浮き指|原因・症状|自宅で改善できる足指トレーニングと魔法グッズの驚くべき効果

目次

浮き指とは?

浮き指とは、足圧がかかっていない足の指のこと。足の指 (多くの場合 2 番目の指) が地面から浮いたままになっている状態です。見た目上、地面から完全に浮いている人もいれば、足指自体は地面に接地しているけれど圧がかかっておらず、足指としての機能が発揮できていない方の方が多い傾向にあります。浮き指は初期段階で治療するのが最善であるため、症状を認識し、できるだけ早い時期に治療を受けることが重要です。浮き指の兆候に気付いた場合は、必要なケアのためにYOSHIRO STUDIOの足病理学療法オフィスにご連絡ください。

YOSHIRO STUDIOが行う浮き指の治療は、痛みを伴うこともなく、日常生活の制限などもございません。通常の靴を履きながらセルフケアで改善して行くようにアドバイスを行なっていきます。痛みを伴う場合には、AKA療法を併用しながら早期に痛みが取れるように施術を行なっていきます。

浮き指を判定するために考案した「ペーパーテスト」での判別方法

足底圧測定器であれば一目瞭然ですが、それ以外にもペーパーテストがあります。椅子に深く座った状態で膝を90度に曲げます。その状態で足指の下に薄い紙を敷き、足指で押さえます。裸足だと摩擦係数が高くて滑りにくくなるので、何か靴下を履いて行う方がベストです。この時に体を前かがみにさせたり、かかとを浮かせないように注意してください。そしてゆっくりと紙を引いていきます。もし簡単に紙が抜けるようであれば「浮き指」と判断します。全ての足指で試して見ましょう。

・座った状態で膝を90度に曲げる
・かかとを浮かせないようにする
・体を前に傾けない(背もたれにかける)
・素足では行わない

親指のペーパーテスト

一般的には「コピー用紙」「名刺」を親指の下に入れて、紙を親指で押さえてもらいます。

その紙を引っ張ってもらい、親指で押さえられていれば合格です。実際には90%くらいの方が紙を押さえることができないほど、親指の筋力は低下しています。かなり簡単なテストでありながら、転倒評価・足趾評価にも使えるので、多くの病院で採用してみて欲しいと思います。

小指のペーパーテスト

やり方は親指の浮き指の方法と同じです。「コピー用紙」「名刺」を小指の下に入れて、紙を小指で押さえてもらいます。その紙を引っ張ってもらい、小指で押さえられていれば合格です。

注意して欲しいのは、親指の場合も同じですが、体重をかけずに行うということです。足指の力だけでどれくらい紙を押さえられるかを判定しましょう。

足底圧測定器での浮き指の判別方法

足指に圧がかかっていないため、足指が写っていません。全ての指が浮き指ということ。そのため、後方に65.5%の体重がかかり、かかと重心になっています。猫背や反り腰、O脚になりやすいと推測できます。

こちらも足指に圧がかかっていないため、足指が写っていません。全ての指が浮き指。そのため、後方に55.5%の体重がかかり、若干かかと重心になっています。猫背や反り腰、O脚になりやすいと推測できます。

浮き指を写真で判別する方法

親指の浮き指

正面から写真を撮影するとわかりやすいですが、親指の爪が見えなくなっています。これが親指の浮き指です。親指の浮き指は巻き爪・X脚・腰痛になりやすいので注意が必要です。

小指の浮指

真横から小指を見てみましょう。地面から小指が離れているのが、小指の浮き指です。外側重心になりやすいため、捻挫・O脚・膝痛・股関節痛などを引き起こしやすいので注意が必要です。

浮き指になるとどうなる?

浮き指になると立った時に「踵重心」になります。理想的な重心割合は前方に50%、後方に50%と言われていますが、浮き指の方は前方に30~40%、後方に60~70%の体重が乗ります。そうなると踵だけでバランスをとるような形になるので、上体を反らせたり(反り腰)曲げたりして(猫背)バランスを取ろうとします。姿勢反射とか立ち直り反応と呼ばれる体に備わった機能の一つです。そしてその状態が慢性的に続くと背中や腰の筋肉が過緊張を起こしたままとなるので、腰痛や首こり、肩こりを起こすようになります。ストレートネックと呼ばれるものもこれが原因です。口呼吸・歯並びが悪くな理やすいので注意が必要です。

浮き指の弊害について

浮き指の原因は?

