1. はじめに|なぜ2つのモデルを作り続けてきたのか
こんにちは。足指研究家の湯浅慶朗です。
私はこれまで 10万人以上の足 を見てきました。
その中で確信したのは、
「足指がどう動くか」
「靴の中で足がどう扱われるか」
「足裏の感覚がどれだけ自然に働けるか」
——この3つが、日常の快適さに深く関わるということです。
YOSHIRO SOCKSの開発は2012年から続いており、
毎年のように構造・素材・密度・摩擦・テンションを見直してきました。
そのなかで生まれたのが
- 通常版(2018〜 / G10)
- PRO2(2025〜 / G13)
という2つのラインです。
このページでは、
- 編成密度
- 素材
- 厚み
- 摩擦係数
- テンションバランス
- 立体構造
といった “事実ベースの比較” で両者の違いを解説します。
※症状名や改善効果は記載していません。
※数値は快適性・特性の比較目的で提示しています。
【開発コンセプト】
足指の自然な動きを「邪魔しない靴下」を作る

人の足は本来、裸足で動くように設計されています。
しかし、現代の靴・靴下環境では
- 足指が押しつぶされる
- 足裏の滑りで指が丸まる
- 厚みで感覚受容器が働きにくい
といった“環境的な負荷”がかかりやすくなっています。
私は臨床で、足指の動き・アーチ構造・姿勢への波及を見続けてきました。
そこから導き出したのが、靴下づくりに必要な 6つの基準 です。
① 足指が「広がる・伸びる」空間を確保する
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足指が圧迫されると、自然な動きが妨げられます。
YOSHIRO SOCKSは独自の“立体5指構造”で、足指が自由に動ける空間を確保しています。
② 足指が動きを開始しやすい“活性化しやすい環境”

軽さ・柔らかさ・均一テンションにより、
足指が動く瞬間の“初動”を妨げない構造になっています。
③ アーチが安定しやすい“足裏環境”

足裏が滑ると指が丸まりやすくなるため、
摩擦係数・生地密度・グリップ力を細かく調整。
特に PRO2 は ナノレベルの繊維密度×高摩擦 で滑りにくい環境を作ります。
④ 素足に近い“感覚入力”を邪魔しない

足裏には姿勢に関係する感覚受容器が多数あります。
PRO2 の約1.5mmという超薄構造は、
“素足感覚を残しながら繊細なフィット感” を得やすい点が特徴です。
⑤ 長時間でも“違和感が出にくい”耐久性と柔軟性
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9,000回以上の摩耗試験をクリアした高密度繊維を採用。
型崩れしにくく、長く使えるため経済的でもあります。
⑥ 寝る時でも使いやすい“軽さ・通気性”


薄さ・通気性・吸汗性により、長時間の使用でも蒸れにくい設計。
睡眠時の使用も想定して快適性を追求しています。
※これらは すべて快適性のための設計基準 であり、医学的効果を示すものではありません。
2. 開発の歩みとプロトタイプの役割
YOSHIRO SOCKSは、すべての製品で 複数のプロトタイプ を比較します。
- 糸の太さ
- 密度
- テンション
- 摩擦
- 立体構造
を一本ずつ検証し、「理想の環境」に近づけていきます。
■ 開発年表
- 2016:通常版 プロトタイプ完成
- 2018:通常版(G10)発売
- 2021:PRO プロトタイプ完成
- 2022:PRO2 プロトタイプ完成
- 2024:YOSHIRO SOCKS PRO 発売
- 2025:YOSHIRO SOCKS PRO2 発売
通常版→PRO2 の過程で 繊維・密度・厚み・テンションがすべて刷新 され続けています。
3. 通常版YOSHIRO SOCKS(G10)の特徴

