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草履が健康に良いわけではない。一般常識のウソとホント

中学生の外反母趾(がいはんぼし)の割合は約7%で、「予備軍」も含めると女子は全体の6割で10年前の2倍以上に増えている――そんな結果が埼玉県立小児医療センターの佐藤雅人副院長(小児整形外科)らの調査で出た。男子でも患者や予備軍が約4倍の5割と急増。

ハイヒールが外反母趾の原因ではない

 

大人の場合は、窮屈な靴で足を締め付けることや、指が曲がりやすい体質などが原因とされている。だが、子どもの場合は、ハイヒールなどの窮屈な靴を履く機会は少ない。調査では男女とも、外反角と体の成長などとの間に関連もみられなかったことから、「小さい頃から運動不足だと、足が扁平(へんぺい)足になり内側に力がかかって外反母趾になりやすい」とみている。

外反母趾の発生予防に「鼻緒のついた草履や下駄」を推奨するところが増えていますが、本当に足にとってよいのでしょうか。足に悩みを抱えている人や健康意識の高い人に、草履や下駄をはいて生活をしている人が少なくありません。

鼻緒がついているため、親指と人差し指の間が離れて、一見外反母趾に良さそうに見えます。最近では、足育を積極的に取り入れている保育園や幼稚園でも履かせているところが増えてきました。しかしそれは足に何の問題も抱えていない状態であればの話です。

 

草履=健康は間違い

 

草履が足に良いとされる理由が足の土踏まずの形成です。また足指の力が強くなることがメリットですが、それはぎゅっと指先に力を入れるためです。浮指はなくなっても、屈み指や寝指を助長しますので、かかと重心になり足裏全体で体を支えることができません。

また私の研究では土踏まずが形成されるわけではありません。草履を履くと小指の機能が低下するので、足は外側に倒れてしまいます。専門用語で回外足といいますが、体重を外側にかけて立って見ると分かります。見かけ上アーチができたように見えますが、それは足が外側に倒れて土踏まずの部分が上がっただけに過ぎません。

しかも寝指や屈み指によって足裏のアーチが崩れて、開帳足になって足の幅が広がってしまうので外反母趾を悪化させる可能性もあるのです。指に力を入れる=指を鍛える=健康というイメージがありますが、これは大きな誤解なのです。

 

履物の起源を考えれば答えはカンタン
 

 

そもそも履物の歴史は、地位や身分を示すものとして使用されたことが始まりです。日本でも奈良時代のころに伝来し、農業など作業用として普及しましたが、日常的に履く履物として使用されることはありませんでした。時代とともに簡素化され、平安時代から現在の鼻緒式の形になったとされています。

実は使用する場合は草履や下駄には足首を固定するものがついており、足が滑ることがなかったのです。もし草履をはく場合でも、足首をしっかりと固定するものがついているものにしてみてはいかがでしょうか。子供の場合、親指と人差し指足の骨がきちんと形成されるまでは足首を固定するタイプがおすすめです。大人の場合でもアスファルトが多い現代では、真っ直ぐで薄い靴底では足に衝撃が強すぎます。弱い足を支えるには、草履は不向きなのです。

この写真を見てわかるかと思いますが、実用性としては足首を固定させて歩いています。

 

研究でも明らかにされていますが、草履しかはいたことがないにも関わらず、外反母趾になってしまったという人は少なくありません。仕事や趣味でどうしてもはかざるを得ない人は、草履や下駄を脱いだ後に、ひろのば体操で足指をケアしていきましょう。

 

何でもかんでも昔の人が使っていたものが健康にとって良いと言って、安易に真似をするのは危険です。昔と今では使い方も形も違いますから、「昔の人が使っていたから健康に良い」ということはありません。ましてや履物は履かないに越したことはなく、昔の人が全て健康だったというわけではありません。すでに紀元前3000年頃の初期王朝時代から腰痛があったという記述があるわけですから、座っていた椅子や履物に原因もありそうですね。

 

健康にとって良い履物は?