浮き指の状態では、足の指の 1 つが正常に地面に着かなくなります。この問題が起こる理由としては、通常、次の3つが考えられます。

1.外反母趾とハンマートゥ

外反母趾(外反母趾)は、足病医にとって必須の疾患です。これらは、足の親指の関節が徐々に所定の位置からずれていくときに、足の親指の関節の外側に形成される「骨の隆起」です。

重度の外反母趾は、ハンマートゥを引き起こす可能性があります。これは、小指の中央関節が所定の位置から曲がり始めることです。治療せずに放置すると、「曲がった」関節が硬くなって固定され、影響を受けた足の指が永久に浮いたままになる可能性があります。第 2 趾が浮き上がると、第 3 趾または第 4 趾がハンマートゥになるリスクが高まり、ハンマートゥから浮き指に移行する方も多くみられます。

2.クロウトゥ(かぎ爪)

「かぎ爪」は、浮き指ほどバランスに影響を与えないため、「軽度の変形」とみなされます。近位指節間関節 (第 1 趾の骨と第 2 趾の骨の間にある関節) が上方に曲がり始めるときに発生します。そうすると、熊の爪のように見えます。

かぎ爪が進行すると、浮き指になる可能性があります。第2趾の基節骨が大きく曲がりすぎると、足の指の先端が垂れ下がった状態になります。さらに、第 2 趾が浮いていると、第 3、第 4、第 5 趾がかぎ爪状に丸まってしまう可能性が高くなります。

3.手術後の浮き足指

屈み指(ハンマートゥ)自体が浮き指に移行する可能性があります。ただし、治療法が原因である場合もあります。この場合、ワイル骨切り術、関節切除術、関節固定術などの手術が、浮き指を引き起こす可能性があります。

ワイル骨切り術は、足病学の分野で最も一般的な足の手術の 1 つです。通常、それらは非常に安全ですが、合併症は発生します。手術自体は、中足骨の 1 つをわずかに短くするのですが、これにより中足骨がハンマートゥに「曲がる」のを防ぎます。

ただし、ハンマートゥの手術中に、外科医は屈筋靱帯や骨を少し短くしすぎることがあります。結果として生じる足指は短すぎて床に触れることができず、浮きつま先につながります。

4.浮き指と足底腱膜の損傷

足底腱膜は、足の裏にある硬い軟骨の層で、足指と足を結合します。事故や重度の捻挫によってこの腱膜が裂けると、足底腱膜が緊張して、足底腱膜に付着しているすべての筋肉、靱帯、腱が引っ張られます。これにより、つま先が上に引っ張られ、浮き指になることがあります。

5.靴の履き方

浮き指の原因は、ほとんどの場合、サイズが大きすぎる靴(スニーカーやパンプス)や紐が緩いなど履物の中での滑りが原因です。また、固定するものがない履物であるスリッパ、つっかけ、長靴、下駄、草履、サンダルなど足と履物を固定するものがないものを履き続けることでも起こります。

サイズが合わない靴を履いている

中敷を取り出して、その上に足を乗せてみましょう。親指や小指が中敷からはみ出していると、靴に圧迫されて足指が使いにくい状態になり、親指や小指の浮き指になりやすくなります。

紐やマジックテープで固定していない

靴を履いた状態で、マジックテープや紐に人差し指を入れてみましょう。人差し指が入るようであれば締め方が足りません。靴の中で足が滑るので浮き指になりやすくなります。

浮き足指は矯正できるのでしょうか?

