あなたの足指は大丈夫!?足指の変形の分類

足指変形5つの種類

足指の変形、あなたはいくつ知っていますか? 外反母趾はよく知られていますが、それ以外にも内反小趾、寝指、屈み指、浮き指と全部で5つの足指変形の種類があります。これから、足指の変形をひとつずつ解説していきます。

まず自分の足や指を見てみよう

ほとんどの方が、自分の足や足指をじっくりと見たことがないのでは?と思います。爪を切るときくらいでしょうか。外反母趾は知っていても、浮き指や屈み指のことは知らないのでは?自分には関係ない、そう思っている方も多いと思います。しかしこれまで6万人以上の方の足指を見てきて、ほとんどの方が浮き指・屈み指・寝指になっています。

外反母趾

誰もが知っている足指の変形の代表格です。両足を揃えて、左右の親指の間にVの字の隙間ができます。そこに人差し指が、足指の付け根まで入ると「外反母趾」です。体を支える大黒柱。親指が曲がることで、足だけでなく体全体に力が入らなくなります。

外反母趾の図

内反小趾

ボールペンや定規などを小指側に当てて見ましょう。
爪のこところに隙間ができれば内反小指といいます。小指の付け根が赤かったり、小指の爪が小さかったり、薬指と小指の間にタコができていれば可能性が大きいですね。小指は体重が外側にかからないように制御しています。小指が使えていない人は、体重が外側にかかるので「O脚」になりやすいです。さらには体の左右差による「肩こり」や「首こり」も起こしやすくなります。

内反小趾の絵

寝指

小指や薬指が真横に寝転んでいたり、くの字に曲がっていたりすれば「寝指」です。
爪の向きを見ればわかりやすいと思います。親指に比べると、薬指や小指はないがしろにされやすいです。しかし手の小指がなければ、包丁を握ってものを着ることも難しくなります。野球のバットやゴルフクラブも同様で、小指がなければtからを入れることができません。足も同様ですが、小指が使えていない人は、まっすぐ立つことも歩くことも難しくなります。

屈み指(かがみゆび)

上から見ると2〜4指の爪が、真下を向いていたり、見えにくかったら「屈み指」です。
「かくれ屈み指」というものもあり、体重がかかった時だけ足指がギュッと曲がる人がいます。屈み指は足のブレーキです。屈み指のクセがついていると、常に体にブレーキがかかります。転びやすかったり、つまづきやすかったり。さらには体が疲れやすく、足のふくらはぎがパンパンになりやすいです。姿勢も猫背に近づき、歩き方に異変が出てくるのも「屈み指」のせいかも知れません。

浮き指(うきゆび)

➖小指の浮き指
名刺でも良いですが、小指の下に入れてスカスカ入るようであれば浮き指です。保育園調査でも3歳児の浮き指率は70%以上。歯科医院での調査では浮き指率は99%でした。

小指は一番弱い力で変形していく指です。チューブ型の靴下を履くだけでも、小指は少しずつ曲がっていきます。

➖親指の浮き指。
真正面から見て、爪が見えない状態、もしくは他の指の爪の向きと違って上に反り上がっている状態であれば浮き指です。靴下の親指の部分がいつも破れるという人はうきゆびの可能性が高いです。

足指変形と体の健康

足指が変形していると足だけではなく、体の様々なところに不調をきたします。ここからは、足指の変形によって起こる様々な事例をみていきます。

足指が曲がっていると全身に負担がかかる

私たちの体を支えているのは「足」です。
足がしっかりしていないと、体の機能まで働かなくなります。足のゆがみは、足指の変形から始まります。足指が曲がると、足首や膝に負担が出始めます。私の体を使った実験で明らかになりました。足首や膝への負担を減らすために、今度は別の場所に負担が出てきます。それが股関節・骨盤、さらにはその上に伸びている背骨まで影響が出るのです。背骨がSの字(側弯)になるのも、足指のせいかも知れません。さらには顔のゆがみや顎のズレまで引き起こすこともあります。こうしたゆがみや負担が、体の不調として現れてきます。

  • 足首の痛み
  • ひざ痛
  • 腰痛
  • 痺れ
  • 冷え
  • 股関節痛
  • 肩こり
  • 頭痛
  • めまい
  • 口呼吸
  • 成長痛ひざ痛
  • 腰痛
  • 痺れ
  • 冷え
  • 股関節痛
  • 肩こり
  • 頭痛
  • めまい
  • 口呼吸
  • 成長痛

など多岐にわたっています。

代表格の外反母趾は筋力の低下

外反母趾の原因は「ハイヒール」ではありません。靴の中で足が滑ることによる「足裏の筋力の低下」です。筋力というものは加齢により低下することがありますが、足指を使わないことによる筋力の低下もあります。足には多数の筋肉があるのですが、その中でも中足骨(ちゅうそくこつ)という「足指の付け根」から「足首」の部分まである長い骨同士を引っ張りあっている筋肉があります。それが骨間筋(こっかんきん)といいます。その筋肉の力が落ちてしまって骨同士を支えきれなくなった時に「足の幅」が広くなります。いわゆる「開帳足(かいちょうそく)」です。

そうなるとどうなるか。下の絵を見てもらうとわかりますが、小指の骨から出ている「母指内転筋(ぼしないてんきん)」という筋肉が親指の付け根を引っ張ってしまうのです。元々この筋肉は親指を閉じるためにあるのですが、足の幅が広がってしまうと母指内転筋(ぼしないてんきん)伸びきってしまうので、元に戻ろうとして親指を内側に引っ張ってしまうのです。それが長期間続いてしまうことで、親指がくの字に曲がってしまい「外反母趾」になるということです。簡単だったでしょ?