 

結論から言うと「ありません」。

外反母趾用の靴でも、扁平足用の靴でも、はっきり言えば足にとっては良くありません。健康にとっても良くないと言うことです。健康に良い靴は存在せず、裸足に勝るものは未だかつてこの世には出てきていません。

みなさんに考えて欲しいのは、足を良くすることも大切ですが「予防」することが一番重要なのです。どんな履物でも構いません。しっかりと固定できるものを選びましょう。固定できるもの=スニーカーは間違い。よく勘違いされますが、足の変形はよほどの圧迫が長時間・長期間続かない限りは起きません。仕事で1日中ハイヒールを履くとしてもせいぜい12時間程度。残りの12時間できちんと足のケアを行えば、一生健康にハイヒールだって履けます。

スニーカー:紐をしっかり締める+自分の足より1.0cm大きいものを選ぶ

ブーツ:足の甲のラインを合わせる+自分の足より0.5cm大きいものを選ぶ

ハイヒール:幅の細めのものを選ぶ(日本人の平均は76mm)+自分の足のサイズと同じものを選ぶ

 

足のケアはどうすれば良い??

 

色々あります。

1 家の中は「ハダシ」で過ごす

2 「ひろのば体操」を1日1回やってみる

3 寝ている時に「姿勢が良くなる靴下」を履いてみる

4 炊事の時など立っている時に「足指元気くん」を10〜15分装着

5 お風呂の中やお昼休みなどに「足指のパー」の練習をする

6 靴の中敷を「姿勢が良くなる中敷」のような滑らないものに変える

7 口腔内環境を清潔にしておく:間接的に関係があります

8 姿勢に合わせて枕の高さを合わせる:間接的に関係があります

9 ふくらはぎをストレッチする:間接的に関係があります

他にも色々ありますが、これだけでも大変です。

 

ひろのば体操って?

足指の変形には「ひろのば体操」をオススメしています。下記サイトに正しいやり方の動画をアップしています。やり方によって効果が大きく異なるので、良く見ながらしっかりと真似をして見て下さい。1日1回5分〜なのでカンタンに始められます。

 

歯並びとどう関係があるの?

 

一般的に「口呼吸」と「低位舌」が歯並びに大きな影響を与えています。間違った呼吸は感染症を起こしやすくするだけではなく、「上顎」や「下顎」の発達を妨げると言われています。開口癖、口呼吸により上顎および鼻腔は狭く、高口蓋になるとWilliam R. Proffitも記載( 新版プロフィットの現代矯正歯科学 :137-138 (2004) 医歯薬出版) しています。しかしここで考えなければならないのは、「なぜ口呼吸になるのか」です。ほとんどの方は無意識に口呼吸になっていて、自分では気づかないもの。もし無意識に誰もが「鼻呼吸」できていれば、不正咬合や不正歯列を予防できるのではないかと考えています。

つまり猫背や反り腰になることで脊柱のアライメント(バランス)が崩れてしまいます。アライメントが崩れることで下顎が後ろに牽引されて口が開きやすかったり(反応性の開口)、上気道の閉塞が起こることで鼻での酸素摂取量が低下します。酸素摂取量が低下すると代償的に口で呼吸することで酸素摂取量を上昇させます。これが結果として「口呼吸」にもつながります。

下顎の後方への牽引は「下顎後退」もしくは「過蓋咬合」の原因にもなりますので、脊柱アライメントをニュートラルポジションに戻すことは結果として歯列矯正を行う上で再発を予防したり、矯正速度を早くすることも可能となります。

また、反応性の開口により口唇閉鎖力は低下。このことがオーバージェット(出っ歯)の原因になることもあります。さらには脊柱のアライメントの崩れは舌筋(舌骨に付着)が舌骨下筋群に牽引されるため結果として低位舌となり、オープンバイトの原因にもなり得るのです(詳細はセミナーで…)。