浮き指の治療には 2 つの方法があります。手術で治す方法と、侵襲性の低い技術で治す方法です。どちらが優れているというわけではありません。正しい選択は、問題の程度、それが引き起こしている他の問題、および他の足指の変形があるかどうかによって異なります。ほとんどの場合には、低侵襲な「足指体操」と「矯正靴下」で解決することができます。

浮き指の外科的矯正

「手術で治す」というと、簡単な解決策のように聞こえることがよくあります。浮き指に関しては、答えがそれほど単純であることはほとんどありません。浮き指を修復するには、足指に少し(数ミリでも)余分な長さを加える必要があります。極端な場合には、骨移植を行って伸筋靱帯を延長することもあります。これにより、再発を防ぐことができます。

いずれにしても、中足骨を短縮したり、2 つの関節を融合したりするよりも、はるかにハイテクで繊細な処置です。すでにその足指を手術したことがある場合、既存の瘢痕組織がさらなるハードルを生み出します。複数の指が影響を受ける場合、手術は著しく複雑になります。

浮き指の管理

浮き指に対する非侵襲的管理は、これまでほとんどの病院では治療することができませんでした。テーピングと理学療法を組み合わせると、浮いた足指を地面に着地させることができます。

もう少し高度な治療オプションをお探しの場合は、カスタムの矯正インソールまたは「矯正靴下」も浮き指の管理に役立ち、浮き指の進行を防ぐことができ、手術よりもはるかに低侵襲でカンタンです。

浮き指を改善させる足指体操と矯正靴下

私が推奨している浮き指を改善させる治療は、魔法の靴下「YOSHIRO SOCKS」と「ひろのば体操」です。YOSHIRO SOCKSは日中履けない方でも、就寝中や炊事のときに履くだけでも効果があります。ひろのば体操は5分間行うだけでも浮き指が44%改善します。長期的に続けることにより保育園での浮き指率は9%まで減少しています。浮き指が改善すると姿勢が良くなり、それとともに腰痛やひざ痛が改善していきます。足指を矯正するための靴下を併用するとさらに効果的です。

浮き指を改善させる矯正インソールと矯正靴

私が推奨している浮き指を改善させるインソールと靴は、「YOSHIRO INSOLE」と「YOSHIRO SHOES」です。YOSHIRO INSOLEはハンドメイドのインソールで、ひろのば体操・YOSHIRO SOCKSを併用することで、矯正速度が6倍以上に速くなるメリットがあります。YOSHIRO SHOESはハルメクと開発した矯正靴で、YOSHIRO INSOLEが標準装備されています。

YOSHIRO INSOLE

YOSHIRO SHOES

浮き指が改善した方の体験談1

Before

右の親指が上に反り上がっています。左の2・3指が地面から離れています。

After

ひろのば体操+YOSHIRO SOCKSで浮き指が改善しました。

 

後ろからの姿勢

若干ですが、O脚だった両膝がつくようになりました。

横からの姿勢

反り腰が強かったのですが、改善しています。

Iさん

23歳で手足が痛むようになり、病院でリウマチと診断されました。足の痛みが特にひどく、歩くときはつま先を浮かせてかかとで歩いていました。無理な姿勢を続けたせいで腰痛やひざ痛、O脚に。義母から私を紹介されカウンセリングにいらっしゃいました。ひろのば体操を続けて5ヶ月後には浮き指が治り、しっかり地面を蹴って歩けるようになりました。手足の痛みも消え「22kgある小学3年生の娘を抱っこでき、幸せをかみしめています」と嬉しいご報告をいただきました。

浮き指が改善した方の体験談2

Before

After

Before

After

Sさん

整形外科では半月板が切れ、内側側副靱帯が伸びていると診断されました。両膝が痛み正座もできない状態でした。湯浅先生に治療をしてもらい、家ではひろのば体操を毎日行っていると、徐々に膝の痛みがなくなり、今では正座もできるようになりました!

浮き指の改善例

最後に

浮指の原因は、サイズが大きすぎる靴(スニーカーやパンプス)や紐が緩いなど履物の中での「滑り」が原因です。また、固定するものがない履物であるスリッパ、長靴など足と履物を固定するものがないものを履き続けることでも起こります。足が靴の中で滑ってしまうと、履物を足指を浮かせることで固定しようとすることにあります。なるべく家の中ではスリッパを脱いで、靴下も履かないようにしましょう

 

