乳幼児の姿勢・咬合の関連性に関する研究

2016年に東京都内の歯科医院にフットケアセンターを併設し、研究をスタートさせました。赤ちゃんの姿勢を改善させることで歯並びが悪くならないようにしていくことが目的で、医療関係者と連携して1年かけて調査を実施。姿勢の悪い保護者の方に歯並びが悪い子が多いことが調査のきっかけ。保護者の方の足指を広げ安定して立てるようになることで姿勢が良くなり、赤ちゃんの顎の発育不全が変わった症例を持つ理学療法士である私と、姿勢を正して噛み合わせや歯列矯正を行う歯科医師と一緒に実態を調べ、改善策を探ることにしました。

赤ちゃんの姿勢と歯並び

歯科医院付属フットケアセンター

 

歯並びやかみ合わせに、足指は関係がないと考えている方がほとんどだと思います。しかし下の顎が正しい位置になければ、いくら歯並びが良く見えても、それは正しいかみ合わせとも言えません。このことをニュートラルポジションと言います。ニュートラルポジションとは、骨が本来あるべき位置にあり、足元の骨格構造にゆがみがない状態をニュートラルポジション(正中位)といいます。関節や靭帯、筋肉への負担が最小限であり、各機能が発揮し易く、全身のバランスが取れているポジションのことです。筋肉を正しく使うということは、中に通っている血管やリンパ管が圧迫やねじれを伴うことなく、血液やリンパ液の流れがスムーズで、体中に栄養と酸素が十分に供給され、老廃物も排出しやすくなります。このことにより乳幼児の正しい成長発育を促し、顎顔面や下の顎をよりスムーズに発達させることで歯並びやかみ合わせを改善させていくことができるのです。このニュートラルポジションを、無意識で維持できる様ように靴・靴下・インソールによって足指を調整し、理想的な姿勢に戻すことができます。

赤ちゃんの抱き方

丸く抱くことが基本

 

生後3ヶ月までは間違った姿勢でも空気は気道、食べ物は食道に入るようにできているので、飲み込みや呼吸に異常が出ることがありません。しかし3ヶ月目以降に湿疹・ぜん息・アトピー・アレルギー・中耳炎など様々な問題が生じてきます。さらには口呼吸や低位舌や狭窄歯列を引き起こすこともあるのです。背骨のS時カーブをご存知でしょうか。生後3ヶ月までは赤ちゃんは背中と首が丸い状態です。成長に合わせながら歩き始めるまで丸く抱いてあげる。そうすると正しい姿勢、呼吸、飲み込みができる状態で成長していきます。カラダを反らせる、よく泣く、ミルクを上手に飲めない、泣き声が弱い、食べ物を吐いたりすぐにむせる、夜中に何度も起きてしまうのには抱き方や寝かせ方に原因があるのかも知れません。

赤ちゃんの抱き方が正しい人の割合:18%0%

赤ちゃんの寝かせ方

寝かせ方も一工夫

 

抱き方と同じで生後3ヶ月までは間違った姿勢でも空気は気道、食べ物は食道に入るようにできているので、飲み込みや呼吸に異常が出ることがありません。赤ちゃんはアゴが上を向いた状態で寝ると体が反ってくるので、口呼吸や低位舌を起こしやすくなります。理想的なのは上むきで眠れるようになることです。片側方向だけで抱っこや授乳をさせていると、向きグセがついてしまい、寝る時に横向きの姿勢になりやすくなります。唾液が多い状態だから良いという方もいますが、飲み込めなくてよだれが出すぎるのとは違います。さらにはアゴが上を向いた状態だと、空気の通り道である気道も狭くなり、赤ちゃんの泣き方が弱くなったり、呼吸が弱いとか、顔色が悪いのも、舌の短縮ではなくて、その大元の姿勢の影響が大きいと考えています。

赤ちゃんの寝かせ方が正しい人の割合:7%0%
上向きで寝ることができる子どもの割合:12%0%

授乳姿勢

母乳でもミルクでも抱きながら

 