もっといえば咬筋は口輪筋に付着していますが、口輪筋は広頚筋に付着しています。脊柱アライメントの崩れは広頚筋を牽引するため、結果として咬筋が過緊張を起こし、咬筋・口輪筋で歯列を圧迫していき、最終的に「狭窄歯列」を引き起こしやすくなります(詳細はセミナーで…)。

 

草履を履くと脊柱アライメントが崩れる

 

では草履がどうして脊柱アライメントに関係しているのか。それは草履を履くことで「踵重心」になるからです。さらには小指が使えなくなるためガニ股となって骨盤は開きます。左右対称にガニ股になれば良いですがほとんどの方は左右非対称です。左右非対称であれば側湾症の原因となり、頭蓋の傾きによる咀嚼癖を引き起こす原因となります。頭蓋の傾きはTCH・TMD・狭窄歯列・偏側のオープンバイトなどの原因にもなるので注意が必要です。

つまり、草履を履くことを土踏まずの形成だけに目を向けず、体全体を見て良いかどうかを判断した方が賢明ということです。短期的な結果として運動能力を向上させたり、見かけ上の土踏まずの形成と見せたりすることはできても、姿勢を悪くすることでの弊害も大きいことを知る必要があります。

この子は草履が健康にとって良いと思って履かせていました。結果としてX脚を引き起こしています。さらには口呼吸を併発し、感染症でアトピー性皮膚炎もありました。しかし裸足で遊ぶことと、ひろのば体操を指導しただけでX脚は改善。何よりも大学病院では歩いてはいけないと宣告されていたにも関わらず運動ができるようになり、脊柱アライメントも正常に戻りました。そのことで口呼吸は改善。感染症もなくなりアトピーも改善してます。

すべてが足とは言いませんが、脊柱のアライメントがっ崩れることで様々な弊害を引き起こすことを知っておく必要もあります。解剖学的にはそれほど難しいことではありませんが、知らなければ理解することができないと思います。

 

 

足を安定させ正しい姿勢を取り戻すことは、一生自分の足で歩けることができるだけでなく、不正歯列や不正咬合の原因を取り除くことにもつながります。矯正治療と併用することでより良い結果を生むことができる可能性もあり、治療後の後戻りを予防することもできます。

口腔内環境を整えることで全身(内蔵)疾患の予防を行うことができます。

足の環境を整えることで整形(上下顎骨を含む)疾患を予防することができます。

両方アプローチすることが医科歯科連携であり、どちらが欠けても健康を手にすることは難しいと考えています。

 

 

 

 

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足ゆびからの咬合アプローチは、誰にでも簡単にできる方法です。足指の変形は姿勢を崩し、口呼吸・低位舌・睡眠態癖・歯列接触癖・顎関節機能障害を誘発することがあります。転倒による前歯の欠損を起こす方にもお勧めです。非侵襲性で患者様の負担が少なく、スタッフの方のブランディングにも最適です。

ひろのば体操考案者

NHKガッテン・NHKサキどりなどで特集が組まれ足育の第一人者として紹介された。福岡・東京を拠点として会員制トータルヘルスコンサルティングのほか、「足と姿勢と咬合理論」を世界中に普及させるために、日本国内のみならずニューヨークやバンコク等でも講演活動やセミナーを行っている。靴下だけで歯並びを変えたい!という想いでオリジナルブランドの「YOSHIRO SOCKS」の研究開発も行っている。

湯浅 慶朗
contact@yoshiroyuasa.com

ひろのば体操考案者 NHKガッテン・NHKサキどりなどで特集が組まれ足育の第一人者として紹介された。福岡・東京を拠点として会員制トータルヘルスコンサルティングのほか、「足と姿勢と咬合理論」を世界中に普及させるために、日本国内のみならずニューヨークやバンコク等でも講演活動やセミナーを行っている。靴下だけで歯並びを変えたい!という想いでオリジナルブランドの「YOSHIRO SOCKS」の研究開発も行っている。