はじめに
株式会社グラッドデザイン(足指研究所)は、2006年の創業以来、「人の暮らしに寄り添うものづくり」を軸に活動してきました。
その理念は製品だけに留まらず、社会や地域医療への支援にも形を変えて息づいています。今回は、その中でも特に重要な取り組みとして、医療法人への資金的支援についてご紹介します。
地域医療の危機に直面して
2021年から2022年にかけて、地域医療を担うある医療法人が、
経営難により事業の継続が困難な状況に陥っていました。
当時、その法人は通所リハビリ施設の開設準備を進めていましたが、
資金調達が難航し、このままでは医療提供そのものが止まる可能性がありました。
地域の患者さんにとって、それは“通院の場を失う”という意味でもあり、
スタッフにとっては“生活基盤を失う”ことを意味していました。
「止めない」ための決断
そうした状況を受け、当社代表・湯浅慶朗は、
理学療法士としてその現場を熟知する立場から、
法人の要請を受けて複数回にわたる資金的支援を決断しました。
これは単なる経済的取引ではなく、
「医療を止めない」「地域を守る」という信念に基づいた緊急的な社会的行動でした。
必要とされるタイミングで、返済条件を問わず、
すぐに資金を動かすことで、
通所リハビリ事業は無事に立ち上がり、
地域の患者さんが継続して治療を受けられる環境が守られました。
返済を求めなかった理由
一部の支援は返済を受けずに終了しました。
また、一部は湯浅個人が法人の債務を引き受ける形で対応しました。
それは、経営的な利益を度外視した選択でしたが、
「誰かの生活と医療が守られるなら、それでいい」と思えたからです。
企業としての数字よりも、
“現場の命”を守ることを優先する勇気こそが、
グラッドデザインの理念を象徴しています。
利益なき支援に、意味はあるのか?
私たちは創業当初から、こう考えています。
「目的なき利益に、意味はあるのか?」
企業の資産も、人の時間も、社会の中で循環してこそ生きる。
この支援はまさに、その理念を形にした行動でした。
グラッドデザインは、
単なる製品メーカーではなく、「社会の呼吸を支える企業」でありたいと考えています。
足元から支えるという原点
リハビリ・医療・姿勢・足指の研究を通じて、
私たちが辿り着いた結論はひとつです。
「支えること」とは、支え合うこと。
資金的な支援も、社会的な循環の一部です。
YOSHIRO SOCKSの売上の1%を寄付しているのも、
その理念の延長線上にあります。
これからも、社会の“足元”を支えるために
この経験を通じて学んだのは、
「人を助けることは、同時に自分を支えることでもある」ということです。
医療の現場も、ものづくりの現場も、
人の手と心がなければ成り立ちません。
私たちはこれからも、
目の前の誰かの“生きる力”を守るために、
できることを続けていきます。

