足指ドクターによる解説

YOSHIRO YUASA
湯浅慶朗
理学療法士(Physiotherapist)、足指博士、足指研究所所長、日本足趾筋機能療法学会理事長、ひろのば体操・YOSHIRO SOCKS・ハルメク靴開発者。元医療法人社団一般病院理事・副院長・診療部長。専門は運動生理学と解剖学。足と靴の専門家でもあり、姿勢咬合治療の第一人者でもある。様々な整形疾患の方(10万人以上)を足指治療だけで治してきた実績を持つ。東京大学 石井直方 名誉教授の弟子でもある。

はじめに|新聞掲載で注目された「足育」
2013年5月22日付の西日本新聞「お茶の間学」欄にて、私・湯浅慶朗の足育への取り組みが紹介されました。
テーマは「足指を伸ばすことで腰痛・膝痛を改善できるのか?」。
この記事では、実際に80代女性が足指アプローチで回復した実例をもとに、腰痛・膝痛の改善と「足育」の重要性を解説します。
足の“土台”が崩れると体全体が痛み出す
私たちの体は「足」を土台にして成り立っています。
足指の変形や機能低下が起こると、その土台が不安定になり、結果として腰や膝に痛みが出てしまうのです。
よく見られる足指の変形

足の親指が外側(小指側)に向かって曲がる状態を指します。

足の小指が内側(親指側)に向かって曲がる状態のことを指します。

指が下向きに曲がりっぱなしで伸ばすことができない状態のことを指します。

親指が他の指の爪と比べて上方向に曲がって浮いてしまう状態を指します。

小指が地面から浮いてしまう状態を指します。そのほかの指にも見られることがあります。

指の爪が横を向いている状態のことを指します。特に小指や薬指に多く見られます。
80代女性が実践した“ひろのば体操”の効果
記事で紹介されたのは、膝痛と腰痛に長年悩んでいた80代女性。
3ヶ月間、毎日「ひろのば体操」を継続した結果──

- 足指の接地感が戻り、歩行が安定
- 膝や腰の負担が軽減
- 痛みが大幅に改善
高齢者でも無理なく実践できることが、大きなポイントです。
改善のカギは「ひろのば体操」と足指の再教育
ひろのば体操とは?
足指を反らすようにして伸ばし、アーチを整える体操です。
- 難しい運動は不要
- 自宅で手軽にできる
- 高齢者や運動が苦手な方にも向いている
チェック方法とサポート
記事では以下の方法も紹介されています。
- 2人1組で行うバランステスト
- 輪ゴムを使った足指トレーニング
社会的な意義──足育は未来の健康を守る
「足指を整えることは、社会課題の解決につながる」
私はそう考えています。
- 高齢者の転倒・寝たきり予防
- 子どもの姿勢や運動能力の育成
- 働き盛り世代の慢性不調改善
足指からのアプローチ=足育は、これからの医療・教育・介護にとって欠かせない考え方です。
まとめ
・足育は社会全体の健康づくりにつながる
・足指の変形が腰痛・膝痛の大きな原因になる
・「ひろのば体操」で足指を伸ばすだけで体は変わる
・実際に80代女性も3ヶ月で改善