● G10の構造ポイント
- 立体5指構造
- 足裏のグリップ性を高める生地設計
- 約3.0mmの標準厚で“安定感・クッション性”がある
- 日常的に使いやすいフィット感
- 耐久性と伸縮バランスが良い
● 自社測定データ(快適性関連)
- 摩擦係数:2.3N(一般綿の約3倍)
- 最大伸度:1.78倍
- 張力:7.5〜8.5 gf/cm²
※いずれも「履き心地の比較」に使った数値で医学的効果ではありません。
4. PRO2(G13)の特徴

● G13の最大特徴「網目密度 約130%UP」

G10技術(2018)
柔軟・強度・密度”の三位一体で完成した基礎設計

G13技術(2025)
編成密度130%へ。足の曲面を追従する“高解像度ニット
PRO2は G10 → G13 で編み構造が根本的に刷新されました。
- 生地の均一性が向上
- 立体追従性が高い
- 圧のムラが減る
- 足裏の感覚がダイレクト
- 重さが軽い
- 耐久性が高い
- 滑りにくい
● 特徴(構造ベース)


(横編み機)

(横編み機)
- 厚さ:約1.5mm(通常版の約1/2)
- 網目密度:130%アップ
- 超高密度繊維で薄いのに強い
- フィット感が均一で、足に吸い付く感覚
- 素足に近い軽さ・繊細さ
5. 通常版とPRO2の比較(履き心地の方向性)
| 指標 | 通常版(G10) | PRO2(G13) |
|---|---|---|
| 厚み | 約3.0mm | 約1.5mm(薄型) |
| 網目密度 | 標準 | 約130%細密 |
| グリップ性 | 2.3N | 同等 |
| 足裏感覚 | 中等度 | よりダイレクト |
| フィット感 | 自然 | 包み込むように均一 |
| 立体性 | あり | さらに立体化 |
| 目的 | デイリー全般 | 繊細な感覚・軽さ重視 |
6. 技術進化の全貌:薄さ × 密度 × 耐久性の最適化
ここでは“快適性の違いとしての特性”を解説します。
(医学的効果を示すものではありません)

■ 厚みの比較
| 製品 | 厚み | 伸縮性 | 耐久性 |
|---|---|---|---|
| 市販A | 約4.5mm | なし | 標準 |
| 市販B | 約4.0mm | あり | やや低い |
| 市販C | 約3.5mm | なし | 標準 |
| 通常版(G10) | 約3.0mm | あり | 高い |
| PRO2(G13) | 約1.5mm | あり | 非常に高い |
薄いほど弱い という従来の常識を、
密度の高密度化(130%) によって覆しています。
■ G10 → G13 の進化点まとめ
- 糸の配置を再構築
- 編成密度を約130%細密化
- 均一性が高く足の曲面に吸い付く
- 圧力ムラの解消
- 薄さと耐久性の両立
7. 目的別の選び方(履き心地のみ)
■ 通常版(G10)
- デイリーで使いやすい
- 安定感・クッション性
- まず試してみたい人
※通常版は、長年使われてきた定番モデルであり、現在は主に「WHITE」のみ数量限定で提供しています。
※「まずは試してみたい」という方に選ばれることが多いモデルです。
■ PRO2(G13)
- 足裏の感覚をより繊細に感じたい人
- 軽さ・薄さを重視したい人
- フィット感を滑らかに感じたい人
- 長時間の立ち仕事や日常動作が多い人
- より快適性・フィット性を求める人
※PRO2は、通常版の設計をさらに細密化した新世代モデルです。
※履き比べた方からは「戻れない」という声が多いのも事実ですが、これはあくまで履き心地の好みによるものです。
8. 専門家としてのまとめ
通常版(G10)
→ デイリーで使いやすい“スタンダードモデル”
→ 手に取りやすい価格帯で、まず試したい方にも選ばれています。
PRO2(G13)
→ 軽さ・薄さ・フィット性を追求した“次世代モデル”
→ 履き心地の滑らかさや精密な構造にこだわりたい方に向いています。
靴下はただの布ではなく、
足の動き方や着地感を支える “日常環境” の一部です。
その環境をどこまで精密につくるか——
その違いが G10 と G13 の違いとして表現されています。