参考文献

1) 恒屋昌一,臼井永男:健常成人における直立時の足趾接地の実態.理学療法学,2006, 33(1): 30-37.
2) 内田俊彦,藤原和朗,佐々木克則・他:幼稚園児の足型計測.靴の医学,2002, 16: 96-99.
3) 酒向俊治,杉浦弘通,山崎伸一・他:若年成人にみられる浮き趾の重心動揺に及ぼす影響について.理学療法学,2008, 35(Suppl): 1445.
4) 大貫信子,鷲田孝保,成田麻実・他:幼児の外遊び量と浮き趾出現の比較.作業療法,2004, 24(5): 461-473.
5) 原田碩三:幼児の1980年と2000年の足について.靴の医学,2001, 15: 14-18.
6) 内田俊彦,藤原和朗,高岡 淳・他:小学校5,6年生の足型計測.靴の医学,2001, 15: 19-23.
7) 矢作 毅,根本光明,福山勝彦:草履を中心とした浮き趾の治療および腰痛の改善について.靴の医学,2004, 18(2): 65-71.
8) Friend G: Correction of latrogenic floating toe following resection of the proximal phalanx. Clin Podiat Med Surg, 1986, 3: 57-64.
9) Lawrence BR, Papier MJ: Implant arthroplasty of the lesser metatarsophalangeal joint-a modified technique. J Foot Surg, 1980, 19: 16-18.
10) Miguis A, Slullitel G, Bilbao Çe, et al.: Floating toe deformity as a complication of the Weil osteotomy. Foot Ancle Int, 2004, 25(9): 609-613.
11) Hofstaetter SG, Hofstaetter JG, Petroutsas JA, et al.: The weil osteotomy: a seven year follow up. J Bone Joint Surg, 2005, 87(11): 1507-1512.
12) 村田 伸,忽那龍雄:足把持力測定の試み.理学療法科学,2002, 17(4): 243-247.
13) 村田 伸,忽那龍雄:足把持力に影響を及ぼす因子と足把持力の予測.理学療法科学,2003, 18(4): 207-212.
14) 山口光国,入谷 誠,大野範夫・他:片脚起立時の足趾屈筋群の役割について.運動生理,1989, 4(2): 65-69.
15) 木村 愛,平岡由唯,青木主税:足趾機能が動的バランスに与える影響.理学療法学,2007, 34(Suppl): 1220.
16) 福山勝彦,小山内正博,上野詠子・他:足底画像と足趾筋力および前方重心移動能力の関係.理学療法学,2007, 34(Suppl): 247.
17) 長谷川正哉,山本拓哉,田原岳冶・他:足趾接地状態の不良と身体機能の関連性について.理学療法学,2008, 35(Suppl): 578.
18) 加辺憲人,黒澤和生,西田裕介・他:足趾が動的姿勢制御に果たす役割に関する研究.理学療法科学,2004, 17(3): 199-204.
19) 辻野綾子,田中則子:足趾圧迫力と前方リーチ動作時の足圧中心位置の関係.理学療法科学,2007, 22(2): 245-248.
20) 半田幸子,堀内邦雄,青木一夫:足趾把持筋力の測定と立位姿勢調整に及ぼす影響の研究.人間工学,2004, 40(3): 139-147.
21) Kapandji IA:カパンディの関節生理学 II.荻島秀男,嶋田智明(訳)医歯薬出版,東京,1998, pp238-239.
22) 細田昌孝,松田雅弘,磯崎弘司・他:足底感覚と平衡機能.理学療法 2006, 23(9): 1246-1253.
23) Foudriat BA, Di Fabio RP, Anderson JH: Sensory organization of balance responses in children 3-6 years of age: a normative study with diagnostic implications. Int J Pediatr Otorhinolaryngol, 1993, 27: 255-271.

湯浅慶朗
足指博士(理学療法士)
足指研究の第一人者。足指研究所所長。日本足趾筋機能療法学会理事長。ひろのば体操、YOSHIRO SOCKS、YOSHIRO INSOLE、ハルメク靴の開発者。東京大学や国際医療福祉大学で研究を行う。元医療法人社団一般病院理事・副院長・診療部長・通所リハビリテーションセンター長。テレビ出演は『ガイアの夜明け』『NHKガッテン』『NHK BS 美と若さの新常識』『NHK サキどり』ほか多数出演、著書は『たった5分の「足指つかみ」で腰も背中も一生まがらない!』(PHP出版)など著書多数。ハルメクとオシャレな矯正靴を共同開発しています。
目次
error: Content is protected !!