足指ドクターによる解説
YOSHIRO YUASA
湯浅慶朗
足指博士、足指研究所所長、日本足趾筋機能療法学会理事長、YOSHIRO SOCKS・ハルメク靴開発者。元医療法人社団一般病院理事・副院長・診療部長。MRC認定歯科医院の顧問の経歴もあり。専門は運動生理学と解剖学。足と靴の専門家でもあり、姿勢咬合治療の第一人者でもある。様々な整形疾患の方(7万人以上)を足指治療だけで治してきた実績を持つ。東京大学石井直方名誉教授の弟子でもある。
はじめに
転倒は中高年者にとって深刻な健康リスクの一つです。転倒が骨折や入院につながるケースも多く、日常生活の質を低下させる要因となります。このような背景から、転倒予防のための効果的なアプローチが求められています。現在、転倒リスクを評価する指標として広く使用されているのが、**ファンクショナルリーチテスト(FRT)とTimed Up & Go Test(TUG)**です。これらの指標に基づいて改善を図ることは、バランス能力や歩行機能を向上させるために重要です。
本記事では、FRTで14%の向上、TUGで7%の向上を即時に実現する驚異の靴下「YOSHIRO SOCKS」に焦点を当て、その優れた効果を解説します。また、これらの向上をトレーニングで達成する場合に必要な期間と頻度についても詳述します。
転倒予防の指標:FRTとTUG
**ファンクショナルリーチテスト(FRT)**は、静止した状態から前方に手を伸ばす際の最大距離を測定することで、バランス能力を評価するテストです。
一方、**Timed Up & Go Test(TUG)**は、椅子から立ち上がり、3メートル先まで歩いて戻る時間を測定することで、動的なバランス能力や歩行速度を評価します。これらのテスト結果が改善することで、転倒リスクの低下が期待されます。
YOSHIRO SOCKSの即時効果
YOSHIRO SOCKSは、履いた瞬間から以下のような即時効果が確認されています。
FRT
開始時の前方リーチ距離は350mm
SOCKS装着後の前方リーチ距離は405mm
SOCKS装着後の平均値は、開始時と比べて、前方リーチ距離が14%改善。転倒予防の作用が確認されました。
※FRT(ファンクショナルリーチテスト)とは、立位で前方へリーチできる最大距離を測定することで、転倒リスクやバランス能力を評価
※開始前とSOCKS装着後の平均値の差
※グラフは臨床試験における平均値の推移
※結果には個人差があり、100%の結果を保証するものではありません。
ファンクショナルリーチテスト(functional reach test)は、個人が前方に手を伸ばし、身体のバランスを保持する能力を評価するテストです。このテストは、日常生活やスポーツなどで重要なバランス能力を測定するために使用されます。結果は、個人のバランス能力を示す数値として表され、転倒予防のための介入プログラムの開発に役立ちます。
YOSHIRO SOCKSを履くだけで14%の改善が見られたという結果は、一般的な基準では比較的大きな効果が期待できると言えます。一般的に、効果の程度は状況によって異なりますが、14%の改善はかなり目立つ効果であるといえます。したがって、YOSHIRO SOCKSはファンクショナルリーチテストの結果において有益なアイテムであると言えます。
この効果は、YOSHIRO SOCKSの独自設計によるものです。足指を広げることで、重心が自然と中心に戻り、足元から全身の「ニュートラルポジション」を整える働きがあります。この結果、バランス能力と歩行速度が向上し、転倒リスクの大幅な軽減が期待されます。これほどの即時効果をもたらすアイテムは、他に類を見ません。
FRTやTUGの向上に必要なトレーニングと期間
FRTを14%、TUGを7%向上させるには、通常のトレーニングでは以下のような期間と頻度が必要です。
1. FRTを14%向上させるトレーニング
• 内容: バランスディスクやストレッチポールを使用した体幹トレーニング、片足立ちの練習、ヨガやピラティスの導入• 期間: 8〜12週間
• 頻度: 週3〜5回、1回30〜60分
2. TUGを7%向上させるトレーニング
• 内容: スクワットやランジなどの筋力トレーニング、歩行練習、階段昇降エクササイズ
• 期間: 12〜16週間
• 頻度: 週3〜5回、1回30〜45分
これらのトレーニングは継続的な努力を要します。一方、YOSHIRO SOCKSは履いた瞬間にこれらの効果を得られるため、時間や労力を大幅に節約できる点で非常に優れています。
YOSHIRO SOCKSのさらなる利点
YOSHIRO SOCKSの効果はFRTやTUGの改善だけに留まりません。足指の広がりが、足部アーチの安定性を向上させ、重心が中心に戻ることで全身の姿勢とバランスが整います。さらに、足部の負担が均等に分散されるため、長時間の立位や歩行でも疲労感が軽減されます。これにより、日常生活の質が向上し、スポーツパフォーマンス・身体的な安全性が確保されます。
YOSHIRO SOCKSのスポーツにおける利点
ファンクショナルリーチテスト(FRT)とTimed Up & Go Test(TUG)は、特にバランス、安定性、機動性が要求されるスポーツにおいて非常に役立ちます。これらのテストは、スポーツ選手が競技中に求められる身体的能力を向上させるための良い指標となります。以下に具体的なスポーツをいくつか挙げてみます。
1. サッカー
• FRTの影響: サッカーでは、安定した姿勢からのリーチ能力が、ボールのコントロールやタックル時のバランス維持に役立ちます。
• TUGの影響: 短い時間での立ち上がりと移動は、プレイ中の素早い位置変更や方向転換に直接関連します。
2. バスケットボール
• FRTの影響: シュートやリバウンドを取る際に、安定した足場から手を伸ばすことが求められます。
• TUGの影響: コート上での迅速な攻守切替や、素早い反応がスコアやディフェンスに直結します。
3. テニス
• FRTの影響: コート上での伸びのあるストロークやリーチが、強力なサーブやリターンに寄与します。
• TUGの影響: テニスは立ち位置の急速な変更が求められるため、TUGの速度向上がパフォーマンスに直結します。
4. 陸上競技(特にハードルやトリプルジャンプなど)
• FRTの影響: ハードルでは、バランス良く体をコントロールしながら跳躍を行う必要があります。
• TUGの影響: スタートの爆発力や速さが直接競技成績に影響します。
5. ラグビー
• FRTの影響: タックルやボールのキャッチ時に体の安定性が必要です。
