理学療法士を辞めた私が、足指を見るようになった理由――妻のO脚が変えた視点

なぜ足元から考えるようになったのか
理学療法士として、
リハビリテーションの限界に直面し、
私は一度、医療の現場を離れました。
「正しいはずの治療」で結果が出ない。
努力しても、勉強しても、
良くなる人と、そうでない人がいる。
その違いが、
どうしても説明できなかったからです。
きっかけは、妻の足元でした
医療の世界から距離を置いたあと、
私は妻と出会い、結婚しました。
妻は、
小学生の頃から続くひどいO脚に悩み、
膝や股関節の痛みのために、
日常的に痛み止めを飲んでいました。

ある日、
その理由を改めて聞いたとき、
私は何気なく妻の足元を見ました。
そこで、
強い違和感を覚えました。
小指が、地面に触れていなかったのです。
「足指は、地面についているもの」
それまでの私は、
足指はすべて地面に接しているのが
“当たり前”だと思っていました。
教科書にも、
そんなことは書かれていません。
しかし、
実際に目の前にあったのは、
小指だけが浮いた足でした。
私は半信半疑で、
小指を軽く触り、
地面に近づけるように調整しました。
すると妻が、
驚いたように言ったのです。
「足の内側に、力が入る」
たった1週間で起きた変化
それから数日間、
私は足元を観察しながら、
小指が地面に関与する状態を保つよう、
試行錯誤を続けました。
すると――
わずか1週間で、妻のO脚が目に見えて変化しました。


- 膝の位置が揃い
- 股関節の痛みが消え
- むくみ、冷え、生理痛、腰痛、肩こり、頭痛まで軽減した
長年悩み続けてきた不調が、
連鎖的に変わっていったのです。
「治していたつもりだった」自分への衝撃
正直に言って、
私は混乱しました。
これまで、
何年もかけて学んできたリハビリよりも、
足元の変化の方が、はるかに影響が大きかった
からです。
たったこれだけで変わるのなら、
これまで自分がやってきた医療は
何だったのだろうか。
同時に、
強い高揚感もありました。
「ここに答えがあるかもしれない」
教科書にない分野へ
そこから私は、
足指の機能について
本格的に調べ始めました。
しかし、
驚くほど文献がありませんでした。
- 足指が姿勢にどう関与するのか
- 小指が使われないと何が起きるのか
それらは、
ほとんど体系化されていなかったのです。
だから私は、
再び臨床に戻り、
患者さんの足を見て、触り続ける
ことを選びました。
足元は「末端」ではなかった
臨床を重ねるほど、
ある共通点が見えてきました。
- 痛みの場所は違っても
- 診断名は違っても
足指が使われていない人ほど、姿勢が不安定だった
という事実です。
足元は、
身体の一番下にある部位ではあります。
しかし同時に、
立つ・歩く・支えるという
すべての動作の起点
でもありました。
「足元から考える」という視点
私が足元から考えるようになったのは、
理論が先ではありません。
目の前で、身体が変わる瞬間を見たからです。
- なぜ戻るのか
- なぜ定着しないのか
- なぜ努力しても報われないのか
その答えは、
多くの場合、
足元にありました。
ここから、すべてが始まった
妻のO脚改善は、
単なる成功体験ではありません。
それは、
- 医療の前提を疑うきっかけ
- 足指研究の出発点
- その後のすべての臨床と研究の原点
でした。
この視点から、
私は足指の機能を整理し、
体系化し、
検証を重ねていくことになります。
ただ、誤解してほしくないのは、
私が最初から
「足指こそが答えだ」
と確信していたわけではない、ということです。
むしろその前に、
理学療法士として医療の現場に立ち、
「正しいはずのリハビリ」に
強い違和感を抱く時間がありました。
▶︎ 理学療法士を辞めた理由 ――「正しいはずのリハビリ」に違和感を覚えた日