外反母趾は良くなるの?

理論的には筋力さえつけば親指はまっすぐになります。筋力をつけるといっても筋トレをするわけではありません。タオルギャザリングなども効果は期待できません。なぜなら病院勤務時代に5年間やってきたからです。装具療法も試しましたが効果はゼロです。病院での治療マニュアルがありますが、その内容は「現状維持」なので効果を期待しないほうが良いかと思います。それは全国どこの病院に行っても同じです。国が作ったマニュアルがあるので、診療というものはそれを元に進められています。それを外れると診療報酬がもらえないので、それから外れるわけにはいかないというのも本音ではあります。私はそんなリハビリが嫌で5年で退職しましたが、今では自分が好きなように治療を行なっているので効果が期待できるのです。
下の写真は外反母趾の方で2ヶ月後の変化です。

こちらも外反母趾の方で、1ヶ月後の変化です。

外反母趾の改善した症例は日本で一番多いのではないでしょうか?

これはひろのば体操による「外反母趾の痛み」の効果です。80%以上の方に効果が出ています。不変・悪化した方は、ひろのば体操の方法が間違っていたり、強くやりすぎていたりしている可能性が大きいので、方法をきちんと学ぶことも大切なことです。動画でわかりにくいのは「強さ」だと思いますが、直接やり方をお教えすると驚くほどに優しいことがわかるかと思います。痛み自体の改善はそれほど難しくはありません。ほとんどの場合は筋肉の炎症、もしくは仙腸関節の炎症なので、早い人であれば1週間もあれば痛みは治まります。難しいのは外反母趾の角度を変えることです。2パターンあるのですが、これはやはり思春期に運動をしていたかどうかで変わります。運動をしていた人は筋肉がつきやすいので外反母趾の角度が変わる人が多いのは否めないです。しかし外反母趾の角度を変えなくてもハイヒールは履けるようになるので、そこは期待してほしいと思います。

浮き指は良くなるの?

浮き指も改善します。浮き指の場合は筋力の低下ではないので改善するまで時間を要しません。

年齢に関係なく、リウマチの方であっても足指のケアを継続することで改善して行きます。関節の脱臼を起こしている場合には実際に拝見しないと難しい場合があります。

自宅でも簡単にできる足指変形の改善・予防

足指変形を改善・予防するのはそんなに難しいことではありません。ここからは、忙しいあなたが自宅でできる、足指変形の改善・予防方法を紹介していきます。

足指の変形を良くするにはどうすれば良いの?

足指の変形には「ひろのば体操」をオススメしています。下記に正しいやり方の動画をアップしています。やり方によって効果が大きく異なるので、良く見ながらしっかりと真似をして見て下さい。1日1回5分〜なのでカンタンに始められます。

YOSHIRO SOCKSも効果的

私が10年の歳月をかけて研究・開発した靴下があります。Made in Japanにこだわり、繊維の開発からスタートさせ、設計を見直しながら1年以上に及ぶ試作を繰り返し開発できた逸品です。履いて歩くだけで「ひろのば体操」と同じ効果があります。まるで湯浅慶朗がひろのば体操をしてくれているような心地よい感触です。

yoshiro socks

YOSHIRO STUDIOの真意

セルフケアを重要視しており、自分の体は自分で変えることができると信じています。そのため、初めてカウンセリングを受けられた方には、自分自身でどのようにすれば歩けるようになるのかを全て出し尽くします。そして希望を持って帰ってもらいます。これまで数万人の方々を見てきて、どうすれば短期間・短時間で歩けるようにあるのかを追求してきました。それを集約させたものがYUASA®︎ METHODなのです。

その中の一つに「ひろのば体操」がありますが、メソッドは数多くあります。しかし、初めてカウンセリングを受けられた方がわかるのは、今の体が「これまでの生活習慣の繰り返し」によって出来上がっているということ。つまりは「良いことをする」のではなく、「悪いことをしていたもの」を排除していくことなのです。その悪いことを見つけ出す作業こそが私の得意とすることです。そして皆さんが見る目を養うこと。

自分自身では「当たり前」と思ってやっていることが実は悪さをしていることがあります。歩けないのは、決して加齢のせいでも、筋力のせいでも、病気のせいでもありません。自分自身の「元に戻す力」を信じて欲しいと思います。ひろのば体操は、皆様の健康にとって必ず役立つツールの一つになると信じています。

湯浅 慶朗(ゆあさ よしろう)
contact@yoshiroyuasa.com

ひろのば体操の発明者。医療法人豊愛会 理事。豊北病院 通所リハビリテーションセンター長。足指研究所 所長。株式会社ハルメク 靴事業部アドバイザリー。Hand -Standing理論の発見者であり、足指研究の第一人者。東京大学で「ひろのば体操」をベースとした足指研究を行う。専門は運動生理学。のべ6万人以上の治療実績を持つ。テレビ出演は『NHKガッテン』『NHK BS 美と若さの新常識』『NHK サキどり』ほか多数出演、著書は『たった5分の「足指つかみ」で腰も背中も一生まがらない!』(PHP出版)など多数。