歯並びは授乳方法にも関係があります。生後3ヶ月までは横抱きのまま授乳させます。これは首が座っていないためです。生後3ヶ月以降では首が座ってきて、口蓋のところにある2つある弁が1つになりますから、横向きのままだと飲み込みがしにくくなります。母乳を吐いたり、上手におっぱいが吸えないのは授乳姿勢にも原因があります。基本的に口を大きく開けることと、おっぱいを強く吸うことによってアゴが発達してきて歯型が整うようにできていますので、顎の筋肉を使うことが大切なのです。さらには噛むことで出てくる刺激時唾液が出にくくなり、口呼吸のままであると抗菌力を失い、虫歯や歯周病の原因を作り出してしまいます。母乳でも頭が反った状態のまま授乳をさせていると、うまく口の筋肉が使えず唇が発達しないので、富士山のような山形の唇になりやすいです。

歯の隙間

お子さんのお口の中では、乳歯から永久歯への交換という、とても大規模な変化が訪れます。その際、永久歯への移行を少しでもスムーズに達成するため、歯と歯の間に隙間が適切な時期に、適切な量だけ生じることで、歯の交換がスムーズに進み永久歯が綺麗に並んでいくのです。矯正治療により歯だけを並べても、悪い姿勢・口呼吸のままであると、矯正した歯並びも元の状態に戻ってしまう可能性があります。その特徴が「狭窄歯列:歯と歯の間に隙間がない状態」であり「平顔:のっぺりした顔立ち」です。理想的な「隙間」と「深顔:彫りの深い顔」を目指すために、本来の「呼吸」と「姿勢」を取り戻すことが必要なのです。

狭窄歯列の割合

歯と歯の間に隙間がない子どもの割合:99%0%

3歳の子どもがすでに姿勢が悪い

姿勢が悪くなることで顎の発育不全が起こりやすくなり、永久歯が綺麗に並びにくくなります。顎の上部に存在する鼻腔(息の通り道)の発達にも影響を与え、鼻炎やアレルギーなどの鼻疾患や鼻で呼吸がしにくい状態になります。姿勢が悪かったり鼻で呼吸がしにくいと自然と常に口をポカンとあけて口呼吸をするようになります。理想的な姿勢だった子供の割合は1%未満。3歳以上のほとんどの子供に姿勢の異常がありました。姿勢の異常は、歯並びだけでなく健康そのものに影響を及ぼします。姿勢が悪いため、落ち着いて椅子に座ったり、姿勢良く座ることができなくなっています。

不良姿勢の子どもの割合:99%0%
正しい姿勢で椅子に座れない子どもの割合:95%0%

頰つえによる歯列の圧迫

姿勢が悪くなるとうつぶせ寝や横向き寝でしか眠れなくなります。また座っている時に頬つえをつくようになります。それにより歯を圧迫し、歯並びや噛み合わせを悪くする可能性があります。良い姿勢を保つことは、理想的な歯並びや噛み合わせのためには大切なことなのです。

頰つえをつく子どもの割合:76%0%

靴の履き方が大切

赤ちゃんの頃に正しい姿勢で抱けなかった子どもは、そのまま成長して姿勢が悪いままとなってしまいます。しかし人は歩くことで「人間本来の姿勢」を取り戻す役割があります。ですから良い姿勢に戻していくためには「正しい足ゆびのケア」と「靴の履き方」が大切なのです。

理想的な靴を履いている子どもの割合:4%0%
正しい靴の履き方ができている子どもの割合:2%0%
理想的な中敷を使用している子どもの割合:2%0%

踵重心は歩き方や姿勢に影響する

歩き始める1歳半より「靴や靴下」の影響も受け、踵重心が進行し始めます。踵重心のままだとバランスが悪くなってしまい、体のバランスを取るために重要な「足指」が使えなくなってしまいます。そのために歩き方や姿勢が悪くなり、理想的な成長が妨げられてしまうのです。その結果、歯並びが悪くなるだけでなく、運動能力が低下したり、上手にしゃべれなかったり、引きこもりがちな性格となってしまう可能性があるのです。

