【医療監修】人工関節は「最終解決」なのか?― 変形性膝関節症の手術で見落とされがちな“その後”の構造

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はじめに

こんにちは。足指研究家の湯浅慶朗です。

変形性膝関節症(膝OA)が進行すると、

多くの方が一度はこう言われます。

「もう人工関節しかありません」

「ここまで来たら手術が一番です」

痛みが長く続けば、

そう言われると安心する気持ちも理解できます。

では本当に、

人工関節は“最終解決”なのでしょうか。

人工関節で「何が解決されるのか」

まず整理しておきたいのは、

人工関節手術で解決されるのは

膝関節の形状そのもの です。

・変形した関節面を置き換える

・骨同士の直接的な摩擦を減らす

・可動域を確保する

これらは、

あくまで 局所の構造置換 です。

置き換えても「力の流れ」は自動では変わりません

ここが最も重要なポイントです。

人工関節を入れても、

・立ち方

・歩き方

・重心の偏り

・足元の使い方

が変わらなければ、

膝にかかる力の方向はそのまま です。

つまり、

壊れた部品を新品に替えただけ

設計図は同じ

という状態になります。

術後に起きやすい「次の問題」

臨床でよく見られるのが、

・反対側の膝が痛くなる

・股関節や腰が痛くなる

・歩き方が不自然になる

といったケースです。

これは、

膝単独で解決しようとした結果

力の逃げ場が別の場所に移った

と考えると、非常に分かりやすいです。

人工関節=ゴールではなく「分岐点」

人工関節は、

「終わり」

ではなく

「その後の身体の使い方次第で結果が分かれる分岐点」

と捉える方が現実的です。

術後に、

構造を見直す人

見直さない人

で、経過は大きく変わります。

手術は

「痛みをゼロにする魔法」

ではなく、

生活を立て直すための“再スタート地点”です。

「成功例」と「不満例」の差はどこにあるか

同じ手術を受けても、

・とても満足している人

・違和感が残る人

・他が痛くなる人

に分かれます。

この差は、

手術の腕

年齢

体重

だけでは説明できず、

術後の身体の使い方(力学環境)が影響している

可能性があります。

足元を変えずに膝だけ直す限界

膝OAの背景には、

足部アライメント

足指機能

重心制御

があります。

この構造については、

以下の記事で詳しく解説しています。

▶︎【医療監修】足部アライメントが膝を壊す本当の理由― 踵骨・扁平足・回外足から読み解く変形性膝関節症の構造 ―

▶︎【医療監修】変形性膝関節症で下腿骨はなぜ傾くのか?― O脚・X脚を作る“本当の構造的原因”とは ―

▶︎【医療監修】体重よりアライメントが重要な理由― 体重管理だけでは変形性膝関節症が止まらない構造的背景

人工関節を入れても、

これらがそのままであれば、

膝以外に負担が移る

違和感が残る

という結果になりやすくなります。

「手術を否定する話」ではありません

ここで誤解してほしくないのは、

人工関節=悪

という話ではないことです。

・痛みが強い

・日常生活が著しく制限されている

・他の選択肢が現実的でない

こうした場合、

人工関節は有効な選択肢です。

ただし、

万能ではない
すべてを解決するものではない

という事実を知った上で選ぶ必要があります。

手術後にこそ必要な「構造の再教育」

本当に重要なのは、

手術をするかどうか

ではなく

手術後にどう身体を使うか です。

特に、

足指が使えているか

踵に逃げすぎていないか

内外に偏っていないか

こうした点は、

術後ほど重要になります。

「人工関節を入れたから安心」ではない

人工関節は、

痛みを軽減する手段

生活を再スタートさせる装置

ではあります。

しかし、

それをどう使うか

どんな力をかけ続けるか

で、

未来は変わります。

まとめ|人工関節は「答え」ではなく「選択肢の一つ」

  • 人工関節は局所の置換
  • 力の流れは自動では変わらない
  • 術後に別の痛みが出ることもある
  • 成功の差は構造理解にある
  • 足元を無視した解決は存在しない

人工関節を考える前にも、

考えた後にも、

身体全体の構造をどう使うか

この視点を持っておくことが、

後悔しないための最も重要なポイントです。

足指への3つのアプローチ

— ただし、順番があります

私は2006年以降、病院における臨床の場で、体操・靴下・歩き方・靴の指導を中心に、足指の変形や機能不全、そしてそれに関連する整形外科的な不調に対する対応を行ってきました。

外反母趾、内反小趾、かがみ指、浮き指、寝指、足趾機能不全に加え、膝・腰・股関節・姿勢といった問題についても、足指からの介入を軸に経過を観察してきた臨床の積み重ねがあります。

これは理論だけの話ではありません。長年にわたる臨床数と経過、データの蓄積の中で、「動かす・保つ・使い続ける」という視点が共通して重要であることが整理されてきました。

その結果として、ここで紹介しているひろのば体操・YOSHIRO SOCKS・YOSHIRO WALKという3つのアプローチに集約されています。

1. ひろのば体操

足指を「動かして」広げて伸ばす

ひろのば体操は、足趾機能不全によって低下しやすい足指の可動性や感覚入力を取り戻し、足指が本来の動きを発揮しやすい状態をつくることを目的に考案された体操です。

外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指など、足指がうまく使われにくくなっている状態に対して、日常で取り入れやすいアプローチの一つです。

2. YOSHIRO SOCKS

広がって伸びた足指を「保ち続ける条件」をつくる

YOSHIRO SOCKSは、足の中で起こりやすい「滑り」「指の押し込み」「アーチの崩れ」といった足元環境のストレスに着目し、

  • 足指が広がりやすい
  • 足指が伸びやすい
  • 足裏のアーチが保たれやすい

足元環境を整えることを目的に設計された靴下です。外反母趾・内反小趾・屈み指・浮き指・寝指・足趾機能不全など、足指の使われ方が関与するケースで検討される選択肢の一つです。

3. 小股歩き

日常動作の中で、足指が“使われ続ける”状態をつくる

小股歩きは、歩幅を抑えることで足指を感じながら地面を捉えやすくする歩き方です。

体操や足元環境の見直しと組み合わせることで、足指に関わる筋活動が起こりやすい条件をつくる考え方として紹介しています。

無理なく続けられる形を選んでください

・体操から始める人

・足元環境から見直す人

・両方を組み合わせる人

どれか一つに決める必要はありません。足指の問題は、方法よりも「続けられる条件」が大切です。


まず迷っている方へ

— どれから始めるか迷ったら、ここを基準にしてください —

  • 体操が続かなかった人
  • 歩き方を意識する余裕がない人
  • 靴をすぐに変えられない人

この場合は、

② YOSHIRO SOCKS(足元環境を整える) から始めるのが現実的です。

足指は「動かす前に、使われる環境」が整わないと戻りやすいため、

まずは日常の中で 足指が使われにくい状態を減らす ことが優先されます。


すでに体操ができている方へ

① ひろのば体操 + ② YOSHIRO SOCKS

動かした足指を、そのまま保てる条件が重なることで、

足指が使われやすい状態が続きやすくなります。


余裕が出てきた方へ

③ 小股歩き を組み合わせることで、 日常動作の中でも足指が“使われ続ける”条件が整っていきます。

※どれか一つを「完璧にやる」必要はありません。

足指の問題で大切なのは、無理なく続けられる順番を選ぶことです。

次に知りたいことを選んでください

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