• TUGの影響: ラグビーは連続した短距離走と急な停止が多く、これを素早くこなす能力が重要です。
6. バレーボール
• FRTの影響: ネット上でのリーチがサーブやブロックの効果を高めます。
• TUGの影響: ボールへの迅速なアプローチとポジショニングが、守備と攻撃の両方で重要です。
7. フィールドホッケー
• FRTの影響: スティックを使ったボールコントロールでは、安定した姿勢からのリーチが必要です。
• TUGの影響: 素早くコートを横断し、ポジションを変える能力がゲームの流れを左右します。
8. フィギュアスケート
• FRTの影響: ジャンプの着地やスピン時に、一定の姿勢を保ちながらのリーチが求められる。
• TUGの影響: プログラムの間に速く正確に動く能力が、演技のスムーズさと技術的な精度を向上させます。
9. 武道(柔道、空手、剣道など)
• FRTの役立ち方: 遠くの相手を捉える動作や体勢を崩されにくくする能力が向上。
• TUGの役立ち方: 攻防の中でスムーズに動き直しや体勢立て直しが可能。
10. ダンス(バレエ、ヒップホップなど)
• FRTの役立ち方: 高難度のポーズや遠い位置に手足を伸ばす動作で美しいフォームを維持。
• TUGの役立ち方: ステップやターンでのスムーズな動作切り替え。
11. ゴルフ
• FRTの役立ち方: スイング時にバランスを崩さず、遠くまで力強く正確にクラブを振れる。
• TUGの役立ち方: 一見少ないですが、ラウンド中の歩行や立ち姿勢の安定感が向上。
12. スキー・スノーボード
• FRTの役立ち方: 重心を保ちながら斜面で遠い動作を行う際に安定。
• TUGの役立ち方: 急なターンや転倒回避時に素早く体勢を戻せる。
13. サーフィン・SUP(スタンドアップパドルボード)
• FRTの役立ち方: 波に乗りながら遠くの動作をするときにバランスを維持。
• TUGの役立ち方: 波の変化に即応し、スムーズに体勢を切り替えられる。
これらのテストを用いて特定の能力を強化することで、上記のスポーツにおいて競技力を向上させることが可能です。選手のトレーニングプログラムにこれらのテストを組み込むことで、効果的にパフォーマンスを改善することができるでしょう。
結論
転倒予防において、FRTやTUGの改善は非常に重要な指標です。これらの数値をトレーニングで向上させるには数ヶ月の時間を要しますが、YOSHIRO SOCKSは履いた瞬間からFRTを14%、TUGを7%向上させる即時効果を発揮します。このような即時性と手軽さを備えた製品は他に類を見ず、特に中高年者やリハビリを必要とする方々にとって革新的なサポートツールです。
YOSHIRO SOCKSは、科学的エビデンスに基づいた設計により、スポーツパフォーマンスの向上や転倒リスクを軽減し、日常生活の安心感と安全性を高める唯一無二の製品と言えるでしょう。
- 外反母趾の機能解剖学的病態把握と理学療法.湯浅慶朗.理学療法 第31巻 第2号 2014.2 P159-165
- 『足指をそらすと健康になる』湯浅慶朗/著 PHP研究所 2014.6
- 『たった5分の「足指つかみ」で腰も背中も一生まがらない!』湯浅慶朗/著 PHP研究所 2021.6
- Renfro, M. ∙ Maring, J. ∙ Bainbridge, D. …Fall risk among older adult high-risk populations: a review of current screening and assessment toolsCurr. Geriatr. Rep. 2016; 5:160-171 Crossref Scopus (14)
- Soomar, S.M. ∙ Dhalla, Z.Injuries and outcomes resulting due to falls in elderly patients presenting to the Emergency Department of a tertiary care hospital – a cohort studyBMC Emerg. Med. 2023; 23 Google Scholar
- Huang, W.-Y. ∙ Huang, H. ∙ Wu, C.-E.Physical activity and social support to promote a health-promoting lifestyle in older adults: an intervention study Int. J. Environ. Res. Publ. Health. 2022; 19 Crossref Scopus (9) Google
- Barmentloo, L.M. ∙ Dontje, M.L. ∙ Koopman, M.Y. ..Barriers and facilitators for screening older adults on fall risk in a hospital setting: perspectives from patients and healthcare professionals Int. J. Environ. Res. Publ. Health. 2020; 17:1461 Crossref
- Choi, A. ∙ Kim, T.H. ∙ Yuhai, O. …Deep learning-based near-fall detection algorithm for fall risk monitoring system using a single inertial measurement unit IEEE Tran. Neural Syst. Rehabil. Eng. 2022; 30 Google Scholar
- Lwanga, S. ∙ Lemeshow, S.Sample size determination in health studies: a practical manual World Health Organ. 1991; PubMed
- Zakaria, N.A. ∙ Kuwae, Y. ∙ Tamura, T. …Quantitative Analysis of Fall Risk Using TUG Test Comput. Methods Biomech. Biomed. Eng. 2015; 18:426-437 Crossref Scopus (58) PubMed