Is a Flatfoot Associated with a Hallux Valgus Deformity?” | 扁平足と外反母趾変形の関連を調べた研究。扁平足の“被験者群”では、外反母趾を併存している例が多かったとする報告。 | ただし「すでに変形が進んだ足」を対象にしており、発症初期段階や一般健常者への適用には注意が必要。 |
“Foot morphology as a predictor of hallux valgus development in adolescents” | 足の形態(扁平足傾向含む)を、青年期における外反母趾発症の予測因子として検討。扁平足傾向を持つ足形態が、将来的な外反母趾リスクを上げることを示唆。 | 若年者対象の研究なので、成人以降の進行との関係を補完する形で参照すると良い。 |
“Severity of flatfoot and hallux valgus deformities: Is there a correlation?” | 扁平足変形と外反母趾変形の重症度の相関を後ろ向き観察研究で評価。両者には一定の相関がある可能性を示唆。 | 相関を示すが、「足指変形 → 扁平足」か「扁平足 → 足指変形」かを決める証拠にはならない。 |
“Impact of pes planus on clinical outcomes of hallux valgus surgery” | 外反母趾手術患者における扁平足の付随状態と術後成績との影響を検討。扁平足併存例は多く、扁平足が外反母趾に与える力学的ストレスが議論されている。 | 主に整形外科的観点から、手術後の再発・力学バランスを中心に解析している。 |
YOSHIRO SOCKSが採用する「足趾からアーチを再構築するアプローチ」は、多くの研究で示唆されている“扁平足と足趾変形の相関”に基づいています。
特に外反母趾と内側縦アーチ(MLA)の崩れは相互に影響し合うため、母趾の接地と機能回復こそが、アーチ再建のカギといえるでしょう。
浮き指・ハンマートゥと扁平足との関連性を示す研究一覧
論文/研究 | 関連内容・結論 | コメント/限界 |
---|---|---|
“Relationship between foot alignment and floating toes classified in static and dynamic conditions in females” | 浮き指(floating toe)を静的・動的に分類し、足部アライメント(アーチ高、趾角など)との関連を調査。アーチ高が低い群で浮き指が改善しにくい傾向。 | 女性対象で相関関係を示すが、因果関係は不明。浮き指のタイプ別分類という点で臨床応用しやすい。 |
“A cross-sectional study on the correlations between FT (floating toe), plantar arch posture, and body composition in children” | 浮き指スコアと足底アーチ(縦アーチ)の関係を調査。アーチ低下傾向と浮き指の関連性を示唆。 | 子ども限定・横断的研究であり、成長後の影響や因果関係の解釈には限界がある。 |
“An investigation into the hammer toe effects on the lower extremity mechanics and plantar fascia tension” | ハンマートゥ変形がウインドラス機構や足底腱膜の張力に及ぼす影響を3Dモデルで解析。トルク減少と腱膜へのストレス蓄積が示された。 | モデル研究であり、臨床的アウトカムとの整合は検討が必要。理論的には扁平足の進行要因として成立する。 |
“Foot Disorders, Foot Posture, and Foot Function: The Framingham Foot Study” | 扁平足傾向をもつ足 (pes planus posture) は、ハンマートゥ (hammer toes) や趾の重なり (overlapping toes) のオッズが有意に高いという関連を報告。 | 大規模コホート研究だが、横断的デザインであり、因果関係を断定できない。扁平足とハンマートゥが共存しやすい統計的傾向を示すもの。 |
“Occurrence of Floating Toe from the Viewpoint of the Structure of Foot Arch” | 成人女性 65 名を対象に、浮き指群 vs 通常指群でアーチ高さ率 (座位 vs 立位) の差異を比較。浮き指群は、立位時・座位時でのアーチ高さ率差 (立位 → 座位変化) が小さめである傾向を報告。 | 被験者数が少数 (65 名) で、相関関係の述べるにとどまる。靴や動的負荷条件での評価は含まれない。 |
浮き指やハンマートゥなどの足趾変形は、アーチ構造の崩れ(扁平足)と深く関連しています。
YOSHIRO SOCKSは、こうした変形に着目し、足趾の接地力と安定性を高めることでアーチを再構築するアプローチを採用しています。研究でも示されているように、足趾機能の回復が姿勢・歩行・足裏バランスの改善につながる鍵となります。