【西日本新聞掲載】足指コラム Vol.5 足裏のタコが治った!──正しい靴の履き方で変わる健康

足指ドクターによる解説

YOSHIRO YUASA
湯浅慶朗

理学療法士(Physiotherapist)、足指博士、足指研究所所長、日本足趾筋機能療法学会理事長、ひろのば体操・YOSHIRO SOCKS・ハルメク靴開発者。元医療法人社団一般病院理事・副院長・診療部長。専門は運動生理学と解剖学。足と靴の専門家でもあり、姿勢咬合治療の第一人者でもある。様々な整形疾患の方(10万人以上)を足指治療だけで治してきた実績を持つ。東京大学 石井直方 名誉教授の弟子でもある。

2013年7月3日に西日本新聞に掲載
目次

足裏の「タコ」は削っても再発する?

「歩くと足の裏が痛い」

そう訴えて来院される方の多くに見られるのが、足裏のタコです。

一般的には、皮膚科やサロンで削ったり、柔らかくする薬を塗ったりしますが、しばらくするとまた同じ場所にできてしまう。Mさんもその一人でした。

実はこの「繰り返すタコ」、根本原因は 靴の履き方 にあります。

座って靴ひもを結ぶと「足が滑る」

体重をかけながら紐を通す

多くの方がやってしまうのが、座った状態で靴ひもを結ぶこと。

座ると足の甲が高く見えますが、立つと体重がかかり、甲の高さは低くなります。

その状態で歩き出すと、靴ひもが緩んでしまい、靴の中で足が前に滑ります。

結果として、足裏に摩擦がかかりタコができやすくなるのです。

さらに滑る足を踏ん張ろうとすると、足指が強く曲がり、屈み指(ハンマートゥ)を招いてしまいます。

正しい靴ひもの結び方

Mさんには、次のような方法を指導しました。

  • 片膝を立て、中腰で体重をかけながら靴ひもを結ぶ
  • 靴ひもをしっかり上まで締めて、足と靴を一体化させる

これだけで靴の中の滑りがなくなり、足裏のタコは再発しなくなりました。

靴べらを使う習慣が「かかと」を守る

靴べらを使って履くと踵が潰れない

さらに重要なのが 靴べらの習慣 です。

Mさんの靴は、かかと部分がつぶれていました。これは靴を手で押しつぶすように履いていたためです。

かかとは骨を支える「背もたれ」の役割を持ちます。ここが壊れると靴の安定性は一気に失われます。

  • 靴べらを使えば靴が履きやすい
  • かかとがつぶれないので、靴の寿命も伸びる
  • 足全体の安定性も確保できる

例えば、5千円の靴を半年ごとに履きつぶすのと、2万円の靴を2年間履くのでは、出費は同じでも体への影響は大きく違います。

「靴の履き方」が健康を左右する

どんなに良い靴を買っても、履き方が間違っていれば意味がありません。

Mさんは靴の履き方を見直しただけで、長年悩んでいた足裏のタコが完全に消えました。

足指の健康は、靴選びと履き方で大きく変わります。

ひろのば体操」や「YOSHIRO SOCKS」で足指を正しく使える状態に戻しつつ、正しい靴習慣を身につけることが、足と体を守る第一歩です。

まとめ

  • 足裏のタコは「摩擦」と「滑り」が原因
  • 座って靴ひもを結ぶと、歩行中に緩んで足が滑る
  • 中腰で体重をかけて靴ひもを結ぶことで、再発は防げる
  • 靴べらを使う習慣が「かかと」と足の安定を守る

タコは「削る」よりも「習慣を変える」ことが大切です。

今日からぜひ、靴の履き方を見直してみてください。

足指への3つのアプローチ

— ただし、順番があります

私は2006年以降、病院における臨床の場で、体操・靴下・歩き方・靴の指導を中心に、足指の変形や機能不全、そしてそれに関連する整形外科的な不調に対する対応を行ってきました。

外反母趾、内反小趾、かがみ指、浮き指、寝指、足趾機能不全に加え、膝・腰・股関節・姿勢といった問題についても、足指からの介入を軸に経過を観察してきた臨床の積み重ねがあります。

これは理論だけの話ではありません。長年にわたる臨床数と経過、データの蓄積の中で、「動かす・保つ・使い続ける」という視点が共通して重要であることが整理されてきました。

その結果として、ここで紹介しているひろのば体操・YOSHIRO SOCKS・YOSHIRO WALKという3つのアプローチに集約されています。

1. ひろのば体操

足指を「動かして」広げて伸ばす

ひろのば体操は、足趾機能不全によって低下しやすい足指の可動性や感覚入力を取り戻し、足指が本来の動きを発揮しやすい状態をつくることを目的に考案された体操です。

外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指など、足指がうまく使われにくくなっている状態に対して、日常で取り入れやすいアプローチの一つです。

2. YOSHIRO SOCKS

広がって伸びた足指を「保ち続ける条件」をつくる

YOSHIRO SOCKSは、足の中で起こりやすい「滑り」「指の押し込み」「アーチの崩れ」といった足元環境のストレスに着目し、

  • 足指が広がりやすい
  • 足指が伸びやすい
  • 足裏のアーチが保たれやすい

足元環境を整えることを目的に設計された靴下です。外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指・足趾機能不全など、足指の使われ方が関与するケースで検討される選択肢の一つです。

3. 小股歩き

日常動作の中で、足指が“使われ続ける”状態をつくる

小股歩きは、歩幅を抑えることで足指を感じながら地面を捉えやすくする歩き方です。

体操や足元環境の見直しと組み合わせることで、足指に関わる筋活動が起こりやすい条件をつくる考え方として紹介しています。

無理なく続けられる形を選んでください

・体操から始める人

・足元環境から見直す人

・両方を組み合わせる人

どれか一つに決める必要はありません。足指の問題は、方法よりも「続けられる条件」が大切です。


まず迷っている方へ

— どれから始めるか迷ったら、ここを基準にしてください —

  • 体操が続かなかった人
  • 歩き方を意識する余裕がない人
  • 靴をすぐに変えられない人

この場合は、

② YOSHIRO SOCKS(足元環境を整える) から始めるのが現実的です。

足指は「動かす前に、使われる環境」が整わないと戻りやすいため、

まずは日常の中で 足指が使われにくい状態を減らす ことが優先されます。


すでに体操ができている方へ

① ひろのば体操 + ② YOSHIRO SOCKS

動かした足指を、そのまま保てる条件が重なることで、

足指が使われやすい状態が続きやすくなります。


余裕が出てきた方へ

③ 小股歩き を組み合わせることで、 日常動作の中でも足指が“使われ続ける”条件が整っていきます。

※どれか一つを「完璧にやる」必要はありません。

足指の問題で大切なのは、無理なく続けられる順番を選ぶことです。

次に知りたいことを選んでください

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