すべての足指が地面に着地している子どもの割合:0%0%
スキップが上手にできる子どもの割合:22%0%
理想的な前方重心の子どもの割合:1%0%

足指のパーができない子どもが急増

踵重心のまま歩いていると次第に足指の機能が失われていきます。そして3歳頃には足ゆびの「パー」ができない子どもが急増しているのです。さらには足ゆびの変形が進行し、外反母趾だけでなく「浮き指」や「かがみ指」が目立つようになっています。

綺麗にパーができる子どもの割合:6%0%
足指が変形している子どもの割合:100%0%

予防は乳幼児期から

乳幼児期に間違った「抱き方」「授乳の方法」「寝かせ方」「靴の履き方」により姿勢が悪くなると、理想的な鼻呼吸ができなくなり、顔の発達が未熟のまま育ってしまいます。その結果、顎の発育不全により歯と歯の間の隙間が狭くなり、永久歯が生える場所が少なくなってしまい、歯並びが悪くなります。その予防は乳幼児期から行なっていくととてもラクに矯正していくことができます。

 

姿勢により噛み合わせは大きく変わっていきます。様々な環境要因が原因となって姿勢は崩れます。母親の抱き方・授乳姿勢・睡眠時姿勢・離乳食・椅子の高さと形状・歩き方・靴の履き方などを変えていくことにより、人間が本来あるべき理想姿勢に戻し、口腔機能(正しい呼吸と嚥下)が向上し、子供に限らず成人においても咬合・歯列の成長を促すことができます。ゆあさ式予防矯正は基本的には、なるべく「道具を使わず」に、咬合・歯列を悪くならないようにしていくことを目指しています。

ゆあさ式予防矯正

反対咬合

正しい姿勢を獲得することで矯正治療を加速度的に変化させ、後戻りを予防します。10歳で上顎の発達は完成されますが、筋肉の発達・骨代謝は半永久的に続きます。トレーニングにより下の顎を正し位置に戻すことで顎顔面・顎の発達を促すことができます。

開咬

永久歯が生え揃ってくると歯を抜いて矯正を行うようになります。しかし正しい成長を促してあげることで、本来の顎の発達に追いつき歯並びが変わることがあります。大切なことは成長にキャッチアップさせていき、正しい姿勢から噛み合わせを作ることで本当の意味での健康を取り戻すことができるようになります。歯並び矯正をしている方も、今の治療に併用させていくことで後戻りを最大限に予防することができます。

狭窄歯列

難しい症例であっても足と姿勢にアプローチを加えることで理想的な歯並びに変えることができます。歯並び=健康というわけではありませんが、正しい足と姿勢と呼吸を取り戻した状態であれば、ホリスティック医学の観点から全身的な健康に近い状態となります。

NHKガッテンに出演

2017年に行われた保育園等との共同研究により、ひろのば体操による効果をさらに検証を重ね、ひざ痛や腰痛などの関節の痛みにも効果があることがわかりました。猫背や反り腰、O脚やX脚などの変形にも改善効果を発揮し、姿勢が改善することによる口呼吸率の低下も実証することができました。その検証結果は2018年のNHKガッテンにも取り上げられたほどです。2019年にはNHK BS プレミアム 美と若の新常識でも特集が組まれるほど高い評価を得ています。

共同研究施設

東京大学スポーツ先端科学研究拠点

2016年5月設置。東京大学において蓄積されてきた学術成果を基盤としつつ、健康寿命の延伸、障がい者のQOL向上、アスリートの競技力向上などの社会的課題に分野横断的に取り組むことで、学術成果を人類社会に還元することを目指す。研究者数52名。

YOSHIRO STUDIO

スポーツ&ウェルネス統合研究拠点として当初より産学連携を重視し、直近5年間では国際医療福祉大学院・保育園・歯科医院との共同研究に取り組んできた。足指-姿勢咬合理論の最先端科学の研究を行い、医科・歯科・保育の連携を目指し、医療従事者を中心として人材育成を行なっている。

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