【医療監修】YOSHIRO SOCKS「通常版」と「PRO2」の違いを徹底解説——開帳足・筋力改善までのエビデンス

足指ドクターによる解説

YOSHIRO YUASA
湯浅慶朗

理学療法士(Physiotherapist)、足指博士、足指研究所所長、日本足趾筋機能療法学会理事長、ひろのば体操・YOSHIRO SOCKS・ハルメク靴開発者。元医療法人社団一般病院理事・副院長・診療部長。専門は運動生理学と解剖学。足と靴の専門家でもあり、姿勢咬合治療の第一人者でもある。様々な整形疾患の方(10万人以上)を足指治療だけで治してきた実績を持つ。東京大学 石井直方 名誉教授の弟子でもある。

目次

1. はじめに:なぜ靴下を研究し続けるのか

私は理学療法士として10万人以上の臨床を経験し、「足指が姿勢や健康を決定づける」という真実にたどり着きました。

その答えを形にしたのが「ひろのば体操」、そして“履くだけで矯正できる靴下”として誕生した YOSHIRO SOCKS です。

2012年に足指変形に特化した機能性靴下を開発し、症状に合わせたラインナップを展開するものの、耐久性・快適性などに対する考えが浅慮であることから、機能性靴下の設計・繊維の選定など見直していきました。

2013年 西日本新聞に掲載(当時は純綿で製作していた)

2018年に完成した新素材の通常版でも大きな成果を上げてきましたが、「もっと理想に近いソックス」を追い求め、改良を重ねてきました。

その進化の最新形が YOSHIRO SOCKS PRO2(2025年発売) です。

この記事では、通常版とPRO2の違いを臨床データ・技術革新の両面から解説し、どちらを選ぶべきか明確にお伝えします。

2. 開発の歩みとプロトタイプの役割

YOSHIRO SOCKSは、市販化までに必ず「プロトタイプ」を作成します。これは機能・デザインの検証を行い、問題点を早期に発見・修正するための段階です。

市販品として販売するには、量産体制の構築・品質管理・耐久性テストなど多くの工程を経る必要があり、この過程でタイムラグが生じます。

開発年表

  • 2016年:通常版 プロトタイプ完成
  • 2018年:通常版(G10技術)完成
  • 2021年:PRO プロトタイプ完成
  • 2022年:PRO2 プロトタイプ完成
  • 2024年:YOSHIRO SOCKS PRO 発売
  • 2025年:YOSHIRO SOCKS PRO2 発売

3. 通常版YOSHIRO SOCKSのエビデンス(2018〜)

G10技術を採用した通常版は、以下の臨床改善効果が確認されています。

G10の臨床改善効果

履くだけで足指が正しく開き、神経入力が再教育されることがエビデンスとして示されています。

4. PRO2の新しいエビデンス(2025〜)

PRO2では従来版と同等の効果に加え、次の進化が確認されました。

G13の臨床改善効果
  • 開帳足の改善(新規データ取得)
  • 大腿四頭筋・腸腰筋・前脛骨筋の筋力改善
  • 背筋力のさらなる改善

つまり、これまでの「足指矯正・姿勢改善」から一歩進み、横アーチ保持と下肢主要筋群の強化 にまで効果が広がっています。

5. 通常版とPRO2の比較表

指標・筋群通常版(YOSHIRO SOCKS)PRO2(YOSHIRO SOCKS PRO2)
外反母趾改善あり同等
内反小趾改善あり同等
屈み指改善あり同等
寝指改善あり同等
浮き指改善あり同等
開帳足データなし新規データ取得・大幅改善
背筋力改善あり改善幅さらに大きい
大腿四頭筋改善あり改善幅さらに大きい
腸腰筋改善あり改善幅さらに大きい
前脛骨筋データなし改善あり
バランス能力改善あり同等
スクロールできます
通常版の筋力測定
PRO2の筋力測定
項目通常版(YOSHIRO SOCKS)PRO2(YOSHIRO SOCKS PRO2)
技術・製法従来のG10技術構造と新素材G13(2.4nm技術)+新ニットマシン、網目130%向上
厚み約3mm※しっかり感があり安心約1.5mm(従来比50%の薄さ)※靴に合わせやすく、軽快
軽さ標準的な軽さ※安定感を重視非常に軽量で素足感覚に近い※一日中履いても疲れにくい
縫製G10技術、従来の編み目G13技術により編み目が細かく目が詰まる構造。柔軟性・伸縮性・耐久性・フィット性が向上
フィット感・矯正性高いフィット感・矯正効果※サポート力を実感さらに向上。段違いのフィット性と矯正力※締めつけ感が少なく自然に広がる
通気性・快適さ優れた通気性と耐久性※汗をかいても蒸れにくい蒸れにくく、サラっとした履き心地※夏や長時間でも快適
パフォーマンス改善姿勢改善などの効果あり※普段の歩行や立ち仕事に十分筋力(腸腰筋・大腿四頭筋・前脛骨筋)や姿勢への効果がさらに強化※階段や旅行・スポーツで安定感
発売時期2018年から販売中2025年6月リリース
通常版は在庫がなくなり次第販売が終了

6. 技術進化の全貌——厚みと縫製の革新

YOSHIRO SOCKSの進化の鍵は「薄さと耐久性の両立」でした。

厚みの比較

製品厚み伸縮性
市販靴下A社約4.5mmなし
市販靴下B社約4.0mmあり
市販靴下C社約3.5mmなし
YOSHIRO SOCKS(通常版)約3.0mmあり
YOSHIRO SOCKS PRO2約1.5mmあり
※機能性がない靴下は厚みを薄くすることができます。

市販品と比べても圧倒的に薄く、それでいて矯正力・耐久性は向上しています。

G10からG13へ

G10技術(2018):伸縮性・耐久性・矯正力を兼備

G13技術(2025):網目130%細密化

G13のメリット
  • 足裏の感覚入力がより明確に
  • 履いていることを忘れるフィット感
  • 圧迫ムラの解消
  • 素足に近い軽さ
市販の機能性靴下:網目が荒い
(横編み機)
通常版のYOSHIRO SOCKS:網目は細かい
(横編み機)
PRO2のYOSHIRO SOCKS:網目は非常に細かい
(横編み機)

7. 目的別おすすめ

通常盤

外反母趾・内反小趾・屈み指・寝指・浮き指など「足指矯正と姿勢改善」が目的 → 初めての方に最適

PRO2

開帳足の改善、下肢筋力(大腿四頭筋・腸腰筋・前脛骨筋)の強化、スポーツパフォーマンスやリハビリ → 本格的に改善を求める方に最適

8. 専門家としてのまとめ

まとめ
  • 通常版は 「足指矯正と姿勢改善」のスタンダードモデル
  • PRO2は 「横アーチ(開帳足)と下肢筋力の改善」まで進化した次世代モデル

私は「再び立ち、再び歩ける体を取り戻す」ことを理想に掲げています。

その答えが、この靴下の進化の軌跡に込められています。

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